【推しの娘】 〜Trance Stars Family〜   作:かにみそスープ

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 舞台編も一区切りついたので、感謝の意をここで示します。
 お気に入り1000件突破ありがとうございます。またあんな鬱話を投稿しても赤ゲージなのは嬉しい限りです。今後とも気長にお付き合いくださいませ。


★第三十九話★ 閉演

「皆様。ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした」

 

 

 

 控え室に入って早々、あかねの土下座を目にした俺の心境はどうすれば良いのだろうか。

 見事に綺麗な土下座。先程までの感動を全部利子つけて返してほしいくらいに滑稽なような、醜悪なような、一周回って潔いというべきか。なんであれすごい背徳感に襲われる光景だった。

 

 ……でも思い返せば、あかねの謝罪は『今ガチ』での炎上騒ぎで一度見てるのか。そう思うと意外と珍しくない光景なのかもしれない。

 

 

 

「はぁ〜〜! 美少年の額を地面に擦り付けるのは気分良いわね〜〜。それが売れっ子役者なら格別にね!」

 

「やっぱコイツ性格悪いな」

 

「お姉ちゃん今更だから。ロリ先輩の性格が終わってるのは」

 

「聞こえてんぞ、ブラシスコンビ」

 

「おう、すまん」

 

「ごめん、先輩」

 

「詫びる気ない返事だろコラ」

 

 ちなみに現在控え室にいるのは俺、ルビー、有馬、あかねのいつメン四人衆だ。

 隣の控え室には他の主演陣がいるが姫川と鴨志田はこういう内緒話には耳を貸さない主義だし、メルトは特殊メイクだから時間が少しかかるし、フリルに至っては単純に衣装が重ね着で手間が掛かる。今なら別に『前の世界』を込みにして話しても問題ないだろう。

 

「いつまで頭下げてるんだ、あかね。もういいだろう」

 

「いやぁ〜〜、その〜〜……ねぇ?」

 

 まあ気持ちは分からなくもないんだけどな。

 あかねが『星野アクア』の演技に呑み込まれたせいで、危うく舞台は破綻してしまうところだった。一人の役者が自分勝手に、我儘に、暴れまわったせいでエンタメとして最悪のことをしてしまう寸前だ。

 

 ……俺だって、自分の全てを捨てて復讐を果たした。でもその末にあった物はなんだ? 

 思い出してはいないが俺自身は記憶喪失を起こして、ルビーは俺の介護に疲れて投身自殺。そしてあかねも同じように何かしらの破綻を起こしてしまったから、舞台本番で星野アクアに呑み込まれることになってしまった。

 

 だけどそこを有馬が助け出してくれた——。

 いや『連れ戻して』くれたんだ。奈落の底へと堕ちようとしていたあかねを強引に、無理矢理に、我儘に連れ戻してくれた——。

 

「ありがとな、有馬」

 

「な、なによ? 別にアンタに褒められるようなことはしてないでしょ」

 

「有馬のおかげで、あかねは助かった。俺の復讐を背負わずに済んだ。それに対する感謝だ」

 

「じゃあ、おあいこよ。私は何度もアクアに助けられたのに、アンタには酷いことしか言ってこなかった。その借金を利子だけでも返したと思いなさい」

 

「……酷いこと?」

 

「鈍感系主人公かアンタは。まあ分からないなら分からないで気が楽でいいわ」

 

「どれのことだ? 小役時代にアイの演技をバカにした件か。スケコマシの件か。ネクラナルシストの件か」

 

「逆に思い当たる節が多すぎなパターンかコイツっ!?」

 

 自業自得だろ。自分が今まで言ってきたことを振り返ってみろ。流石に擁護しきれないのが結構あるぞ。

 

「そしてありがとう、あかね——。お前のおかげで、俺は自分がやるべきことが分かった」

 

「……私は何もしてないよ。今も昔も、誰かに助けられっぱなしで……」

 

