【推しの娘】 〜Trance Stars Family〜   作:かにみそスープ

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★第四十九話★ 28時間テレビは止まらない③

「なんだ……なんなんだよ……急にあいつら割り込んできて……っ!」

 

 一方その頃テレビ局の放送管理をするフロアでは、ある一人の男が狼狽えていた。

 彼はこのテレビ局に忠実に尽くしていた此度で還暦を迎える経理部門の部長だ。額には年相応に苦労が染み付いた皺があり、手の甲も肉厚がなくて血管や骨の形といった歳を重ねることへの残酷さが目立つ中、その手首に巻かれたアンティークのネジ巻き時計が年季を重ねることへの高貴さを見せつけていた。

 

「ネットも炎上しかかっている……! これじゃ企画は頓挫になって、賠償金としてスポンサー共に払うハメになっちまう……っ!! ただでさえ現代のテレビは予算が足りてないってのに……!!」

 

 だがそれで高貴になるのは腕時計だけであり、身につけている本人が気高い人間になるわけがない。どんなに高級な装いをしても、心から滲み出る悪臭を打ち消せるはずがないのだ。

 

 しかし彼も最初から業界の闇に啜って生きてきた根からの外道というわけではない。

 彼も彼なりの苦悩があった。低迷するテレビの視聴率と収益。コンプライアンスなどの配慮で年々強くなる放送規制。それでも面白いものを作ろうと作らせようと、そして家族を養うためにしたくもない残業を続け、飲みたくもない酒と接待に付き合い、頭を下げたくもないゲス野郎にも頭を下げ、社会に属さない無法者や非常識な輩に理不尽で頓珍漢な非難と怒号を浴びせられたこともあった。

 

 それらすべてを昭和から令和にかけて見続けた。

 時代に合わせて生まれ育った良くも悪くも常識がない怪物たちを。

 

 世の中には社会に不利益を齎すことに快感を覚えてそうな屑と物好きがいる。

 何が障がい達を金食い虫にしているだ。障がい者を感動ポルノにしてるだ。障がい者の扱いなんて、どういう経緯や流れであれ寄付という形で『社会に貢献している』のだから、それらと比べたら遥かにマシで良識と常識があるといっていいだろう。

 

 汚いものなんて、体を巡る血液みたいに極ありふれた物としていくらでも見てきた。まだ20代という若い頃でさえ、今であれば『うつ病』だの『適応障害』といった精神的疾患の初期症状が出ていて、いつこの業界から消えていてもおかしくないほどに病んでいた時期もあった。

 

 それでも必死に彼はこの業界にしがみついて生きてきた。

 いつかきっと、テレビが真実を映してこの鬱屈した世界を正してくれると信じて、いつか本当の意味でテレビとしても役割を果たしてくれると信じて。

 

 そう信じて、信じ続けて。

 いつかきっと、全部が明らかになる日がくると信じてきたのに。

 

 

 

 …………

 ……

 

『今まで私の期待に応えてくれてありがとう。来月からは君がこの部門の責任者だ。だが引き継ぎをするにあたり、君には見せないといけないものがあるんだ』

 

『ご覧の通り、テレビが映したくない過去は山ほどある。テレビ局の人間としてはこういう腐敗した全部は映したくなるし、これを匿名で売り出せば君には『1000万円』ほどの大金を瞬時に得られるのは間違いない』

 

『だけど表に出したくはないんだよ。テレビの闇を全部映してしまえば、過去や今に遡って様々な責任と問題を追求される。そうなってしまえばテレビに関わった数多の企業や人間といった人生が壊れて路頭に迷う。あるいは首を吊るしかない奴も出てくるだろう。その数は裕に千人は超える。生涯年収を人数で掛ければ『最低でも2000億円の損失』が生まれるわけだ』

 

『なーに、悪いことをしろとは言わない。ちょっと目を瞑ってもらうだけでいい。その報酬としてテレビ局に舞い込む金の0.001%を横流しするだけでも、一般的な家族がちょっと贅沢に数ヶ月過ごせる大金となる。これに乗って君も甘い汁を吸えばいい。当然の権利と利益だ』

