光の滅竜魔導士タイガ   作:kazuki01

86 / 106
連合軍集結!

~レストラン 8island(エイトアイランド)

 

「いらっしゃいませー♪ご注文はお決まりですか?」

 

ルーシィはウェイトレスの格好をして客の注文を聞く。

 

「え~っと、『蒼天ミートソース』と『ホーリーソーダ』が欲しいポヨ」

「オレは『獣人カレー』」

 

「は~い!ありがとうございま~す!!デザートも一緒にいかがですか?」

 

「じゃあ...この『ルビーパフェ』をもらうポヨ」

「同じので」

 

「かしこまりましたー」

 

「こっちも注文頼むよ~」

 

「はいは~い」

 

ルーシィは呼ばれた方へ行こうとすると

 

「って何やってんのよあたしはっ!!!」

 

そう言って注文票を床に投げつける。

 

「ルーシィこれも仕事のうちだよ」

 

文句を言うルーシィにハッピーが言う。

 

「こんなのぜんぜん魔導士の仕事じゃないじゃないっ!!!てかこの恥ずかしいコス何!!?まぁ、我ながら似合ってるとは思うけど」

 

「このレストランのシェフが魔法料理を作ってんだよ。だからウェイターとかも魔法が使えた方がいいんだって」

 

そこにグレイがトレイを持ってやって来た。だがその格好はパンツ一丁に蝶ネクタイのみというまさに変態のそれだった。

 

「たまにはウェイターの格好もいいもんだぜ」

 

「服着てから言って!!!」

 

「おいおい...誰の家賃の為にやってんだ?」

 

「あう...ごめんなさい」

 

「それに見てみろ」

 

「!!」

 

グレイに言われて見た先には

 

「注文を聞こうか?...何が欲しいんだ?言ってみろ」

 

テーブルに座り客の注文を聞くエルザがいた。

 

「あんなにノリノリの奴もいる」

 

「あたしもがんばります」

 

 

「つーか、その格好が嫌ならホールはやめてキッチンの仕事やりゃあいいだろ?」

 

「無理よ...だってあっちは」

 

ルーシィとグレイの目線の先には厨房で忙しそうに料理を作るトライスクワッドの三人がいた。ちなみにフライパンで調理をしている人型のツバサの足元では簀巻(すま)きにされ、仰向きに寝かされたナツが口から火を出していた。客に出す料理を勝手に食べた為、三人にボコボコにされコンロの役をやらされているのだ。

 

「ん?...ナツ~火が弱いよ~、もっと出して」

 

「お...おう...」

 

ツバサに言われ、ナツは口から出す火を強くした。その様子を見たルーシィは

 

「あたしの入る余地ないから...」

 

「じゃあ、ホール(こっち)で働くしかないな」

 

「はい...」

 

「それにトライスクワッド(あいつら)、報酬無しでよくこの店の手伝いに来てるらしいぞ」

 

「え!?」

 

「しかも、今回自分達が働いた分の報酬もオレ達にくれるそうだ」

 

「がんばります...」

 

ルーシィとグレイがそんな話をしていると

 

「グレイ!これ14番テーブルの『レインボージュルリラゼリー』と『シャバドゥビ宝石パフェ』冷やしながら持って行ってくれ」

 

「お、おう!」

 

「ハッピー!『激辛灼熱チャーハン』と『石焼きぐつぐつスープ』8番テーブルへ。器熱いから気をつけて~」

 

「あい!」

 

「ルーシィ!さっき注文とってた『蒼天ミートソース』と『ホーリーソーダ』、それと『獣人カレー』できたわよ」

 

「はい~...」

 

ツバサ達が手際よく調理するので、次々と料理ができルーシィ達は慌ただしくそれを運ぶのだった。

 

 

 

~数時間後~

 

「いやー、お疲れ様...スっかし最近の若い子は働きモンだねぇ、またいつでも来なさいよ」

 

レストランの仕事を終えたタイガ達は店の店主であるヤジマに労ってもらっていた。

 