「それでも、あかねは迷ってる俺に道を指し示してくれた。俺を『連れて行ってくれた』んだ、贖罪への道に」

 

「君の、贖罪に……」

 

 これは本心からの言葉だ。あかねのおかげで、あの舞台での熱気を浴びたことで俺は一つの答えを見出すことができた。

 いや、この答えは最初から自分の中にあった。だから(アクア)は何も言うことなく「忘れるな」と忠告してくるだけだったんだ。

 

 そうだ——。これは忘れちゃいけない。

 これが(マリン)が成せる贖罪。ルビーにも、あかねにも、誰にも肩代わりできない僕だけが果たせる贖罪。

 

 それを気づかせてくれたあかねには、本当に感謝しても足りない。あかねにはずっとずっと助けられっぱなしだ。

 

 だから口にする必要がある。改めてあかねには感謝の気持ちを。

 言わなければ伝わらないことがあるのを、俺はあかねとの育んだ関係の中で知っているのだから。

 

 

 

「お前には本当いつも助けられてる。こんな俺を認めてくれて、支えてくれて、助けてくれて、導いてくれたんだから」

 

「……いつか気づけたことだよ。君は聡いから、復讐は終わってなかったことに心の奥底では気づいたように、私の力なんかなくてもいつかは贖罪への道を見つけられた」

 

「それでもありがとう。贖罪の道もそうだし、お前があの強硬策をしてくれたから最高で最悪の形でピースを揃えることができた。あれで『星野アクア』の復讐そのものは燃え尽きたんだから」

 

 そうだ。どうであれ俺は復讐を完遂することができた。もうこれ以上しなくて済むと完全燃焼をして壊れてしまった。

 もちろん『その後』がどうなったかまでは知らないし、思い出せない。だけど『その後』の顛末を全て把握してるのは——。

 

「私との扱いの差酷くない?」

 

「何一つ言及されてない私よりかは感謝されてるよ〜〜」

 

 呑気に話しながらも、常に一歩引いた姿勢で談笑している『有馬かな』に他ならない。

 しかし、こいつからはルビーやあかねと違って切羽詰まった感じは見受けられない。有馬は思ったことは口に出す、歯止めは効かないと結構分かりやすいタイプのやつなんだが。

 

 考えられる結論としては主に二つ。

 一つ目はこいつが名女優であり、卓越された演技力で表に出さないようにしている。実際に『その後』のことを知らない以上、有馬がいつどの時間から遡行してきたか分かりはしないのだから、俺が知らないところで何かしらの変化や技術を身につけたとしても不思議じゃない。

 

 二つ目は有馬が抱えてること自体に大した問題がない。今までルビーとあかねが壊れたのは『星野アクアの復讐』に密接に関わっていたからだ。有馬自身には俺の復讐については極力関わらせないようにしてきたし、匂わせないようにもしてきた。おかげでパンダの件みたいに能天気な話しができるほどに。

 

 さてどっちか。有馬の挙動から探ってみるとするか。

 

 ……なんて考えたところで仕方がない。今は俺達以外には誰もいないんだし、出たとこ勝負で聞いてみるか。これでも雨宮時代にはお悩み相談で結構深いところまで踏み込んだ話をした経験もあるしな。

 

「なあ有馬。お前に聞きたいことが……」

 

「うっさい話しかけんなドンファン野郎。おべっか使おうとしてるのが見え見えよ」

 

「門前払いかよ」

 

 というかドンファンって、そこまでプレイボーイじゃねぇよ。

 

「あんたはそのままあかねとよろしくやってればいいのよ」

 

「なんだその気遣い、キモイぞ。何か悪い物でも食ったか」

 

「『今ガチ』の時からそうだけど、恋人関係にしては二人は妙にドライなのに信頼感ある感じが、見てる側からしたらこそばゆいったらありゃしない」

 

「ビジネスなんだから、そりゃドライな部分はあるだろう」

 

「一度正式な付き合いした後もそうなのよ」

 

