光の滅竜魔導士タイガ   作:kazuki01

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強く歩け

~アカネのホテル~

 

「んごおぉぉ...ぐがぁぁぁ...」

 

ナツはホテルのベッドで大きないびきをかいて寝ていた。

 

その様子をタイガ達が囲んで見ていた。

 

「大丈夫かコイツ」

 

「さすがに3日間も寝っぱなしってのはね」

 

「シモンの墓を立てた後、すぐ寝たからな」

 

するとハッピーが

「ナツ!!ルーシィがメイドのコスプレで歌って踊ってみんなひいてるよ」

 

「そんなんで反応されて起きてもらってもヤだけど...」

 

「ぷ」

 

「寝ながら笑うな!!!」

 

みんなの会話が聞こえていたのか、ナツは寝ながら笑い出す。

 

そしてエルザは

「もうしばらく休ませてやろう。仕方ない状況だったとはいえ"毒"を食べたに等しい」

 

「エーテリオンを食ったんだっけか?だんだんコイツも化け物じみてきたな」

 

「今なんつったぁ!!!グレーイ!!!」

 

「起きたーーー!!!」

 

グレイの言葉に反応したナツが目を覚まし、ハッピーが喜ぶ。ナツとグレイがいつものようにケンカを始めると思いきや

 

「くかーzzz」

 

「寝たーーー!!!」

 

「からむ気がねえなら起きんじゃねえ!!!」

 

再び寝たナツにハッピーとグレイがツッコむ。

 

 

 

するとグレイがある疑問を持つ。

「そういやぁタイガ」

 

「ん?」

 

「話しを聞く限りじゃあ、お前もエーテリオンを食ったんだろ?お前は大丈夫なのか?」

 

「ああ...ナツはいろんな属性の混ざった魔水晶(ラクリマ)を食ってこうなったけど、俺の場合は放たれたエーテリオンから光の魔力だけを食ったんだ。だから体は何ともないし、むしろ元気出たってとこだな」

 

今度はエルザが

「あの力は何だ?お前もナツも普段とは比べものにならない強さだったが」

 

「ドラゴンフォース...滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の最終形態だ。ただ俺は3分以上発動してたら発動を止めた後、20時間は魔法が使えなくなるんだ。だから、めったに使わないぜ」

 

(どおりで、あの後しばらくタイガから魔力を感じなかったわけだ...)

 

サクラはアカネに戻ってからタイガがしばらく魔法を使わなかった理由を知り、納得した。

 

 

 

「今回の件では皆にも迷惑をかけたな...本当に...何と言えばいいのか...」

 

「もう...そのセリフ、何回言ってるのよぉ」

 

「この3日間で17回目だね」

 

「何で数えてんだよ...お前...」

エルザの同じようなセリフを何故か数えていたツバサにタイガは静かにツッコんだ。

 

するとエルザがあることに気付く。

 

「!...そういえば、あのエレメント4の娘は?」

 

エルザの問いにサクラが答える。

 

「ああ...ジュビアね、もう帰っちゃったよ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)に一刻も早く入りたいからマスターに頼みに行くんだって」

 

「そうか...聞けば世話になったようだし、私からマスターに稟請(りんせい)してもよかったのだがな」

 

「ホントあの子、行動力あるよね...って!!!何してんのアンタ等!!?」

 

「あい?」「にゃ?」

 

ルーシィがジュビアの行動力に感心していると、ハッピーとツバサが寝ているナツの口の中に魚をつっこんでいた。

 

「あははははっ」

 

ルーシィの笑い声を皮切りに、部屋は皆の笑い声に包まれた。

 

 

 

 

 

それから少しして、シモンの墓の前でエルザはかつての仲間の3人と話していた。

 

[あ...あのよ...すまなかったゼ、エルザ]

 

「ごめんなさいエルちゃん」

 

「私の方こそ...8年も何もできなかった。本当にすまない」

 

「姉さんはジェラールに脅されてたんだ。オレたちを守る為に近づけなかったんじゃないか」

 

「今となってはそんな言い訳もむなしいな...もっと早くに何とかしていればシモンは...」

 

4人の目線はシモンの墓の方を向く。

 

[シモンは真の男だゼ!!だって...だってよう...エルザを守りたかったんだ。あいつはずっと...]

