光の滅竜魔導士タイガ   作:kazuki01

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教えて!!ハッピー先生

ハッピー先生「あい!今回は読者からの質問に答えます!!」

「ペンネーム『緋色の弾丸』さんからの質問」

Q:滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)はその属性の物を食べる事が出来、その質によって味が変わりますが、タイガにとって一番美味しい光ってなんですか?

「あい!ずばりお答えします」

「タイガが一番美味しいと思っているのは太陽の光です。人工の光より太陽や月、炎の灯りのような自然の光の方が美味しいそうです」

「ちなみに人工の光でもナツの炎やロキの獅子の光(レグルス)は人工の光でも美味しい方だそうです」

「ちなみに今回の話はそんなタイガにとっての貴重なご馳走のお話......というわけで本編にいきます。起立!礼!!あい!!!」


虹の桜

妖精の尻尾(フェアリーテイル)のマスターであるマカロフが魔導士達の前に立ち、言葉をかける。

 

「よいか皆の者...魔導士たる者日々鍛錬を怠らず、技を磨き依頼に応じて仕事をこなし明日の糧を得るのがならわし...晴れの日あらばまた雨の日もあり、労せずして仕事を終える日あらば苦闘の末に成し遂げる日もある...じゃが、いずれにせよ明日はまた必ずやって来るものじゃ。そしてまた我らは魔導士として歩み続ける...それこそが、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士である!!!」

 

その言葉に魔導士達は歓声を上げる。

 

「皆!!この一年よ~く頑張ってくれた!!その労を労うべく明日はいよいよ...超お楽しみの花見じゃ~~~!!!今日は前祝いじゃ!!呑め!!呑め!!」

 

「いかれてるぜ...」

 

その様子を少し離れた場所で見ていたガジルはネジを食べながらそう呟く。

 

「ん?...ていうか今、秋だろ?...何で花見なんだ?」

 

「知らないのか?ガジル」

 

「あ?」

 

そこにやって来たのはギルドの厨房から出てきたタイガだった。彼は身に着けていたエプロンを外しながら話を続ける。

 

マグノリア(この街)名物の『虹の桜』、普通の桜と違ってこの時期に咲くんだ」

 

「てかお前、厨房で何してたんだよ?」

 

「明日の宴会で出す料理を作ってたんだよ。サクラとツバサと3人で作ってたんだけど、食材が足りなくなってきたから買い出しに行くとこだったんだ」

 

 

そしてギルド内はいつものように騒ぎ出す。

 

「皆、本番は明日なんだから程々にね...」

 

ミラがそう言った目線の先にはカナ、マカオ、ワカバ、エルフマンがいた。

 

「ふ~んだ...花見だから呑め呑めって、ちょっと騒ぎすぎじゃないの?」

「オメーが言うなっての」

「一年中花見みてーなもんだからなぁ」

「漢なら花見だ!!」

 

そこにマカオの息子、ロメオが近づく。

 

「父ちゃん!今年のビンゴは絶対一等賞頼むよ」

「おう!任せとけ!!今年こそ見てろよーっ!!」

 

別のテーブルにはレビィ達チームシャドウギアが座っていた。

 

「去年もその前もダメだったからなぁ~...よーしっ私もビンゴ頑張ろっ!!!」

「どうやって頑張るんだ?」

「気合いじゃねえの?」

 

 

そんな様子を見たガジルは

 

「理解に苦しむぜ...皆して浮かれやがって、たかが花見だろ?」

 

「依頼主たちも分かってるのが多くってよぉ...」

 

「あ?」

 

彼に話しかけたのは依頼板(リクエストボード)の前に立っていたナブだった。

 

「この時期の妖精の尻尾(フェアリーテイル)は浮かれてて仕事にならねえからって、依頼が少ねぇんだ...」

 

「ったく......」

 

「ていうかナブ...たまには仕事行けよ」

 

「う......」

 

タイガにそう言われたナブは何も言い返せなかった。彼は「自分にしか出来ない仕事を探している」と基本依頼板(リクエストボード)の前をうろうろしているだけだからだ。するとガジルが泣いているジュビアに気付く。

 