「はい、今日は勉強になりました」

 

「気に入ってるんだ...その服」

 

ハッピーが言うようにエルザは店のウェイトレスの服が気に入ったようで、仕事が終わっても店の服を着ていた。

 

「ミラちゃんの気持ちが少しはわかったよ」

 

「腹減った~...」

 

グレイとナツは疲れからぐったりしており、ツバサはそんなナツの口元に火の付いた木の棒をほれほれ~と近づける。するとエルザがヤジマに尋ねる。

 

「ところでヤジマさん、評議会の方はどうなりました?」

 

「ん~、ワスはもう引退スたからねえ」

 

「「評議会!!?」」

 

「あんたたち知らなかったの?」

 

「ヤジマさんは元評議員の一人よ」

 

驚くナツとグレイにルーシィとサクラが説明する。すると

 

「そうなの!?」

 

「お前も知らなかったんかい...」

 

ツバサも驚き、タイガが静かにツッコむ。どうやらツバサにとってのヤジマは料理好きのマカロフの友人という認識だったのだろう。

 

「ズーク...いやズラールだったかの?」

 

「ジェラールです」

 

「そう!そのズラールとウルティアの裏切りで大変な失態(スッタイ)をスたからねぇ...今は新生(スンセイ)魔法評議会を立ち上げるべく、各方面に根回ススとるみたいよ」

 

そして彼は頭をポリポリかき

 

「君たちにも本当に迷惑をかけたね...申ス訳ないよ」

 

楽園の塔での件を謝罪した。

 

「いえ...ヤジマさんは最後までエーテリオン投下に反対されていたと聞きました。行動を恥じて引退など...」

 

「ワスには政治(セイズ)は向かんよ...やはり、料理人の方が楽スいわい」

 

ヤジマの言葉を聞きルーシィとハッピー、タイガとサクラはお互いの顔を見て笑い合う。

 

「ところでツバサちゃん、あの(ハナス)は考えてくれたかい?」

 

「はい?」

 

ヤジマに呼ばれたツバサはナツにほれほれ~としていた火を止める。

 

「うちのレストランの正式(セイスキ)な料理人にならないかい?...君が手伝いに来てくれた日の料理は特に評判が高くてねぇ」

 

「う~ん...確かに料理人の仕事も楽しそうだけど~」

 

するとツバサはタイガとサクラの腕に手をまわし

 

「今はトライスクワッドとしての活動が楽しいんだよね~。定年を迎えて魔導士を引退したら雇わせてもらいま~す」

 

「ホッホッホッ、じゃあワスもそれまで長生きスないとね~」

 

(てか、魔導士の定年っていつ?)

 

笑い合ってそんな会話をする二人を見たルーシィは心の中でそう思った。

 

 

「それからナツくん、グレイくん」

 

「「!!」」

 

「これから評議員は新スくなる。ワスはもういない、妖精の尻尾(フェアリーテイル)を弁護スる者はいなくなる...その事をよーく考えて行動スなさい」

 

「「行動スます」」

 

二人は汗を流しながらそう答える。

 

 

「それじゃ、マー坊によろスくな」

 

「今日はありがとうございました」

 

マグノリアに帰る一行をヤジマは手を振って見送る。そして彼等が見えなくなると空を見上げる。

 

(ウルティアか...今はどこにおるのかのう...)

