ASSAULT ARMOR   作:小糠雨

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スピードを信じます、人と人との間の友情を信じるように

 

 

 出来ることなら四六時中ラングザームを乗り回していたい俺ではあるが、AAはゲームなので当然現実の生活という壁が立ちはだかる。AAの月額を支払うために、そして出来るだけ美味い飯を食い出来るだけ快適な家に住むために、労働というものをしなければならない。

 哀れな社会の歯車たる俺は一日の仕事を終え、〝同居人〟と一緒に飯を食い、風呂に入った後、AAにログインする前にパソコンを使って公式掲示板やWiki、公式サイト等見て情報収集をしている。

 ここ最近はゲーム内でやることが金策――つまりやれそうな依頼を片っ端から受けていくばかりだったので、依頼内容に関係の無い情報収集は怠っていた。

 なのでけっこう遡って公式掲示板を見ていたのだが。

 

「……うわ、こないだのキャメロットの奴あの後掲示板に書き込んだのか。もうけっこう前だし触らんとこ」

 

紘秋(ひろあき)、あなた音速バニーとか呼ばれてますよ』

 

「マジで?」

 

 スマホからナルの声がするが、これは実に太っ腹な課金要素によるものだ。月額を一〇〇〇円ほど上乗せして払うことで、なんと自機のサポートAIを現実の端末に連れてくることが出来る。

 出来ること自体は会話、メールの読み上げ、インターネット検索、ネットワーク管理の家電の操作といったところで、リンゴのマークの会社のスマホに入ってるSだとか、Aで始まる会社が出してるスマートなスピーカーだとかと同じようなものだが、感情まで完備した超高度なAIである点で大きく異なる。

 今では民間企業のオンラインゲームでも使える程度には普及した技術とはいえやはり高価には変わらないものを、上乗せで支払った額が累計で一定額を上回ればゲームを引退してもそのまま所持して良いとあって、けっこうな数のプレイヤーがこのサービスを利用しているらしい。

 AIの本体データ自体をまるっと個人端末に連れて来ているとはいえゲームに接続している間はあちらのサーバーのほうがAIに対して上位の権限を持っているわけで、AIが閲覧し記憶した個人情報なんかを見ようと思えば見られてしまう。なのでそこら辺の扱いは……まあ、制作会社を信じるしかない。

 AAをプレイするときにはAIを連れてきた端末をVR機器に有線で繋いで一緒にログインする。これはまあそうでなくともスマホを繋いでおくことが推奨されている――フルダイブ中にメッセージや電話などあった場合に備えてのことだ――ため特別な手間というわけではない。

 

 ちなみに現実の端末に連れてきたサポートAIにアバターを設定することも可能だ。これは基本的には端末に好きな姿を表示できるだけでゲームの方には反映されないのだが、逆にゲームの方でアンドロイドやトイボット等の身体を用意している場合にはその姿をAIのアバターとして利用できる。

 ナルもつい先日まではウサギ型トイボットの姿がスマホに表示されていたのだが、今は異なる。ついに稼ぎ終えた俺はガンテツのオッサンと血で血を洗う性癖バトルを繰り広げながら最高の美少女アンドロイドを作り上げたのだ。

 太えって!! と叫ぶ俺と、太くねえって!! と叫ぶオッサンの仁義なき戦い。まあもちろん制したのは依頼者である俺なんだが。嫁のフォークおばさんはスレンダー美人なのになんで脚を太くしたがるんだあのオッサン。

 とにかくそうしたバトルの結果、ナルは足元に達するほど長い銀色にも見える白髪にサファイアのような蒼い瞳のスレンダー美少女になった。身長は俺より頭一つ分ほど低い。胸部装甲は手のひらサイズ。

 AAではアンドロイドは()()()()()と同じものが存在する世界観なので、それとわかるよう耳と足先を機械パーツにしたうえで左眼の下、いわゆる泣き黒子(ぼくろ)の位置にそうと示す小さなマークを入れなければならない。なのでヘッドフォンのようなマゼンタのパーツがついていて、俺の趣味でメカメカしいマゼンタのウサ耳もつけている。

 服装は何故かメイド服だ。ただ多少のアレンジがしてあって、スカートが足首までありながら普通のメイド服よりちょっとタイトな感じになっている。これは俺が意見を出したわけではなく、フォークおばさんがトイボットのナルを連れて買いに行って用意したものだ。いわく「カシュさんは絶対にメイド服好きだと思いまして」とのことだ。

 

 …………なんでバレたんやろ?

 

 あと先に述べたように足先も機械パーツにしなければならないので、脚は膝上あたりからニーハイソックス風の機械パーツになっている。スカートで見えない……かと思いきや、何故か彼女のメイド服のスカートは左側にチャイナドレスばりに深いスリットが入っているので左脚はバッチリ見える。フォークおばさんいわく以下略。

 

 …………なんでバレたんやろ?

