偽・伏黒宿儺   作:二十口山椒

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何か面白い縛りとか、思いついた展開があれば感想に書いてくだされば書くかもしれません。

ていうか呪術廻戦とかのネーミングセンスすごすぎやろ……。呪具の名前とかどうやったら思いつくんねん。


10:那須与一。

 放課後になり、紋様はクラスメイトたちと仲を深めていて九鬼が引き継ぐカリスマに惹かれている同学年たちは多かった。

 

 俺は一人も友達ができていないのに、これではボッチ街道まっしぐらなんじゃないのか……? ま、まあ? 人間強度を今一度強くする機会だと思えばいいかなぁ!

 

 ていうか俺は学校にいる間、あまり紋様のサポートはしない形になっている。

 

 ヒュームさんの進言か、はたまた紋様が俺にご配慮してくれたのかは分からないが、学校にいる間は俺は基本的に自由に動けている。

 

 ただ学校を出れば紋様の従者として紋様をサポートして紋様のために働いている。

 

 学校が自由時間なものか。

 

「もう、飲んでいいか……?」

「いいですよ」

「本当か!?」

「夜食はなしですけどね」

「くっ……ならダメじゃないか……」

「だから別に俺は強制はしていないんですよ? その選択肢を選んでいるのは弁慶先輩ですから」

「……お前、意外にSだな」

「ならそれを我慢している弁慶先輩はMですね」

 

 俺は弁慶先輩と並んで学園内を歩いていた。

 

 紋様が学園にいれば、俺も学園にいることになっていて、やれることは限られているがやることがないわけではない。

 

「与一は屋上か」

「そうですね」

 

 今紋様と義経先輩が共通して抱えている問題、それは与一先輩が中二病のために上手くやれていないことだ。

 

 俺はそれを解決するために与一先輩のところに行こうとして、決闘から逃げるために弁慶先輩は俺について来ていた。

 

「やっぱりここにいたんですね、与一先輩」

「あ? 深夜かって、姉御も一緒かよ」

「私が一緒だとダメなのか?」

「まあまあ弁慶先輩、ここは俺に任せてください」

「……分かった」

 

 屋上で一人黄昏ている与一先輩がいた。そして弁慶先輩を少し離れた場所に置いて、与一先輩に近づいて与一先輩と同じ方向を向いた。

 

「与一先輩、学校はどうですか?」

「退屈で仕方がないな。お前はどうだ?」

「俺はボチボチと言ったところですね。……今から、弁慶先輩に知られないように結界を張ります」

「結界を使えるのか!?」

「はい。まあ見ていてください」

 

 俺は弁慶先輩を見て、目で少しだけ訴えると弁慶先輩は頷いてくれた。

 

「闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え」

 

 俺と与一先輩の周りに帳がおり、俺と与一先輩の姿は誰にも見られず、会話もヒュームさんであろうと聞くことができなくなった。

 

「これで会話は聞かれないので安心してください」

「誰にも聞かれたくはない、ということか。……まさか奴らか!?」

「その情報は今のところないので安心してください」

「ならなんだ」

「与一先輩、この学校でかなり目立つ行動をしていますね。周りと上手くやらずに距離をとっていると聞きました」

「俺に近づけば巻き込まれるかもしれないからな」

 

 俺は周りと上手くやりたいのだが、全く仲良くできない。なぜだろうか。

 

 だが与一先輩のクラスを見たら与一先輩次第でそういう感じにはならない。

 

「それはもしもの時に危ないかもしれませんよ」

「もしもの時、だと?」

「もし、奴らが生徒に擬態して与一先輩に近づいてきた時、与一先輩は周りと上手くやってこなかったからそれに気づかずにやられる、ということがあるかもしれません」

「……確かにな」

「仲良くなれと言っているのではありません。距離を詰めることなくその人の感じを察していれば、分かるかもしれません。ただ拒絶するのではなく、上手くやれば、対処ができるかもしれませんね」

「……そうだな。お前の言う通りだ、深夜。何も分かっていなかったのかもしれないな、俺は」

「それに、学生生活は案外いい思い出になりますよ。楽しんでいた方がお得です。もうこの日常が来ないかもしれませんから」

 

 これは俺の前世で思ったことだ。

 

 高校の時は少数だけど友達はいたからいい思い出になっている。今世では学校に行っていないからヒュームさん辺りに突っ込まれそう。

 

「ふっ、日常が恋しくなるか。少しはこの生活を記憶に刻むとするか」

「それがいいです。何もかも終わった後に、この日常が心の支えとなるかもしれません。まあ、俺も特異点で上手くできていないですけど、二人ならできますよ」

「あぁ、そうだな。特異点が二人いれば何も怖くない」

「俺たち二人なら何でもできますよ」

 

 あぁ、何だかこう言っていると学生時代の五条と夏油をうっすらと思い出すけど全然違った。

 

「帳を上げますね」

「こういう秘密の話をする時、この結界は便利だな」

「この帳は色々と設定することができるんですよ。例えば、ヒューム・ヘルシングの侵入を拒む代わりにその他すべてを出入り可能にする、みたいに足し引きが成立していればこういうことができるんですよ」

「へぇ、面白いな」

「それに結界術を応用すれば、遠くからの強力な攻撃も誤魔化すことができます」

「俺と相性がいいな」

 

 帳や結界術のことを喋りながら帳を上げる。

 

「こういうことは先に言っておいてくれるかな?」

 

 怒っている風な感じを出している弁慶先輩にそう言われた。

 

「あぁ、言ってなかったですね。すみません」

「だからお詫びとして一杯だけ飲んでいい?」

「ハハッ、いいんですね?」

「……やめておく」

 

 うむ、少しだけ断川神水を考えているからこれくらいはしてもらわないと。俺が飲みたくなるからな!

