【推しの娘】 〜Trance Stars Family〜   作:かにみそスープ

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★第五十三話★ 白銀御行はノーマルである

 月明かりには目も暮れない下品な彩りの夜の街。

 その世界の片隅の片隅。光が届かない地下。そこには名高い著名人がお忍びで利用する店が一つあった。

 

 業務形態としては接待飲食店——要は『キャバクラ』と呼ばれるような店だ。

 

 とはいっても表の世界で安売りされるな下劣な物ではなく、まだまだ売り出し中のアイドルからタレント、果てにはモデルといった上澄みの女性だけが集まるVIP級の高級店だ。

 その情報の秘匿性から、著名人との顔売りも込めた社交場としての一面のほうが強く、お忍びで遊んでもいれば一夜を交じるといった性という交流の窓口にもなる場所でもあった。

 

「《おかげで売り上げは絶好調! 次は六本木のビルを買おうと思ってるんだ!》」

 

「《素晴らしいですね。将来は不動産経営で悠々自適な老後ですね》」

 

「《それ以上だよ。俺のバックにはヤクザがついてる。あの『龍珠組』がな。億ションの一つどころか、この街の不動産を右に左に転がしてやるさ》」

 

 そして最も人が覆い隠す『闇』が浮き彫りになる場所でもある——。

 時はまだまだバブル期。絢爛な摩天楼が立ち並び、眠らぬ狂騒が蔓延る時代。それは夜に覆われていてもなおドス黒い醜悪な欲が垣間見える一幕でもあった。

 

「《全部手に入れてやるさ——。お前の、名夜竹(・・・)のためにな。だから俺の女にならないか?」

 

 男の手は女性に触れる。太腿から横腹にかけて舐めるように。

 逆らったらどうなるのか、囁くかのように秘部へと指を添える。

 

 典型的な男尊女卑。男は働き、女は箱入り娘のように飼い慣らすのが当然となっていた時。女性という性と美は、男性にとっての勲章やトロフィーのように扱われる。

 

「《浅ましい男ですこと。金と暴力で何でも手に入ると思っていらっしゃるご様子》」

 

「《……名夜竹。お高いだけの女のくせに俺に口出すか? 分かってんだろう、その気になれば龍珠組に頼んで翌日には東京湾に浮かばせるぞ》」

 

「《身に過ぎた力は身を滅ぼすだけですよ。いつかそのヤクザが貴方の名誉を吸い尽くすでしょう》」

 

「《んだと、この(あま)っ!!》」

 

 名夜竹は、物扱いをする男には悉く逆らう強き女性だった。

 ワイングラスを投げつけられ、ガラスの破片が和服の裾を掠る。名夜竹はその性格から、味方も多いが敵も多い両極端な人物だ。こういうトラブルなんて常套であり、対処法なんていくらでも知っている。

 

「《テメェ、誰の女に手を出してると思ってるんだ》」

 

 その内の一つがこれだ。名夜竹は決して善良な女ではない。自身が誇る『女』という性を武器と鎧にするのを躊躇わない。名夜竹を口説き落とそうとする男の前に、また一人の男が立ちはだかる。

 

 この男もまた名夜竹に惚れ込んだ客の一人だ。ちょっと腕っぷしが強くて、ちょっと傲慢で、ちょっと素直じゃない客としてなら、お可愛い男。

 けれど自分に対する執着も強いから、できればこの場で同士討ちしてくれたら嬉しい——。そういう小賢しさも込めて、名夜竹は彼の優しさを利用した。

 

 

 

「《俺の名は『四宮雁庵(しのみやがんあん)』——。覚えとけよ若造が》」

 

 

 

 これはそんなつまらない始まりから紡ぐお話。

 確かに、間違いなく、後に『四宮名夜竹』と名乗る女性は、後に夫となる『四宮雁庵』のことを「つまらない男」だと思いながら、その一幕を見守っていた。

 

 

 

 …………

 ……

 

 

 

「カット! 本日の収録は以上です、お疲れ様でした!」

 

