俺は料理さえできればいい   作:サイリウムぶん回し隊

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仕事の休みが週一しかないのが辛い!!

それでは聞いてください。愛のおばあちゃんの口調や性格が全然わからない


愛とおばあちゃんと昔ながらの肉じゃが

前回のあらすじといえばいいのだろうか・・・バイト先を探していたら天王寺 璃奈に飲食店のバイト先を一つ紹介してもらえるようになった。話はとんとん拍子で進んだらしく・・・

 

 

「というわけでこっちが話で言ってた愛さん」

 

「やっほー、君がりなりーの言ってた片山 夏樹くんだね。アタシは宮下 愛。情報処理学科の2年生だよ。よろしくっ」

 

「ああっ」

 

 

軽く挨拶して握手をする。こいつが噂の部室棟のヒーロー、宮下 愛か。

 

 

「じゃあ私は部室に行く。あとはがんばって」

 

「ありがとな天王寺」

 

「問題ない・・・それより明日楽しみにしてる」

 

「おうっ。期待してな」

 

「璃奈ちゃんボード『ワクワク』」

 

 

そう言って天王寺が部室から出て行こうとしたときふと思い出したことがある。

 

 

 

「あっ、そうだ?天王寺、すまんが部室行くついでにこれをアイツに渡しておいてくれないか?」

 

「アイツ・・・ってせつ菜さんのこと?」

 

「俺が中川以外に話せる人間がいると思うか?というかアイツ以外の部員ほとんど知らんし。とにかく頼んだぞ」

 

「よく分からないけどこの包みを渡せばいいんだよね?分かった・・・璃奈ちゃんボード『任せとけ』」

 

 

そう言って天王寺は包みを受け取ってくれた。とりあえず今日は部活は中止だしあの包みで勘弁してほしい。よかった昨日作っておいて。それにちょうど感想を聞いておきたかったしな。

 

 

「すまん、待たせたな宮下」

 

「別にいいけどりなりーに何を渡したの?」

 

「ちょっとな・・・」

 

 

あっ、どうせならもう一つ包み持ってたし天王寺用にも渡しておけばよかった。まあいいか、中川と一緒ってことにしておけば。

 

 

「ところで宮下、お前甘いもの好きか?」

 

「えっ?好きだけど・・・」

 

「ならよかった。ほらっ、それが天王寺に渡した包みだ」

 

「これを愛さんに?開けていいの?」

 

「ああっ、ちょっとした挨拶がわりだと思ってくれ」

 

 

中身は昨日の部活で作ったクッキーだ。本当は昨日渡すつもりだったけど中川が生徒会の仕事やらなんやらで部室に寄れなかったらしい。だから昼休みに渡すつもりでいたやつだけどすっかり忘れててついさっき思い出したから天王寺にお願いしたんだ。

 

 

「美味しそうなクッキー!これキミが作ったの?」

 

「昨日の部活の時にな。料理を作る部活だしな。ちょうどある目的で甘いもの作ってるんだけど俺自身はあまり甘いもの得意じゃなくてな。食べるほうという意味でだけど。だから感想を聞くために作ったやつなんだけど・・・どうだ?」

 

「そーなんだ。愛さん甘いもの大好きだよ。それにちょうど小腹が空いてたんだよねー。いただきまーす」

 

 

まあ宮下ならいろんな甘いもの食べていそうだからワンチャン中川よりもいい意見が聞けるかもしれない。

 

 

「なにこれっ!すごく美味しいよ!?えっ、本当にキミが作ったの!?お店で買ったやつじゃないの」

 

「なわけあるか。お店で買うと馬鹿みたいに高くなるし」

 

 

だから安い材料で済ませたのがこのクッキーだ。まあ多少アレンジは加えて甘さを強化しているが・・・

 

 

「すごーい、お菓子も作れるんだ。この前りなりーにもらったバナナのパウンドケーキ。あれもすごく美味しかったけど・・・」

 

「そういえば天王寺があの時、はんぺんを触らせるかわりにパウンドケーキ食べさせたい人がいるって言ってたな」

 

「てことはもしかしてあのパウンドケーキも!?」

 

「おんっ」

 

 

この反応を見るに天王寺がパウンドケーキをあげたのは宮下で間違いないだろう。だがしかしあれ以来はんぺんに触れていない。虹ヶ咲学園は馬鹿みたいに広いので探すのも一苦労と天王寺がぼやいていた気がする。見つけたら今度は触らせてあげると言ってくれた。

 

 

「これだけお菓子作り得意ならナツは将来パティシエにでもなるの?」

 

「いやっ、さっきも言ったが甘いものを食べる意味では得意じゃないからパティシエになるつもりは・・・というよりナツって言ったか?」

 