 それを言われると何も言い返せない。

 正直あかねとの関係は自然体というか、互いに尊重し合う自立した者同士の関係だったから世間一般的に思うような恋人らしい甘酸っぱい雰囲気とかはあまりなかったからな。

 

「あとあかね。これで目的は達したでしょう。もう無理に私とカップルごっこする必要ないわよ。アクアと仲良くしてなさいな」

 

「かなちゃんと別れる気はないよっ!? 私は断固反対!」

 

「じゃあ言い換えるわね。彼女に暴力をあげるような男とは付き合いたくないの。それがビジネス上なら尚更ね」

 

「うぐぅ……」

 

 まあ確かに結構容赦のない肘打ちだったもんな。

 てかよく考えたら、意外とあかねって傷害関係多いな。経緯はどうあれ結果だけ見るならば、ゆきの頬に傷を付けたり、ナイフ所持の件だったり、今回の肘打ちといい、割と脳筋なのか?

 

「ねぇ先輩。私から聞きたいことが……」

 

「ぐぅ……その顔で頼まれるとちょっと気が引けるのよ……」

 

「おっ、効果が見えるな。そのまま俺たちの分まで拝み倒せ、ルビー」

 

「男になってるルビーちゃんの顔、陽キャしてるだけでアクアくんに瓜二つだから! かなちゃんはアクアの顔に弱いからいける!」

 

「そうだそうだ。あと有馬は押しに弱いから泣き落としやゴリ押しでいけるぞルビー」

 

「アクアくんが乙女の純情を弄ぼうとしてる……」

 

「唆したのあかねが先だからな」

 

「了解! 先輩、お願いがあるんだけど、先輩が知ってること全部教えて! 具体的には何があったのか!」

 

「その顔で先輩先輩言うな! 調子狂うじゃないっ!!」

 

「じゃあ有馬! それともかな? どっちがいい!?」

 

「あーもー! この雰囲気懐かしいわね! でも無理なもんは無理! 絶対教えないから!! アクアみたいな顔と声で呼ばれても絶対ダメ!!」

 

 側から見てる分には面白いし楽しいなこれ。

 有馬がこんなに狼狽えたり、慌てたりするなんて本当……いつまで経ってもアイツは変わらないんだな。

 

「ルビーちゃん! 壁ドン! 壁ドン行こう!」

 

「OK! 有馬、言う事聞けよ」

 

 それはそれとしてなんだこの状況。

 今のルビーは髪の長さとちょっと違うだけでアクアの時と瓜二つだから、有馬を押し倒してる自分の図を見てるみたいで落ちつかねぇ。

 

「女子ってそういうの好きだよな……」

 

「今のアンタが女子でしょうが! この二人止めなさいよっ!!」

 

「いや止める理由ないし。俺だって聞きたいし」

 

「くそっ! 八方塞がりじゃない!?」

 

 実際有馬が握ってる情報は気になるしな。

 吐き出せるものなら吐き出してもらったほうが、こっちとしてはありがたい。

 

 

 

「やっほ〜〜! いきなりで悪いんだけどプロモーション用の動画撮っていいかなぁ……って」

 

 

 

 おっと。これは都合の悪い登場だ。カメラを持ってMEMちょが楽屋に突入してきやがった。

 そのカメラに映る光景は何か。一人の少女を押し倒そうとするイケメンが一人。それを煽る美男子が一人。眺める俺が一人。

 

 YouTuberであるMEMちょはこれをどう捉えたのか。しばらく固まった表情を氷解させて笑顔を浮かべると、すごい申し訳なさそうに後退りをして「お邪魔しました〜〜♪」と足早に帰ろうとし始めた。

 

 

 

「ちょうどいいとこで来たわ! 今アンタがカメラに捉えたのは歴とした芸能界の闇よ! 数で弱い者を虐めてる図よ! 暴露動画として公開しなさい、MEM!!」

 

「私の動画、そんな事のために続けてるわけじゃないよっ!?」

 

 

 

