TS転生することは幸せと呼べるのだろうか   作:Rei_rei

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"完璧"に固執する理由

 

6月になった。どうやらうちの学校では6月に体力テストが行われるらしい。体力テストねぇ……実を言うとそこまで好きではない。

 

 

なぜかというと、正直に言って今世の私のスペックもそこまで高くない。あくまでも、幼少期からの努力と前世の記憶というアドバンテージによるものなのだ。まあつまり、私は嫉妬しているんだろうな。私のように前世の知識というアドバンテージもないのに、その肉体のスペック、センスだけで私の記録を超えていってしまうことに。

 

 

 

体力テストだけではないけれど、目に見えて記録が出てしまうので、特に体力テストに対しての苦手意識があるのだろう。まあ、お前だって前世の知識(他人にはないもの)があるだろうと言われればそれまでだが。

 

 

こうやって自分のことを考えていると、自分の醜い部分がどんどん浮き彫りになっていくようだ。まあ、これに関してはもう分かっていたことだけど。結局、私は他人に負けたくないんだ。人よりも優れていたい。人に見せびらかす訳ではないが、自分の方が勝っていると、そう認識したいんだろうね。我ながらなんて酷い考えなんだろうか。だからと言って今さらどうしようもないけど。

 

 

だから完璧でありたがる。誰にも、どんなことでも負けたくないから。

 

 

それくらいなら、まだ救いようもあったかもしれない。けど、私が"完璧"であることにこだわるのは、決して負けず嫌いだからだけではなくて――

 

 

 

 

 

 

 

こういった自分の内面を、他者に好意的に思われる外面で覆い隠してしまおうと、そういう狙いなんだ。本当にどうしようもない。当然私が救いようのない奴だということは自覚している。でも、もう止まれないんだ。片道切符の列車(新しい人生)は、既に出発してしまったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、体力テストに話を戻そう。体力テストの種目は握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、立ち幅跳び、シャトルラン、50m走、ハンドボール投げの8種目。まあ女子の中では1番だと思うけど、油断はしない。確実に、1位を取りに行く。……そういう風に記録を競うものではないとは、分かっているけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

全種目が終わり、記録が出た。

 

 

「うん、まあまあ良い感じかな」

 

 

「凛、凄かったじゃん!男子よりも良い記録出てるんじゃないの!?」

 

 

早紀が駆け寄ってくる。ああ、そうか。私の記録は早紀が数えていたし、私の記録を把握してるのか。ちなみに私の記録は、

 

握力:28kg

上体起こし:27回

長座体前屈:57cm

反復横跳び:57回

立ち幅跳び:210cm

シャトルラン:121回

50m走:6.9秒

ハンドボール投げ:21m

 

と、まあ平均よりも結構上回っている。もういつから始めたか分からない、日課となっているジョギングのおかげで、シャトルランは学年で2位だったらしい。いや、男子も込みとは言えなんでこれで1位じゃないの。はぁ、次は1位にならないと…。

 

 

「あ、凛。早紀は結果知ってるみたいだけど記録どうだった?」

 

 

「こんな感じだったよ」

 

 

と言って、記録が書かれた紙を見せる。

 

 

「凄いね、私は運動苦手だから……」

 

 

「苦手って言う割には、平均は下回ってないし十分だと思うよ?」

 

 

「そっか、そうだね」

 

 

……よく考えたら、記録の良い人がこんなこと言ったらただの嫌味になっちゃうね。言葉はちゃんと選ばないとな。さっきはそう捉えられなかったみたいで良かったけど。

 

 

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