 

『息子さんは大学受験で、娘さんはスポーツ関係のために私立高校への受験。そして車、自宅のローンもあって、その負担を減らしたいと奥さんはせめて家族共有の生活費は自分で養おうと在宅勤務で十万ちょっとの稼ぎを納めている』

 

『自分を育ててくれた親は定年で隠居生活。だけどアルツハイマーによる認知症の初期症状が出ている。しかも奥様のご両親は筋肉の低下で生活習慣病を起こし、合併症が出ている。通院費や老人ホームの入居費で年金や保険では賄えきれない時がいつか来るだろう』

 

 

 

 ——そんな家族を楽させたいだろう?

 ——親に老後は静かに暮らさせたいだろう?

 

 ——みんなやってるんだから、安心してやりなさい。

 

 ——テレビは真実を映すんじゃなくて、真実を選べるんだから。

 

 ……

 …………

 

 

 

 だけどそんな日が来ないでくれと、心の底からその年老いた彼自身が望んでしまった。

 還暦を迎えた彼にとって、テレビに映してほしい真実は自分にとっての不都合であり、また自分の下にいる多くの可愛い後輩達の生活と人生を支える。それが平成末期の事であり、彼が部長にしてから十年もとっくに経過している。十年もこの澱み切った溝に浸かって生きてきた。

 

 

 

 ——もう幼くて正義感に満ちた倫理は彼にはない。

 

 ——汚い世界に浸った、残酷な現実が彼を逃れられない地獄へと叩き込んだ。

 

 ——長く漬け込まれすぎたせいで、もう揺れる心さえ腐敗し切るほどにドロドロのボロボロに。

 

 

 

 幼い自分が求めていた真実こそ、今の彼が抱いている現実だ。

 この一面は知られたくない。隠したい。バレてしまえば、今までの人生がすべて破綻してしまい、自分が汚いことをしてまで守りたかった妻子や両親にまで汚名を着せられてしまう。

 

 だが今はそれすらも取り繕えないほどの事態が起きた。

 障がい者のチャリティ企画を機にネットの掲示板やSNSで炎上している。となれば事態が深刻化を起こし、テレビ局にガサ入れが発生してしまえば、今まで隠していたテレビの裏側が知られてしまう。

 

 だったら逃げるしかない。金と腐敗の記録を抱えて逃げ切るしかない。逃げ切ればいくらでも立ち直れる機会は訪れる。

 理由はいくらでも取り繕えるし、作りあげれるし、捏造できる。それが情報メディアに属する人間の強みというものだ。

 

 その渇いた手でいくつかの記録と寄付金で集まった現金を手に、彼はテレビ局の倉庫から出て行こうとする。

 抜き足差し足忍び足。人目につかないうちに、これだけは日の目が当たらないうちに、持ち出さないといけない。

 

 だがしかし、その瞬間を確かにカメラは捉えた——。

 

 

 

「どうも。28時間テレビのレポーターである星野マリンです」

 

 

 

 光が差し込む鉄扉の向こう側。逆光を背に佇む少女が一人。

 深海のように蔑む蒼き瞳。その奥側には、深紅のように怒りが燃えたぎっていた。

 

 

 

 …………

 ……

 

 

 

「ただいま全国放送中ですが、不適切な行為があったことについてどう思いますか?」

 

「はっ! 残念だが28時間テレビは放送中止だ! この現場について俺たち二人以外は見てもいなければ、知られてもいないっ!」

 

「それはどうかな?」

 

 相手の「なに?」という言葉に合わせて、両手に持つカメラを見せつける。

 一つは確かにテレビ局が支給してくれたものだ。ここで繋いでる専門の回線はすべてテレビ局のセキュリティと映像編集部門の人が管理をしていて、俺の一任で操作することはできない。このカメラを通し、テレビにこの一幕を流すことができやしない。このカメラ(・・・・・)ならな。