 

 

 

 

 

~魔導士ギルド 妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 

ヤジマのレストランの手伝いを終えてから数日、ギルドに来たルーシィはあるものを目にする。

 

「何ですか?コレ」

 

「闇ギルドの組織図を書いてみたの」

 

「あ...書いたのオレ」

 

ギルドの酒場にはリーダスの書いた大きな組織図が空中に書かれていた。

 

「改めてみるとすごい数だな」

 

「どうしてまた?」

 

ルーシィの疑問にミラが答える。

 

「近頃、動きが活性化してるみたいだからね。ギルド同士の連携を強固にしないといけないのよ」

 

組織図を見ていたエルフマンがある疑問を言う。

 

「この大きいくくりは何だよ?」

 

「ジュビア知ってますよ。闇ギルド最大勢力バラム同盟」

 

バラム同盟とは、『六魔将軍(オラシオンセイス)』『悪魔の心臓(グリモアハート)』『冥府の門(タルタロス)』の3つのギルドから構成されている闇の最大勢力。それぞれが幾つかの直属ギルドを持ち、闇の世界を動かしている。だが、そんな中にも例外が二つ。大鴉の尻尾(レイヴンテイル)自喰いの蛇(ウロボロス)は3つのギルドのどの傘下にも入っていない独立した闇ギルドである。

 

 

 

するとルーシィがあることに気付く。

 

「あ!!鉄の森(アイゼンヴァルト)って!!」

 

「そうだ、あのエリゴールがいたギルド」

 

「あれは六魔将軍(オラシオンセイス)ってギルドの傘下だったのか」

 

「雷神衆が潰した屍人の魂(グールスピリット)もそうだ」

 

「ジュビアもガジルくんも、ファントム時代に幾つか潰したギルドが全部六魔将軍(オラシオンセイス)の傘下でしたー」

 

「笑顔で言うな...」

 

「うわ~怒ってなきゃいいけど...」

 

ルーシィがその事を心配していると

 

「あっ、ルーシィと俺達がアカリファでちょっかい出した裸の包帯男(ネイキッドマミー)六魔将軍(オラシオンセイス)の傘下だ」

 

「手遅れーーー!?」

 

タイガの一言で手遅れだと叫んだ。すると近くにいたメンバーが

 

「気にする事はねえさ...こいつら噂じゃたった6人しかいねーらしい」

「どんだけ小せぇギルドだよって」

 

「でも、それって裏を返せば、たった6人で最大勢力の一つを担ってるってことよね」

「物語とかだと、そうやって相手を舐めてる奴が最初に死ぬよね~」

 

「「う」」

 

サクラとツバサの言葉で六魔将軍(オラシオンセイス)を軽く見ていたメンバーは黙り込んでしまう。

 

 

「その六魔将軍(オラシオンセイス)じゃがな...ワシらが討つ事になった!!」

 

「!!!」

 

帰ってきたマカロフのその言葉に全員が驚くがミラだけは

 

「あ!お帰りなさいマスター」

 

「違うでしょ!!!」

 

いつも通りの反応で迎え、ルーシィにツッコまれる。

 

「マスター...一体どういう事ですか?」

 

エルザの問いにマカロフは答える。

 

「先日の定例会で何やら六魔将軍(オラシオンセイス)が動きをみせてる事が議題に上がった。無視はできんという事になり、どこかのギルドが奴等をたたく事になったのじゃ」

 

「またビンボーくじ引いたな、じーさん」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)がその役目を?」

 

「いや...今回ばかりは敵が強大すぎる。ワシらだけで戦をしては後々バラム同盟にココだけが狙われる事になる。そこでじゃ...我々は連合を組む事になった」

 

「連合!!?」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)青い天馬(ブルーペガサス)蛇姫の鱗(ラミアスケイル)化猫の宿(ケットシェルター)、4つのギルドが各々メンバーを選出し、力を合わせて奴等を討つ」

 

「なんだよそりゃ...」

 

「オレたちだけで十分だろっ!!!てかオレ一人で十分だ!!!」

 

「マスターは後々の事を考えてだな」

 

「てか...ちょっと待ってよ...相手はたった6人なんでしょ?...何者なのよそいつら...」

 

 

 

 

 

ある場所へ向かう馬車の中に、ナツ達最強チームとタイガ達トライスクワッドが乗っていた。

 

「なんでこんな作戦にあたしが参加する事になったのー!!?」

 

「オレだってめんどくせーんだ。ぶーぶーゆーな」

 

「マスターの人選だ。私たちはその期待に応えるべきじゃないのか?」

 

