光の滅竜魔導士タイガ   作:kazuki01

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DEAR KABY

依頼主の元へ向かう途中ルーシィはナツ達に日の出(デイブレイク)について語る。

 

「この本、構成も文体もホントひどくて、とてもケム・ザレオンが書いたとは思えなかったわ」

 

「だから?」

 

「だからこの本には秘密があると思ったの!」

 

 

 

ルーシィ達は依頼主であるカービィ・メロンに日の出(デイブレイク)を渡す。

 

「これは一体...どういう事ですかな?私は確か破棄してほしいと依頼したハズです」

 

「破棄するのは簡単です、カービィさんにだってできる」

 

「だったら私が焼却します!こんな本...見たくもない!!!」

 

「あなたがなぜこの本の存在を許せないのかわかりました」

 

「!!......」

 

「父の誇りを守る為です。あなたはケム・ザレオンの息子ですね」

 

「「「「!!?」」」」

ルーシィの言葉にナツ達四人は驚く。

 

「な...なぜ...それを...」

 

「この本を読んだことは?」

 

「いえ...しかし読むまでもありません。駄作だ、父が言っていた......」

 

すると話を聞いていたナツが

「だから燃やすってか?」

 

「そうです」

 

カービィの返答にナツは彼の胸ぐらを掴む

「つまんねえから燃やすってそりゃああんまりじゃねーのか!!?お?父ちゃんが書いた本だろ!!!」

 

「ナツ...言ったでしょ!!誇りを守る為だって!!」

ルーシィがナツを止める。

 

「ええ...父は日の出を書いた事を恥じていました」

 

カービィが語ったのは31年前、連絡も無かった父が3年ぶりに帰ってきたとき

「作家をやめる」と言い自らの右腕を切り落とした。

それから少しして彼の父ケム・ザレオンは命を落とした。

彼は死んだ後も父を憎んでいたとのことだった。

 

「しかし年月が経つにつれ憎しみは後悔へと変わっていきました...ですが...謝ろうにも父はこの世にはもう...」

その話をナツ達は黙って聞いていた。

 

「だからせめてもの償いに父の遺作となったこの駄作を...父の名誉の為この世から消し去りたいと思ったんです...これで父も...」

そういってカービィはマッチ棒に火を付け本を燃やそうとしたがルーシィが、

 

「違うんです」

すると本が突然光りだした

「な...何だこれは...!!!」

 

「ケム・ザレオンいいえ...本名ゼクア・メロン、彼はこの本に魔法をかけました」

 

「魔法?」

 

するとタイトルの「DAY BREAK」の文字が浮かび並び変わった。

そして現れた新たなタイトルは、

「DEAR KABY!!?」

 

「そう...「親愛なるカービィへ」」

 

「彼がかけたのは文字が入れ替わる魔法だったのね!!?」

 

「そう...そしてそれは中身も全て」

すると本が開き、中身の文字が全て飛び出した。

 

「おおっ!!!」

「きれー」

 

「彼が作家を止めた理由は...最低な本を書いてしまった事の他に...最高の本を書いてしまった事かもしれません...カービィさんへの手紙という最高の本を」

 

飛び出した文字は新たな本の中身として並び替えられた。

その光景を見たカービィは父が亡くなる前に言った言葉を思い出す。

(いつもおまえの事を想っていたよ)

 

「それがケム・ザレオンが本当に残したかった本です」

 

カービィの目には涙が浮かんでいた。

「父さん...ありがとう...この本は燃やせませんね...」

 

その言葉を聞いてナツとハッピーは

「じゃあオレたちも報酬いらねーな」

「あい」

 

「え?」

「はい?」

 

二人の言葉にカービィとルーシィは驚く、すると今度はサクラとツバサが

「依頼は「本の破棄又は焼失」です」

「ボクらどっちも達成してないからねぇ」

 

「い...いや...そういう訳には...」

 

「そ...そうよ...せっかくの好意なんだし...いただいておきましょ」

 

「ルーシィがめつー!!!さっきまでけっこういい事言ってたのに全部チャラだ」

 

「それはそれ!!!」

 

「いらねえモンはいらねえよ」

 

「いる~あたしほしい~」

 

「考えたらあたし達、ナツ達三人で受けた依頼に勝手に付いてきただけだし」

 

「そうだねぇ、ボクとサクラは最初からもらう権利無かったよね~」

 

「かーえろっ!メロンも早く帰れよじぶん家」

 

「「!!!」」

「え?」

ナツの最後の言葉にカービィと彼の妻は驚き、ルーシィはどういう事かという顔をした。

 

 

 

依頼主の元を去りナツ達はギルドへと帰って行った。

歩きで

 

「信じらんなーい!!!普通200万チャラにするかしらー!!!」

 

「依頼達成してねーのに金もらったら妖精の尻尾(フェアリーテイル)の名折れだろ」

 

「あい」

 

「全部うまくいったんだからいいじゃないのよぉっ!!!てか帰りは歩き?」

 

「いいじゃない、こういうのも鍛錬の一つだと思えば」

「そーそー」

そういうツバサはサクラに抱きかかえられていた。

 

「はぁー...あの人たちお金持ちじゃなかったのかぁ。家も見栄をはる為に借りただけだったし...そんな事しなくても依頼引き受けたのにね」

 

「どうかな?」

 

「引き受けたわよっ!!!」

 

「たぶんね」

 

「てゆーかアンタなんで家の事気づいたの?」

 

「ん?あいつ等と家のにおいが違った普通気づくだろ」

 

「あたし獣じゃないから」

 

「あい!タイガも気づきそうだよね」

 

「でも...なんか小説家って憧れちゃうなぁ~」

 ルーシィのその言葉を聞いたナツなニターと笑う

 

「やっぱりなぁ~」

 

「ん?」

 

「前...ルーシィが隠したアレ...」

 

「!!」

 

「自分で書いた小説だろ」

 

「やたら本の事詳しい訳だぁ~!!」

 

ルーシィは恥ずかしさで顔が赤くなった。

「ぜ...絶対他の人には言わないでよ!!!」

 

「何で?」

 

「まだヘタクソなの!!読まれたら恥ずかしいでしょ!!!」

 

「いや...誰も読まねーから」

 

「それはそれでちょっぴり悲しいわっ!!!」

 

三人のそんなやりとりを後ろの方から見ていたツバサとサクラは

「ねっルーシィってなんか面白いでしょっ」

 

「そうね、なんかこれからもっと面白くなりそう」

 

そうして五人はギルドへと帰って行くのだった。




次回、鎧のあの人がいよいよ登場。

そして明日、このシリーズの裏話的なスピンオフシリーズの第一話を投稿予定です。

オリジナル回読んでみたいのは?

  • タイガVSナツ
  • サクラとツバサの大ゲンカ
  • タイガとルーシィの仕事
  • サクラとルーシィの仕事
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