 まあ、これ以上は詮索するのは無理か。有馬も喋る気なさそうだし、時間も時間だから『東京ブレイド』の出演陣も戻ってくるだろうし。

 

 なら、またの機会を待つとしよう。今はこの胸に宿る気持ちへと素直に向き合い、自分が進むべき糧としよう。

 

 

 

 ——ようやく『贖罪』への第一歩が分かってきたんだから。

 

 

 

 …………

 ……

 

 

 

「もしもし、元会長さん? うん、そう私、私私。いや詐欺師じゃないっすよ。今時の詐欺師はもうちょいスムーズで巧妙だってバラエティ番組で聞いてるんで」

 

 舞台公演一日目を満足そうに帰路に着く人々の只中。

 移り変わる季節の暖かさを求めるように、髪も体も覆い隠す冬に適応した厚い『衣』を纏った女性が楽しそうに電話先にいる人物へと会話を続ける。

 

「妹が出演した舞台を見に行ったんっすけどね……。お眼鏡に合いそうな子が何人かいたよ」

 

 狙い定めた女性の目はどこか爬虫類みたいであり、その視線の先には今回講演された『東京ブレイド』の舞台を告知するホームページが映っている。

 彼女が視線を定めているのは、先の舞台で異次元レベルの演技を見せつけた『黒川あかね』と、その異質な演技に真っ向から挑んだ『有馬かな』の二人——。

 

 普通であればどんなに成熟しても到達できない神業。

 その常識はずれの演技に、彼女はどうやら気に入ったご様子であり、巧みな指遣いで画面のタブを切り替えては調べてを繰り返して情報を収集していく。

 

「しかも、あかねは話題の『苺プロ』所属でさ……。『ミコちゃん』が関わってる件のアレの事務所っすよ」

 

『ああ、あの件ですか。どうも不明瞭な点があると自ら『弁護士』となってまで関わろうとしている……』

 

『俺もあの事件には少し疑問があった。『藤原』も頑張って情報収集してくれてるからな。どうやらこの事件は、今回の舞台の主役を務めた姫川大輝の両親『上原清十郎と姫川愛梨の無理心中』にまで遡るらしい』

 

「へぇ〜〜。でも弁護する相手って二人と関わりないっすよね?」

 

『……さあな。断言が現状できない以上、そこは現在調査中だ。だけどこれが真実なら、相当芸能界ってのは闇が深いらしい』

 

『どの世界でも後ろ暗いことはありますね。『四宮』でも色々とありましたから……』

 

 

 

 二人の男女の声が彼女の端末から聞こえ、思慮深く話を紡ぐ。

 二人とも声色からして大人びてはいる。ただ貫禄を帯びたものではなく、まだ社会経験の浅そうな子供特有の純粋さも兼ね備えた甘さもあるような——大学卒業したての新社会人のようなものだ。

 

 

 

「PDFで送っとくから、後で確認よろ〜〜」

 

『『了解』』

 

 

 

 けれども甘えあっても迷いはない。躊躇いもない。ただ突き進む信念があった。

 自分たちがすべき事を確かに見据えた決意を込められた一つ返事で会話を終えると、彼女は「面白いことになってきたね」と溢して巧みに指を操作してデータを送信した。

 

 

 

 データの中身は先程口頭で伝えた通り『東京ブレイド』の舞台について詳細を記載したPDFであり、出演陣一人一人の出身地•代表作と余す所なく事細かく載っている。

 

 そのグループ名には、ある有名な学校名が載っていた。

 

 

 

 グループ名:『秀知院学園OB・OG(10)』と——。

 

 

 

 …………

 ……

 

 

 

 その後、東京ブレイドの千秋楽を迎えることになる。

 爪痕を残すほどに名演技の連続と、MEMの宣伝もあってもか、2日目以降は満員御礼の大盛況。2.5次元の舞台として『大成功』という形を収めて幕を下ろすことになった。

 

