「やっぱりシャバの空気はうめえ!!!最高にうめえっ!!!」
評議院にエルザが連行された、それが形だけの裁判とは知らず殴り込んだナツはエルザと共に牢屋で一晩すごしギルドに帰ってきた。
「自由って素晴らしいっ!!!フリーダァーーッム!!!」
「うぉっ!!やかましい!!」「おとなしく食ってろ!!」
「もう少し入ってればよかったのに......」
「むしろ終身刑でよかったのに......」
ルーシィとサクラが騒いでいるナツに冷たい視線を送る。
「けっきょく"形式だけ"の逮捕だったなんてね...心配して損しちゃった」
ルーシィがぐた~とすると
「そうか!!カエルの使いだけにすぐ"帰る"」
グレイの一言に周囲は凍り付く。
「ぷっ!ふふふふ......」
ただ一人サクラにだけはウケていたようだった。意外に彼女のギャグの沸点は低いようだ。
「さすが氷の魔導士、ギャグもオヤジ以上に寒いねぇ」
ツバサの天然発言にグレイは軽く傷ついた。
するとエルフマンはあることに気付く。
「...でエルザとの漢の勝負はどうなったんだよナツ」
「漢!?」
「そうだ!!!忘れてたっ!!!エルザー!!!この前の続きだーっ!!!」
ナツは勝負のことを思い出し食事中のエルザに突っ込む。
「よせ...疲れてるんだ」
「行くぞーーーっ!!!」
「やれやれ」
ゴン
エルザは大きなハンマーを取り出しナツを一撃でぶっ飛ばした。そのハンマーには小さく「100t」と書かれていた気がするが気のせいだろう。
「仕方ない始めようか」
「終ー了ー!!!」
「エルザの勝ちー!!!」
2匹のネコがエルザの勝ちを宣言した。
「ぎゃはははっ!!!だせーぞナツ!!!」「やっぱりエルザは強ぇ!!!」「おいこの間の賭け有効なのか?」「あ~あ...またお店壊しちゃってぇ」
ミラがその光景を笑ってみていると、カウンターのテーブルに座っているマカロフがうとうとしていた。
「どうしました?マスター」
「いや...眠い...」
「?」
「奴じゃ...」
「あ」
奴と言う言葉にミラは何かに気付きその後眠るように倒れた。
「!」「これは!!」「くっ」「眠っ」
それを皮切りに皆バタバタと倒れ眠りだした。テーブル席にいたタイガも頬杖を付いて俯いていた。
すると一人の人物がギルドの入り口から入ってきた。魔法の杖を持ち顔全体をフードで覆った一言で言うと「怪しい奴」である。
「ミストガン」
意識のあったマカロフが彼の名を呼ぶ、ミストガンという名前らしい。ミストガンは
「行ってくる」
「その前に、眠りの魔法解いて行けよ...」
実は起きていたタイガがミストガンに言葉をかける。
「タイガ、分かってるよ...伍...四...参...弐...壱」
ミストガンがギルドを出るのと同時に眠っていた皆は一斉に目を覚ました。ナツ一人を除いて。
「こ...この感じはミストガンか!!?」「あんにゃろぉ!!!」「相変わらずスゲェ強力な眠りの魔法だ!!!」
「ミストガン?」
周りからでる聞き慣れない名前にルーシィは疑問を持つ。
「
そう説明したロキは隣にいるのがルーシィだと気付き、そそそそと後ずさる。
代わりにグレイがルーシィに説明する。
「どういう訳か誰にも姿を見られたくないらしくて、仕事をとる時はいつもこうやって全員を眠らせちまうのさ」
「なにそれっ!!!怪しすぎ!!」
「だからマスター以外誰もミストガンの顔を知らねえんだ」
すると2階から男の声がする。
「いんや...オレとタイガも知ってっぞ」
2階からの男の声にナツはようやく目を覚ます。
「ラクサス!!!」「いたのか」「めずらしいなっ!!!」
「もう一人の最強候補だ」
「!!」
グレイに説明されたルーシィの目線の先には金髪と右目の傷、ヘッドホンが特徴の男「ラクサス・ドレアー」がいた。
「ミストガンはシャイなんだ、あんまり詮索してやるな」
「あれはシャイっていうより、恥ずかしがり屋じゃないか?...」
タイガがそう言うとナツはテーブルの上に立ち、
「ラクサスーー!!!オレと勝負しろーーーっ!!!」
「さっきエルザにやられたばっかだろ...てか土足でテーブルの上に立つな!汚い!!」
タイガに注意された。
「そうそう、エルザごときに勝てねえようじゃ、オレには勝てねえよ」
「それはどういう意味だ」
「オイ...落ち着けよエルザ」
ラクサスの言葉に苛立ったエルザを仲間が落ち着かせる。
「オレが最強って事さ」
「降りてこい!!!コノヤロウ!!!」
「おまえが上がってこい」
「上等だ!!!」
