えっちがしたいTS欠損強化人間少女はえっちができない   作:大利トーリ

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へいわな週末エンジョイ計画

 

 

 

 さてさてそんなわけで……自分の内なる野望に近づくべく、闘志とかそんな感じの感覚を研ぎ澄ませていたところ、あっという間に週末が来ましたね。

 

 本日の本科は午前中だけ、訓練を終えたら解散からの『おやすみ』に突入する、いわゆる『半ドン』というやつである。

 ただでさえ休日直前でテンション上がろうというものなのに、私は今週末ついにアレのアレをアレしてムフフする予定が入っているので、そりゃもう7割増で盛り上がっております。

 

 

 そんな私の内心の『盛り上がり』っぷりは、どうやら本科の訓練のほうにも発揮されたようで……まあ訓練で模擬戦とかやってたんですけど、私の対戦相手のほとんどは5秒と立っていませんでした。

 試合開始と同時に全力突貫、相手をビビらせ動きを封じると同時に、訓練弾のゼロ距離斉射。もしくは足払い。もしくは背後を取っての前蹴り一発。教官や観覧者の誰彼からも、まったくもって非常識な戦闘機動だと大絶賛(だいひんしゅく)である。

 

 そんな中、イーダミフくんは私相手になんと10秒近く足掻いて見せたので、やっぱりこの子は上手いと思う。

 まあ最後には土つけてやったんだけど。残念ながら私に勝つのは百八年ほど早いのだ。

 

 

 

「んうう……がっこ、おわりっ!!」

 

「もう呆れることしか出来ん……」

 

「すごかったですねぇ、本当……」

 

 

 訓練中いい子で待っててくれたシスとアウラと合流し、私達は格納庫棟を後にする。例によって多くの視線を集めている気はするが、私の気迫が尋常じゃないせいか、いつもよりかは声をかけられることは少ないようだ。

 

 

――――それにしても、容赦なかったねぇ。かわいそうに。

 

(うるるる……えっちの邪魔はさせない……)

 

――――うーわ、えっちバーサーカーこわ。

 

(ガオーン!!)

 

 

 ともあれこれで、今週の訓練科目は全て終了である。これより1日半のお休みに突入するわけなので、つまりは待ちに待った週末の『おたのしみ』が始まるのだ。

 

 気になるその内容を具体的に説明するならば……まずは一旦おうちに帰って、お出かけ用の装いにドレスチェンジ。しかる後に『おでかけセット』を携え、ちょっといい感じのホテルにチェックイン。

 おいしいものを食べたり、街をぶらぶら散策してみたり、なんかいい感じのアレコレで時間を潰しつつ……陽が落ちたあたりで、満を持して『ソロライブ』をおっ始める。

 

 そこからは……まあ、ね。ここは全年齢だからね、詳しくはとてもとても説明できないけど、まぁつまりは()()()()()()だよね。

 まったく、かんぺきなさくせんだぜ。

 

 

 

「では、先日お話しした通りに。アウラちゃんとシスちゃんのことは、私たちに任せてください。お預かりしますね」

 

「どうせ近々また遠征なのだろう、今日明日くらい羽根を伸ばしておくが良い」

 

「えっ? イーダくん、いたの?」

 

「ああ居たとも。機甲課の訓練上がりだからな」

 

「ぅや、こっち、私達のおうち。このへん、家族向け、の、ところ」

 

「……………………帰路だ」

 

「へ、へえー」

 

 

 おうちの前でイーダくんと別れて、私達4人は帰宅を果たす。

 しかし私は華麗にドレスチェンジを遂げると、週末お出かけ作戦用の荷物を引っ提げ、すぐさま再出撃の構えだ。

 

 いつもの『ぴしっ』としていながらも可愛らしい制服姿ではなく、服飾店のおばちゃんに見繕ってもらった『よそ行き』用の装い。

 清楚な白のブラウスと軽めのカーディガン、膝丈くらいのレイヤードスカート。なおこれらのアイテム名には全て後ろに『のようなもの』が付くものとする。

 

 そうして出来上がったのは……まあ、見た目だけなら完璧な美少女なのではなかろうか。

 さらさらの白髪ロングストレート、幼いながらも整った顔立ちと柔らかなほっぺた。義眼が入って可動義腕も付いたことで、外観的な痛々しさは大きく軽減されているはずだ。……まぁ『ぽろり』は気を付けなきゃだけど。

 

 

(かわいい?)

