モンストのキャラがいる異世界に転生した奴の話 作:otomo3956
はぁ、どこだよここ。
空はオレンジ色に染まり、見渡す限りの木、そして時折鳥の鳴き声が聞こえてくる。疲れ果てた体にムチを打ち、それでも俺は歩き続ける。人を求めて。
高校3年生の春、俺こと大野 幸之助(オオノ コウノスケ)は何事も後回しにしてしまいう性格で受験生という立場でありながら惰眠を貪っていた。もちろん、模試の結果も散々なものだった。そんな中、一番最初の三者面談を迎えた。
先生「現時点での時点の学力では、はっきり言って大学進学は夢のまた夢です」
母「そうですか、やはり就職の道しかないんでしょうか」
胸が傷んだ。
入学したては、勉強の意欲で溢れていたのに、そんな意欲は最近では空っぽだった。買った分厚い参考書も数ページしか進んでいない。
どうしてこうなってしまったのだろう。
俺はどうしようもなく今の自分を捨てたくなった。どんどん自分に対する憎悪が溢れてくる。
先生「いや、そうと決まったわけではありません。もしかしたら今から勉強して、受験に間に合うかもしれないし、間に合わないかもしれません。それは幸之助くん次第です」
俺はその言葉を聞いてから、生活を改めた。今まで2時に寝ていたのを、11時に変え、4時に起きる生活を体に叩き込んだ。もちろん、時間はすべて勉強に当てた。
だが、時折娯楽に目移りしてしまうことがある。
だから、俺は覚悟を決めた。小さい頃から父親とやっていた、思い出深いモンストを消す覚悟を。
そして気づいたら、知らない場所にいた。
俺はいわゆる異世界転生なるものをした。しかし運の悪いことに人の気配がまったくない、森の中に転生をしてしまった。俺はひどく恐れた。今まで感じることがなく、どこか遠い存在だった死が、今は手が届くところまで近づいてきている。だが何故か俺はこんな絶望的状況でありながらも生きることを諦めたくなかった。おそらく、今まで使うことのなかった生きることに対する本能が目を覚ましたんだろう。俺はそんな本能に従い、人を求めて森を彷徨い始めた。
そして現在に至る。
あの時から、状況は死への道を着々と辿っていた。
そしたら遠くの方から潮の匂いが漂ってきた。俺は、一心不乱に匂いがする方へ走った。
しばらく走っていると、開けた場所に出た。
思ったとおりだ。
目の前には、夕日に照らされ、赤く輝いている海があった。普通こういう水は飲んではいけないのだろうけど、そんなこと考える余裕はなかった。俺は目の前にある水を飲み始めた。
すると、なにかの足音がこちらに近づいてくるのが聞こえた。俺は、すぐに振り向いた。
そしてそこには、
モンストのモーセがいた。
大事なことなのでもう一度言おう。
モーセがいた。
あのモンストの・・・・・は?
前の世界で、モーセは俺が愛用しているキャラの一人だった。
そんなキャラが今目の前にいる。
そんな嘘みたいな状況に困惑していると、モーセが口を開いた。
モーセ「やぁ、久しぶりだね、マスター。いや、現実では初めて合うからはじめましてかな」
モーセは、微笑みながらそういった。
そんな感じで来られても困るのだが、
俺「は、はじめまして」
一応、挨拶は返しておいた。
俺「一応聞くけど、モーセだよね?」
モーセ「そうだよ」
俺「俺が愛用していた?」
モーセ「そう、君が愛用していたモーセだよ」
うん、やっぱりモーセだった。
俺は一つの疑問が浮かんだ
俺「それで、なんでこんなとこいんの」
モーセ「・・・それは僕が聞きたいよ、僕はこの海を眺めに来ただけなんだから」
俺「そんな事言われても、俺も気づいたらここにいた感じなんだよ、てかモーセって現実にいたんだ」
モーセ「5年前くらいかな、僕達はもともと別の場所にいたんだけど、気づいたら君と同じようにこっちの世界に飛ばされていたっていうわけさ、会えて嬉しいよマスター」
やだ、イケメン・・・
てことは、俺は今まで実際に存在したキャラを操作していたのか、なんか下手なプレイしてごめんなさい。
てか、今
俺「僕達って言った?」
モーセ「ああ、僕以外にもたくさんこっちにきているからね」
まじか、モーセ以外にもいんのか。ちょっと楽しみだな。
俺はこれから合うであろうキャラたちに期待で胸を膨らませた。
モーセ「あ、そうだ。ここの水、飲んでいたけど大丈夫かい? ここの水あんまりきれいとは言えないから」
俺「え、うそ、飲んじゃった、なんかお腹が痛いような、」
そこで俺は飲んだ水にあたり、意識を失った。
〜〜〜〜〜〜〜〜
目が覚めたら、知らない部屋にいた。窓から差し込む光が眩しい。
頭の中に知らない、知識がある。
『バフスキル』?
