コミックはどこまで話が進んでいるのかは把握してないんですけど、アニメしか見ていない人とかからしたら伏黒宿儺ってかなりのネタバレだよな……。もうこれを読んでいる人はネットで色々とネタバレは喰らっていそう。
百代先輩との戦闘は苛烈を極める。
百代先輩の覚醒と俺の黒閃によるボルテージアップで最初とは比べ物にならないほどに激しかった。
もう百代先輩に領域展開は通用しない。
展開したところで壊されてしまうのだから意味がない。呪力が無駄になって術式が焼き切れるだけだ。
つまりここからは十種影法術による戦いになるということだ。そもそも御厨子はあまり術式性能は良くはないからな。
「ハハハッ! 楽しいな! この世界が私と深夜中心で回っている感覚だ!」
「百代先輩だけじゃないんですね」
「そんな世界はつまらないだろ! 深夜がいて私の世界は完成されるんだ!」
「そりゃ何よりです」
何だか告白されている気分になるが百代先輩は深く考えていないんだろうな。そもそも俺と百代先輩だと釣り合わないから考えるのも無駄だ。
魔虚羅の方陣が再び回る。
「そろそろ式神を使うのか!?」
「ま、そうさせてもらいます」
領域内でも百代先輩に適応をしていた。それに今の百代先輩の適応もしていたから、十分だろう。これからは百代先輩と直接戦って適応を続けた方がいいか。
「布瑠部由良由良」
握りこぶしを作った両手を前に出して、布留の言を口にする。
『八握剣異戒神将魔虚羅』
俺の影から十種影法術最強の式神魔虚羅が出現した。
「これが最強の式神ですよ。百代先輩が思っているよりも強いと思います」
「ほぉ、その式神が私と渡り合えるとは思わないがな!」
魔虚羅に殴りかかった百代先輩だが、百代先輩の拳が到達する前に魔虚羅が百代先輩にカウンターを放った。
その隙を見逃さず百代先輩に「穿血」を繰り出し肩を貫いた。
「二体一はきついですか?」
戦う前で俺と百代先輩の純粋な武術は同等。だが百代先輩は俺の領域の対処で体力と気が削れているから魔虚羅がいなくても俺が有利だ。
だが魔虚羅が百代先輩に完全ではないとは言え五十くらい適応しているからこの状況で百代先輩が勝ち筋を見つけるのは難しいだろう。
「ハッ! これくらい余裕だ!」
「それなら良かった」
俺と魔虚羅による猛攻に百代先輩に余裕がないのは表情から分かる。
「こいつ何だ!? 強くないか!? 強いというより私の攻撃が通じない気がするぞ!」
「よく分かりましたね。その通りです」
ここで術式開示して魔虚羅を強くするのはどうかと思ったけど、まあ百代先輩相手だしいいか。
「この魔虚羅の能力はあらゆる事象への適応です」
「適応、だと?」
「はい。一度受けた攻撃を解析して方陣が回ることでその攻撃に適応することができます。最強の後出しジャンケンが魔虚羅です。それに俺が頭に方陣をつけていましたが、俺が攻撃を肩代わりすることで魔虚羅にダメージなしで適応することができます。つまり、領域内で方陣を出していた時から魔虚羅に適応されて、百代先輩の攻撃が効きにくくなっているわけです」
「ありか、そんな能力」
「だから言いましたよ、最強の式神だと。この式神の対処法は初見の攻撃で一撃で倒す以外に方法はありません。適応してしまえばききませんから」
「いいのか? そんなことを言って」
「大丈夫だから言っているんですよ?」
煽るように百代先輩にそう言うと、イラっとしたような表情をしている百代先輩だがすぐに落ち着く。精神面も鍛え始めているのかもしれないな。ま、それは大前提だけど。
「それならその式神を破壊するまでだ!」
これから百代先輩が今までに見たことがないとっておきの技を繰り出せば、魔虚羅が破壊されるかもしれない。
それが虚勢なのか本当なのかは分からないが、そんなことを考えることなく百代先輩に猛攻を仕掛ける。
魔虚羅が百代先輩の攻撃を無効化した隙に俺が攻撃を仕掛け、攻守交替しながら百代先輩を攻める。
魔虚羅の適応は時間と経験値。一度受けた攻撃を緩やかに解析して適応する。再び攻撃を受ければ適応を加速させることができる。
それに適応は終わることはないから時間をかければかけるほど百代先輩の勝つ確率はゼロに近くなる。
百代先輩も一撃で魔虚羅を仕留めるつもりだろうし、この状況を一刻も早く打破しなければ領域展開の時と同じようにジリ貧だからすぐに百代先輩は仕掛けに来るだろう。
すぐにそれは訪れた。
魔虚羅が前に出て俺が魔虚羅の後ろにいる瞬間を狙って、百代先輩の手には尋常じゃないほどの気が収束された。今あるすべての気を使うつもりのようだ。
すぐに魔虚羅を引かせようとするがその前に百代先輩の収束された気が解き放たれ、大爆発が起きた。
武舞台、そして結界も破壊する大爆発だったため俺にも被害が及んだ。
大爆発が収まって魔虚羅を見ると、魔虚羅はほぼ破壊されているような状態だが完全に破壊されていないのはこれまで百代先輩の攻撃を適応して戦い方を変えていた結果だろう。
方陣が回ったことでその傷も適応して治った。
