タイガ達はグレイを先頭にナツを探していた。
グレイはその途中、デリオラを復活させようとしている零帝という男がかつて自分と共にウルという魔導士の下で修行したリオンだということを、そして彼の目的を話した。
「デリオラを倒す?それがあいつの目的なの!!?」
「リオンは昔からウルを超える事だけを目標にしてきた。だからそのウルがいなくなった今、ウルの倒せなかったデリオラを倒す事でウルを超えようとしている」
「そっか...死んだ人を追い越すにはその方法しか......」
「あい」
「いや...あいつは...リオンは知らないんだ」
「え?」
「確かにウルはオレたちの前からいなくなった...だけど...ウルはまだ生きている」
「ええっ!!?」
「うそぉっ!!?」
「どういう事だ?一体過去に何があった」
グレイは語り出す。10年前、自分の住んでいた街がデリオラに襲われたことを。そこを偶然通りかかったウルとリオンに助けられ、彼女の下で魔法の修行をしたことを。そしてウルは
そして一行はデリオラがいるという遺跡に到着するが、その遺跡は大きく傾いていた。
「遺跡が...傾いて...る?」
「どうなってんだー!!?」
遺跡の元の形を知っているルーシィとハッピーは首をかしげるが。
「ナツだな」
タイガの言葉にグレイが続く
「ああ、どうやったか知らねえが、こんなデタラメな事するのはあいつしかいねえ。狙ったのか偶然か...どちらにせよこれで月の光はデリオラに当たらねえ」
すると周囲の茂みがガサガサと音を立てる。
「待て!!誰かいる」
エルザがそう言うと茂みから零帝の部下と思われる集団が現れた。
「見つけたぞ
「零帝様の邪魔は許さん」
「うわあっ!!!」
「変なのがいっぱい!!!」
ルーシィとハッピーが彼等の登場に驚き
「へぇ~、ああいうのが最近の流行りなんだぁ...」
「たぶん違うよツバサ...」
ツバサとサクラはちょっとした漫才をしていた。
そんな中エルザはグレイに
「行け」
「!」
「ここは私たちにまかせろ」
「エルザ...」
「リオンとの決着をつけてこい」
「大丈夫!あたし達もいるから」
「あい!」
ルーシィは鞭をハッピーは何故か魚の骨を構える。
「ほら...早く行った行った!」
サクラは木刀を刀に替えツバサも魔力の棒を出し敵に構える。
「お前等...」
皆の言葉を聞いたグレイは頷き、遺跡へと走って行った。
グレイが向かって行った遺跡をタイガはまだジッと見つめていた。
そこへサクラが
「?...タイガ、どうしたの?」
「違う...」
「え?」
「確かにこの遺跡の地下からわずかな魔力を感じる。間違いなくデリオラってヤツだろう...けど、俺がこの島に来てから感じてた...俺の魔力感知を邪魔してた魔力とは全く違う」
「それってどういう...」
サクラが言いかけたとき
ドーーーン!!!
「何を話している!!!さっさとコイツらを片付けるぞ!!!」
「話は後だな...行くぜ!!サクラ!!!」
「ええ!!!」
後ろから敵が吹き飛ぶ音が聞こえ、エルザに怒鳴られ二人は戦闘に参加する。
エルザの槍、ルーシィの鞭、ツバサの棒術、サクラの刀、そしてタイガの拳法により零帝の部下達は倒された。
するとゴゴゴゴゴと大きな音がする。
「何の音だ?」
「......そんな」
音の方を向くと
「傾いていた遺跡が...元に戻ってる...」
ナツによって傾けられていたハズの遺跡がまるで時間が戻ったように直っていた。
「これじゃあ、月の光がデリオラに届いちゃう!」
ルーシィが慌て出すと、周りの地面から影のような黒い塊がいくつも湧き上がってきた。
「何だ!!?」
それらの塊はそれぞれ獣のような形になった。
「グルルゥー!!!」「ガァーー!!」「ウゥゥゥーー!!」
「何コレーーー!!!」
ハッピーが声を上げて驚く。
「!!?」
「どうした、タイガ!?」
「コイツら...俺がこの島に来てから感じてた魔力だ!」
すると影の怪物の一体が襲いかかるが
「ハァッ!!」
タイガの蹴りで吹き飛ばされた。
「エルザ、サクラ...ここを任せて良いか?」
「「?」」
タイガがある方向を指さす。
「あっちの方からコイツらと同じ魔力を感じる...恐らくコイツらを操ってる術者だ」
「分かった!早く倒してきてね」
「ああ!!」
タイガは術者がいると思われる場所へと走り出す。
「ハァーー!!」
