ハリー・ポッター ヴォルデモート部分殺害RTA 二重スパイチャート 作:永熊 詩人奈
立って歩け、前へ進め、あんたには立派なチャートがあるじゃないか。なRTA続けていきます。
前回はホグワーツに就職するところまでやりました。
ホグワーツはこれからのホームになります。交友関係などには適度に気を配っておいた方が今後のためになるので、まずはダンブルドアに挨拶をしに行きましょう。
「――――久しぶりじゃのうハワード」
ダンブルドア君オッスオッス。約束通り戻ってきましたよ。
だいぶおじいちゃんになりましたね。ですが彼はまだ変身術の教授です。
「やりたいことは出来たかの?」
まだ達成したわけじゃないんですけど、私がここに来た理由は……多分あと10年もすればわかると思いますよ(倍速の予感)。
適当に話してみた感じ、特に違和感はなさそうですが、おそらく卒業時点と比べても目立った変化はないんじゃないかな?(ガバガバ目視)
えーと、他に挨拶しておく人は……一応スラグホーンにもしておきますか。
魔法薬学の成績はスラグホーンが担当した中ではホモ君が最優秀だったので、きっとホモ君の帰還を喜んでくれるでしょう。
「――――おおハワードじゃないか、ここで働くのかね?」
今後彼と関わる予定は今のところないけど、まあ挨拶ぐらい手間でもないしね。それに急なチャート変更なんかで予定が狂った場合に備えてリカバリー手段は多い方が安心できます。彼はなにかと便利で有能なキャラなのでご機嫌伺いのためにも多少のお願いは聞くことにします。
「君のつくる魔法薬は物によっては私のものよりも優れている。偶にでいいから調合を頼むよ。……ついでにパイナップルもね」
かしこまり!(KBTIT)っと挨拶回りが終わったところで現状の確認を確認していきます。
ホモ君の担当する科目はもちろん「闇の魔術に対する防衛術」です。
この教科を担当しているだけで防衛術に補正がかかるのは皆さんご存じだと思いますが、この教科を受け持つ利点としてもう一つ挙げられるのが、闇の魔術の研究をしても咎められることはあまりないことです。「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉が表すように、「闇の魔術に対する防衛術」を教えるには闇の魔術に精通している必要がある、というわけです。
こんな理由でホグワーツは研究場所としても最適な場所となっているので大人になってからの育成場所の候補に挙がりやすいです。
はじめのうちは授業の準備などで大変ですが、一度プロトコルなんかを組み立ててやればだいぶ自由時間は確保できます。
ではどのように授業を進めるかという話ですが、「闇の魔術に対する防衛術」は担当する教師によって教え方が異なり、その内容にはその教授の本質などがよく表れます。
ホモ君の場合は対ヴォルデモートを想定とした防衛術しか研究してないので、授業内容は選択の余地なく対人戦オンリーになります。対人戦以外を教えられないわけではありませんが、生徒にとってもこれからの激動の時代を生き抜くにあたってはこちらの授業の方がためになるでしょう。
もちろんRTA的な意味でも防衛術を教えていくメリットはあります。ホモ君が防衛術を受け持つことで、先に述べた理由により生徒の防衛術の水準、より細かく言うならば「闇の魔術に対する実践的な闘い方」のレベルが通常と比べて高くなります。これにより死喰い人と闇祓いの戦闘レベルが高くなり、第一次魔法戦争の抗争が激しくなります。
これが意味するところは………はい、そうです。不死鳥の騎士団の結成時期が早まるんですね。
ほとんどの場合において不死鳥の騎士団は第一次魔法戦争勃発後に結成することが確定していますが、その結成時期はGG値や魔法界の情勢によって左右されます。うまくやれば第一次魔法戦争が勃発してからさほど時間をかけずに不死鳥の騎士団が結成されるでしょう。
ですが教授職が戦闘ビルドにおける最適解とは口が裂けても言えません。
闇の魔術に対する防衛術の教職により熟練度ボーナスがつくとはいえ、最前線で戦うような人たちと比べると入ってくる経験値自体は雀の涙みたいなもんです。
まあ馬鹿正直にステータスを上げても正攻法ではヴォルデモートに勝つことは出来ないからこそ、他者の助けや一芸が必要になるわけですが。
ちなみに防衛術の授業は学年が上がるにつれ、座学を減らし実技や実戦を増やした方が生徒の能力値は伸びやすいことが多いです。ハーマイオニーなどは例外的に座学で伸びるタイプですが、あんな天才は通常出てこないので気にしない方がいいでしょう。