俺もダメージを負っているがすぐに反転術式で治り、肝心の百代先輩を見るとボロボロな状態で立っていた。もう瞬間回復をする気も残っていないのだろう。
「これでもダメか……」
「百代先輩が万全な状態でやれば、どうなっていたか分かりませんでしたけどね。領域展開の対処でかなり体力と気を消耗していたでしょうから」
「清楚ちゃんや燕の時に使っていなかったら私は対処できなかっただろうな。でもあれは反則染みているぞ」
「何せ奥義ですから」
「奥義をポンポンと出されてたまるか」
「百代先輩もそんな感じでしょう」
立っているのもやっとのはずの百代先輩だが、構えた。
「最後の戦いだ。まだ私はやれるぞ」
「最後まで付き合いましょう」
魔虚羅を影に戻して俺も構える。
さっきまでの苛烈さはないが、一挙手一投足を大事に戦っていた。
「なぁ、深夜」
「どうしました?」
「またやろうな」
「当然ですよ。百代先輩は俺にとってライバルですから」
「あぁ、ライバルだ! 楽しく遊べるのが燕だが、楽しく殺し合いができるのが深夜だな!」
「それ喜んでいいんですか?」
「それくらいしないと勝てない相手だってことだ。もう深夜じゃないと満足しないぞ、私は」
「光栄ですね」
俺としてはまだ切り札は残っているから百代先輩には頑張ってもらわないとな。
「深夜、私は強くなるぞ」
「そうしてもらわないと困りますよ。折れた武神には興味ないですから」
「こんな絶世の美女が首ったけなんだぞ? 少しは喜んだらどうだ」
「ハハッ、うれしー」
そういうことは想像できないからな。
「はー……楽しかった!」
百代先輩は満足した顔をしながら後ろに倒れた。
「勝者、撫子深夜!」
俺が勝利したことでスタジオでは大歓声やらどよめく声などが聞こえてきた。
百代先輩は担架で運ばれて行き、俺はヒーローインタビューが行われた。
「どうも、撫子深夜です」
「川神百代と戦っての感想は?」
「それはもちろん、最高でしたよ。ここまで力を出せる相手は川神百代やヒューム・ヘルシングほどの強さの人しかいませんから。ですが百代先輩はまだまだ成長途中。これから俺に勝つくらい頑張ってほしいです」
「勝つべくして勝ったと?」
「はい。むしろあの結界術に対処できた百代先輩がすごいと思います」
俺の言葉から、いや今の俺の状態から武神に勝ったことはまぐれでも何でもなく圧倒的であったことは誰の目から見ても明らかだろう。
インタビューも終わり、まず最初に紋様の元へと向かった。
「いかがでしたか? 紋様」
「深夜! 見事であったぞ!」
「それは何よりです」
「我もそう思うぞ!」
「姉上もそう思われますか!」
近くにいた揚羽様にも俺の戦いは褒められた。
「うむ。戦いのどこをとっても素晴らしいものであった。武道家としての血が騒ぐ……!」
「お時間があればいくらでも付き合います」
「そうか! それならば付き合ってもらおう! 紋、いい従者を持ったな」
「はい! 自慢の従者です!」
「それに、負けたと言うのに満足している表情であったな、百代は」
そういうと紋様の表情は少しだけ複雑そうであった。
「すべてをぶつけてきたんですから、満足なんでしょうね」
「……それを、我ができれば良かったのだがな」
「その役目ばかりは揚羽様にはお譲りできませんよ」
「フハハハハ! 生意気を言いおる!」
ま、人にはそれぞれ得手不得手があるわけで揚羽様は俺と百代先輩とは違って戦い全振りをしているわけではないからな。
「紋様」
「な、なんだ?」
何か考えていた紋様を呼ぶ。
「松永先輩の件はどうなるんですか?」
俺がボコボコに、いや覇王先輩、松永先輩、百代先輩の全員をボコボコにしたが松永先輩は九鬼からサポートを受けていたはずだ。武神を倒すために。
「心配するな。スポンサーでいるつもりだ。……ただ、燕の公式戦無敗という記録は破られ、深夜のインパクトが強くて松永家の名を上げることが遠退いてしまったことは少し申し訳ないと思う」
ま、俺と当たったのが運の尽きだった感があるけど。俺も少し申し訳ないと思うから何か松永先輩が困ったことがあったら手伝おう。
松永先輩ってあんな感じに見えてやらかしそうな雰囲気がしないでもない。前に聞いたろくでもない父親の血を引き継いでいるんだろうな。これを言ったらキレられそう。
弁慶先輩がどこにいるのかと探していると弁慶先輩からメッセージが来た。
話の流れではこの後弁慶先輩に呼び出されて告白を受ける感じですけど、たぶん飛ばすと思います。
呪術廻戦を履修済み?
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週刊ジャンプで追ってる。
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単行本で追ってる。
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アニメで見ている。
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見たことがない。