「ん?...どうしたジュビア?」

 

「ああ...グレイ様が...グレイ様が仕事に行ってしまって...グレイ様がいないギルドがこんなに寂しいなんて...ああ...」

 

「仕方ねえだろ、ここの魔導士なんだから」

 

「テメーが言うか」

 

「う......」

 

ガジルにツッコまれたナブは再び黙ってしまう。

 

「だって...ジュビア置いていかれてしまって...」

 

「グレイはナツ達とチーム組んでるんだからしょうがないだろ?」

 

「でもぉ...ウェンディとシャルルは連れてってもらったのに~...」

 

化猫の宿(ケットシェルター)から移ってきて間もないし、うちの仕事に慣れてもらう為だろ?」

 

タイガの言うことも分かってはいるのだが、ジュビアの涙は決壊寸前だった。

 

「分かってるけど...分かってるけど...」

 

「あ!?ヤバい!?」

 

「ジュビア寂しい!!!」

 

とうとうジュビアの目から滝のような涙が溢れ、ギルド内にいた者達を巻き込んだ。

 

「ふぅ...危なかった」

 

水が引くと光竜壁を発動していたタイガが現れる。彼はジュビアの涙が溢れる瞬間、とっさに厨房の入り口の前に立ち、光竜壁で厨房に水が流れるのを防いだのだ。

 

「あ!?まだいたのねタイガ。追加で買ってきて欲しいものが...って!?何コレ?」

 

厨房から出てきたサクラは水浸しになったギルドを驚く。

 

「アレだよ...」

 

タイガが指さした方には「グレイ様ぁ~...」と呟きながら泣くジュビアの姿があった。

 

「ああ...アレね...あっ、そうだ。コレ追加の食材」

 

「分かった。すぐに買ってくる」

 

サクラからメモを受け取ったタイガは楽しそうに買い出しに行った。

 

「何だぁ?アイツ珍しく浮かれてやがるな」

 

いつもと違って浮かれた感じのタイガの様子をガジルが疑問に思うと、サクラがその理由を答える。

 

「虹の桜はね、満開に咲いた日の夜だけ七色に輝くの。タイガが言うにはその輝きはかなり美味しいんだって。まさに年に一度のご馳走ってヤツね」

 

「前から思ってたけどよ...光って美味いのか?」

 

「鉄食べる人がそれを言う?」

 

2人がそんな会話をしていると

 

「ただいま」

 

「「速っ!!?」」

 

タイガがまさに光の速さで買い出しを終えて帰ってきた。

 

「サクラ、ツバサが待ってるぞ」

 

「うん」

 

「デザートはやっぱ、桜餅がいいかな?」

 

「ここはあえての洋菓子の方でもいいんじゃない?」

 

タイガとサクラは明日の宴会の弁当を作るためにツバサの待つ厨房へと向かった。

 

 

 

 

 

そして迎えた花見当日。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々は満開に咲き誇る桜の下で宴会を楽しんでいた。その周りにある普通の桜の木も、秋であるこの時期に何故か満開に咲いていたがそれを気にしている者はいなかった。

 

「さあ皆~、どんどん食べてね~。トライスクワッドがたくさん作ってくれたわよ~」

 

ミラが運ぶ料理を食べ、酒を呑み、花見は盛り上がる。

 

「これは私のだからね」

「樽ごと持ってきたんか」

「誰も取りゃしねえっての」

「花見は...漢だ!!!」

「意味分かんないよ」

「レビィ、何食べる?」

「レビィ、何飲む?」

 

 

 

だが、この場にいない者が約一名。ルーシィだ。

 

「え?...風邪引いたって?」

 

「ひどいの?」

 

タイガとサクラが尋ねるとハッピーが答える。

 

「鼻はぐしゅぐしゅ、顔は真っ赤でそりゃあもう」

 

実は昨日ルーシィ達が行った仕事は、ハコベ山での薬草探しで、彼女はそこにうっかり薄着で行ってしまっていた。

 

「何故風邪を引く?」

 

「気付いてないのね...」

 

エルザの言葉にシャルルは呆れた。

 

「ルーシィさん、あんなに楽しみにしてたのに...」

 