 

「今や情報は大衆のもの。一つはテレビ局の物だが、もう一つは『自前の物』だ。テレビ局の物じゃない以上、この映像はどこに放映されてると思う?」

 

「イ、インターネット……っ!?」

 

「お察しの通り。YouTube、ニコニコ動画とか他多数の動画サイトで同時中継で生放送中ってわけだ」

 

 これは伊井野弁護士から教わった行為なんだけどな。曰く暴露系YouTuber的な戦法とかなんとか。

 だが実際俺が手に持ってるの自前のカメラは『生放送はしていない』のが実情だ。その理由は至って簡単なことである。

 

「……おいおいおい! そんなことをすればどうなるか分かってんのか!? そういうのは手続きを踏まずに行うのは、立派な恐喝罪だ!」

 

 日本の法律には『恐喝罪』がある。実は暴露系YouTuberの方法はハッキリ言えば人が基本的に持つ『プライバシーの侵害』に密接に関わっており、またそれが虚偽の内容だとなれば『名誉毀損』となる。

 だから人を捕まえるにはしっかり捕まえるには手続きがいる。警察だって現行犯以外では動けない。もちろん生放送をすれば現行犯という証拠は掴めるが、今の状態でそれを行うのは必要以上な被害を生んでしまう。両者共倒れでは意味がない。

 

「こういう一面を映されたくない、映したくないと選択をしてきたのがテレビだ。この罪状を告発できるなら、罪の一つと冷たい麦飯を食って臭い留置所で過ごすのも悪くないかもな」

 

「それを言ったら新聞もだろうっ! なんでわざわざこのテレビ局なんだっ! 私が標的になる必要などないだろうっ!! 私には妻子がいるっ! 認知症で施設に入ってる祖父がいる! どうして私だけが罰せられなければいけないんだ!」

 

「おい。話をすり替えるな。今聞いてるのはメディアの方向性じゃなくて、お前が手にして逃げようとしている『寄付金』に対して言ってるんだ」

 

 だから今は生放送ではなく『録画をしている』のが正解だ。

 情報は秘匿してこそ情報だ。今この混乱した状況を穏便に済ませるには真実を選択するしかない。必要最低限の被害だけで事態を済ませるには。

 

「今更汚い金にどうのこうの口に出すんじゃないっ!! みんな分かりきってた話だろう! 寄付金だけじゃない! グレーゾーンだってたっぷりある! パチンコの確率操作、コンプ商法、補助金搾取、上席によるインサイダー取引っ!! みんな知っておきながら、あるある話として笑い話にして見て見ぬフリをしていただろうがっ! それだって咎めるべきなんじゃないのかっ!!?」

 

「……ああ、そうだな。誰もが知っていながら認めたくなくて、傍観者としての罪を認めたくないから知らないフリをして、そうやって流し続けてきた」

 

 医療現場でもあることだろう。過去にコロナウイルスの検査キットで悪どい商売をしたものがいたように。わざと誤診をして必要以上の医療費を支払わされたりと。

 そうやってみんながみんな知っておきながら、自分は安全圏で眺めてあらゆる喜劇も悲劇もエンタメとして昇華してきた。自分には関係ないからと、隣国の戦争や隣県の地震や野生動物の被害についてお、昼時のランチと一緒に口にして「物騒だね。気をつけようね」と話を終えれば忘れてしまう。冬期の雪が、アイの死を覆い隠したように。

 

「それがアイを殺したんだ。誰もが目を奪われ、信じ崇められていたアイを殺したんだ」

 

「何言ってんだお前……? お前の母親は生きているだろう……?」

 

 ああ、そうさ。こんな事を言ったところで意味不明だろうさ。だって前の世界なんて俺たち以外は誰も知りはしない。アイだって盗み聞きという又聞きの状態で、全てが全て知っているわけじゃない。

 だけどいずれ全てを明かすときがくる。そのいずれを迎えるのが俺の、私の、僕の『贖罪』だ。そのいずれはきっと来る。決して曲げることなく、決してなくすことなく。

 