「「「お疲れ様でしたー」」」

 

 本日の収録を終えて各自解散となる。濃密なシーンということもあって、時刻としては21時前とこの手の業界にしては結構遅くなってしまった。

 とはいっても予定は立て込んでいる。今日は同じセットを使ったシーンがあるから飛ばし飛ばしで纏めて撮っただけであり、明日からはまた別の場所で撮影を始めないといけない。機材搬送とかは深夜労働のスタッフに一任をして、朝までに全部のセットを纏めてリハーサルも兼ねて朝8時には現地集合だ。

 

 飯と風呂を済ませて、そこから映像編集や台本とかを考えると……逆算することを放棄したくなるほど余裕がない。まだまだこの辺の立ち回りが業界人として浅いんだと嫌でも実感するな。

 

「お姉ちゃん、演技に熱が大分こもってたよね」

 

「そうだね。アクアくん、実体験かのような迫る演技だったよ」

 

「「やっぱり雨宮さん(せんせ)の時に、結構誑かしてたんだ」」

 

「俺の扱い酷くない?」

 

 否定はできないのが辛いところではあるのだが。実際、さりなちゃんと出会う前に色々と夜遊びをしてたのは事実であり、そういう業界での作法や言葉とか知らなくもない。まさかこんな形で演技に活かすことになるなんて喜ぶべきか悲しむべきか。

 

「有馬、なんか言ってやれ」

 

「うっさい、スケコマシ」

 

 味方いませんでした。今だけはキャバクラやスナックで可愛い女の子の笑顔で癒されたい。何ならキャバレーで可愛い女の子が踊ってる姿でもいい。

 

「毎回会うたびに思うが、本当にお前高校生か? 下手なキャバ嬢より接客上手だったぞ」

 

「そういう姫川さんも大分慣れてましたけどね。二十歳迎えて間もないのに、夜遊びの経験値を目利きできるくらいに豊富なご様子で」

 

 姫川は先ほど俺に触れた『セクハラ男性客A』として演じていた。だからある程度は直に触っている。カメラワークを駆使して際どい部分は誤魔化しているが、腹部などに触られた事実は変わらないものであり、思い出すだけで鳥肌が立ちそうだ。やっぱそういう目で見るのも、そういう目で見られるのも無理だって俺にも私にも。

 

「うっせうっせ。芸能界なんてストレス社会の温床だぞ。可愛くて包容力のある女の子に癒されたいんだよ、こっちは」

 

「演技とはいえ嫌悪感すごかったぞ。小慣れてる感すごくて、割と普通に恐怖を感じた。普段どんなことしてんだよ」

 

 俺の発言に姫川は表情が固まる。痛いところを突かれたと自覚してるんだろう。

 小言で「アレの五割、いや三割程度のお触りなら……」とか言ってるが、こいつの塩梅はあんまり信用しない方がいい。交通事故を過去……いや未来なのか? 何であれ不祥事を起こしてるからな。

 きっといつか女性トラブルでも塩梅を間違えて週刊誌に取り上げてしまうのだろう。捏造であれなんであれ。

 

「それを考えると絶望しか感じねぇ」

 

「お前なぁ、月9俳優を単なるチョイ役で出すとか普通怒られるからな。マリンの頼みだから、演技指導も兼ねて来てはやったが……」

 

 確かに姫川レベルの俳優を一話限りのサブで即退場なんて贅沢な使い方である。だけど身近な人物でこういう業務形態に詳しいのなんて姫川くらいしかいないんだからしょうがないだろう。

 俺だって昔は通っていたが、それは雨宮時代の話で15年も経てば色々と変わるのが当然というものだ。ガールズバーとかコンセプトカフェとか聞き覚えないぞ。いや、この話はかなり前の時代を参考にしてるから俺が通っていた時期も参考資料にはなるんだけど。いかんせん昔過ぎて覚えきれていない。

 

 それに、それはアクセントの一つにしか過ぎない。この作品を作る上で『男女』の関係はこれでもかと描写しきれないといけない

 綺麗なところも汚いところも。純情なところも嫉妬深いところも。男女という営みを育む上で避けきれないものなのだから。それこそ前の世界で『星野アイとカミキヒカルの関係』を映したように。