するとツバサがあることに気付く。

 

「そうだ!ウェンディの魔法で治してあげれば」

 

「もうかけてありますよ。明日には良くなると思うんですけど」

 

「明日かぁ...」

 

「そういえば、アンタ何でその状態なのよ?」

 

「ん?」

 

シャルルに尋ねられたサクラは髪が桜色の長髪、魔力全開の姿をしていたが彼女は何も答えなかった。

 

 

 

「それではこれより、お花見恒例のビンゴ大会を始めま~す!」

 

ミラの一言に皆は「おお~!!」と歓声を上げる。

 

「今年も豪華な景品が盛りだくさんじゃ!!皆気合いを入れてかかってこ~い!!」

 

「みんな、用意はいい?...それじゃあ、真ん中の穴を空けてくださ~い」

 

「先ずは一発目じゃ!」

 

「24番」

 

「やった!いきなり来たよ!!」

「すっごい強運」

「「レビィ頑張れ」」

 

カナが最初の番号を当て、その強運にレビィが感心する。

 

「続いて5番」

 

「うおぉー!空いた!!漢だ!!!」

「漢は関係ねえだろ...」

「全然こねえな...」

 

さらにビンゴ大会は続き、

 

「68番」

 

「ビンゴだーー!!」

 

最初にビンゴになったのはエルザだった。

 

「初ビンゴはエルザね」

 

「運も修練のたまものだ!...け、景品は何だ?」

 

「は~い、コレ...一時的に魔力をアップさせると噂の薬草で~す」

 

「な~に~...コレは私たちが採ってきた物...しかもすでに枯れている...」

 

「急に暖かい所に持ってきたからかのう?」

 

「...私の...ビンゴが~...」

 

「あらあら...」

 

まさかの景品にエルザは膝から崩れ落ちてがっかりする。

 

 

 

「ビンゴだ!!」

 

2番目にビンゴになったのはタイガだ。

 

「おめでとう。2番目の景品はコレよ」

 

渡されたのは桜をイメージしたケーキだった。それは昨日、タイガが宴会の為に作った新作のケーキだ。

 

「!?」

 

タイガが景品を貰う様子をエルザは悔しそうな顔で見る。まさに2番目の方が良かったと。

 

「自分で作ったケーキか...まっ、悪くはないな...ん?」

 

タイガは自分に向いていたエルザの視線に気付く。その目線が自分の持つケーキに向けられている事に気付くと、彼女に近づけたり離したりした。ケーキを近づけるとエルザの表情は明るくなり、離すと暗くなる。

 

(面白いな)

 

タイガはエルザの反応をしばらく楽しむのだった。

 

 

 

「ビンゴーーー!!!」

「マジか!?オレ1個もこねえ!?」

「おめえは詰めが甘えんだよ」

「父ちゃん頑張れ!」

 

ビンゴ大会は進み、カナがビンゴになる。ちなみに張り切っていたマカオはここまで一つも空いていなかった。

 

「絶対当たらない気がする」

「シャルルの予感はよく当たるけどね...」

 

 

 

「115番」

 

「「「「「ビンゴーーー!!!」」」」」

 

次にビンゴになったのは、エルフマン、ジュビア、レビィ、サクラ、ツバサの5人だ。

 

「あらあら...」

「5人同時か...じゃあ一発芸で一番面白いヤツに景品をやろうかの」

 

「「「「「一発芸!?」」」」」

 

「景品はなんと!!アカネリゾートの高級ホテル二泊三日のペアチケット!!」

 

「すごーい!!」

「「ペアで旅行!!」」

 

意外な景品にレビィが驚いていると、ジェットとドロイは目を♡にする。大方、レビィと行きたいとでも思っているのだろう。

 

「アカネリゾートか!!姉ちゃんにプレゼントしてやる!!」

「グレイ様と二人きり...二泊三日...ジュビア、まだ心の準備が...」

 

「頑張ろうね!ツバサ!!」

「うん!一緒に行こうサクラ!!」

 

 

♪~

 

「一発芸...それは、一度きりギリギリの戦い...つまりオレの出番ってことさ...相棒」

 