さて今回は久しぶりの育成要素としてミニゲームをやっていきます。
ホモ君対生徒40人ほどでの魔術戦です。
ルールは単純。呪文が身体に当たったら一発退場、敵陣営を全て退場させた時点で勝利です。
この魔術戦では瞬発力、選択力、杖捌きなど多くの能力を鍛えることができます。これは生徒に限らずホモ君も同様です。熟練度稼ぎと生徒の育成の一石二鳥とか誇らしくないの?(自画自賛)
今更かもしれませんが、死の呪いが使われない決闘での防衛呪文はほぼ盾の呪文だけで十分です。理論上、盾の呪文は熟練の魔法使いが使えばほぼすべての呪いに対する逆呪いとしてはたらくことが知られています。グリンデルバルドとMACUSAの戦闘がいい例ですね。
学生時代にリドル君と決闘したときとは異なりホモ君はかなり成長しているので生徒の呪文はほぼ全て盾の呪文で防げるようになっています。
またリドル君のように機転を利かせた魔術戦をしてくる人はいないので楽勝です。
というわけで、ほらほらいくどー!
………………………………………………。
………………………………………。
………………………………。
授業の方が落ち着き最優先に行うことは、Part5でも話したとおり「賢者の石の作製」です。
現在が1954年であることを考慮すると、ヴォルデモートが戦争を始める1970年まで15年以上の猶予があります。こちらにはすでにニコラス・フラメルの記憶があるので、必要の部屋も併せて使用しぼちぼち作っていきましょう。
悪霊の火の熟練度上げも並行して進めます。
悪霊の火とは高火力に広範囲といった特徴から殺人・殲滅・証拠隠滅・物体破壊までなんでも使える超有能呪文で、攻撃的な闇の魔術としてはこれ一つでだいたい事足ります。
この魔法は最終決戦でも活躍するはずなので時間が許す限りいくらでも練習します。
死の呪い?障害物で防げちゃうような雑魚呪文に用はありません(無慈悲)無言で放つとまともな火力が出ないから暗殺にも向かないしね。
他にやることは………ああそうだ!守護霊の呪文も忘れず習得しておきましょう。
もちろん
冗談はさておき、守護霊の呪文の習得目的は不死鳥の騎士団結成時における好感度稼ぎの一環としてです。滅多に使用する機会がないのにも関わらず多くの優秀な魔法使いが守護霊の呪文を習得しているのは、それを習得しているだけで善の魔法使いであるとお墨付きを得られるからです。詳しくは後ほど話しますが、それらの理由で魔法省の役人は箔付けのために習得することがままあるとか。分霊箱でバフをかけたガマガエルが習得できている時点でかなり信憑性のない与太話ですが、スタンダードな死喰い人が使えないのは事実ですし…。
そんなわけでホモ君もこれを利用し、善なる魔法使いであることをビシバシとアピールしていく予定です。
そのくらいでしょうか。
もし、学生の頃に幸運の液体を入手できていなかったら、それを教職時代に作るのもいいかもしれません。かなり時間と労力を使いますが、あった方が安心でしょう。今回はまだ数滴しか使っておらず、少なくとも9時間分は残っているので十分です。
ホグワーツに就職してから1年ほど経ちました。
一部ではトム・リドル失踪の噂が流れ始めています。ちょっと前までボージン・アンド・バークスで働いていたのですが、手がかりも残さず蒸発していますね。
おそらくグリフィンドール以外のホグワーツ創設者に関する遺産の回収を終えたのでしょう。
これ以降、トム・リドルという人物が現れることはなく、彼はヴォルデモートと名乗ることになります。実際にその名が出てくるのは10年ほど後の話ではありますが。
ともかく直近の数年で彼と出会う用はないので、彼について気にする必要はありません。
もしリドル君の行方を尋ねてくる人がいても、素知らぬ顔をして「知wらwなwいwよw」と答えておきましょう。実際、ホモ君はリドル君の所在を知りませんので。
更に1年ほど経ちましたが、今度はマクゴナガル姉貴(年下)が就職してきました。
彼女は不死鳥の騎士団の創設メンバーではありませんが、ダンブルドアの部下としてよく働く超有能スパイです。能力としては動物もどきの隠密性をいかした潜入調査が多く、死喰い人の会合などにも参加し重要な情報を持ち帰ることなどにも成功している手練れです。
彼女はこのチャートでは最終決戦には参加しませんが、スパイとしてバディを組むことが多くなるので時間をかけて仲良くなります。
――おいにゃんにゃんにゃん!お茶でもしようや。バタービール冷えてるか〜?