 

 そしてつま先立ちで踵が地面につかないデザインの足先になっている。こっちは俺の趣味だ。

 そういうわけで、今俺のスマホには俺の性癖詰め合わせセットな美少女が表示されている。ナル本人の意見を尋ねると「人間の美醜はよくわかりませんので……ラングザームに合わせて眼が青ければ他は何でも」と言われたのではっちゃけた自覚はある。AIの権利団体とかに怒られそうだ、黙っとこ。バレへんバレへん。

 

「えー、掲示板はもういいとして、公式サイトは――」

 

「どーん」

 

「ぐへぇ」

 

 背後から襲い掛かる衝撃。そして後頭部を優しく包み込む弾力。同居人の襲来だ。

 

咲良(さら)、重い」

 

「女の子に重いとか言うなし」

 

「いやお前冷静に考えろよ。成人した人間一人が重くないわけねえだろ男女問わず」

 

「それはそう」

 

 すんなり離れてくれたことで身体が自由になったので、椅子ごと振り向いて下手人と正対する。

 金髪ロングの美女が居た。ていうか、俺の従妹だった。いやわかってたけど。

 調宮(つきみや)咲良(さら)。俺――言い忘れたが俺の本名は(ひいらぎ)紘秋(ひろあき)だ――の母ちゃんの弟の娘だ。

 イギリス人とのハーフで、腰まで真っ直ぐストンと落ちる母親譲りの金髪に(みどり)の眼で、腰と手脚は細いのに胸部装甲は御立派で、女子大生である。身長は一六〇センチくらい。綺麗な声をしていて歌が上手い。あとクールというかダウナーというか、そんな感じでいつも落ち着いている。

 

 親戚かつ実家が隣同士な彼女とは俺が県外に進学して実家を出てから数年離れていた。

 しかし彼女は俺が住む県の大学に合格し、それにあたって女の子の一人暮らしは不安だから一緒に住んでやってくれと叔父夫婦に頼まれたのでそうしている。

 叔父夫婦と母ちゃん、そして咲良本人の間で何やら話し合いを持ったらしく、何故か父ちゃんと当人である俺は蚊帳の外のまま話が進んでいたのだが……まあ何というか、1Kのアパートから2LDKのマンションに引っ越したうえで家賃の半分と電気代は叔父夫婦が出してくれるというので。美味い話なので引き受けた。

 そして同居し始めてから今年で二年目。たまに母ちゃんが「なんか進展あった?」とか言って電話してくる。なんなら叔父夫婦も同じような電話をしてくる。

 何の進展だ、とは聞かない、そこまで鈍くはない。そして進展があったかどうかなんてどうせ咲良が嬉々として話しているに違いないのだ、わざわざ俺に電話しないで欲しい恥ずかしいから。

 だいたい、一年以上一緒に住んでてなんも無いわけないだろ!

 いやだってお前、従妹とはいえ金髪碧眼巨乳美人女子大生が押せ押せなんだぞ。拒否れる奴居んの? いや居るかもしれないが、少なくとも俺は無理。

 しかもだぞお前。

 

「おにい、イベント情報見た?」

 

「見てない。イベントやんの?」

 

「やるみたいだよ。今日公式サイト更新されてた」

 

「マジか。……マジじゃん」

 

「おにいはいい線いくんじゃない? ワタシのAAは絶望的に向いてないけど」

 

 一緒にAAやってくれてんだぞ。従妹とはいえ金髪碧眼巨乳美人女子大生が。

 オタクが美女に趣味を理解してもらって落ちないわけないだろいい加減にしろ! いやまあ咲良も大概オタクではあるけども!

 あと従妹とは法律上問題なく結婚できるって叔父夫婦と咲良が言ってたから問題ない。無いったら無い。俺は悪くねぇ! 咲良師匠(せんせい)がいいって言ったんだ!

 

 ……とはいえ今はイベントだ。

 

「えーと、イベントは……レース?」

 

 ――夏だ! 海だ! 弾丸だ! ドキッ、AAだらけのレース大会!(パーツが)ポロリもあるよ!