エルザが怪物の一体を剣で斬るが、切り口がすぐに再生する。
「一体何なのコイツら!!?」
ルーシィが鞭で攻撃するも効いている様子は無い。
「フン!!...!?」
サクラが刀で怪物の片手を切り落とした、するとあることに気付く。
切り落とされた手が霧散して消えたのだ。
「エルザ!今の見た?」
「ああ!!どうやら体から切り落とした部分は消えるようだな」
「それなら二人で斬れば」
ハッピーがそう言いかけたときサクラが遮る。
「そうしたいけど...数が多いし、コイツら結構硬いの。さっきもやっと切り落とせたぐらいだし」
「それじゃあタイガが術者を倒すのを待つしかないの?」
ルーシィは不安になる。
「大丈夫...手はあるから」
ツバサの言葉にサクラは頷く。
「そういう事...皆!あたしの周りに集まって!!」
ルーシィ達はサクラの周りに集まった。
「何をするの?」
「悪いけど少し静かに...集中したいの...」
ルーシィの問いにサクラは静かに答えると目を閉じ、意識を集中すると髪が伸び色も黒から桜色になる。
そして刀の先を下に向ける。
「
手を離し刀が下に落ちる、そして地面の中に吸い込まれるように消えるとサクラ達の周りに巨大な刀の刃がいくつも現れる。
「
刃が無数の花びらに分かれ、サクラ達の周りを舞う。
「ハッ!!」
サクラが両手を広げ、周りの怪物達を花びらで切り刻んだ。
花びらが消え去ると細かく刻まれた怪物達の破片が霧のようになって消えていた。
「凄い...今のって?」
「卍解...斬魄刀の本来の力を解放する、例えるなら奥義みたいなものね。ただ魔力全開状態でしか使えないし、今のあたしには千本桜しか卍解を発動出来ないけどね...」
そう言い終わると、サクラは突然フラッと揺らめく。
「サクラ!!」
倒れる寸前のところでエルザに抱えられた。
ルーシィ達も慌ててサクラの元に駆け寄る。
「大丈夫!!?」
「ははっ...結構疲れるのよねコレ、まだまだ修行が足りないなぁ...」
どうやら卍解はサクラの体力と魔力を多く消費するようであり、まだ修行不足のサクラにとっては滅多に使えるものではないようだ。
(後は任せたわ...タイガ)
サクラはここにいない仲間に後を託し、少し休むことにした。
そんな彼女たちの様子を近くの木の上から小さな黒いトカゲのような生き物が見ている、その生き物も影のようで地面の中へと消えた。
「成る程...『斬魄刀』にあの髪の色...あのチェリッシュ家に生き残りがいたか...しかもそれが
ルーシィ達がいる場所から少し離れた場所に、フードを深くかぶり顔を隠した男がいた。どうやら彼が影の怪物を操っていた魔導士のようだ。そして影達と視覚を共有しており、サクラの事もそうして知ったようだ。
「一応マスターに報告はしておこう」
男が立ち去ろうとしたその時
「待て!!!」
タイガが現れ、男を呼び止める。
「これはこれは、光の勇者様。わざわざ来て頂けるとは光栄ですね...」
「お前があの影を操ってるのか!?」
「ええ...ただあなたのお仲間がすでに全滅させたようですが」
(そうか...アイツ等が)
タイガは仲間達の一先ずの無事を知り安心する。
「言っておきますが、私は零帝とやらとは何の関係もありませんよ...」
「だったら何故俺達の邪魔をする!?」
「フィオーレ王国一と噂されるギルドの力を試してみたくてねえ!!」
男はそう言うと右手を前に出し、自分の影を数体の怪物にしてタイガに向かわせた。
「光拳!!!」
タイガは自分の拳と足に光を纏う。
「ハァッ!!タァー!!!」
怪物にパンチや蹴りを食らわせた。すると怪物達は一撃を受けただけで消え去った。
「やはり私とあなたの魔法は相性が悪いようだ...ならば」
男は自分の影をハンマーの形にして地面に振り下ろす。
するとタイガの足元が崩れ、タイガは穴の中へと落ちていく。
「うわあぁ~!!!」
「また会いましょう...タイガ・グラウス...」
そう言って男はガルナ島から姿を消した。
今回はサクラが卍解を初披露しましたが補足説明をすると
①サクラはいくつかの斬魄刀を使えるが、卍解は今のところ、千本桜のみ修得。
②卍解は桜色の髪の魔力全開状態でしか使えない。
③卍解は体力と魔力を大量に消費する為、使用後はしばらく疲れて動けなくなる。そこは今後、修行で克服予定。
後は最後にタイガと戦った謎の男は、一応原作にはいないオリジナルの敵キャラです。