うん、美味しい!仲良くなるにはまず食事から、基本中の基本だよね!
――その毛並み、ちょっとモフらせて。ちょっとでいいから、先っちょだけでいいから!
なんだかんだでやらせてくれるとこ、嫌いじゃないぜ。
――へいへーい、今暇してるー?クィディッチやってんだけど見に行かん?
おう二つ返事かよ。流石クィディッチ狂は伊達じゃないという事ですね。
――おいダンブルドアー!今日は猫姉貴も誘って飲もうや。
二人で猫姉貴の部屋に行くと……おっと泣いてんじゃん、これは失恋イベントですねぇ。申し訳ないが本当に悲しいのはNG。しっかりと慰めてあげましょう。
結構仲良くなれたんじゃないですかね。動きがあるまで倍速します。
………………………………………………。
…………………………………。
……………………。
10年ほど経ちリドル君がホグワーツに面接をしに来ました。
もちろんホモ君はただの一教師でしかないので面接に踏み込むことは出来ません。どのような面接が行われているかを把握することは叶いませんが、リドル君改めお辞儀様が現在行っている所業及び風聞は正史と変わらずひどいものなのできっと就活は失敗するはずです。
そもそも防衛術の教職の座はホモ君のものだって何度言えばわかるんだよこの野郎。
またお辞儀様自身も就職できるとは思っていないはずです。それでも彼がホグワーツの教職を希望した理由はいくつか存在します。
――――一つ、ホグワーツを心から愛していたこと。
――――二つ、ホグワーツには多くの神秘や遺産・秘密が隠されていたこと。
――――三つ、その立場は信奉者を作るのに都合がいいこと。
これらの理由が存在しますが、重要なのは二つ目ですね。多くの神秘や遺産・秘密、つまりグリフィンドールの遺産探しです。彼は自尊心、自分の優位性に対する信仰、魔法史に載るほどの名声などを強く意識しているため、分霊箱の器には名誉にふさわしい品々を選ぼうとします。
そのため防衛術の教授職にホモ君が就いていようが面接には来るでしょう。あらかじめホモ君が防衛術を担当していることを話しておかなければ、「闇の魔術に対する防衛術の教授職に対する呪い」をかけられてしまいます。これはお辞儀様が就職を拒否された恨みからその職業には1年以上在職できなくなるように仕向けた呪いです。
正式な名前がないため呪文がしょぼく感じますが、効果は絶大です。どんな辞め方をするかは正史の方で十分に例が出ているため割愛しますが、教授職を辞める原因に死が関係する場合すらあります。ただの嫉妬でここまでされるのは流石に迷惑ですよ(一般被害者)。
今回は十分に好感度を稼いでいるのに加えて、ダンブルドアの監視という順当な理由から防衛術の教授職に就いていることはお辞儀様もちゃんと理解しているはずなので、彼が逆恨みで教授職を呪うようなことはしないでしょう。
更にこのイベントはフラグ的な面でいえば、この面接はダンブルドアがお辞儀様を見極めて判断する最終的な関門としての役割を持ちます。つまりこの段階を経た後に後日ダンブルドアが自分の考えをまとめることがGG値の上昇に最低限必要なキーになるわけですね。
どうやら面接が終わったようなのでお辞儀様に会いに行きます。
「久しぶりだな。少し話さないか?」
リドル君オッスオッス。
久しぶりに会いましたが顔立ちがかなり変わっています。顔面がまるで焼かれたようにぼやけている上にろう質で奇妙に歪み、目の白目は血走ったような色味をしていますが、瞳孔はまだ蛇のような細長い形にはなっていませんね。しかーし髪なんか必要ねぇんだよ!と言わんばかりのツルッパゲは見間違えようもなく「名前を言ってはいけないあの人」の人物像と一致しています。シッ!見ちゃいけません!(母親)
小ネタですが、お辞儀様の顔つきから分霊箱の作製個数のおおよその見当をつけることが可能です。この感じを見るにどうやら分霊箱づくりは順調に進んでいるようですね。おそらく魂は6個に分割し終え、5個の分霊箱は既に作り終わっている頃でしょうか。
「名前を正式に変えた。トム・リドルはもういない。俺様のことはヴォルデモートと呼んでくれ」