「いずれ分かる。必ず教えてやるさ。俺とお前が独房にいる時にでもな」

 

「この小娘……俺を誰だと思ってる!? このテレビ局の経理部門の責任者だぞ! この俺がいなくなれば、どうなると思って——」

 

「——どうなるんですか?」

 

 緊張感が張り詰めた現場に、二人の女性が姿を見せる。

 一人は黒髪で深紅色の瞳。もう一人は金髪で蒼色の瞳。どちらの女性も印象として大学生か新社会人ほどだろうか。まだどこか垢抜けない雰囲気があり、あのアイのほうが大人だと思えるくらいには危うい幼さを感じるほどに。

 

「たかが経理部長如きに何ができるんですか? 経理といっても動かす金自体はあなたの指先一つで数百万から数千万を容易く動かせるというわけではありません」

 

「確かにそれぐらいの金は難しいだろうな。だが数十万程度ならどうとでもできる! 50だ、50万をやろうか? 大学生ぐらいがこの金を稼ぐには身体でも売らなきゃ難しい話だ。魅力的だろう?」

 

「これから豚箱にぶち込まれる家畜未満に慈悲を持つほど、私は動物愛護の心が溢れていませんのでお断りします。それに逆に問いましょう」

 

 深紅色の瞳を女性は、品定めをするかのように冷徹に冷酷な目で経理部長を見下ろす。

 圧倒される重圧。本能的に傅いてしまいそうな威圧感。この年代の子が持つにはあまりにも釣り合わない絶対的な品格。生まれ持った高貴さと、生まれ育った環境が常人とは違うということを即座に理解できてしまった。

 

「あなたの方こそ、私を誰だと思ってるんですか?」

 

「だ、誰だと言うんだ? お前のような小娘なんて知るはずが——」

 

「『四宮』ですよ——。あの『四宮財閥』の関係者です」

 

 その名前を聞いた瞬間、経理部長は氷柱で口でも貫かれたかのような恐怖で凍りついた表情を見せた。

 そしてそれは俺もだ。四宮という名前には聞き馴染みがある。そして割と身近な存在だということもあり、その財閥が持つ影響力がどれほどの物かを目の当たりにしている。

 

 本当にあの四宮? あの四宮財閥の四宮なのか? 

 だとしたら、それは()()はとてもよく知っている。

 

 

 

 …………

 ……

 

『ヒロインさー、最近推してるんだよぉ、不知火フリル。彼女がヒロインってなら頑として出すよ全額』

 

 ……

 …………

 

 

 

 前の世界で映画の資金源を求めていた時の話。

 監督と鏑木Pが数多く声をかけた企業の一つ『四宮交通株式会社』が、その四宮財閥が保有する会社に一つなのだから。

 

 そして——俺が『雨宮吾郎』として生きていた時、薬の手配関係で度々お世話になった『白銀製薬』を乗っ取ったと噂がある財閥なのだから。

 

 

 

「ふざけるな! 四宮に睨まれたら私はおしまいだっ! 今ここでお前の口を封じてやる!」

 

「待て! 早まるなっ!! これ以上の罪を……っ!」

 

 経理部長はボールペンを持ち出して強く握り込む。そしてそれを深紅色の瞳を持つ女性へと大きく振り翳した。

 業界人が持つ高いボールペンはコンビニで売ってるような柔で安い材質じゃない。ステンレススチールだったり、真鍮だったりととにかく金属を採用していて『頑丈で壊れにくい』のが特徴だ。成人男性の握力で握り込んでも割れず、勢いよく地面に叩き込んでも壊れやしない。その頑丈さはそのまま『凶器』になるのは必然なのだ。

 

「おっと失礼っ」

 

「あがぎがっ!?」

 

 だが、その凶器が深紅色の瞳の女性に振るわれることはなかった。

 今まで沈黙を貫き通していた金髪の女性が、常人離れした身体能力から繰り出される巴投げで成人男性を軽々と浮かし、そのまま通路側へと放り投げたのだ。

 