 

 主役である『四宮名夜竹』を演じるのは俺であり、私である星野マリンだ。その相手となる『四宮雁庵』を演じるのは、事前の打ち合わせ通り『黒川あかね』だ。

 

「フィクションという建前があるから『登場人物の年齢とかの変更はある』けども、話の大筋そのものは実際に会ったこと……で間違いないんですよね?」

 

 あかねの疑問に、立ち会っていた白銀御行は確かに頷いた。

 この台本の大筋としてはこうだ。ある企業の社長が、夜職の女に惚れ込んでしまうというありがちな話だ。だけど最終的には夜職の女が腹に赤子を宿して男の元に向かい、赤子——『四宮かぐや』を産んだ後に死亡するというものだ。

 

 子供を託され、四宮雁庵の心には何が思ったのか。

 これがこのドラマにとって、とても大事なものになる。

 

 しかし——この台本には『それがない』のだ。

 話の大筋そのものはある。流れもできている。こういう結果のもと、こういう結果が続いて最終的な結論がこうなるという台本でしかないのだ。

 

 だからこそ登場人物の『心境』が薄い。あまりにも。

 役者に全て委ねるかのような杜撰さ。台本としてはあまりにもおざなりで、脚本家でも何でもないズブの素人である白銀夫妻が原作として手掛けたのだからある意味当然とも言えるのだが。

 

「うーん……。事実ではあるからある程度飲み込めるんだけど、やっぱり自分の中でちょっと雁庵さんの人物像が固まらないな……」

 

 だけどその穴だらけの台本は『メソッド演技』を得意とするあかねとは相性が悪い。

 雁庵さんの設定があかねの固まり切らず、口元に指を添えて悶々と考え込んでいる。

 

 しかも変更点がないわけではない。登場人物の一部年齢が有耶無耶になっていたりするのだ。それがより一層、あかねの理解を遠ざけてしまっている。

 雁庵さんはかなり若くなってるし、その影響で三兄弟を産んだ雁庵さんの『本来の妻』も相応に若くなっている。しかも見た目についてもかなりの変更点が加えられているという形でだ。

 

「モロにお前の影響があるよな、有馬」

 

「流石にカップル売りしてる私を他所に、黒川あかねと星野マリンを売り込むだなんて世間様が許すわけってことでしょう」

 

「こればかりはしょうがない。年齢差はさほど重要なことではないからな」

 

 俺と有馬の言葉に、白銀御行は渋々と言いたげな雰囲気で同意してくれる。

 そう。雁庵さんの奥さんは有馬かなが演じることになる。それに伴って三兄弟の面子とも役作りに熱心になっており、その三兄弟は全員見知った人物の顔ぶれなのだ。

 

「まあ、私は息子達と仲良くやってるわよ。ねぇ『ルビー(【四宮雲鷹】役)?」

 

「うん。こっちはこっちで色々と役作り頑張るから、お姉ちゃんも頑張ってね」

 

 そのうち三兄弟の三男役がルビーだ。

 今この場にはいないが、残りの長男は『みたのりお(ララライの眼鏡の人)』であり、次男は『鳴嶋メルト』となっている。

 メルトに至っては次男坊の女遊びの設定に「俺こう見られてるってこと?」と頭を抱えていたが、すまないが予算と日程の都合もあるんだ。ここはメルトに頼るしかない。俺も色々と兼用してるから可能な限り労力は避けたいのだ。

 

 そんなこんなで身内固めの撮影現場は各々のグループに分かれて本日は解散することになる。

 現場に残るのは主役である俺とあかね。そしてアドバイザーとして助力している白銀御行と、白銀かぐやさんの合計四人だ。

 

「あかね。今晩ちょっとだけいいか?」

 

「ごめん。今は役作りに集中したくて、白銀さんと先約してるんだ。大事なことならアクアくんのほうを優先するけど……」

 