おかのした。死の飛翔ですか、良いセンスしてますね(苦笑)。
必要の部屋に着くまではダンブルドアの盗聴の恐れがあるため重要な話はできません。
あまり変なことは口走らないようにしましょう。
「お前に会うのも久しぶりだな」
たしかに10年近く会ってなかったんですよね。時が流れるのは速いものです(倍速)
ようやく必要の部屋へとたどり着き、多くのものが隠された部屋が出現しました。
二人で中へと入っていきます。
理論上この部分殺害RTAの最速タイムはこのタイミングで部分殺害を行う事で達成できると現時点では考えられています。
第一次魔法戦争を起こす前のヴォルデモートは基本的に神出鬼没ですが、ホグワーツ就職はほとんどの場合に確定で起こるイベントです。ホグワーツという姿くらましが禁止されており逃げる手段が封じられている状況である上に、分霊箱が予言前の最大分割個数になっているこのタイミングはヴォルデモートを殺害する絶好のチャンスというわけです。
しかしここで決戦となった場合は最大の問題があります。
まず一つはダンブルドアの助力がほとんど期待できないことです。この時点でダンブルドアがお辞儀様を積極的に処すほどダンブルドアのGG値が高くなることはないので、独力でお辞儀様を倒す必要があります。
ダンブルドアをホモ君とお辞儀様の決闘に巻き込むことは出来なくはないのですが、巻き込んだ後は地獄の様相を見せることになるでしょう。
ではまず無理やり戦闘に巻き込む方法を二つほど紹介します。
一つ目はお辞儀様の面接途中に校長室に乗り込みその場で決闘を始める、といった方法です。
当然ですが面接途中に校長室に入ることなど普通に考えてできませんし、おそらくドアも施錠されているでしょう。
つまり力技でドアを蹴破り校長室に入室した後、お辞儀様と闘うことになります。校長室のセキュリティの強度は中々なものなのでホモ君は悪霊の火でドアを焼き払うことになるんですかね。
では、その状況をダンブルドアの視点に立ってよく想像してください。
――――校長室で就職の面接をしている最中、在籍している教授がいきなり悪霊の火でドアを焼き払い部屋に侵入、更に就職希望者を襲って魔法の撃ち合いを始める――――その場でホモ君とお辞儀様の二人とも拘束されるのがオチです。
もう一つの巻き込み方はお辞儀様が髪飾りを必要の部屋に隠しに行く道中に襲撃する方法です。
校舎内で騒ぎを起こせばダンブルドアに限らず多くの教師陣をその場に集めることが可能です。この場合もそれまでホグワーツで築いた信頼関係などからなんとか共闘にまで持ち込めるかもしれませんが、殺害するのには高確率で邪魔が入ります。
つまり巻き込むことは出来ても、基本的に三つ巴の戦いになりヴォルデモートを殺すに至らないという事態が発生してしまうんですね。
この事態を防ぐためには、髪飾り隠しに同伴し必要の部屋内で決闘をすることで乱入者の可能性を排除する必要がありますが、これはかなり難しいです。
そもそも必要の部屋に同伴するためには、ホグワーツ教授であるという条件に加え、リドル君の同級生でかなり親密度が高く秘密を共有できる間柄である必要があります。
リドル君の同級生という設定でRTAを始める場合、どんなに頑張っても彼を超えるような育成チャートを生みだすことは走者には出来ませんでした。
これは同世代チャートでは彼を独力で倒すことが実質不可能であることを意味します。結果としてこの理論上最速チャートは机上の空論で終わってしまいました。悲しいなぁ…(諸行無常)。
面接を終えた直後が一番狙い目なのに、面接から少し時間をおかないとダンブルドアが考えを整理する時間を確保できずにGG値が上昇してくれない、このチャートにおける最大の矛盾かつ遅延場所です。
ここでダンブルドアが自らの意思で戦闘に参加するようにできさえすれば現時点での最速から更に10年近くタイムを短縮することができるはずなんですけどね。
髪飾りを隠し終えて、今後の予定を少し話したら解散です。
おっ、まだ何か用でもあるんか?