 SNSを中心に舞台感想を見ると、皆が皆が興奮した様子で褒め称えてくれる。

 特にあの日を境に『星座』のように心を繋ぐあかねの異質な演技には全員何かしら惹かれ、もしくは『星座が紡いだ何か』を幻視する者さえもいるほど虜にしていった。

 

 

 

 そこで僕は確信した——。

 自分がするべき『贖罪』への道を。それをどうやって踏み出すべきかを。

 

 その答えは既に俺の中にいる。この道は間違っていない。

 戻る必要はない。この道を進むだけ。自分の意思で、自分の選択で、自分に『嘘をつかず』に。

 

 向かう先はただ一つ。都内にあるマンションの一室。

 聞きなれたインターホンの音が響くと、これまた聞きなれた女性の声が聞こえ、俺はそれに対して名前だけを明かしてしばらく待つと、金属製の扉は大きく開かれた。

 

 

 

「マリンちゃん、久しぶりね〜〜! しばらく見ない間にまた一層美人になっちゃって!」

 

 

 

 俺が向かったのは『五反田監督の家』だ。そこで監督の母親が早速俺のお出迎えをしてくれた。

 いつも通り和食特有の味噌や醤油の香りが立ち込めるが、ここに来るとアイの家とはまた違った安心感を覚えて自然と足を踏み入れてしまう。

 ある意味では第二の我が家といってもいい。少なくとも、前の世界だとバイト的な意味合いも込めて結構な頻度で入り浸っていたし。あの時の映像編集の技術は本当に役に立った。あかねの炎上騒ぎとか特に。

 

 

 

 だからこそ——もっと知りたいことがある。

 

 

 

「お世話になってます。監督起きてる?」

 

「起きてるんじゃない? ところで今日はご飯食べていくかい?」

 

「お願いします。母さんには連絡入れてるんで」

 

 まあ、連絡入れたらすぐに「日曜日は皆で食べる予定じゃん!!」と駄々っ子メッセージを送られてきたんだけど。

 ちなみにそんな風習を作った覚えも、交わした覚えもない。日本人特有の『暗黙の了解』ってやつで今までは可能な限り行ってきた事実はあるけれど。

 

 とにかく食事の予定だけは入れておいて、迷うことなく監督の部屋……自称五反田スタジオに足を運んだ。

 ノックをするまでもなく「入るぞ」の一言だけ告げると、返事を聞く間もなく俺は液晶モニターのBLUEライトだけが照らす薄暗い一室へと入り込んだ。

 

 

 

「よう、早熟ガール。半年ぶりだな」

 

「いつまでもガール扱いなんだな」

 

「はっ。お前をレディとして見るのは無理がある」

 

 それはそれで非常にありがたい。

 俺も監督もどうこうする気はないが、客観的に見れば四十代の男と年頃の女子が薄暗い部屋の中で一緒にいるという、字面だけならやけに如何わしい場面の完成だからな。

 

「五反田監督——。アンタに頼みことがあるんだ」

 

「なんだ、映画の出演か? ルビーあたりの贔屓か? ブラコンなのは別に構わないが、年末年始は収録現場抑えるのが予算的にもスケジュール的にも厳しいから、閑散期になるまで待ってくれよ」

 

「そうじゃない。あとこの時期に撮影現場を押さえられない低予算具合に同情しそうだ」

 

「相変わらず可愛げのないガキだな。で? 改まって頼みたいってことってなんだ」

 

 

 

 監督は姿勢を正し、イスをこちらへと向き直してくれる。

 監督なりの真面目に話を聞く体制だ。こういう時の監督は子供部屋おじさんというより、映画監督としての仕事人としての威圧感を強く感じる。初めて会った時の一見すれば強面に見えるような出会いを思い出すほどに。

 

 そう——。ここはリスタートだ。

 ここからが始まりなんだ。偶然か運命か。俺と監督を繋いだ映画である『それが始まり』を思い出しながら、僕は自分の中で渦巻く素直な気持ちを吐き出した。

 

 

 

「僕に——『映画の作り方』を教えて欲しいんだ」

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