「ならいいんだ。こっちも役作りについてだ。白銀さんと存分に話してこい」

 

「ならお言葉に甘えて」という言葉を残して、あかねは白銀さんと現場を後にしていった。

 お忍びということもあって、メンズようにベレー帽と眼鏡をかける姿は令和のワトソン君みたいだ。いや、原作のワトソンは中々のジェントルマンなんだけど、創作だと何故かサスペンダーと帽子を被った小僧をイメージしやすいのは何でだろう。何故かデフォルトで女体化される三蔵法師みたいに、先入観って怖いよね。

 

「お疲れ様ですね、マリンさん」

 

「かぐやさん、お疲れ様です」

 

「今からお食事に行きません? もちろん未成年でも楽しめますのでご安心を」

 

 ……まあ特に拒否する理由もないし行くか。明日も早いから近場のビジネスホテルで泊まるぐらいしかやることないんだし。

 

「是非。俺も役作りについて、かぐやさんから伺いたいことがあるので」

 

「ええ、助力できたら幸いです」

 

 

 

 …………

 ……

 

 

 

「……とここまでが俺が知って、聞き及んでいる雁庵さんだな」

 

「ふむふむ。なるほどそれが白銀さんから見た雁庵さんであると……」

 

「まあ俺は知ってるには病に伏して末期状態だったがな。脳梗塞による認知症。担当医が話した全盛期にも近い『当時の四宮雁庵』なんて、俺みたいな若いのじゃ知る由もない」

 

「もう亡くなってしまっているしな」と白銀御行は24時間営業のファミレスで度数が強いだけの安酒を口にする。

 若社長になっても貧乏舌は変わることはない。わざとらしい辛味がついたチョリソーを口にして安酒で流す。存外にもこれが美味であり、味と風味が体に染み渡る。

 

 とはいっても24時間営業のファミレスだとしても、相手するのが芸能人である以上は貸切にしているのだが。そういう配慮を忘れるほど白銀御行は子供ではないのだ。

 

「……さっきから気になっているが、黒川は今時メモ帳に書くタイプなのか? スマホでメモるとかじゃなくて」

 

「え? ああ、そうなんです。今時結構珍しいですよね」

 

 御行は目敏くあかねの機微を追っていた。

 コンビニで売ってる3色ボールペンとページを切りやすい加工が施されたメモ帳。受験生や就活生がよく持つセットに、御行は思わず笑みを溢してしまう。自分と似たような一面に親近感を覚えて。

 

「いや、分かるよ。俺も自分の努力を形にしたくてな。積み重なったノートや使い切ったシャー芯の入れ物を見ると安心したもんだよ」

 

「あー、その気持ち共感しちゃうなー。勉強する時とか部屋を暗くして、デスクライト付けないと勉強モードに移れなかったりとかしません?」

 

「それな〜〜。覚えときたい時こと、心掛けたいこととか、あえて壁とかに貼って意識しやすいようにしたよな〜〜」

 

「わかります。私も高校受験シーズンとか、役作りする時とか特にそれで……。今でも飲み会みたいな場所でもメモを持ち込みくらいには!」

 

「「あはは!」」

 

 意外と話し合うな、と二人は感じ取る。お互いに似たような部分があって共感しあるなんて今まで感じことない感覚で新鮮味があった。

 互いに天才肌だからこそ共感し得る部分があったのだろう。二人の話は更に加速をしていく。

 

 今日何食べた。好きな本は。遊びに行くならどこにいく。

 炒飯(いためし)とイタ飯。今日あまと東ブレ。海と山。

 

 時に共感し合い、時には反発し合う。だけども似たもの同士だから反発する理由にも理解をしてしまう。

 

 だけど二人とも肝心なところで理解できていないでいた。

 その『似たような部分』が、まさか『同じくらい深刻である』ということなんて。

 

 

 

((いや、まあ流石に壁を埋めるほどにメモ貼ることはしないんだろうけど))

 

((こういう『普通』の感性と会うと改めて実感するな。やっぱり俺(私)っておかしいことしてるって))

