ボディガードです   作:TEC3433

1 / 1
プロローグ

「死ねえぇぇ!!」

 

「おっと」

 

ガシ

 

「ふん!」

 

バキ!

 

「レディに手を挙げるとは男の風上にもおけん」

 

「あなたは?」

 

「アイさがって!」

 

突如としてナイフを突き刺そうとしてきた時、筋肉隆々の男が横からナイフを持っている手を掴み壁に投げ飛ばしました。

 

「私はボディーガードです」にか

 

「え?」

 

「は?」

 

筋肉男はアイの疑問に対してニカっと笑いながら返答します。それにアイとアクアは面食らっているようです。

 

「正確には!」びし!

 

「え、なに?」

 

筋肉男はアイを指差します。

 

「あなたの所属する会社の社長をしているクソ兄貴に雇われたボディガードです」

 

「なんであなたをボディーガードに?」

 

そんな突拍子もない発言にアクアが疑問を投げかけます。

 

「俺の働いている会社が倒産してな。特にやることもなく暇を持て余していたら、兄貴に目をつけられお前はいるだけで威圧感があるから頼むと言われてここにいる」

 

「なんだそれ」

 

「わぁ〜すごい筋肉〜」

 

さわさわ

 

アイはいつの間にやら筋肉男の元に近づき腕やら腹筋やらに触れています。

 

「むっ、お嬢さん見る目があるな、そうなんだ特にこの大腿四頭筋が自慢でね」

 

筋肉男はアイにマッスルポーズをとりながら筋肉アピールを始めます。

 

「む、無駄にキレてるな…」

 

アクアはその光景を見て呆れた表情を見せます。

 

「この、やろう」

 

先ほど筋肉男に投げ飛ばされた男がフラフラと立ち上がります。

 

「アイ!」

 

アクアがそれに反応して声を荒げます。

 

「なんなんだよお前は!」

 

男は筋肉男を睨みつけます。

 

「なんだと言われても最近フリーターになったものだ。今は臨時でボディーガードをしている」

 

「くそ!」

 

男は勝ち目がないと悟ったのか逃げ出しました。

 

「むっ、逃げるか。しかしレディとキッズ達を放置するわけにもいかない。ここは見逃してやるか」

 

びし

 

「あの、マッスルポーズをしながら言うのやめて貰えます?」

 

「えぇ〜でもかっこいいじゃん!」

 

「なになにどうしたの?わぁおっきい人だ」

 

アクアが呆れアイが目をキラキラさせます。そこにさらにルビイも玄関に集まります。

 

ーーー

 

「ちょっと佐藤さん事前にボディガード雇うなら言っておいてよ〜。すっごくビックリしたんだけど〜」

 

「すまんな。言うのを忘れてた。後、俺は斉藤だ」

 

その後アイの家に上がり込んだ筋肉男はリビングの床にちょこんと座り込んでいます。

 

「名前を聞いてもいい?」

 

「俺の名前は斉藤士丸(サイトウ シマル)と言う。これからよろしく頼む」

 

「うん、よろしく〜」

 

「なんでアイはそんなにすぐに受け入れられているの?」

 

「え?だって悪い人じゃないし」

 

「なんで悪い人じゃないって分かるの?」

 

「勘かな?」

 

「ところでアクア君」

 

アイとアクアが問答しているとそこに士丸が入ってきます。

 

「な、なんですか?」

 

「君は筋肉に興味はあるかい?」

 

「え?」

 

「今から鍛えればボディビルダーとして世界を狙うことができるんだが興味はないか?」

 

だき

 

「ダメ!アクアはそんな筋肉隆々になって欲しくない!」

 

「そうか残念だ」

 

「大っきい!」

 

「む、肩車をしてやろう」

 

ルビーが士丸の方に飛びつきます。士丸はそのルビーを抱えて立ち上がります。

 

「なんというかさっきまでナイフを持った男が襲ってきてトラウマになってもおかしくないのに」

 

アクアは周りも見て、最後に士丸をみます。

 

「まぁ、悪い人ではないのか?」

 

ーーー

 

「アイさんサインください!」

 

アイにはスタジオを移動の際などに突入してくるファンが結構な頻度で来ていました。今までは度々それに対応などをしていました。俗に言うファンサービスです。ただ、中には変質者もいます。

 

「アイちゃああん!!」

 

変質者がアイに向かって両手を広げて走り出します。

 

どん

 

「痛、テメェそんな、とこに、突っ立てんな、よ…」

 

変質者は何かにぶつかります。結構な勢いでぶつかった反動で後ろに尻餅をついてこけてしまいました。変質者は怒りをみせぶつかったものを睨みつけます。しかし視線が上に登るにつれて勢いが無くなっていきます。