 

 とかいう、センスが半世紀以上周回遅れしている煽り文句が公式サイトにデカデカと掲載されている。

 イベント名は「キャノンボール・アサルト」。キャノンボールってのは弾丸のように破壊力があるとか高速だとか、そういう意味で使われる言葉だ。今回はレースなので高速の方だろう。

 開催は九日後。エントリーは世界各地のツヴァイク支部か、イベントを主催する――という設定の――完全中立リゾート国家アエスタースで行える。

 

 アエスタースはリアルで言うとシチリア島であり、戦場だらけのAAの世界では数少ない観光地。どこの勢力も欲しがるが、戦場になって焼け野原にでもなろうものなら価値を無くしてしまう。そのため不可侵領域とする暗黙の了解ができており、襲撃などすれば全世界を敵に回してしまう。そのうえアエスタース自体も強力な自衛軍を擁するので、少なくとも今のところは平和なリゾート国家だ。

 

 そんなアエスタースでAAを用いたレースが開催されるという。主に海上にガイドビーコンを置き、さらにかの国が領するシチリア島のうち過去の大戦で荒れ果ててしまい今のところ整備に手を付けられていない領域も使って巨大コースを作成するらしい。

 こういったレース系でありがちなのが他の参加者への攻撃や妨害だが、もちろんキャノンボール・アサルトにおいても可能だ。使用する武装に制限は設けられないが、レースである以上敵を撃墜するだけでは勝てない。走りがおろそかになるような武装だと妨害は出来てもゴールはできないなんてことになりかねないだろう。

 そして自分の機体を使える自由部門はもちろんのこと、レースに向かない機体しか持っていない層のためにレンタル機部門もあるようだ。別に自由部門にレンタル機でエントリーも出来るらしいが、スペック差がアレなことになりそうなので出る奴は居なさそうだ。

 さらに各部門ごとに軽量機の部、中量機の部、重量機の部とわかれているそうな。

 

「なるほど。俺のためにあるようなイベントだな」

 

「でしょ? 絶対気に入ると思ったんだよね」

 

 ラングザームのスピードなら楽勝! ……とは言えない。

 プレイヤーの中にはまだまだ俺の知らない強者が居る。妨害アリのレースだし、どうもコースにギミックもあるようなことが仄めかされている。それにもしかするとコースをショートカット出来るポイントもあるかもしれない。

 純粋なスピード勝負ならぶっちぎれる自信があるが、今回のイベントはそうではない。慢心は命取りとなるだろう。

 

「こんなん俺得イベントだから当然俺は出るとして……咲良はどうすんの?」

 

「ワタシはパス。当日はレースの実況配信でもしようかな」

 

 咲良は大学生になってからこっち、主にゲーム実況などで配信活動をしている。

 俺という男――従兄(いとこ)だが――と同居しながら配信しているわけで、万一バレたらめんどくさいのではと思ったのだが。そこは力業というか、最初から俺のことを公言して配信活動をしている。

 変に隠すから荒れるのだ。「従兄と同居している」と初配信から毎回概要欄に書き配信画面にテロップも出し、配信の度にその話題に一度は触れ、なんなら俺のことをおもしろおかしく脚色も交えたり交えなかったりしながら話の種にしているらしい。なんというか「そういうもん」として視聴者に認識させればこっちのもん、とか言っていた。

 

「イベントまでにガンテツのオッサンと相談すっかァ」

 

「えっ」

 

「えっ?」

 

「……おにい、まだ速くなる気?」

 

「そらそうよ」

 

 人型機動兵器を操縦したいというのはAAプレイヤーのほぼ全てにとって大前提として、スピードを追い求めるのが俺の最大の原動力だ。たとえ千分の一パーセント、万分の一パーセントであっても、速くなることを求めて試行錯誤するのだ。

 

「あんまり速いとワタシついていけないんだけど」

 

 拗ねたように言う咲良、その様は非常にかわいらしいが、彼女も大概というか人のこと言えないというか……。

 

「お前俺のレーダーとカメラ映像使って何十キロとかの狙撃するじゃん……しかも当てるし……。ついてくる必要ある……?」

 

 AAというゲームでは、こと機体構築において、構築ルールに沿っていて物理演算に破綻が起きない限り割と何でもできる。

 咲良の機体は安定性の非常に高い四脚タイプで、左腕は肘から先が武器と一体化した通称〝武器腕〟になっている。砲身を横に折り畳むタイプのスナイパーキャノン……と本人は言い張っているが、実質的には戦車砲というかぶっちゃけ滑腔砲(かっこうほう)だ。見た目だけなら確かにスナイパーキャノンに見えるようにデザインされているが。

 AA用に作られたAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)を用いていて、それは()()()()()()()()()()()()七〇~一〇〇キロメートルくらいは飛ぶ。

 しかしAAの身長で見通せるのは何も無い平原であっても一〇キロメートルそこそこ、実際は丘だの山だのあったり建物があったりする場合が多いのでそれ以下ということになる。そのためAPFSDSを使ったところで普通はそれくらいが最大射程だ。

 だがこの娘は俺を観測手として使うことでその制限を取っ払っている。俺が突っ込んでいった先でラングザームのレーダーが捉えた情報やカメラの映像がリアルタイムに彼女に送信され、そこから最適な弾道を導き出して正確な狙撃をやってのけるのだ。

 AAのFCSは自機のカメラかレーダーで捉えられないものには対応していない。つまりいくら俺の機体からの情報があろうが、撃つ本人がマニュアル操作で撃たなければならない。