 身長差は20cm近くはある。体重だってそれ相応に。

 だというのに金髪の女性は意に介さないどころか、汗一つ流さず、焦る様子もなく、これが日常だと言わんばかりに、経理部長に目もくれずに深紅色の瞳の女性に困り顔ながらも満ち足りた笑顔で告げる。

 

「たくっ……私をこんなことに呼び出さないください。こっちはもう貴方のお付きは廃業してるんですから」

 

「ごめんなさいね。やはり四宮として動くには『早坂』の力を借りた方が面倒が少ないので。こういう世界で戦うためには手馴れた人達も必要ですし」

 

「まあいいでしょう。私もニート暮らしには飽きてましたし、気分転換も兼ねてオーケーとします。でも次回からは出張費もらいますよ。初回限定のデリバリーヘルプはこれでおしまいです」

 

「略してデリヘル……。彼氏いない歴=年齢のせいで早坂も拗らせているわね……」

 

「かぐや様の頭が真っピンクなんですよっ!! 氷のかぐや様と呼ばれた頭はどこいったんですか!!?」

 

 かぐや? それが名前なのか? 四宮を名乗る女性の名は。

 だとすれば彼女の名前は『四宮かぐや』——なのか? だとすればそんな名前は『聞いたことがない』ぞ。少なくとも表舞台には一切出てないはずだ。

 

 四宮家は由緒正しき古から続く血筋の家系だ。

 故に男尊女卑という関係が近年まで根強く残っており、それが改正されたのが当時四宮家の当主であった『四宮雁庵』が死去以降である。これは新聞にも一面で取り上げていて、当時はそこそこのニュースになった物だ。

 

 その後、組織改革があって四宮家のパワーバランスは色々と変化があり、前当主のような過ちと遺恨を残さないために、最終的には『四条財閥』が一部関係を取り持ち、財源と経営を四分割することで決着はついた。

 

 一つは長男『四宮黄光』へと渡り、金融関係全般の経営を任されることになった。

 一つは次男『四宮青龍』へと渡り、娯楽産業全般の経営を任されることになった。

 一つは三男『四宮雲鷹』へと渡り、交通関係全般の経営を任されることになった。

 

 残り一つは『四条』の名義で仲介をすることで、アパレル・化粧品などの現代の美容やファッションに精通した様々な分野に担当することになった。

 

 それで決着がついた。それが事実だ。間違いのない真実だ。

 

 だからこそ、そこには『四宮かぐや』なんて名前はなかったはずだ——。

 

 

 

「あっ!? 言ってる側からゲス野郎が逃げてるじゃないですか!? これじゃあ『ハーサカ 社会復帰プラン』が台無しに!?」

 

「あなた本当プランとか好きね……」

 

 こっちも思考に夢中になっていたせいで思わず目を離してしまっていた。目の前にいたはずの経理部長は見事に逃げ去っており、俺たちの視界には映っていない。

 幸いにもカメラを向けていたから逃げた方向だけは分かり、そこから逆算することで経理部長は『関係者のみが利用できる非常扉』に向かったのは分かるが、所詮はそこまで。一手どころか三手も遅れてしまえば、ただ走るだけで追いつくのは無理な話だ。

 

「それはそれとしてどうするんですか!? あそこで取り押さえとかないと、色々ややこしくなりますよ!?」

 

「安心してください。この作戦の指揮を取ってるのは彼ですから」

 

「ああ、彼ですか。本当最後の最後に美味しいところを持って行こうとしますよね」

 

 何が何だかわからない。この『四宮』と『早坂』を名乗る二人も、あの伊井野弁護士が連れてきたのか? だとすれば四宮が口にした『彼』って一体なんだ? 『指揮をとってるのは彼』って?

 伊井野弁護士は女性だ。決して男性じゃない。俺が知らないところで、何が起きているんだ?

 

 

 

「本当こういうところは相変わらず、お可愛いこと——」

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