ナツが2階に上がる階段に向かって走り出す。マカロフがそれを止めようとした瞬間。タイガがナツの目の前に現れ、ナツを壁の方へ蹴り飛ばした。そして2階に跳び、手すりに座り込む。
「お前にはまだこのステージは早すぎるよ」
タイガがどこぞの海軍大将のような台詞を言うとラクサスは
「ははっ!!怒られてやんの」
「ラクサスもよさんか」
マカロフに注意された。
「なんならタイガ...お前がオレと勝負するか?...お前との勝負だったら喜んでやってやるぜ」
「遠慮する...分かってるだろ...俺とお前が本気で戦ったら...」
「ああ分かってるさ、言ってみただけだ。とにかく
「そうだラクサス!!久々に帰ったんならコーヒー飲んでくか?」
「ツバサのコーヒーか...少しはマシになってんだろうな?」
「飲んでみてのお楽しみってやつだよ。ツバサ~!ラクサスにコーヒー1杯!!」
「は~い!!!」
注文を受けたツバサはキッチンへと入っていった。
そして
「ラクサス!はいど~ぞ!!」
カップをラクサスに差し出す。
受け取ったラクサスはコーヒーを一口飲み、フッと笑い
「お前、料理は美味いのにコーヒーだけは相変わらずだな...」
ラクサスのその言葉にタイガは笑いながら
「そう言いつつ、毎回飲んでやってんだよなぁ...お前も相変わらずいいヤツだな」
「...うるせぇ」
二人のそんな様子を下から見ていたルーシィは
「なんかあの人さっきと雰囲気が違うような...」
ルーシィの疑問にサクラが答える。
「あの二人はわりと仲良いのよね、強い者同士実力を認め合ってる的な」
「何か分かるかも...」
それから少ししてルーシィはカウンター席でミラと話していた。
「さっきタイガが言ってた、2階に上がるのはまだ早いってどうゆう意味ですか?」
「まだルーシィには早い話だけどね、2階の
「S級!!?」
「一瞬の判断ミスが死を招くような危険な仕事よ。その分報酬もいいけどね」
「うわ...」
「S級の仕事はマスターに認められた魔導士しか受けられないの。資格があるのはエルザ、ラクサス、ミストガン、タイガも含めてまだ6人しかいないのよ」
「なんか納得のいくメンバーね...」
「S級なんて目指すものじゃないわよ。本当に命がいくつあっても足りない仕事ばかりなんだから♡」
「みたいですね」
~次の日~
「たいへーーん!!!」
ミラが慌てた様子で2階から降りてきた。
「マスター!!!2階の依頼書が一枚なくなっています!!!」
それを聞いたマカロフは飲み物を噴き出した。
そしてラクサスは
「オウ...それなら昨日の夜どろぼう猫がちぎっていったのを見たぞ」
「!!」
「青くて羽のはえた...な」
「ハッピー!!?」
「つー事はナツとルーシィも一緒か!!?」
「何考えてんだあいつ等!!!」
「バカだとは思ってたけど、ここまでとはね...」
「S級クエストに勝手に行っちまったのか!!?」
依頼書を持ち出したのがハッピーだと知りギルド内は騒然となる。
「これは重大なルール違反だ!じじい!!奴等は帰り次第破門...だよな」
「...」
「つーかあの程度の実力でS級に挑むたぁ...帰っちゃこねえだろうがな」
「ラクサス!!知ってて何で止めなかったの?」
ミラはラクサスに尋ねる。
「オレにはどろぼう猫が紙キレくわえて、逃げてった風にしか見えなかったんだよ。まさかあれがハッピーで、ナツがS級行っちまったなんて思いもよらなかったなぁ」
それを聞いたミラはいつもとは違う怒った顔でラクサスを睨みつける。
「お?アンタのそんな顔久しぶりだなぁ」
「マズイのう......消えた紙は?」
「呪われた島ガルナです」
「悪魔の島か!!!」
依頼書の内容を聞き、ギルド内は再び騒然となる。
「...タイガはどうした?」
マカロフはミラに尋ねる。
「それが...昨日からサクラやツバサと出かけてます」
「そうか...ラクサス!!つれ戻してこい!!!」
「冗談...オレはこれから仕事なんだ。てめえのケツをふけねえ魔導士はこのギルドにはいねえ...だろ?」
「タイガがいない今、ここにいる中でオマエ以外誰がナツを力ずくでつれ戻せる!!?」
それを聞いてグレイが立ち上がった。
「じーさん...そりゃあ聞き捨てならねえなぁ」
こうしてグレイがナツ達をつれ戻す役を買ってでた。しかしこのガルナ島で起こることがグレイにとって大きな出来事になるとは彼自身知るよしも無かった。
タイガとラクサスの仲はわりといい方にしました。
仲間であり、実力を認め合ってるライバル的な関係ですね。
あと、ツバサの新作コーヒーは毎回飲んでくれる数少ない一人です。