光の滅竜魔導士タイガ   作:kazuki01

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今回は「トライスクワッド」としての初仕事を描いたオリジナル回です。


幕間3
トライスクワッドの初仕事


タイガ、サクラ、ツバサの3人は新たなチーム「トライスクワッド」を組み、最初の仕事を選ぶため依頼板(リクエストボード)の前に立っていた。

 

「どの仕事にする?」

「そうだな...お前ら二人じゃ、S級はまだ早いし...」

「あ!!じゃあコレなんてどう?」

 

そう言ってツバサが選んだ依頼書は「山賊退治」だった。

 

サクラはツバサの選んだ依頼書を持って受付のミラの所へ向かう。

「ミラさん!!あたし達この仕事に行ってきます!!!」

 

「フフ...トライスクワッドとしての初仕事ね...気をつけて行ってね」

 

「はい!!!」

 

 

3人は一度自宅に戻り準備を整え、マグノリア駅に来ていた。そして同じく駅に来ていたナツ達に出会った。

 

「おっ!タイガ達も来たのか」

「ああ!って言っても列車は別だけどな」

 

「ツバサ!お土産にお魚持って帰るね」

「じゃあ3人分お願いね!初仕事達成のお祝いするんだ~」

 

「ルーシィ!気をつけてね」

「サクラこそ...ってそっちは大丈夫そうね」

 

「おいお前ら、何やってんだ?」

「列車が出るぞ」

グレイとエルザに呼ばれ、ナツ達は一足早く列車に乗り込み出発した。

 

「じゃあ、俺達も行くか」

「ええ」「うん」

そしてタイガ達も列車に乗り込んだ。目的地まで行く間タイガはいつものように寝ており、サクラとツバサは楽しそうに談笑していた。

 

 

 

 

 

3人は目的の町に着き、依頼人の元へと向かった。

 

「よく来て下さいました」

 

「あなたが依頼人ですね?」

 

「ええ、一応この町の町長をしています」

依頼人である町長によると数日前、この町の裏山から山賊が降りてきて町を荒らしているというのだ。

 

「しかし、どうして魔導士ギルドに依頼したんですか?」

 

サクラの質問に町長は俯きながら答える。

「それが...山賊団の頭領が魔導士のようで、他の山賊達は腕の立つ町民で何とかなったのですが...」

 

「なるほど...さすがに魔導士が相手じゃ、素人には無理と」

 

「ええ...連中は今、裏山の中腹にある山小屋をアジトにしています」

 

「よし!すぐに行くぞ!!」

そう言って立ち上がったタイガに町長は深く頭を下げる。

 

「お願いします!何としても奴等を...」

 

 

 

 

 

3人は今、山の中腹にある山賊のアジトの近くの茂みにいた。

タイガは集中して中にいる人数を感知する。

 

「どう?タイガ」

 

「1階に複数、2階に他より強いのが一人おそらくボスだ...そして地下に一人、人質だな」

 

「町長さんの息子だね...」

 

町長がタイガ達に必死に頭を下げた理由、それは幼い自分の息子が人質に取られたからだ。タイガ達が町に到着した日の前日に誘拐され、町の金品や食料と引き換えだと脅されていた。

「どうやら俺達は、ちょうどいい時に来たみたいだな...」

 

「チームとしての初仕事で人質救出、ある意味ボク達らしいっちゃボク達らしいね...」

 

「コレでこそ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士ね...じゃあ作戦を確認するわよ」

 

 

 

 

 

山賊達のアジトの扉の前に二人の商人が立つ。スカーフで顔を隠しているが男女のようだ。

 

コンコン

 

男が扉を叩くと、扉に付いている小窓が開き山賊の一人が顔を出す。

 

「ああん!?何だテメー等?」

 

「ど~も~、お届け物で~す」

 

男の気の抜けた声に山賊は苛立つ

「ああ!?テメーふざけてんのか?うちは何も注文した覚えはねーぞ!!」

 

「いえいえ、あるプレゼントをお届けに来たんですよ~」

女のその言葉に山賊は二人の手元や後ろを確認する。

 

「プレゼントだぁ?そんなもんどこにあんだ!?」

 

すると男の右拳が光り出す。

 

ドーーン!!!

 

アジトの扉が大きな音を立てて吹き飛んだ。商人の対応をしていた者は吹き飛ばされた扉と壁に挟まれ気を失った。

 

「な...何だお前ら!!?」

 

「改めまして...お届けにあがりました~」

男がそう言うと、男女は自分の顔を覆っていたスカーフ取り払った。

 

「拳と...」

「剣のプレゼントです」

現れた二人の商人はタイガとサクラであった。

山賊達に囲まれながらもその顔には焦りは無く、余裕すら感じられた。

 

「やっちまえー!!!」

山賊達が一斉に二人に襲いかかるが

 

「光竜剣!!」

「弾け!飛梅!!」

それぞれの技で敵を吹き飛ばした。そしてタイガは光を纏った拳法で、サクラは通常の刀に戻した斬魄刀で次々に敵を倒していく。

 

 

「コイツら魔導士か!?」

「町の奴等が呼びやがったのか!?」

「おい!!誰かあのガキを連れて来い!!」

 

「残念だけど...そのガキってのは、もうここにはいないぜ」

 

