マグノリアの街があったはずの場所。そこには建物も人も何も無く、ただただ白い地面が広がるだけだった。タイガ達トライスクワッドの三人は、三手に別れて誰かいないか探していた。
「ルーシィー!!!」
サクラがやって来たのはルーシィの家のあったはずの場所だった。彼女は親友の名を呼ぶが、返事はなかった。
「シャルルー!!!ウェンディー!!!エルザー!!!みんなどこーーー!!?」
ツバサはフェアリーヒルズの場所へ飛んで来たがやはり誰もいない。
そして、タイガはギルドのあった場所に立っているがここも何も無かった。
(気配も何も感じない...いや、微かに残ってるこのにおい...)
そんなタイガの元へサクラとツバサが合流する。
「そっちはどうだった?」
彼の問いに二人は首を横に振る。そしてサクラが口を開く。
「タイガの方はどうだったの?」
「こっちも誰もいなかった。けど、ここにナツやウェンディ、ハッピー、シャルルのにおいが微かに残ってる」
すると彼等の前に杖を携え、バンダナとスカーフで顔を隠した男が現れた。
「無事だったか。トライスクワッド」
「誰!?」
急に現れた男にサクラとツバサが臨戦態勢をとると、男はバンダナとスカーフを外す。その顔を見たサクラとツバサは驚く。
「え!?」
「ジェラール!?」
その顔は先日ニルヴァーナの事件の際、評議院に連行されたはずのジェラールだった。驚く二人の前にタイガが立つ。
「何があったんだ?......ミストガン」
「「ミストガン!!?」」
二人はその名に再び驚く。ミストガンとは
「この街の魔力は、ここにいた人々ごとアニマに吸収されてしまった」
「アニマ?」
ミストガンが言うには、こことは違う別世界「エドラス」そこでは魔法は有限であり、使っていけばいずれ無くなる物だった。そこでエドラス王国は枯渇してきた魔力を救う為に、この世界「アースランド」から魔力を吸収する超亜空間魔法"アニマ"を開発した。マグノリアはそのアニマに吸い込まれ消え去ったのだ。そして実はツバサやハッピー、シャルルは「エクシード」と呼ばれるエドラスの生き物だった。6年ほど前にとある理由から卵の状態のエクシードがアースランドに送られたのだ。
「別世界エドラス...マキナやマナツ達の世界の他にもそんな世界が...」
「...ボクの、故郷...」
エドラスの話を聞き、サクラとツバサは困惑している。タイガ達トライスクワッドは以前別の次元に迷い込んだことがあり、そこの魔導士達と一緒に戦ったことがあった為、別世界については理解があったが魔力が有限の世界があるということには驚く。だが、タイガだけはマキナ達と出会った時も今回も別世界に関しては元々理解があったかのように冷静に聞いていた。
「私はその計画を阻止する為にアースランドに展開されていたアニマを閉じて回っていたのだ」
その話を聞き、タイガはある確信を持つ。
「なるほどな...つまりお前は、エドラスのジェラール。そして、6年前ウェンディと一時期旅をしてたジェラールもお前だな」
「ああ...あの時はこの世界のことはよく知らず、彼女にはジェラールと名乗ってしまったんだ」
「で、たまたま仕事に行ってた俺達以外はそのアニマに吸い込まれたのか?」
「いや、ナツとウェンディはハッピーとシャルルの
サクラは空を見上げ、ミストガンに問う。
「ミストガン...あたし達も送ることってできる?」
「...行くのか?」
「ボク等も
「それに、ツバサの故郷ってのも興味あるしな」
3人の覚悟を決めた顔を見たミストガンはある物を取り出す。
「それなら、これを飲んでおいてくれ」
取り出したのは何かの丸薬だった。
「これは?」
「エドラスでは魔法を使えない。だがこの「エクスボール」を飲んでおけば、向こうでも魔法を使えるようになる」
3人が丸薬を飲むと、ミストガンは持っていた杖を構える。
「私はまだこちらでやることがある。ナツ達を頼む」
ミストガンの言葉に3人が頷くと彼等の体が光りに包まれ、空に僅かに残っていたアニマの残骸に向かって飛んでいった。
「頼んだぞ、トライスクワッド」
光りに包まれたタイガ達はアニマの中の異空間を抜けると、目の前に広がる光景に驚く。そこはいくつかの小さな島が浮かんでおり、川のようなものがそれらをつないでいた。