 

――――もちろん。

 

(うひゃー)

 

 

 そんなかわいい私は、同じく可愛らしい同居人たちに見送られ、意気揚々とおうちを後にする。……ついに作戦決行のときである。

 目的地はズバリ、首都であるシュトの中心街。以前一度威力偵察に行ってみたものの、予算不足によりヒンヒン泣きながら撤退を余儀なくされた、あのあたりだ。

 

 

 おうちから最寄りの駅に向かうまでの道中も、そしてトラムに揺られている間も、やはりというか多くのひとの目線を一身に受けていた。

 今日が週末であり、私と同様に街へと繰り出す者が多いというのもあるのだろう。車両はそれなりに混んでいたが、幸いなことに座席へと腰を落ち着けることができた。

 

 周囲を見回してみると、やはり士官学校および軍部の関係者の姿も、それなりに多い。

 どう見ても『よそ行き』の可愛い格好をしている私を見せつけ、それによって『週末の休日を満喫している』印象を与えるという作戦は、恐らく成功することだろう。

 

 

 なので……あとは実際に、ばっちり『おたのしみ』するだけだ。

 待ちに待った一人(ふたり)っきりのプライベート空間……私は今夜こそ一線を越え、オトナの仲間入りを果たすのだ!

 

 

 

――――ひとりえっちしただけでオトナになれると思ってるんだ……?

 

(いやそのえーと……まあ実際べつにそういうわけじゃないかもしれないですけど、まあ近づくことは確かかなって思いましてですね、はい)

 

――――日ごろの立ちふるまいとか、あとしゃべり方とか、もっとジーナちゃん見習ったほうがいいよ?

 

(いま冷や水浴びせるのやめて! せっかく盛り上がってるとこなんだから!)

 

――――ぬぇー。

 

 

 頭の中に直接響く相棒からの茶々入れに、思わず『むすっ』としかめっ面になりそうになるが……しかし気合を入れ直す。きょうは楽しい休日なのだ。

 

 トラムを降りて、大通りを歩いて、非常に目立つ真っ白な長髪を歩みとともに弾ませながら、先んじて情報収集を行っておいた目的地へ。

 私の求める『ソロライブ』に必要な要素を備えながら、それでいて予算的にも射程圏内でありながら、純粋に良さそうなお部屋の宿(ホテル)にご到着である。

 

 

 

「いらっしゃいませ、お嬢様。いかがなされましたか?」

 

「えっ? あっ、いえ、いかが、というか……お部屋、きょう、あります、か?」

 

――――えっ? ちょ、あの、予約とかって……。

 

(えっ? い、いや、してない、けど……だめ?)

 

――――いや、だめっていうか…………いや、その……。

 

「…………どなたかのお連れ様……では、ございませんか?」

 

「はいっ。私、ひとり、ですっ」

 

「………………親御さんは……お近くに居られますか?」

 

「いえっ。いない、ですっ」

 

「………………大変、申し訳ないのですが――」

 

「え……えっ!? だめ……!?」

 

 

 フロントのひとに聞いてみたが、なかなかどうして要領を得ない。私はお部屋の空きがあるか無いかを聞きたいのに、なぜか『誰かのお連れ様なのか』だとか『親はどこか』なんて聞かれる始末である。

 この世界には『電話』なんて無いし、軍用以外のそういう通信関係は私にはよくわからない。そのため事前予約とかもしておらず、つまり完全に飛び込みにはなるわけだが……しかしまだまだ日も高いし、イケるかなって思ったのだが。

 

 

――――いや、『なぜか』っていうか……わかるでしょ、ふつうに考えて。

 

(えっ? な、なあに……?)

 

――――だって、ファオ……自分の『見た目』ちゃんと認識してる? どう見てもただの『おすまししたお嬢さま』だよ?

 

(ま、まあ……たしかにそう、だね?)

 

――――お嬢さまなのに『おつき』も連れずにひとりだし……そりゃ「親はどこ」ってきかれるの、ふつうの当たり前だよ? ファオはちっちゃいし、きれいな服着てたら軍人さんにはとても見えないし。

 

(………………はっ!?)

 

 

 

 

 幸いなことに持ってきていた士官学校の在籍章と、日頃から携行を意識している私の『特課少尉』の階級章。

 私がちゃんと一人(いちにん)(まえ)であることを証明する身分証を提示することで、ようやく話を前に進めることができた。

 

 確かに……たしかに、見た目だけではただの小柄白髪少女なのかもしれないが、私は(これでも)れっきとした軍人さん(見習い)であり、そしてこれは正当な手続きを経て手に入れた合法的な身分なのだ。

 

 

 フロントのお兄さんにはしきりに謝られたけど……いやいや、落ち着いて考えたら私が意味不明すぎたもんな。むしろこっちが「ごめんなさい」しなきゃいけないくらいだ。

 

 

 しかしまあ、そもそもこのへんの宿は比較的ハイクラスなものばかりだろう。紹介やコネクションのみとか、事前予約のみ当日お断りとかでもおかしくなかったのだ。

 

 無事に飛び込みチェックインできたことだし、とても運がよかったということにしよう。結果良ければ全てよし、だ。

 

 

 

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