「「またお前か!!?」」

「引っ込め!!...つか、リーチもしてねえだろオメエは!!!」

 

ギターを持ち、いつもの白スーツでキメッキメのガジルがジェットとドロイ、エルフマンからツッコまれた。

 

 

その後も花見は盛り上がり、夕方になると花見はお開きとなった。

 

 

その日の夜、タイガ達トライスクワッドの3人は弁当を持って虹の桜へ向かっていた。花見の二次会を3人でやろうということになったのだ。

 

「楽しみね!3人でお花見」

 

「3人で晩飯はたまにやってるだろ?」

 

「分かってないな~タイガ。桜の下で食べるから良いんだよ~。きっといつもより美味しいよ~」

 

そして虹の桜の所に辿り着くと3人の前には衝撃の光景が広がっていた。

 

「「「.........なーーーーーーっ!!?」」」

 

なんと虹の桜が根っこから引っこ抜かれ、なくなっていたのだ。

 

 

 

 

 

翌日、風邪が治りすっかり元気になったルーシィがギルドにやって来た。

 

「もう風邪治ったのか?」

 

「うん!絶好調!!」

 

「よかったねルーシィ」

 

すると怒ったマカロフが入ってきた。

 

「コラー!!町の大切な桜の木を引っこ抜いたのは誰じゃー!!町長ともう1人はカンカンじゃぞ!!」

 

マカロフの言葉にナツとハッピーは顔を青ざめる。

 

「ありがとね」

「な...何の事だよ...」

「オ...オイラ、まったく何の事だか...」

 

昨夜、ルーシィの住むアパートの前の川を虹色に輝く桜の木が舟に乗って流れていた。風邪で寝込んでいた自分の為にナツとハッピーがやってくれたのだと気付いたルーシィが二人に感謝した。

 

「マスター...町長の他に怒っている者とは、誰ですか?」

 

「...それは......!!?」

 

エルザに問われたマカロフは答えようとするが、そんな彼の後ろにタイガが立つ。彼は顔こそ笑っていたが全身からドス黒い怒りのオーラを放っていた。

 

「やった奴は正直に名乗り出ろ......今なら99.999%殺しで許してやる...」

 

「それって、ほとんど死んでんだろ...イカれてるぜ...」

 

「年に一度のご馳走を食いそびれたんだからな...さすがのタイガでも怒るだろ」

 

「グレイ様...服...」

 

「うおっ!!?」

 

普段が優しい故に、タイガが相当怒っていることを察したナツとハッピーは更に顔を青ざめ、すぐにその場を離れようとした。

 

「さ...さぁ、仕事に行こうかなぁ~...」

「あい...」

 

 

「よう」

「「!!?」」

 

いつの間にか二人の間に立っていたタイガが彼等の肩に手を回す。

 

「裏に行こうか?...ちょっと話があるんだけど...」

「は...」

「はい...」

 

実はタイガには犯人が最初から分かっていた。今朝、元の場所に植え直されていた桜の木に二人のにおいが付いていたからだ。そして逃げられないと観念した二人はタイガに連れられてギルドの裏に行った。

 

「あーーーっ!!」

「ぎゃーーーっ!!」

 

ギルド内に響き渡ったナツとハッピーの断末魔のような悲鳴を聞き、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士たちの中では怒らせてはいけない人ランキングが更新されたという。

 

「......とりあえずワシは町長に報告してくる...犯人は分かったが、すでにお仕置き済みだとな...」

 

マカロフは町長に報告するためにギルドを出た。ちなみにサクラとツバサはというと、二人の断末魔など気にもせずケーキを食べながらガールズトークをしていた。




シャルル「そういえば...虹の桜はともかく、どうしてこの時期に普通の桜も満開だったのかしら?」

タイガ「何の不思議もないだろ?」

シャルル「あらタイガ、何か知ってるの?」

タイガ「なっ!サクラ」

サクラ「そういう事」

サクラの手に握られている千本桜を見てシャルルは思い出す。花見の最中、サクラの髪はずっと桜色の長髪、魔力全開の状態だったと。

シャルル「......どおりで怪我人が多いと思ったわ...」
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