「うんっ、あだ名だよ。夏樹だからナツ、あっ、そうだ。愛さんのことも名前でいいからねナツ」

 

「あーはいはい」

 

 

女の子を気軽に名前で呼べないのでそのお願いは保留にしておこう。そしてそのままなかったことにしてやる。

 

 

 

「あっ、でも甘いものダメならなんで甘いもの作ってるの?矛盾してない?」

 

「料理が好きだから作るのは楽しいってのもあるけどどうしても甘いものを食べさせたい相手がいてな」

 

「えーっなになに?ナツって好きな人とかいるの?愛さんすごく興味あるよその話」

 

「なんでそういう話になるんだよ」

 

「ナツが甘いものをどうしても食べさせたいとか言うからさ」

 

 

 

なんでそれで恋愛に繋がるのかが分からないと聞いているんだけど・・・・

 

 

「もうすぐゴールデンウィークだろ?妹が遊びにくるんだ」

 

「ナツ、妹いたんだ」

 

「3人兄弟でな、大学2年の姉と中学2年の妹がいるんだ。わざわざ地元から新幹線に乗って会いにくるらしい。妹は甘いもの好きでな、久々に食べさせてやりたくて最近はお菓子作ってるんだよ」

 

 

ただ美味しくできてるかは俺には分からないから甘いもの・・・スイーツ関係に関しては他者からの感想が必要となる。そういう時のために部員がいるといいんだけどいないのでとりあえず生徒会長である中川に感想を求めることにしたわけだ。俺の女子の知り合いは中川くらいだしな。今は天王寺いれたら2人だけど。

 

 

「まあでも宮下が太鼓判押してくれるなら心配いらないのかもな。ありがとな」

 

「・・・」

 

「どうかしたか?宮下」

 

「あ、ううん。なんでもないよ。それよりついたよここがアタシの家」

 

 

食事処『みやした』とそう書いてあった。中に入ると席に鉄板が付いており元々もんじゃ焼き専門店という名残が残っていると宮下は言った。

 

 

「ただいまー。あれっ?今おばあちゃんだけ?お母さんは?へーっお父さんを迎えにね。あっ、おばあちゃん連れてきたよ。ウチで働きたいバイト希望の子」

 

「・・・・」

 

「どうも片山 夏樹です。えっと履歴書持ってきました・・・」

 

 

そう言って宮下のおばあちゃんは受け取ってマジマジと眺める。というより大丈夫なんだろうか?なんかめちゃくちゃ怖そうなんだけど・・・

 

 

「目つき悪いように見えるけどあれただ老眼なだけだから気にしないで」

 

「目が悪いだけなのか。紛らわしいな」

 

「・・・片山くん。採用するに当たるかそうでないか。確認するためにテストをする。和食で一品作ってみなさい」

 

「一品・・・ですか?」

 

「えーっと和食ならなんでもいいって。言っておくけどおばあちゃん味にはかなり煩いよ。まあでもあれだけ美味しい甘味作れるナツなら大丈夫だって」

 

 

そうは言うけど宮下のおばあちゃん・・・見るだけでわかる。あの人はめちゃくちゃ料理が上手いこと。少しでもヘマすれば不合格もらうのは確実だ。もんじゃ焼きは作ったことないが幸いなことにお題は和食であるならなんでもいいと言う点。

 

 

「おばあちゃん、あくまでお父さんが復帰するまでのバイトだってこと忘れないでよ」

 

「分かっておる・・・」

 

 

そういう条件でバイトを引き受けた。ちなみに厨房スタッフのバイトを雇うのはこれが初めてらしい。とりあえず食材は好きに使ってと許可が降りた。冷蔵庫の中には肉に野菜、豊富に品が揃っている。だったら和食と言ったら定番のアレだな。

 

悪いけど料理において最も得意なジャンル。実は和食だったりするんだよね。これだけあればいろんな料理が作れるがシンプルに腕を見せるなら・・・

 

 

「よしっ・・・やるか」

 

「ナツの目つきが・・・」

 

 

まずはじゃがいもとにんじん、そしてたまねぎの下処理からだ。水で洗って皮を剥いて一口サイズに切る使う食材は冷蔵庫に入っていた豚肉、じゃがいも、にんじん、しらたき、たまねぎ。ベースになるのはこの5つの食材だ。

 

 

下処理は済ませた。まずは冷たい状態のフライパンにごま油と豚肉を入れて火にかける。ある程度火に通ったら鍋にあけ、同じフライパンでじゃがいもとにんじんを炒める。

 

 

「なんで同じフライパンで炒めるの?もしかして節約」

 