 APFSDSは横風の影響を受けやすく、安定翼の個体差で弾道がバラつくため、実のところ超長距離の狙撃には向かないのだが。そのうえ彼女の使い方だと広義の曲射をしなければならないので、普通はまあ当たらない。何故か当てるんだけども。

 なんでだよこわ……近寄って斬ろ……。

 

「まあそうなんだけど……おにいには乙女心がわからない……」

 

「そんなもんわかってたら大学出るまでに彼女の一人や二人出来てたんだよなあ」

 

「は?」

 

「こわいこわい圧かけんな」

 

「なに? 好きな子でも居たの?」

 

「居なかったからその表情(かお)やめてくれない?」

 

 ずいぶん話が脱線している。戻さねば(使命感)。

 

「とにかく、万全を期すためにも性能向上の余地が無いかは確認しないとな」

 

「それじゃあしばらくはワタシとは遊べない感じ?」

 

「どうだろうな。素材とか要るようなら取りに行かなきゃだからそのときは手伝ってもらうかも?」

 

「うん、いいよ。ワタシはおにい限定で都合の良い女」

 

「人聞きが悪い」

 

 でも居ると助かるから頼っちゃう!

 

『しかし紘秋、先日彼との話し合いで、現状実装または発見されている素材では今の性能が限界だという話になりませんでしたか』

 

「え、そうなのナルちゃん」

 

『はい姉様。少なくともガンテツのオッサンのスキルと現在公開されている設計ではこれ以上は望めないと』

 

 この二人はなんか知らんけど意気投合して、ナルが咲良を姉様とか呼んでいる。変にケンカされるよりは良いんだけども、なんというかこう、包囲網というか……そんなようなものができつつあるのを感じる。

 

「じゃあほんとに探索パートって感じなんだ」

 

「そうだな。オッサンのスキルが上がるか、誰かが画期的な設計を思いついて公開するか、オッサン自身が覚醒してすげえ設計を実現するか、なんかの依頼で倒したAAから未知の設計のパーツがドロップするか……そういうことが無ければ基本的には新素材の実装か発見待ちだな」

 

 AAが他のオンラインゲームと違う点として、プレイヤーが初めから世界中どこにでも行けることが挙げられる。

 例えばMMORPGなんかだと、アップデートの度に新しいシナリオや新しいエリア、レベルキャップ等が解放され、そこには新しい敵や素材が実装されていて……という感じで、少しずつ行ける場所ややれることが増えていく。

 しかしAAはそうではない。ガレージを利用したファストトラベルは特に解放とかしなくてもツヴァイクの支部がある街なら世界中どこへでも行けるし、AAに乗ればそれこそ世界一周も可能だ。

 これが出来る理由のひとつはレベル制でないことだろう。機体の性能はパーツを買い換えるか中身を作り直すかしなければ変わらない。それはNPCであっても、AAやその他兵器を用いる以上はそうだ。自分も敵NPCも同じパーツを使ったAAだとして、敵のほうがレベルが高いので性能が良いなんていう現象は起きない。

 つまり世界中どこに行ってもいわゆる〝レベルの暴力〟でNPCに負けることは無い。

 まあAAはレベルは無いにしてもスキルはあるゲームなのだが、AAにおけるスキルは基本的には劇的に機体性能を左右するものではない。だってメカアクションなので。基本的には素の機体性能と、何より操縦技術がモノを言うゲームになっている。

 スキルがある方が有利なのは間違いないが、あるから勝てるとか無いから負けるとかということはあまりない。

 

 ではそんなゲームで、他のゲームで言うレベルキャップ解放や新素材実装等をどうやって導入するのかという話になる。

 まずAAの場合は、リアルタイムで世界の営みが続いていく特性上、毎秒新シナリオが実装されているようなもの。それがメインコンテンツであり、ゲーム世界が滅亡でもしない限りはサービス終了までアップデートされ続けるだろう。プレイヤーは誰ひとりとして同じゲーム体験をする者が居ないのが売りであり、同時にその再現性の無さは欠点とも言える。なにせミッションの攻略情報とかがアテにならないので。

 そしてそんな世界の流れの中で企業が新技術や新機体を開発した、あるいは居住不可領域から新素材が見つかった等という(てい)で新要素は実装されていく。

 そして「新素材が実装されたから探してね」なんていうアナウンスをAAの運営は絶対にしない。

 何故って、現実で神様がそんなアナウンスをしたりはしないからだ――という声明が運営から出されている。

 ゲームとはいえひとつの世界として成立させている以上、あくまでゲーム内の人々――プレイヤーかNPCかは問わず――が発見しなければ誰にもわからないようにする。それがAAの運営の方針というわけだ。

 