「ウォーリー!!!」

 

「あいつの気持ちはよくわかるし...残された者の気持ちも今はよくわかる...だけど、私たちは進まねばならない。シモンの残してくれた未来を」

 

「うん」

 

「とても悲しい事だけど...シモンはずっと私たちの中にいるんだね」

 

[そう信じなきゃやっていけねえゼ、チクショウ...一体オレたちは何の為に...]

 

「過去は未来に変えて歩き出すんだ。そして今日の一歩は必ず明日へとつながる一歩となる」

 

[今日の一歩か...]

 

「私たちはこれから、どうすればいいんだろうね」

 

そんな彼等にエルザはある提案をする。

 

「行くあてがないのなら妖精の尻尾(フェアリーテイル)に来ればいい。おまえたちなら大歓迎だ」

 

「!!」

妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!?]

「みゃあ!?私たちが!!?」

 

「おまえたちの求めていた自由とは違うかもしれんが、十分に自由なギルドだ...きっと楽しいぞ」

 

[そういや火竜(サラマンダー)もそんな事言ってたゼ!!!]

 

「元気最強のギルドだぁー」

 

「それに、おまえたちともずっと一緒にいたいしな。さあ...もう戻ろう。ナツにもおまえたちをきちんと紹介せねばな」

 

[オレの事は、世界一ダンディな男って言ってくれヨ]

 

「私はハッピーちゃん、ツバサちゃんとお友達になるー」

 

4人がホテルに戻ろうとした時

 

『強くなったな、エルザ...』

 

「!!!」

 

誰かに呼ばれた気がしたエルザは振り向くが、そこは海が広がるだけで誰もいなかった。

 

(ジェラール!!?......そんな訳ないか...)

 

 

 

エルザ達がホテルに戻ると、タイガ達と一緒に食事を楽しむ。ミリアーナがハッピーとツバサに魚をプレゼントし、ツバサがお返しにとコーヒーを3人に振る舞いその苦さに三人が噴き出すというお決まりの展開があった。

 

 

 

 

その日の夜ホテルの近くの森の中。切り株を椅子代わりに座るサクラの前で、タイガとヒト型になったツバサが組み手をしていた。

 

「フッ!!ハッ!!ハアァッ!!!」

 

ツバサの繰り出す拳や蹴りをタイガが避けたり、腕で防いだりする。

 

「ハァッ!!!」

 

最後に繰り出した正拳をタイガが右手で受け止めた。

 

「ずいぶん動けるようになったな」

 

「はぁ...はぁ...早くこの姿にも慣れないとね!」

 

組み手を終えた二人の元に、サクラが近づく。

 

「あれから毎日、特訓してツバサは偉いねぇ~」

 

サクラに頭を撫でられ、顔を緩ませたツバサはサクラに抱きつく。

 

「にゃ~...それほどでも~」

 

そこへ

 

「あ!いた!!タイガー!!!」

 

慌てた様子のルーシィがやって来た。

 

「どうした?ルーシィ」

 

「エルザの仲間のあの3人がいなくなっちゃったの」

 

「「「ええ!!?」」」

 

「エルザは"花火"の用意って言ってたけど...」

 

花火という単語を聞き、タイガ達3人は何かを察したのか笑い合う。

 

 

 

一方その頃ショウ、ウォーリー、ミリアーナの3人は浜辺に止めてあったボートに乗ろうとしていた。

 

[本当にオレたち、やっていけるのかナ。外の世界でヨ]

 

「みゃあ」

 

「やっていかなきゃ!...これ以上姉さんに迷惑をかけられない」

 

ショウはボートを止めていたロープを解く。

 

「行こう!!!姉さんたちがオレたちに気づく前に出発するんだ」

 

[だな!!何とかなるゼ!!]

 

「元気最強ーーー!!!」

 

そこへ

 

「おまえたち!!!」

 

「[「!!」]」

 

彼等を探していたエルザがやって来る。

 

「姉さん!!!」

 

「エルちゃん......」

 

[くうう...噂をすれば何とか...だゼ]

 

エルザの登場に3人はきまずそうになるが

 

[と...止めるつもりなら無駄だゼ。オレたちは自分で決めたんだ...]