「まあそれもあるけど肉を炒めた際にどうしても旨味がフライパンに落ちてしまうんだ。それを野菜に移すことによって肉の旨みを全体に馴染ませるのも目的の一つだ」

 

 

じゃがいもとにんじんに軽く焼き目がついたらここで白滝を入れる。さっと炒めたら肉の入った鍋に全て移す。そして二つ用意した鍋。もう一つの鍋に玉ねぎ、砂糖、酒、醤油の順に加えて穴を開けたクッキングペーパー。こいつで落とし蓋をして更にその上から蓋をする。対比は1:2:3だ。これが個人的には肉じゃがの味付けする上での黄金比だと思っている。

 

玉ねぎをはじめとする野菜の水分を利用する。肉じゃがを作ることにおいて1番気をつけないといけない。いやっ1番難しいのはいかにして旨みを逃さずかつ煮崩れをおこさないようにするかだ。

 

 

よしっ、ある程度煮えてきたらボウルに移す作業を繰り返す。難しい言い方したら天地を戻すという表現が的確だろうか。まあこれが煮崩れを防ぎながら味全体に染み込ませる最適な方法だ。

 

 

あとは仕上げにインゲンを添えたら・・・

 

 

「完成だ!!昔ながらの肉じゃがってところかな」

 

 

ここまで本格的に作ったのはおそらく実家にいた頃以来だろう。材料と食器が揃っていて初めてこれだけのレベルのクオリティの肉じゃがを作ることができる。

 

 

「さてととりあえず俺の得意料理の一つです。ご賞味あれ」

 

「あっ、愛さんもナツの作った肉じゃが食べたい」

 

「宮下もか。まあ別にいいが・・・」

 

 

と言うわけで2人に実食をお願いする。一応和食の中では最も得意料理ではある。ただ高校生になってからは一人暮らしになってしまったため一度も作ってない。手の込んだ料理は大好きだが一人暮らしだとそこまで手の込んだ料理を作ることがない。部活でたまに作って中川に味見してもらうくらいしかないから腕が落ちてないといいが・・・

 

 

まあひさしぶりに作ったとはいえそこそこ手応えはあった。宮下はそこでなんか悶えてるが問題なのは宮下祖母だ。この人から合格もらえないことにはバイトもクソもない。

 

 

「料理の彩りに食材の作る手順。完成した料理の味、とても高校生ができるクオリティじゃないねぇ。料理人としてこれほどの腕を持った人を他に知らないくらいには。何より・・・」

 

 

 

 

「美味しい!ナツ、おかわりちょうだい」

 

「あっ、うんっ。それは構わないが晩御飯食べられなくても知らないぞ」

 

「この際これが晩御飯でもいいんじゃない」

 

「おい・・・」

 

 

 

 

「うんっ、何より愛がここまで喜んで食べている。愛に料理でここまで笑顔を引き出せるのは他にいたじゃろうか。片山 夏樹くん」

 

「そもそも宮下・・・愛さんならなんでも美味しく食べるでしょう」

 

 

というかアイツはアイツで勝手によそってるのでもう放っておこう。まあとにかく感情ははっきり出す方だし彼女の性格なら基本的に何食べても同じ反応な気がする。

 

 

 

「それでも長年孫を見てきたから分かる。あそこまで喜んで食べる孫は見たことがない。片山くん、これからよろしく頼む」

 

「じゃあ・・・」

 

「合格じゃ」

 

「よっしゃっ!!」

 

 

というわけで無事にバイトの面接の合格をもらえた。よかった、肉じゃががいくら得意料理と言っても2年ぶりくらいに作ったからすごく緊張した。

 

ここならもんじゃ焼きもメニューにあるみたいだし実際に作ってくれれば色々得られるものがある。やっぱりいくら自由性の高い虹ヶ咲学園のライフデザイン学科でも限界があったからな。

 

それに宮下のおばあちゃん・・・もう一度言うがこの人はおそらくとんでもない腕の持ち主だ。叶うならいつかこの人の作る料理を食べてみたい。今後の参考として・・・

 

 

 

「にしてもあのおばあちゃんの舌を唸らせるなんてナツは本当にすごいね。お父さんなんか正式に継ぐのにすごく時間かかったし」

 

「それは正式に継ぐという話だろ?あくまで今回のはバイトの面接だ。それに俺はもんじゃ焼き作ったこともないし」

 

 

無論この短いバイト期間でもんじゃ焼き作れるレベルにするつもりであるが。いやぁ粉物系はあまり作らないからワクワクするぜ。

 

 

 

「ふふっ、まあ孫を貰ってくれるならその話も考えなくもないが」

 

 

ちょっゴホッゴホッ。おばあちゃん!?何言ってるの!」

 

 