「ここが、エドラス...え!?...」
サクラが目の前の光景に驚いていると、あることに気付く。自分達の今いるところが地表からはるか上空の高い位置だということに。
「ああぁ~~~!!?」
「きゃぁぁ~~!!?」
「タイガ!!サクラ!!」
ツバサは人型に変身し
「.........ごめん、やっぱ無理...」
さすがに二人は持つことができずに三人は再び落下した。
「う...」
目が覚めたタイガはベッドの上に横になっていた。隣のベッドにはサクラと人型のツバサが寝ており、二人も目を覚ました。
「お前等も起きたか」
「ここは?」
「たしか、あたし達...高いとこから落ちて...」
すると三人がいる部屋に一人の女性が入ってくる。
「あ!気がついたんですね。良かったぁ~」
「あなたが俺達を...!!?」
「「!!?」」
自分達を助けた女性の顔を見てタイガ達は驚く。その顔は自分達のよく知る人物だったからだ。
「?...私の顔に何か付いてますか?」
「「「ミコ!!?」」」
「?...たしかに私はミコですけど、どうして私の名を?」
その女性はルーシィの部屋に時々遊びに来る幽霊のミコと瓜二つだった。違いといえば幽霊故に半透明だった体がはっきり見えてるのと、服装が巫女服ではなく修道服だという所だ。つまり彼女はこのエドラスに元々いたミコであり、便宜上彼女をエドミコと呼称する。
ここはエドミコが身を置く教会(といっても今住んでるのは彼女一人だけだが)、彼女曰く教会の近くの森の上空からいきなり三人が落ちてきたというのだ。そしてタイガ達は自分達のことを話した。自分達が別の世界アースランドから来たこと、そして自分達の街がアニマに吸い込まれたことも。
「つまり、あなた達はその別の世界から来たと...ていうか別の世界の私って幽霊なんですか!?」
「ああ...それで君に聞きたいんだけど」
ぐぅ~~~
「「「.........」」」
話の途中にツバサのお腹の音が鳴り、彼女は猫型の姿に戻る。
「ごめ~ん。お腹空いて、変身魔法解けちゃった」
てへっと笑うツバサの見たエドミコはその姿に驚き、突然彼女の前に跪いた。その目はまるで神でも見るかのようだった。
「もしかして、エクシード様!!?」
教会の広間でタイガ達はエドミコが用意してくれた食事を取る。エドミコが言うにはツバサやハッピー達、エクシードと呼ばれる種族は人間の上に立ち人間を導く存在だと。そしてこの教会は元々はエクシードを崇める場所であったと。
「それでタイガさん。私に聞きたい事とは?」
「ああ...王の居場所を教えて欲しい」
「!?」
「アニマに吸収された街の人々や、ギルドの仲間達はきっと王の所にいるはずだ」
「......あなた達には悪いけど、王国に逆らって生きてた者はいないわ...王国が魔力を独占して、魔導士ギルドも廃止。拒否したギルドは魔殲部隊に潰されて今は一つだけだと聞きます」
「それでもあたし達は行かなきゃ行けないの」
サクラの言葉を聞き、タイガとツバサの覚悟を決めたような目を見たエドミコは立ち上がる。
「......分かりました。では王都までの地図を渡します」
食事を終えたトライスクワッドは教会の入り口でエドミコの用意してくれた地図、そしていくつかの荷物を受け取る。
「それではこちらを。王都までは数日かかりますので、食料も少し入れておきました。それと、ツバサ様にはこれを」
「?」
再び人型に変身したツバサにエドミコはフード付きのマントを渡す。
「エクシード様が地上にいると騒ぎになります。その猫耳はフードで隠しておいてください」
「ありがとう、ミコ」
「じゃあ、行くか」
「あの」
「「「?」」」
出発しようとするタイガ達をエドミコが止める。
「あなた達の無事を祈らせてください」
彼女は両手を握り、目を瞑ってタイガ達の無事を祈る。
「お気をつけて」
「ああ」
「「うん」」
改めて王都に出発したトライスクワッドの背中を見送ったエドミコは呟く。
「何故でしょう...初対面の筈なのに、彼等なら王国とも戦える気がする...」
というわけで、エドラスのオリキャラまずはミコを出しました。
違いとしては以下の点
・アースミコ
数十年前に死んだ幽霊巫女
・エドミコ
普通に生きてる修道女(シスター)
他にもエドラスのオリキャラ考えてるのでお楽しみに。