「てなわけで、今日から俺は探索と金策の日々だ」

 

 なにせナルの身体の代金をガンテツのオッサンに払ったばかりなので。今すぐ首が回らなくなることはないが、ある程度は稼ぎ直さないと不安で仕方ない。

 

「わかった。さっきも言ったけど必要なら呼んでね」

 

「おう、サンキュー」

 

 さあ、情報収集はひと段落ということにして、今日もログインしますかね。

 

 

 

 

 

 

 ▽

 

 

 

 

 

 

 イベント当日。

 日曜日の今日、現実時間で午後三時、ゲーム内時間で午前一〇時からイベントが開始される。なので余裕を持って二時半にログインした。

 ゲーム内時間では四時間も余裕があるわけだが、だからといってあまりギリギリにログインしようとすると何らかのトラブルで三時をすぎてしまう可能性もある。

 まあ今回のイベントは自分の出番までにイベント会場に行けさえすればレース自体はできるらしいが。そうは言っても俺もゲーマーだ、イベントは開始の瞬間から最後まで参加したい。

 そして機体のチェックを一通り済ませて、ゲーム内で午前七時。俺は咲良――このゲームでのプレイヤーネームはサラ・ハーゼルヌスだ――とナルを連れてアエスタースのツヴァイク支部へ転移した。

 いや、何も言うな。わかってる、諸君の言いたいことはわかってるとも。ネトゲで苗字揃えてる奴らが「あっ……」とか思われる事くらいわかってるさ。

 でも仕方ないじゃん。咲良がAA始めるときに「おにいは名前何にしたの?」って聞かれたから、ゲーム内で合流するのに必要だよなと思って普通に答えた結果こうなってたんだから。

 それに? まあ俺にも? 人並みに独占欲ってもんがあるので? 虫よけに丁度良いかと思っちゃったのは正直あるよ!

 あとお前ら「同じ苗字……おそろい……」とか言って嬉しそうにしてる美女にやめろって言える? 俺は無理だった。

 サラのアバターは髪の色がリアルよりさらに薄い、いわゆるプラチナブロンドで、瞳は俺のアバターと同じハシバミ色。それ以外は現実と全く同じ容姿だ。服装は(へそ)の出る黒のタンクトップにカーキ色のミリタリージャケット、青のホットパンツ、白地にマゼンタのスニーカー。あとナルのと同じようなデザインのメカメカしいマゼンタのウサ耳。

 誰の趣味かって? 俺……と言いたいところだが、ウサ耳以外はサラの趣味だよ。

 リアルだと変なのが寄ってきたりするので、一人で行動する日や大学に行く日なんかはもうちょっと大人しい格好をするが。基本的に服の趣味が割とアメリカンというか、露出多めの服装が好きなのだ、彼女は。

 

「サラは結局配信すんの?」

 

「ん、するよ。なんかコースにカメラが設置してあるらしくて、申請すればその映像を使って良いみたい。あと配信を始めると注目選手の機体に追従させられるカメラをひとつ、イベント中だけ使えるんだって」

 

「へえ、そりゃ便利だ」

 

 なお事前にイベント内容を確認したところ、レース中の選手は配信を見られないらしい。見てしまうと有利不利が生まれる可能性があるので。

 また、同じレースを走っている機体以外からの通信も遮断される。配信を見たり会場で観戦したりしているフレンド等から情報を得られないように。

 

 さて、ともあれ会場へ行かなければならない。

 開会式の場は今居るアエスタース首都の、ここツヴァイク支部からは少し離れた位置にあるAAアリーナ。地下にある施設なのだが、一〇メートル級の兵器であるAA同士が戦う施設であるため相応に広く、また地上部分が複数の巨大モニターと数十万人規模の収容人数を誇る観客席となっている。このうち地上の観客席の一角にプレイヤーを集めて開会式を行うようだ。

 悲しいがこの観客席を全てプレイヤーで埋めることは出来ない。

 何しろこのゲームはファンタジーRPGやらガンシューティングやらと比べるとだいぶニッチなメカアクション。あちらさんのような、数十万人規模のサーバーが世界中に点在していて総アクティブユーザー何百万人! というゲームとは違って、アクティブユーザーは日本サーバーでは八万くらい。ぶっちゃけサーバーひとつで足りてしまうし、全員がイベントに参加したところで観客席の片隅が埋まるだけだ。仕事だったり興味が無かったりで参加しない人数を考えるとアクティブユーザーの数より参加者の方がだいぶ少ないだろう。

 

 一応、昨今のオンラインゲームはひとつのゲームにめちゃめちゃ張り付かないと勝てないみたいな仕様のものはほぼ無いため、他のゲームもやりながらやってますというユーザーも多いのだが。そうしたユーザーを入れてもこの数字だ。