そう言って顔を真っ赤にしたのは宮下だった。いやっ、今のはどう考えてもばあさんの軽いジョークだろ。ギャルのくせにそういうのには弱いのか(ド偏見)

 

 

「まあ今のはほんのジョークなんじゃが」

 

「び、びっくりしたーっ!おばあちゃんのジョークは好きだけどたまにシャレにならない時があるからやめてよね!ダジャレだけに!」

 

「すまんすまん。まあでもそれだけ彼の料理はすごい。本当に料理にしか打ち込んでないか。それともかなりストイックなのか。いずれにしてもこの年齢でここまで美味い料理は作れない」

 

「おおっ、おばあちゃんにここまで言わせるなんてナツ。本当に料理の腕すごいんだ」

 

「あくまで得意な料理は和食だけだが。他のジャンルはそうでもないよ」

 

 

和食は自分の納得のいく範囲で極めたからな。料理といえば和食と言われたからあらゆる和食を子どもの時に作ってた。あまりに料理しかしないせいで実家では料理担当をしてたくらいだけど。

 

 

「けどナツの料理本当に美味しいから愛さん、毎日食べたくなるなー。なんつって」

 

「あーうん。そういうのは好きなやつの前で言ってやりなよ」

 

「・・・・ムッ」

 

 

多分この家族は揃いも揃ってジョーク好きなのだろう。いちいち真面目に反応してたらキリないし適当に流しておこう。なんか宮下が頬を膨らましてるが見透かされたから怒ってるのだろう。無視しておこう。

 

 

「それでシフトの日程じゃが・・・」

 

 

そんなわけで採用されたのでシフトに日程を決めていた。4月ももう終わるから正式に来てるのは5月から。つまりゴールデンウィーク明けからでお願いされた。なんでもGW中は店をしめるらしい。お店を少し改装するらしく3日間の間しめるとか。まあとりあえず・・・

 

 

「宮下、これからちょっとの間だけどよろしくな」

 

「うんっ、よろしくねっ!アタシも手伝う時あるしもんじゃ焼きは愛さんも作れるからナツに教えてあげるよ」

 

「ならその時は頼むよ」

 

「うんっそれで・・・あっ、ごめん。りなりーから電話だ。もしもしりなりー?同好会のほうはどう?練習頑張ってる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『愛さん・・・私はもうダメかもしれない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パト○ッシュと言いながら生気のない声が帰ってきた。いや待て何があったんだよ。

 

 

「りなりー!?大丈夫、声死んでるけど。りなりー!おーいりなりー」

 

『愛さん、横に片山さんいる?いたら代わって欲しい」

 

「ナツ?愛さんのすぐ横にいるけど。ナツ、りなりーからナツへ電話だよ」

 

「おんっ。天王寺、電話変わったけど大丈夫か?一体何があったか説明してくれ」

 

「簡単いういうと・・・片山さんの渡した例の包みのせいで部室で戦争になった」

 

「・・・うん?」

 

 

ごめん。何言ってるか全く理解できんだけど戦争?どういうことだ?

 

 

 

「なんとか私とせつ菜さんが勝利を収めたけど大変だった。いろんな意味で・・・だからお願い片山さん、例のクッキーたくさん用意して欲しい。具体的には10人分くらい」

 

「10人分!?いや多いな、何がどうなったおいっ!」

 

「争い事はよくないと思った。そして争いの種を撒いたのは片山さん。だから責任とってほしい。璃奈ちゃんボード『激おこ』」

 

「・・・電話越しにボード使われても分からないんだが」

 

 

けど天王寺の中では怒ってるのだろう。うんっ、いつも通りすぎて分からないのでプロに解説してもらおう。

 

 

「らしいんだけど・・・」

 

「こりゃりなりー怒ってるね。それもかなり。まあなんとなく状況はわかったよ。そりゃあれを部室に持っていったら戦争になるよ」

 

「はあ・・・」

 

「ナツは自分の料理の上手さは和食だけじゃないのは理解しておいた方がいいよ。少なくともおばあちゃんの言う通り一般レベルを遥かに超えてるみたいだし。というより愛さんも餌付けされちゃったわけなんだけど

 

「・・・最後よく聞き取れなかったんだけど・・・」

 

「とにかく愛さんも楽しみにしてるからね」

 

 

というわけで明日の部活の内容はクッキー10人分作ることになった。どうしてこんなことに・・・

 




片山 夏樹
良くも悪くも料理以外きょうみがない。興味がない。一般の料理のレベルを遥かに超えているらしい


一応形上全員(侑含む10人出しました)次回第一次スクールアイドルウォーズ(クッキー編)です※なおタイトルとは関係ない話をやる可能性があります。ご了承ください
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