「これはハワード、やはりお前に持っていてもらいたい」
お辞儀様にカドマスの指輪を渡されました。そんなことしなくていいから(良心)。
正直なところ、分霊箱は扱いに困るのであまり受け取りたくないんですよね。
見たところ正史の様な指輪をつけただけで死の危険がある呪いがかかっているわけではなさそうだし、魂の欠片ごときに負けるような貧弱な育て方はしていませんが、それでも厄ネタであることに変わりはありません。
まだ魂を切り離してからそれほど時間は経っていないはずなので、この時点で壊してしまうと誰がどこで壊したかを把握される恐れがあります。
更にダンブルドアに分霊箱を所持していることがバレると少なからず不信感を持たれることになりますし、肌身離さず持っていれば精神汚染の危険すらあります。
結果として対処法は自分の研究室に封印しておくぐらいしかありません。
まあ愚痴っても仕方ないので、本RTAにおける分霊箱の扱いについて確認していきます。
分霊箱とは人がその魂の一部を隠すために用いる物体でホークラックスとも呼ばれます。
それを作ることで身体が攻撃されたり破滅したりしても死ぬことはない、すなわち疑似的な不死を作り出すことができるんですね。
通常の人間であれば身体がなくなった場合その内側に存在する魂は行き場をなくして消えてしまいます。しかし分霊箱が存在すれば、本来なら消えてしまう魂を現世に強制的につなぎとめることができるわけです。
分霊箱は魂の容れ物としての役割が主体であるため、身体そのものの消滅は防げず、もし大本の魂を保護している身体が消えてしまえば魂は剝き出しの状態で現世に存在することになり、霊魂にも満たないゴーストの端しくれにも劣る存在になってしまいます。
過程はどうであれ分霊箱は不死を一部実現できるすごい魔法なわけですが、こんな魔法に副作用が存在しないわけがありませんね。果たしてどんなものがあるか見ていきましょう。
霞以下の存在になること。これは魂を物体に閉じ込めたことで発生する作用です。
死後魂が永遠に輪墓に囚われ続けること。これは魂が欠損した状態で死ぬことによる効果です。
どちらも魂を分割したことに対する副作用としては適当ではありません。
これを考えるにあたり重要な記述を見つけました。
アドルバート・ワッフリングの魔法基本法則の第一法則によれば「生命の源・自己の本質といった最も深い神秘に手を加えるのは最も極端で危険な結果を覚悟した場合に限る」とあります。
これは分霊箱という己の魂を切り裂く行為の危険性や副作用の重さについて知ることのできる法則ですが、これを理解するにはまず魂が完全な一体であるはずだという前提が必要になります。
元は一つである魂を分断することは暴力行為であり自然に逆らうことで、これはほとんどの場合最も邪悪な行為、すなわち利己的な殺人によってなされます。
そんな自然の摂理に逆らうような方法をとれば、どうなってしまうかは自ずとわかるはずです。
魔法族と非魔法族の違いは魂の構造であるとする説がある事からもわかるように、魂の欠損は魔法の使用に著しい影響を与えることがあります。
わかりやすい欠点として容姿が変わっていくというものがありますが、その程度の副作用で済むわけがありませんね。魔法に対して鈍感になる、魔法の繊細さが失われる、魔法力そのものが衰えてしまう……お辞儀様は気づいていないようですが、前者二つに関しては正史でもその事実が確認されています。
長々と述べましたが簡単に言うと分霊箱を作製するときの悪影響は間違いなく存在するという事です。一度分離した後はその魂を壊そうが本人に影響を与えることはありませんが、魂を裂くという自傷行為のリスクには気をつけましょう。正直あまり割に合わない魔法なので進んで使いたがる人はいないと思いますが。
お辞儀様が己の魂を7つに分割し6つの分霊箱を作製しようとしていたのは、彼が「7」が最強の魔法数字であると確信していたためです。