 

「オレたちは、ずっと塔の中で育ってきた。これから初めて"外"の世界に出ようとしてる。わからない事や不安な事がいっぱいだけど、自分たちの目でこの外の世界を見てみたい。もう誰かに頼って生きていくのはイヤだし、誰かの為に生きていくのもごめんだ」

 

「......」

 

ショウの言葉をエルザは静かに聞く。

 

「これからは自分自身の為に生きて、やりたい事は自分の手で見つけたい。それがオレたちの自由なんだ」

 

「その強い意志があれば、おまえたちは何でもできる。安心したよ......だが」

 

そしてエルザは鎧の姿に換装した。その手には妖精の尻尾(フェアリーテイル)の紋章が描かれた旗が握られている。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)を抜ける者には三つの掟を伝えなければならない。心して聞け」

 

[ちょ...!!!抜けるって...入ってもねぇのに]

 

「......」

 

彼等の言葉を無視し、エルザは語り出す。

 

「一つ!!!妖精の尻尾(フェアリーテイル)の不利益になる情報は、生涯他言してはならない!!!」

 

[ギルドの不利益になる情報なんて、持ってねえゼ]

 

「二つ!!!過去の依頼者に(みだ)りに接触し、個人的は利益を生んではならない!!!」

 

「依頼者って何?」

「姉さん...」

 

そしてエルザは溢れ出る涙をこらえ、最後の掟を伝える。

 

「三つ!!!たとえ道は違えど、強く...力のかぎり生きなければならない!!!決して自らの命を小さなものとして見てはならない!!!愛した友の事を生涯忘れてはならない!!!」

 

掟を伝えられた3人の目には涙が浮かんでいた。そしてエルザは手に持つ旗を掲げ

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)式壮行会!!!始めぇ!!!」

 

「おまえらー!!!また会おーなーーーっ!!!」

 

ナツはそう叫んだ後、口からいくつかの火の玉を空に向かって打ち上げた。

 

「心に咲けよ!!!光の華!!!」

 

その火の玉は空で花火のように花開いた。

 

「何かしらアレ」「花火?」「キレー」

 

その花火はビーチにいた他の観光客たちも見ていた。

 

「氷もあるんだぜ」

 

続いてグレイが空に氷の花火を打ち上げた。

 

「じゃあ、あたしは星霊バージョン」

 

ルーシィは星霊の鍵を掲げ、花火を打ち上げる。

 

 

 

そしてタイガ達は

「あたし達トライスクワッドはチームプレイよ!!!」

 

「ああ!!!」「うん!!!」

 

サクラは刀を構え

「弾け!!飛梅!!!」

 

空に向かって飛梅の火球を数発打ち上げた。タイガは右手の平を火球に向け、光弾を放ち火球を破裂させ。

 

ヒト型のツバサは右手の親指と人差し指を立て拳銃の形にし、左手を添えて空に向ける。

BAN(バン)!!!」

 

ツバサの指先から放たれた魔力の銃弾が火球を打ち抜き、同じく火球を破裂させた。

 

 

 

「私だって、本当はおまえたちとずっといたいと思っている。だが...それがおまえたちの足かせになるのなら...この旅立ちを私は祝福したい」

 

エルザのその言葉に3人はとうとう涙が溢れ出す。

 

「逆だよぉぉエルちゃぁん」

 

[オレたちがいたら、エルザはつらい事ばかり思い出しちまう]

 

「どこにいようと、おまえたちの事を忘れはしない...そして、つらい思い出は明日への糧となり私たちを強くする。誰もがそうだ、人間にはそうできる力がある」

 

エルザの後ろでタイガ達はここぞとばかりに一際大きなはなびを打ち上げる。

 

「強く歩け。私も強く歩き続ける。この日を忘れなければまた会える......元気でな」

 

「姉さんこそ...」

「バイバイ、エルちゃーん」

[ゼッタイまた会おうゼ!!!約束だゼ!!!]

 

「約束だ」

 

こうして3人はエルザ達に見送られ、外の世界へと旅立っていった。

人型のツバサに今後着て欲しい服装は?

  • メイド服
  • 執事服
  • 修道女
  • 野球服
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