 完全没入型VRゲームの欠点は、モニターに映してコントローラーを握るタイプのゲームのように他の作業――宿題をしながら周回するとか、他のゲームの周回もしながらやるとか――が出来ないことだ。

 ゲーム内でデータを呼び出して仮想キーボードを叩いて宿題をするとかはけっこうな数のゲームで出来る。ゲーム内では時間加速されているのでゲーム内でやったほうが効率が良いと人気の機能だ。しかし完全没入型VRゲームでは周回するにも自分の身体を動かさなければならないので、オート戦闘中に問題を解いて、戦闘が終わったらエンカウントするまで歩いて、戦闘が始まったらオートにして問題を解いて、みたいなことは出来ない。

 他ゲーの周回なんてもってのほかだ。だって自分の脳みそはひとつしか無いから。一度にふたつのVRゲームにログインするのは不可能だし、スマホ用のゲームとかもゲーム内では起動できないし。

 そういった理由で、ふたつやみっつならともかく、たくさんのVRゲームを並行してプレイするというのはけっこうハードルが高い。ゆえに取捨選択が発生するが、そうなったときにメカアクションゲームが選ばれることは残念ながら少ないのだ。

 もっと流行らねえかなあ、ロボゲー。

 

 

 

 

 

 

 二人を連れてツヴァイク支部を出ると街はお祭り騒ぎだった。NPCの住人にとってもこのイベントは娯楽なのだ、なんせレースなので。

 以前あったガチのバトルロワイヤルとかは普通に戦争なのでNPCたちは我関せずだったらしい。PVPトーナメントのときはアリーナと同じようなもんなので今回のようなお祭り騒ぎで観客も集まったようだ。

 俺はどちらにも参加していないので伝聞でしかない。PVPトーナメントのときはまだゲームを始めていなかったし、バトルロワイヤルのときは始めたばかりすぎてパスした。

 その他わりといろんなイベントがあったらしいのだが、それらは全て俺がこのゲームを始める前の半年間の話。イベント参加は今回が初だ。

 

「露店がけっこうあるな。時間もあるしなんか食いながら――」

 

はひゅ(カシュ)へぇはは(姉様)ほぉほ(どうぞ)

 

 振り向けばナルが無表情で何かの肉の串焼きを咥えていた。両手に一本ずつ同じ物を持って俺とサラに差し出している。

 

「いやはえーな!?」

 

「いつの間に買ってきたのナルちゃん……」

 

「ほいひほうはひほいはひはほへふい」

 

「何言ってるかわかんねー……」

 

 喋りにくそうなのでひとまず受け取ると、手が使えるようになったことで食べやすくなったのか自分の分を瞬く間に完食し、

 

「おいしそうな匂いがしたのでつい」

 

「まあそんなこったろうとは思ったよ」

 

 このAI、無表情でクールなデキるメイドみたいな雰囲気を出していながら、その実腹ペコキャラである。

 どうも飲食できない間に俺がゲーム内外で食べていたものが気になって仕方なかったらしい。アンドロイドの身体を得て飲食が解禁されるや否や今まで抑圧されていた食への興味が爆発し、隙あらば食う食欲モンスターが誕生してしまった。

 ナルの食費の分出費が増えたのではあるが、そこはロボゲーたるAA。一度の依頼の報酬で人間一人の人生(まかな)えるくらいの額は稼ぐわけだから、食費くらいなら割とどうとでもなる。

 まあ兵器ってバカ高いからすーぐお金無くなるんですけどね!

 あまり機体を組み替えない俺ですらときどき金欠になるんだから、依頼に合わせて機体構成を変えるタイプのプレイヤーたちはどうやって金を工面しているのやら。

 

「あっ、これ美味しい」

 

「ほんとだ美味ぇな」

 

 柔らかいが確かな歯ごたえがあり味のしっかりした肉に、肉自体の味を決して邪魔しないが確かな旨みを感じるソースが絡んで大変おいしい。これがそこらの露店で売ってたってマジ?

 

ふひあほえへふ(つ ぎ は こ れ で す)

 

「いやだからはえーのよ!? まだ食い終わってねえんだわ俺ら!」

 

 知らん間に今度はイカ焼き――串にイカが刺してある方のやつ――をみっつ買ってきていた。この食いしん坊はほんとに……!

