依頼主の元へ向かう途中ルーシィはナツ達に
「この本、構成も文体もホントひどくて、とてもケム・ザレオンが書いたとは思えなかったわ」
「だから?」
「だからこの本には秘密があると思ったの!」
ルーシィ達は依頼主であるカービィ・メロンに
「これは一体...どういう事ですかな?私は確か破棄してほしいと依頼したハズです」
「破棄するのは簡単です、カービィさんにだってできる」
「だったら私が焼却します!こんな本...見たくもない!!!」
「あなたがなぜこの本の存在を許せないのかわかりました」
「!!......」
「父の誇りを守る為です。あなたはケム・ザレオンの息子ですね」
「「「「!!?」」」」
ルーシィの言葉にナツ達四人は驚く。
「な...なぜ...それを...」
「この本を読んだことは?」
「いえ...しかし読むまでもありません。駄作だ、父が言っていた......」
すると話を聞いていたナツが
「だから燃やすってか?」
「そうです」
カービィの返答にナツは彼の胸ぐらを掴む
「つまんねえから燃やすってそりゃああんまりじゃねーのか!!?お?父ちゃんが書いた本だろ!!!」
「ナツ...言ったでしょ!!誇りを守る為だって!!」
ルーシィがナツを止める。
「ええ...父は日の出を書いた事を恥じていました」
カービィが語ったのは31年前、連絡も無かった父が3年ぶりに帰ってきたとき
「作家をやめる」と言い自らの右腕を切り落とした。
それから少しして彼の父ケム・ザレオンは命を落とした。
彼は死んだ後も父を憎んでいたとのことだった。
「しかし年月が経つにつれ憎しみは後悔へと変わっていきました...ですが...謝ろうにも父はこの世にはもう...」
その話をナツ達は黙って聞いていた。
「だからせめてもの償いに父の遺作となったこの駄作を...父の名誉の為この世から消し去りたいと思ったんです...これで父も...」
そういってカービィはマッチ棒に火を付け本を燃やそうとしたがルーシィが、
「違うんです」
すると本が突然光りだした
「な...何だこれは...!!!」
「ケム・ザレオンいいえ...本名ゼクア・メロン、彼はこの本に魔法をかけました」
「魔法?」
するとタイトルの「DAY BREAK」の文字が浮かび並び変わった。
そして現れた新たなタイトルは、
「DEAR KABY!!?」
「そう...「親愛なるカービィへ」」
「彼がかけたのは文字が入れ替わる魔法だったのね!!?」
「そう...そしてそれは中身も全て」
すると本が開き、中身の文字が全て飛び出した。
「おおっ!!!」
「きれー」
「彼が作家を止めた理由は...最低な本を書いてしまった事の他に...最高の本を書いてしまった事かもしれません...カービィさんへの手紙という最高の本を」
飛び出した文字は新たな本の中身として並び替えられた。
その光景を見たカービィは父が亡くなる前に言った言葉を思い出す。
(いつもおまえの事を想っていたよ)
「それがケム・ザレオンが本当に残したかった本です」
カービィの目には涙が浮かんでいた。
「父さん...ありがとう...この本は燃やせませんね...」
その言葉を聞いてナツとハッピーは
「じゃあオレたちも報酬いらねーな」
「あい」
「え?」
「はい?」
二人の言葉にカービィとルーシィは驚く、すると今度はサクラとツバサが
「依頼は「本の破棄又は焼失」です」
「ボクらどっちも達成してないからねぇ」
「い...いや...そういう訳には...」
「そ...そうよ...せっかくの好意なんだし...いただいておきましょ」
「ルーシィがめつー!!!さっきまでけっこういい事言ってたのに全部チャラだ」
「それはそれ!!!」
「いらねえモンはいらねえよ」
「いる~あたしほしい~」
「考えたらあたし達、ナツ達三人で受けた依頼に勝手に付いてきただけだし」
「そうだねぇ、ボクとサクラは最初からもらう権利無かったよね~」
「かーえろっ!メロンも早く帰れよじぶん家」
「「!!!」」
「え?」
ナツの最後の言葉にカービィと彼の妻は驚き、ルーシィはどういう事かという顔をした。
依頼主の元を去りナツ達はギルドへと帰って行った。
歩きで
「信じらんなーい!!!普通200万チャラにするかしらー!!!」
「依頼達成してねーのに金もらったら
「あい」
「全部うまくいったんだからいいじゃないのよぉっ!!!てか帰りは歩き?」
「いいじゃない、こういうのも鍛錬の一つだと思えば」
「そーそー」
そういうツバサはサクラに抱きかかえられていた。
「はぁー...あの人たちお金持ちじゃなかったのかぁ。家も見栄をはる為に借りただけだったし...そんな事しなくても依頼引き受けたのにね」
「どうかな?」
「引き受けたわよっ!!!」
「たぶんね」
「てゆーかアンタなんで家の事気づいたの?」
「ん?あいつ等と家のにおいが違った普通気づくだろ」
「あたし獣じゃないから」
「あい!タイガも気づきそうだよね」
「でも...なんか小説家って憧れちゃうなぁ~」
ルーシィのその言葉を聞いたナツなニターと笑う
「やっぱりなぁ~」
「ん?」
「前...ルーシィが隠したアレ...」
「!!」
「自分で書いた小説だろ」
「やたら本の事詳しい訳だぁ~!!」
ルーシィは恥ずかしさで顔が赤くなった。
「ぜ...絶対他の人には言わないでよ!!!」
「何で?」
「まだヘタクソなの!!読まれたら恥ずかしいでしょ!!!」
「いや...誰も読まねーから」
「それはそれでちょっぴり悲しいわっ!!!」
三人のそんなやりとりを後ろの方から見ていたツバサとサクラは
「ねっルーシィってなんか面白いでしょっ」
「そうね、なんかこれからもっと面白くなりそう」
そうして五人はギルドへと帰って行くのだった。
次回、鎧のあの人がいよいよ登場。
そして明日、このシリーズの裏話的なスピンオフシリーズの第一話を投稿予定です。
オリジナル回読んでみたいのは?
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タイガVSナツ
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サクラとツバサの大ゲンカ
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タイガとルーシィの仕事
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サクラとルーシィの仕事