俺は知らない間に、新しい能力を手にしていた。知識によると対象及び自分に対しバフをかけることができる能力で、使えるバフは、今は攻撃力上昇と自然治癒のみだがこれから増えていくらしい。
それにしても、一体どれくらい寝ていたのだろうか。俺は体を起こし、近くにある窓から外を眺めた。
いや、どこだよここ
そこには、見慣れた日本の家やビルなどはなく中世ヨーロッパを感じさせる町並みが広がっていた。また、街を歩く人々は尻尾の生えた者、羽が生えている者など様々であった。たまに、見たことある人を見かけるが、めんどくさそうなので無視でいいだろう。
すると、後ろの方から扉をノックする音が聞こえた。
???「しっつれいしま~す!!」
うるさっ
???「おはようございますっ!マスター!」
え?
俺「もしかしてだけど、ナイチンゲール?」
ナイチンゲール「はいっ!ナイチンゲールです!!」
そういえば、モーセ以外にもいるって言ってたこと忘れてた。それにしても、モンストのキャラは顔面偏差値の平均が高すぎやしないかい。ナイチンゲールの顔を直視できない。
ナイチンゲール「・・・・・ますたー?どうして顔を背けるの?」
ナイチンゲールの目からハイライトが消えた。こころなしか部屋の温度もぐんと下がったような気がする。
なんで、ヤンデレになっているのこの子は?
ナイチンゲール「やっぱり、私はもういらない存在なんだね・・・」
うん、いや、アンインストールしたのはしょうがなくない?覚悟を決めて勉強するにはさ。
俺「いや、受験だったから・・・」
ナイチンゲール「じゅけん?何それ。私よりそんなものの方が大事だっていうの?きっとマスターは、重いびょーきにかかってるんだよ。私が治さないと・・・」
そう言ったナイチンゲールは持っていたバッグから何かを取り出し始めた。
俺「ん?ナイチンゲール?そんな大きな注射器を取り出してどうしたんだい?そしてなぜ、針先をこちらに向けるんだい?先端恐怖症になってしまいそうだよ。・・・なんか近づいてきていないか?おいおい、ちょっ待てナイチンゲール!一回止まってくれ、俺が悪かったから!な!ちょっと、まっ、あっ・・・」
ナイチンゲール「ふふふふふふふ」
ナイチンゲールは俺めがけて、注射器をブッ刺した。
ナイチンゲールのファンには先に謝っておく。
今からナイチンゲールのお説教が決定した。
俺「ふふふふ、ナイチンゲールそこに正座だ」
ナイチンゲール「え?な、なんd「正座だ」はい・・・」
俺「さて、ナイチンゲール、なんで俺がキレてるかわかるか?」
ナイチンゲール「は、はい。ま、マスターに注射器を刺しちゃったからです」
俺「君の職業はなんだ?」
ナイチンゲール「看護師です・・・」
俺「そうだよね?看護師だよね?看護師が人を治すための医療器具を人を傷つけるために、使ってもいいと思っているの?てか、普通に注射器ぶっ刺してくるとか、君の倫理観どうなってるの?心のノート読んだ方がいいよ」
ナイチンゲール「ご、ごめんなさい〜!」
ナイチンゲールは部屋から飛び出した。少し言いすぎたかもしれないが、2度とあんなことを起こさせるわけにわにはいかないからしょうがない。
彼女には、少しばかり反省をしてもらおう。
するとナイチンゲールが出て行った扉からモーセが入って来た。
モーセ「ナイチンゲールとなんかあったかい?」
俺「ちょっと、注射器について色々と」
少しの間、沈黙が場を包む
モーセ「・・・そ、そんなことよりもっと他の人に会ってみたいと思わないかい?」
俺「思う!!」
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