 

 とまあそんな調子で買い食いしながら歩いて、なんやかんやゲーム内時間で二時間ほど。ようやくアリーナに到着した。

 職員NPCの指示に従って観客席の指定された区画に行くと、まだ二時間ほど余裕があるにも関わらず既にけっこうな人数が居た。少なくとも目視では数え切れない。

 少し視線を上げれば大型モニターが真正面にある。かなり良い区画がプレイヤーに割り当てられているようだ。

 

「とりあえずどっか座るか」

 

「そだね」

 

「あちらが()いているようですよ」

 

 ナルの見つけた比較的人の少ないあたりに行って三人並んで座ることにした。

 腰を下ろしてから改めて見回してみる。特に知った顔は見当たらない。俺の交友関係がさほど広くないのもあるが、とにかく人が多くて判別しづらい。知り合いとか居ても多分わかんないなこれは。

 

「着いちまったらやること無いし、あとは待ちだな」

 

「ではこれを食べながら待ちましょう」

 

 ナルがどこからともなく焼きそば、フランクフルト、タコ焼き、ベビーカステラ等々、大量に食べ物を取りだした。身体に付属させたインベントリ機能で仕舞ってたんだろうが、しかしこれは……。

 

「うわぁ……いつ買ったのこの量」

 

 サラが若干引いている。道中で買ったのだろうとは思うが、マジでいつ買ったんだこれ。全く気づかなかった。

 

「ていうかまだ食うのか」

 

「当然です」

 

「ま、ゲーム内ならいくら食べても太らないしねー。ワタシも食べよ」

 

 ゲーム内でカロリーもクソも無いしな。満腹感も得られないけど。

 初期の頃の完全没入型VRゲームでは満腹感もあったらしいが、そうすると当然というか、ゲームでだけ食ってリアルで食わずに痩せるというMAX不健康なダイエットをして死にかける奴が複数出たのだとか。

 そこでゲーム内の食べ物をクソ不味くするか、満腹感を覚えないようにするかで意見が割れたそうだが、後者に軍配が上がった。

 何故って、大人気ジャンルであるファンタジー系のMMORPGで特にそうなのだが、満腹度のシステムがあるゲームが多いからだ。システム上必ず食べ物を口にする必要があるのにクソ不味いとか耐えられるわけがなかった。

 今では全てのVRゲームにおいて食事では満腹感を得られず、しかし現実の肉体の空腹感は感じるという作りになっている。かがくのちからってすげー!

 ちなみにAAでは満腹度は無いが胃袋ゲージというのがある。リアルの体格に応じて「あなたの身体で食べられる上限はこれです」というのが定められていて、それを超えて食べることはできないというものだ。無制限に食べられてしまうと現実で感覚が狂うかもしれないので設けられたセーフティーだな。時間経過で減っていくためものすごく時間をかけて少しずつ食べれば無限に食べられるのだが、ゲージ一杯まで食べた場合は空になるまでは飲食機能がロックされる。一杯から空になるまではゲーム内で五時間だ。

 その点ナルはAIかつアンドロイドなので無制限で、マジで隙あらば食っている。

 

『お集まりのアドラー諸君! 夏だ! 海だ! 弾丸だ! ドキッ、AAだらけのレース大会!(パーツが)ポロリもあるよ!

 キャノンボール・アサルト、開幕です!!』

 

 時間になったようだ。大型モニターに何故か水着を着ているスタイルの良い美女が映り、ハイテンションで開幕を叫んでいる。背景が砂浜……ああ、アエスタースのビーチだなこれ。ビーチなら水着で当然だな!

 

「おにい?」

 

 いい笑顔のサラは努めて無視だ。不可抗力だろ不可抗力!!

 まあ真面目な話、男性プレイヤーのほうが圧倒的に多いからそういう衣装チョイスなんだろう。ロボゲーの男女比なんてそんなもんさ……。

 

『というわけで今回は私、「水着姿を見たい女子社員総選挙」という社内投票にて一位に輝き他の女子社員とギスギスしている老神(おいがみ)秋保(あきう)が! 進行を務めさせて頂きます!

 セクハラで訴えたら勝てそうな気がしますが優越感で大変気分がよろしいので不問にしましょう!』

 

 うーんポジティブ……いやポジティブか?

 

『ちなみに私普段は受付業務ですのでこのゲームのことはあまりわかりません! 渡された台本通りに進行致します!』

 

 それはダメだろ!? と思いはしたが、司会進行をなんも関係ないグラビアアイドルとかに任せるリアルイベントとかけっこうあるし、問題はないのかもしれない。

 

『出場される方は事前の申請で登録されており、今日これからの登録はできません。

 ここからの流れですが、参加人数が多いので、事前に公式サイト等でお知らせしている通りまずはシミュレーター上の簡易コースで予選レースを行います。グループ分けをして全レース一斉に行い、各グループの一着の選手が本戦に出場です。

 そして本戦はレンタル機部門・軽量機の部からスタートします。それから中量機、重量機と続いて、その後に自由部門。こちらも軽量機、中量機、重量機の順に行います』

 

 ここまでは既に知っている。特に変更点は無いようだ。

 

『出走二〇分前になりましたら、そのレースに出場される選手は自動的に特設ガレージに転送されます。こちらで機体の最終チェックをして頂き、出走五分前にはこれまた自動的に、機体に乗り込んだ状態でスタート地点に転送されます』

 

 ふむふむ、こちらで操作することは特に無いんだな。ありがたいが、気を抜いてると不意打ちで転送されてびっくりしそうだ。

 

『次は本戦の説明です!