 

「姉御相手にすごいな……」

 

 与一先輩から見れば、恐怖を感じている弁慶先輩を御している俺がすごく見えているのだろう。

 

 これを義経先輩ができていれば完璧だが、義経先輩にできるわけがないよな。あの人は人が良くていいように使われるのがオチなような義経なのだから。

 

「で? 何を話していたの?」

「それは秘密です。ね、与一先輩」

「姉御には関係ないことだ」

「ふーん……」

「いい感じで言っておいたんで」

「そっか」

 

 弁慶先輩に耳打ちしてこの場を収めることができた。

 

 これで少しは与一先輩も上手くやるだろう。上手くやらなかったら、次の手を考えるけれど、義経先輩の話では与一先輩はいい子らしいから今は考えなくていいだろう。

 

 

 

 弁慶先輩と与一先輩に挟まれて歩いていると、何だか義経先輩の立ち位置にいる気がしてならない。

 

 いや、それなら義経先輩には俺の肩の上に座ってもらって大将に相応しい感じになってもらおう。絶対にやってくれないとは思うけど。

 

「お? 靴箱に手紙が入ってたなう」

「ラブレターですか?」

 

 決闘状をするくらいなら決闘を申し込んだ方が早いだろうと思っている俺。

 

「そうみたい。三年生から……年上に興味ないんだよねー」

「それなら同学年ですか?」

「それか年下」

「ほお、ショタですか。もしかして井上先輩をとやかく――」

「あれと一緒にしないでくれるか」

「ごめんなさい」

 

 主に弁慶先輩ととりとめもない話をしながらグランドに出る。

 

 グラウンドからは大歓声が聞こえてきて、その中では義経先輩が決闘をしており、相手は赤髪をポニーテールにしている女の子だった。

 

「義経先輩は真面目ですね」

「義経だからねー」

「本当に、真面目過ぎて心配になりますよ」

 

 役目だから、そうしないといけないからと考えているとその思考にからめとられてしんどくなるのは自分自身だろうに。

 

「相手の女の子は誰だか分かりますか?」

「川神一子。昨日教室に来てたメンツだね」

「川神一子……あぁ、紋様が仰っていた英雄様の想い人ですか」

 

 紋様がボヤいていたが、それは紋様が関わるべき話ではないし、何なら見るからにいい子な雰囲気を出している川神一子先輩は紋様が思っているような女性ではないだろう。

 

 ……見ていて思ったが親族にしては、あまり血が濃いようには感じないな。まあそれを俺がどうこう言う資格はないから黙っておく。

 

 義経先輩と川神先輩の決闘は当然ながら義経先輩の勝利で終わった。

 

 三十分後には周囲の人たちはいなくなり、俺たちは義経先輩に合流した。

 

「お疲れさまです、義経先輩」

「撫子くん。弁慶と与一と一緒なのか」

「はい。与一先輩と少しお話してきたところです」

「早速話してくれたのか?」

「まあそんなところです。与一先輩には与一先輩の歩幅があります。あまり急かしてあげないでください」

「あぁ、義経は心得た!」

 

 これであまり与一先輩には言わないようになるだろう。

 

 さて、俺を見ている川神先輩たちに反応しないといけないかなと思っていると、紋様が学友と共に校舎から出てきたから俺はそちらに向かった。

 

「紋様。お帰りですか?」

「あぁそうだ。お前は弁慶と与一と一緒にいたようだな。お前は決闘をしないのか?」

「あー……あまり決闘のことは考えていませんでしたね」

 

 まだ二日目だし、百代先輩と以外あまり考えていなかったから特にやろうとは思わなかった。

 

 だが経験を得るためには色々な人と決闘をした方がいいのは確かか。

 

「この学園で一番名高い人が武神である川神百代先輩だったので決闘を申し込みましたが、他はあまり考えていませんでした」

「川神百代以外決闘を受け付けない、というわけではないのだな?」

「はい。ここには経験を積みに来たので決闘はどんどんしようと思っています」

 

 まあ他の人と戦って経験を得ることはいいことだろうが、あまり弱い人とやっても手加減の仕方や未完成の技の熟練度を上げるくらいしかないか。

 

 紋様が他のクラスメイトに慕われている姿を見て、義経先輩が話しかけた。

 

 てか、俺は誰一人とも会話したことがないのだが。これが格の差というものか。

 

 何だか顔が怖いヒュームさんよりも上手くいかない気がしてならないのはどういうことなのだろうか。

 

「どした? 目が死んでるよ」

「いや……クラスメイトと誰とも話していないのに、主である紋様はこんなにも同級生たちに慕われているとは……と思っただけです」

「どんまい」

「ハァ……」

「川神水、飲む?」

「帰ったら飲みます」

 

 弁慶先輩に慰められながら、紋様が義経先輩と一緒にいた人たちに視線を向けられた。

 

「さぁさぁ、ここの連中を紹介してくれ」

 

 義経先輩による紹介が始まり、川神一子先輩に始まり、川神先輩に英雄様のことで紋様が苦言を放とうとしたところをクラウディオさんに止められたりはしたが、椎名京先輩、クリスティアーネ・フリードリヒ先輩、直江大和先輩と紹介された。

 

 結局川神先輩たちと話すことなく、紋様が義経先輩たちと帰宅するため俺も極東支部に戻ることになった。

 

 何だか友達ができそうな感じだったのに、逃した感じがすごいなぁ……。

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