 

 

 

 この通りである。

 肝心なところで天才達は相手のことを分かっていなかった。

 

 

 

「……私、人を好きになるって気持ち良くわからないんですよね」

 

「あー。そういう年頃は色々とあるもんな」

 

 こうして話は本題に戻る。役作りの一環として、雁庵の気持ちに寄り添うために。

 今回の話は男女の恋愛感情は避けては通れない。それぐらいは雁庵の気持ちを把握しきれていない黒川あかねにだって分かっている。分かっているからこそ悩んでいるのだ。

 

 男として、女を好きになるという気持ちを——。

 それを黒川あかねは理解しきれなかった。元々の性別の齟齬ということも相まって。

 

「仕方ないさ。ビジネスカップルは普通の恋愛とは違う。燃えたぎる様な情愛どころか、人並みに好きになるって気持ちさえも曖昧なのかもな」

 

「……あるんですよ。好意だと思う気持ちは確かに」

 

「有馬にそんな気持ちがあったのか。だったらそれを活かすのがいいんじゃないか。俺から言えるのなんてそれくらいさ」

 

「いやぁ……かなちゃんはちょっと違う……のかなぁ? どうなんだろう……いや、うーん。でもあの時とは違うのは確かかぁ」

 

 あかねはある一人の男を思い浮かべる。

 それは間違いなく『星野アクア』の顔だ。

 

 だからこそあかねは迷っていた。今自分の胸中にある『星野マリン』に対する思いはどっちなのだろうと。

 アクアからの延長線上なのか。それとも『贖罪』を決めたマリンに寄り添おうとする新しい覚悟なのか。

 

 その答えを改めて形にしないと、どっちを相手にしても失礼に当たる。『星野アクア』にも『星野マリン』にも。

 あかねはとうの昔に覚悟を決めている。どんな君であれ、君でいられるのならそれを肯定しようと。その気持ちだけは確かに存在する真実だった。

 

「……有馬以外に好きな人がいたのか」

 

 その言葉にあかねは恥ずかしそうに顔を赤く染めながら小さく頷いた。

 人の恋愛事情に御行の酒は進む。学生時代はこういう恋愛相談には、童貞&彼氏いない歴=年齢のせいで、それは苦労が積み重なっていった。

 

 だが今の白銀御行は違う。恋愛経験値が遥かに違う。かぐやへのウルトラロマンティックな告白の末に、普通の付き合いを始め、数奇な道筋を経て婚約という経験から、今の白銀御行には恋愛相談には圧倒的な自信を持っている。

 迷える思春期の可愛げのある恋の一つや二つ。大人らしく助言の一つでも与えてやろうじゃないか、と内心得意げな構えをしつつ、あかねが次に発する言葉をどうやってスマートに返してやろうかと画策していると——。

 

「私、こうやって生きていて思ったんです。やっぱり、私が好きになるのは後にも先にも(アクアくん)だけだったんだなって」

 

「そうか。一途だな……ん?」

 

 御行はあかねの発言に固まった。今致命的におかしい部分を聞き逃さなかったからだ。

 今間違いなく、黒川あかねは『()』といった。いくら男の娘タレントで売っていて、下手な女の子より可愛いとはいえ、御行からすれば間違いなく黒川あかねは男だ。

 

 だからこそ『そういう意味』で出てきたと感じ取った言葉に、白銀御行は現代の恋愛価値観に理解を示しつつも、頭の中で一つの葛藤が生まれた。

 

 

 

 ——その恋愛アドバイスは、俺にはできねぇよ!?

 

 

 

 …………

 ……

 

 

 

 一方その頃、マリンとかぐやは。

 

 

 

「……ってな感じで。改めて今回の演技で実感したんです。やっぱり俺、どうしようもなく女の子の方が恋愛的に好きとして見るんだなって」

 

「へー、そうなんですかー、へー」

 

 

 

 ——思ったよりハイレベルな相談だったわー!!?

 

 

 

 奇しくも同時刻。白銀かぐやも似たような悩みと対面していた。

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