『オオオオオオ』
そこにやって来たグレイは辺りに流れる水を見つめていた
(ウル...)
「グレイ!!!いたのか!!!」
そこにナツが走ってくる。
「ナツ」
「こうなったらやるしかねえ!!!あいつぶっ倒すぞ!!!」
「ククク」
地を這いずりながら一人の男がやって来た。彼こそ零帝と呼ばれデリオラを復活させようとしたグレイの兄弟子リオンである。グレイと戦い、すでにボロボロであった。
「おまえ...ら...には無理だ...アレは...オレが...ウルを超える為に...オレが...ハハハ...」
「リオン!!!」
「オメーの方が無理だよ!!!ひっこんでろ」
『グアアア』
「やっと...会えたな...デリオラ...」
リオンはふらつきながらも立ち上がる
「あの...ウルが...唯一...勝てなかった怪物...今...オレがこの手で...倒す......」
リオンはウルに弟子入りした時のこと、グレイが弟子入りした時のことを思い出していた。「オレは...今...アンタを...超え...る...」
だがグレイがリオンの首に手刀を入れリオンを倒れさせる。
「もういいよリオン。あとはオレにまかせろ」
グレイは両腕を交差させる構えをとる。
「デリオラはオレが封じる!!!」
リオンはその構えを知っていた。
「
自らの命と引き換えに敵を氷に封印する
「よ...よせ!!!グレイ!!!あの氷を溶かすのにどれだけの時間がかかったと思ってるんだ!!!」
リオンの制止も聞かずグレイは魔力を高めていく。
「同じ事の繰り返しだぞ!!!いずれ氷は溶け......再びこのオレが挑む!!!」
「これしかねえんだ!今...奴を止められるのはこれしかねえ」
するとナツがグレイの前に立つ。
「ナツ!!!」
「オレはアイツと戦う」
「どけっナツ!!!邪魔するな!!!」
「死んでほしくねえからあの時止めたのに、オレの声は届かなかったのか」
「......」
実はグレイはタイガ達と別れた後、リオンと対峙した際に
「やりたきゃやれよその魔法」
「ナツ...」
『ガアアアアア』
デリオラは右腕を振り上げた
「よけろぉぉぉーーー!!!!」
「オレは最後まであきらめねぇぞ!!!」
ナツが拳に炎を纏い待ち構えていると
グイッ
「うおっ!!!」
タイガにマフラーを引っ張られ後ろに倒れる。
「タイガ...」
「何すんだ!!また横取りか!!!」
倒れたナツがタイガに文句を言うが
「俺達が戦うまでもない...見ろ」
タイガがそう言うと振り上げられたデリオラの腕が崩れ落ちた。
「え!?」
「な...」
リオンとグレイが驚くとそれを皮切りにデリオラの体は徐々に崩れ落ちていく。
「な...何だ!?」
「バ...バカな...そんなまさか...」
「そう...デリオラはすでに死んでたんだ...」
タイガがそう言うとデリオラは完全に崩れ去った。
「10年間...ウルの氷の中で命を徐々に奪われ...オレたちは......その最後の瞬間を見ているというのか...」
「氷が溶けて、最初に声を上げた時からデリオラの魔力は徐々に小さくなっていた...今思えばあれは、アイツの断末魔だったのかもな」
タイガのその言葉を聴きリオンはガンと地面を叩いた。
「かなわん...オレにはウルを超えられない」
彼の目には涙が浮かんでいた。
「す...すげーなおまえの師匠!!!」
ナツに声をかけられたグレイはある言葉を思い出す。
『お前の闇は私が封じよう』
それはかつてウルがデリオラを封じる際に、グレイにかけた言葉だった。
「ありがとうございます...師匠...」
グレイは泣きながら師への感謝の言葉を口にした。
それから少ししてタイガ達の所にルーシィ達がやって来た。その中のエルザの姿を見てナツは逃げだそうとしたが、すぐに捕まってしまった。そしてルーシィの目線の先にはグレイがリオンに肩を貸し立ち上がらせる姿があった。それはまるでかつての兄弟弟子がわかり合えた瞬間のようだった。
~フィオーレ王国 どこかの廃墟~
「チェリッシュ家...?」
「ええ...お忘れですかな?マスター」
ガルナ島でタイガと戦った謎の魔導士が玉座のようなイスに座る自らのマスターに報告をしていた。
「さあな...滅んだ者達のことなど、いちいち憶えている気は無い」
「そうですか...」
「それより、デリオラはどうだった?」
「私が島で見つけた時には氷の中ですでに息絶えていました。おそらく今頃、封印が解けて崩れ落ちていることでしょう。あれでは我々の役には立ちません」
「そうか...さすがはウルと言ったところか...生きていれば聖十の一人に数えられたかもしれん実力は本物...それより、お前は例の塔を調べに行け」
「はっ」
男は頭を下げ、影の中へと消えた。
「