 本戦では全レースで同じコースを使います。後から走る選手たちの方が観戦してから挑める分、戦略等立てやすくなってしまうかもしれませんが、マップを事前にお配りしますのでご容赦ください』

 

 まあ……別に各レースで優勝が独立してるんだし、それは別に良いのでは?

 

『スタート地点は島の南東部の平原です。

 しばらく進むと海上コースに入ります。それから海を大きくぐるっと走って、島の北西部から再び陸上コースに。

 都市廃墟の中を通って東側に抜け、最終的に南東部のスタート地点に帰ってくることになります。つまりスタートとゴールは同じ場所ですね』

 

 アエスタースはリゾート地である首都も、他に人が住んでいるいくつかの小都市も、島の南西部に集中している。このコースは人の居る場所を綺麗に避けた配置になっている。

 

『コースとは言うものの物理的な壁が設けられている場所はほとんどありません。

 ガイドビーコンが設置されているので、機体のカメラ、あるいはコース各所に設置されたカメラを通した映像には半透明の壁やライン、矢印等が表示されるはずです。また、レーダーにもラインが表示されます。

 これらをきちんと見て、コースアウトしないように走ってください。コースから一〇メートル以上離れると失格となります』

 

 逆に言えば一〇メートルに達さなければ離れて良いということだ。例えばヘアピンカーブみたいなんがあってコースの間が一九メートルの場合、律儀にカーブを曲がらなくても壁を越えてしまえば良い……という可能性もある。出た方のコースから一〇メートル離れた時点で失格とかだったらダメだが。

 まあそんなリスクを冒すくらいなら普通にコース通りに行った方が俺の場合は良い。

 

『さらに今回は選手同士の攻撃アリ! 撃墜された選手はその場で失格! 復活して再スタートとかありませんのでお気をつけください!』

 

 赤い帽子の配管工のレースゲームのように、コースアウトやクラッシュをしたときに雲に載った黄色い奴が釣り上げてコースに戻してくれる――なんて救済措置は無いらしい。

 そらそうだよな、予選はシミュレーター上のコースという設定だが、本戦は現実ということになっているんだから。クラッシュした機体が一気に修理されて復帰とかどんな魔法だよって感じだ。

 

『というわけで! さっそく予選を行いますよ!

 三〇秒後に参加者の皆さんを特設ガレージに転送します!』

 

 おっと、さっそくか。じゃあ一丁ぶっちぎって来ますかね!

 

「じゃあサラ、行ってくるな」

 

「行って参ります、姉様」

 

「ん、頑張ってねー」

 

 綿あめをパクつくサラに手を振って、俺とナルは転送されていった。

 目指すは優勝! 世界にスピードってものを教えてやるぜ!

 

 

 

 




 
【Tips】アンドロイド
 ASSAULT ARMORの世界では一〇メートル級の人型機動兵器がスムーズに二足歩行できるほどのバランス制御が普通に実用化されている。ならば人間サイズのアンドロイドが一見して人間と見分けがつかない動きをできないわけがあろうか、いや無い! 反語!
 アンドロイドの価格は安ければ自動車くらい、高いものはそれこそ天井知らず。が、安いものが良いものなわけがなく、最安値ともなると耐用年数(買った瞬間からゲージが減っていき、0になると破損する。ログアウト中も減る)が極端に短い、出力が低い、よく転倒する、発声機能が無い等あらゆる面で粗悪品。
 なお、現実世界でもアンドロイドは既に実用化されているが、お値段が戦闘機くらいする。最近技術革新が起こり生産コストが劇的に下るだろうという発表があったらしく、近々高級車くらいまで値下がりするのではという噂もある。






 オリジナル小説のヒロインなんてなんぼ性癖詰め込んでもいいですからね! 色彩の薄い女の子が好きなのでハーフとか人外とかにして薄くしがちです。

 本来は一話完結型というか、いつエタっても良いようにその話の内容はその話だけで終わらせていく予定だったのですが、長くなりそうだったのでここで切ることにしました。もし続きが予想以上に短くなった場合は、続きを投稿したあとしばらく経ったらくっつけるかもしれません。
 続きを投稿しないと他の話を思いついても投稿できないのも途中で切るのをあまり好まない理由なんですけどね。一話一話で独立していれば時系列だけ辻褄合わせれば投稿できるのでそっちのが好きです。

 作中に登場したガイドビーコンをガイドビーコンと呼んで良いものかわかりませんが、「機体のカメラを通して見るとラインとか壁とかが表示される電子的な目印」として他に適切な表現を思いつかなかったのでこうしています。
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