現時点では5つの分霊箱しか作られておりませんが、最後の一つが作られることはあまりありません。というのも彼は最後の分霊箱を偉大な人物の殺害によって完成させることを企んでいるからですね。正史においてお辞儀様が分霊箱を完成させずに予言の子を倒そうとしたのはこれが理由です。予言が示した危機を打ち砕き、その死を最後の分霊箱に用いることで自分を無敵の存在にできると信じていたとか。本末転倒というか、ある意味でお辞儀様らしいというか反応に困ります。
分霊箱を作りすぎていた彼の魂は既に不安定だったため、最後に無抵抗の幼子を自分の目的のためだけに殺す、という今までよりも更に罪深いその行為に魂が耐え切れずに自壊してしまったというわけです。さらに興味深いことにこの話にはオチがあります。実は「7」が最強の魔法数字というわけではないんですね。お辞儀様が大量に分霊箱を作ったのは理論的には全くの無意味であったという、呆れを通り越していっそ哀れですらありますよ。
とは言え、多くの分霊箱を作るのは実践的には十分に役に立つものです。分霊箱の作製個数が多ければ多いほどにその安全性は高まるわけですからね。
しかし、本RTAではその点については気にする必要すらありません。分霊箱の大量作製はむしろ本体の弱体化を招くだけなので、分霊箱をわざわざ壊さない本走の様な場合においては作製してくれた方が都合がいいというわけです。
お辞儀様と別れ、次にすることはダンブルドアとの話し合いです。今後の作戦会議を行っていきます。
ヴォルデモートの現状をダンブルドアに知ってもらった今がホモ君の本当の目的を話す最良のタイミングなので、畳みかけるようにお辞儀抹殺を薦める予定です。
彼との会話では『ヴォルデモート』などという仰々しい呼び名は用いず、学生時代の呼び名を用いて会話した方がダンブルドアとの間に意識の差が生じにくくなります。
「――――のう、ハワードよ。おぬしはこれからどうするつもりじゃ」
どうするも何もホモ君のやることが変わることはありません。当たり前だよなぁ?何のために今まで準備してきたと思ってるんですか。
「まさかはじめからこうなることが分かっておったのか」
そりゃあ学生時代にあんな事件起こしてんだから警戒すんのは当然だろ。
「おぬしにとってそれはそんなにも――――」
何って僕のLIFEですよ、人生そのものですよ(ONDISK感)。
倍速の多用であまり意識してきませんでしたが、RTAが始まってからあと少しで30年も経つことになると思えば感慨深いものがあります。RTAは苦行ってはっきりわかんだね(悟り)。
「しかしそれでは君は親友を手にかけることになる」
え、そんなん関係ないでしょう(正論)。
彼は確かに親友ですが、悲しいけどこれ殺害RTAなのよね。
過去の友情なんてものはフヨウラ!というわけで早く殺害しなきゃ(使命感)。
……なんだかあまり反応が芳しくありませんね。おそらく信用されてないんでしょうか。
予期せぬGG値の高さがここに来て響いてきました。
とはいえ大した問題ではありません。予定より早いですがここで守護霊召喚!
これによりアラインメントが善であることをアピールします。本来であれば不死鳥の騎士団結成時にお披露目予定だったんですけどね。まあ早い分にはデメリットもないのでいいでしょう。
守護霊の呪文の習得者は必然的にアラインメントが善へと傾くため、不死鳥の騎士団メンバーからの好感度稼ぎを手軽に行えるものでもあります。わざわざ自分でフラグ管理をする必要がなくなるのが利点ですね。
ホモ君と同じような立場の二重スパイであったスネイプ君はリリーへの思いを周囲に悟られないように有形の守護霊を用いませんでしたが、ダンブルドア以外の不死鳥の騎士団員の彼に対する信用度の低さの一因ともなっています。ホモ君の場合は守護霊の姿を隠す必要は特にないので十分に信用を得ることができるはずです。
どう?いけそう?(期待の眼差し)
「それほどまでにトムのことを…」
そうだよ(便乗)。ホモ君はいつでもリドル君を殺りたがっています。
守護霊召喚によりホモ君の行動が善からくるものであると認識してもらえたはずです。
お辞儀様に対する自分のスタンスをダンブルドアに表明したところで今回はおしまい。
ご視聴ありがとうございました。