 

「そんなに抱きしめたいなら俺が抱きしめてやろう」

 

「ちょ、ま、」

 

ばきばき

 

「あぁぁぁ!!」

 

黒のスーツにサングラスを着た士丸が変質者を力一杯抱きしめます。徐々に海老反りになって行きます。鯖折りです。

 

「あははは、あの人すごかったね。ありがとう士丸」

 

「これが俺の仕事だからな」

 

「本当に我が弟ながら恐ろしいな。アイの家にきた犯人もまだ見つかってないからな。まだしばらくは頼むぞ士丸」

 

「分かった」

 

「うん、私も士丸がいてくれたらとても安心できるよ!」

 

「お前、俺の名前はいまだに覚えられないくせに士丸の名前だけはもう覚えてるんだな…」

 

「なんでかすぐに覚えられたんだよね〜」

 

「はぁ、全く。今日はもう帰って大丈夫だぞ」

 

「は〜い。行こう士丸!」

 

「頼んだぞ」

 

「あぁ」

 

苺プラダクションをでたアイは士丸が運転する車に乗って帰宅します。

 

「ただいま〜」

 

「お帰り!!」

 

「お帰りアイ、士丸さん」

 

アイと士丸が家に帰るとルビイとアクアが出迎えてくれます。

 

「さて、俺はここらで失礼する」

 

「えぇ、士丸さん帰っちゃうの〜?」

 

「一緒にご飯食べて行きなよ」

 

士丸の帰宅宣言にルビイが難色を示し、アイが夕食を共にする提案をします。

 

「むぅ、そうかなら遠慮なく」

 

「わぁぁい!」

 

「この光景もちょっと慣れてきたな」

 

アクアは最近よく行われている会話を見てなんともいえない気持ちになります。

 

(ルビイも士丸さんによく懐いたな)

 

「あ、食材買い忘れっちゃった」

 

「俺が買ってこよう、何を買ってくればいい?」

 

「他にも欲しいものもあるし私も行く!アクアとルビイはお留守番しててくれる?」

 

「「わかった」」

 

未だに黒のスーツにサングラスをつけた士丸と申し訳程度に変装したアイがスーパーで買い物をします。しかしこの2人が並んで買い物をする光景は異様でとても目立っています。

 

「なんで士丸未だにスーツなの?」

 

「兄貴から私服で外にでてると熱愛報道が出る可能性があるから私服でアイとは歩くなと言われた」

 

「あ〜。確かにそっか」

 

買い物を終えて車に乗り込もうとしている2人に近づく影が1人

 

「アイ、後ろに」

 

士丸はその影に気がつきアイを後ろに庇います。

 

「アイは僕を裏切ったんだ。死んで当然なんだ」

 

明らかにアイを狙っているのが分かります。

 

「まずはお前だ!」

 

プシュウ

 

「んぐぅ」

 

士丸はいつものように対処使用しましたが、男は士丸の死角から素早く催涙スプレーを吹きかけます。

 

「士丸!」

 

「死ねえ!」

 

ぐさ

 

「ごふ!」

 

男は士丸が催涙スプレーで怯んでいる間にナイフを取り出しそれを腹部に刺します。

 

「へへ、ざまあ見ろ!!」

 

「いや、死なないで!」

 

士丸にナイフを刺した男は勝ち誇った笑みを浮かべます。アイも目の前で刺された士丸を見て悲鳴を上げます。

 

「ムン!!」

 

ドカ

 

「ぐはっ」

 

しかし士丸は腹部にナイフを刺されながらも男を力一杯殴りつけます。男はその一撃で気を失います。

 

「ごほ」

 

男を倒した士丸ですがナイフが内臓を貫通したのか吐血をします。

 

「士丸、急いで救急車を呼ぶから」

 

「これ、くらいは、大丈夫だ。問題、ない」

 

士丸はその場にへたり込みますがしっかりと意識はあるのかアイの目をしっかりと見て話します。

 

「えへへ、本当に士丸なら大丈夫な気がしてくるよ〜」

 

そんな士丸を見て先ほどまで焦っていたアイが落ち着きを取り戻します。

 

「大丈夫ですか?意識ありますか?」

 

「あぁ、大丈夫、だ」

 

「タンカーに載せますね」

 

「自分で乗れる」

 

「え、無理しないでください!」

 

緊急隊員が到着しタンカーに士丸を載せようとしますが、驚くことに士丸は自力でタンカーに寝転びます。

 

「あはは、本当に士丸は型破りだね」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。