「うちの可愛い子猫ちゃんが攫っちゃったからね」

 

「大変だー!!地下牢の檻が破られて、あのガキを奪われた!!!」

「何ーーー!!?」

 

アジトの外ではツバサが人質にされていた少年を掴み、町を目指して飛んでいた。

タイガ達の作戦とは、二人が山賊達を引きつけている間にツバサが地下に潜入し、人質を救出するというものだった。扉を派手に壊したのもツバサの潜入や檻を破る音をかき消す為だ。

 

「さて...人質もいないことだし」

「本気で行きましょうか...」

そう言うと二人は体から魔力を溢れ出させ、敵はその迫力に押され後ずさる。

 

「「ハアァーーー!!!」」

二人が飛び出し敵を次々に薙ぎ倒していく。そして最後の一人を倒した時、建物の二階から一人の男が降りてきた。

 

「情けねえ奴等だなぁ...たった二人にやられるたぁ」

 

「ボスの登場ね...」

「油断するなよサクラ...町長から聞いた話じゃ、町の人たちはコイツに近づけずにやられたそうだ」

 

するとボスは指で招くような動作をし

「来いよ...最初の一撃はくれてやるぜ」

 

そしてタイガは両手に魔力を溜め

「光竜波!!!」

光竜波を放ったが、敵に当たる前に何かに阻まれた。

 

「「!!?」」

 

「そんなもんか?」

ボスの前には半透明の壁のような物が現れており、それが光竜波を防いだのだ。

 

「防御魔法か!?」

 

「ハァッ!!」

 

キィン!!

 

サクラが刀で斬り掛かるが、またも壁で防がれた。

 

「その程度じゃ通らねえよ」

 

「だったらコレはどう?...散れ!千本桜!!」

サクラは千本桜を発動させ、ボスの周りを囲み、全方位から攻撃するが

 

「惜しかったなぁ」

ボスを守る壁は半球状になり千本桜の攻撃を全て防ぎきった。

 

「サクラ!!来い!!!」

タイガに呼ばれ、サクラは彼の元へ下がる。

 

「・・・・・・」

「分かった!!」

タイガに作戦を聞かされ、サクラは一歩下がる。

 

「光竜の...咆哮!!!」

 

(!?...デカい!!)

タイガが撃ち出した咆哮(ブレス)をボスが壁に魔力を集中させ防御する。すると咆哮(ブレス)は徐々に細くなり、敵の壁にヒビを入れていく。『光竜の咆哮』は細くすることで威力を一点に集中させ、威力を上げることができるのだ。

 

パリィーン!!

 

やがて敵の防壁に人一人が入れる程の亀裂ができた。だが、タイガは魔力が尽きたのか片膝をついてしまう。

 

「フッ...残念だったなぁ...全力で撃ってもこの程度の亀裂とは...」

 

「人一人が入れれば十分だ...」

タイガがそう言うと、ボスの目の前に防壁の亀裂から入り込んだサクラが現れた。

 

(!?...しまっ)

 

「ハァッ!!」

サクラの斬撃により、ボスは斬り伏せられ、彼を囲んでいた防壁は消え去った。

 

立ち上がったタイガは疲れて座り込んでるサクラに近づき、しゃがみ込んで右手を挙げる

「やったな...」

 

そしてサクラも右手を挙げ

「ええ...」

 

パアァン!!

 

二人は軽くハイタッチを交わした。

 

 

 

 

 

「ありがとうございます!!本当に、ありがとうございます!!!」

町に戻った二人に町長は深々と頭を下げ、感謝を述べていた。

 

「そんな...感謝なら、息子さんを牢屋から助け出して連れ帰ったツバサに言ってあげて下さい」

「いやいや...それを言うなら、作戦を立てたサクラに」

「そもそも...最後にタイガがアイツの壁を破ってくれたんだから、一番はタイガですよ」

三人はそれぞれ自分よりも頑張った者を言っている。

 

「では...改めて、皆さん全員に感謝を申し上げます。ありがとうございました」

町長はまた改めて頭を下げ、感謝を述べる。

 

「では...報酬も貰いましたし、俺達はこれで」

タイガ達三人は町長に頭を下げ、町を後にしようとすると、町長の息子が

 

「お兄ちゃん達!最後に名前を教えて!?」

 

「俺達はまだ、名乗る程の者じゃないんだけどなぁ...」

しかし少年の眼差しに負け、タイガ達は名乗り出す。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士、タイガ・グラウス」

「同じく、サクラ・チェリッシュ」

「同じく、ツバサ...そして、ボクらはチーム...」

「「「トライスクワッド」」」

 

「(カッコイイ!!)...ありがとう!!トライスクワッド!!!」

 

そして、三人はギルドへと帰って行った。

 

後日、この町からチームトライスクワッド宛てに感謝状が贈られることになるのだった。




という訳で、トライスクワッドとしての初仕事は無事成功。

ちなみに山賊達がアジトにしてた建物は、町とはなんの関係も無い建物の為、壊しても問題はありませんでした。そして、分かりにくかったと思いますが、敵の使った魔法は一種のバリアのようなものです。

次回は以前アンケートで1位になった、サクラが主役のオリジナル回です。

お楽しみに。
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