「でも、バトルならガジルやジュビアだっているじゃない」

 

「二人とも別の仕事入っちゃったからね」

 

「てか...まだ...着かねー...の...か...」

 

「ZZZ...ZZZ...」

 

いつもの如くナツは乗り物酔いでダウンしており、タイガは寝ていた。

 

「けっきょく、いつものメンバーなのよね」

 

「その方がいいだろう?今日は他のギルドとの初の合同作戦」

 

「まずは同じギルド内の連携がとれている事が大切よ」

 

女子三人がそんな話をしていると、窓の外を見ていたツバサが

 

「見えてきた!集合場所だよ」

 

辿り着いたのはハートの窓枠が特徴的な大きな屋敷だった。一行はさっそく中に入る。

 

 

「趣味悪いところね」

 

青い天馬(ブルーペガサス)のマスターボブの別荘だ」

 

「あいつか...」

 

グレイはマスターボブの顔を思い出して悪寒が走っていた。ちなみにいつの間にかパンツ一丁になっていた。

 

「に...苦手だなぁ~...」

 

「まぁ、そう言うな。アレでもうちのマスターが手を焼いた程の実力者だからな...」

 

「そ...そうなんだ...」

 

「ま...まだ着かねえのか......」

 

「着いてるよナツ...」

 

馬車から下りたのにナツはまだフラついている。

 

「あれ~?誰もいないよ。ひょっとしてボクらが一番?」

 

ツバサがそう言うと、突然証明が消えスポットライトが当たる場所に3人の人影がいた。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)のみなさん...お待ちしておりました」

「我ら」

青い天馬(ブルーペガサス)より」

「選出されし」

 

 

「「「トライメンズ」」」

 

「白夜のヒビキ」

 

「聖夜のイヴ」

 

「空夜のレン」

 

現れたのはホスト風の3人組だった。

 

「か...かっこいい...!!」

 

彼等を見たルーシィは自分の仲間たちをみると

 

「しまった!!服着るの忘れた!!!」

「うぷ...」

「ふぁ~~...」

 

いつの間にか服を脱いでいたことに驚くグレイ、いまだ乗り物酔いのナツ、寝起きのため大きなあくびをしたタイガがいた。

 

「こっちはダメだぁ」

 

すると『トライメンズ』というチーム名を聞いたツバサは目を鋭くした。

 

「『トライメンズ』?...もしかしてボクら『トライスクワッド』のパクリ?」

 

「いやいやツバサ...あたし達がチーム組んだの最近だから...パクリ疑惑ならあたし達じゃない?」

 

トライメンズはエルザを囲み

 

「噂に違わぬ美しさ」

「初めまして妖精女王(ティターニア)

「さあ...こちらへ」

 

エルザとサクラをソファーに座らせると

 

「おしぼりをどうぞ」

 

「あ...ありがと...」

 

「水割りでいいのかな?」

 

「いや...」

 

「さあ...おまえも座れよ」

 

「うわぁ」

 

「つーか、おまえかわいすぎだろ」

 

「なんなんだコイツらは......」

 

グレイはまさにホストの接客ような対応に若干イラッとした。

 

「今回はよろしく頼む」

「皆で力を合わせて」

 

「かわいいっ!!!」

 

イヴがエルザとサクラの言葉を遮る。

 

「その表情が素敵だよ。僕...ずっと憧れてたんだぁ」

 

「「......」」

 

二人がその対応に困惑している時、レンはルーシィに黙ってドリンクをさしだす。

 

「べ...別におまえの為に作ったんじゃないからな」

 

「ツンデレ!!!」

 

「さあ...長旅でお疲れでしょう...今夜は僕たちと...」

 

「「「フォーエバー♡」」」

 

「「「.........」」」

 

女子三人はもはやどう反応したらいいか分からず黙り込む。

 

 

「また濃い奴らが来たな...なぁ、ツバサ?」

 

タイガはツバサにそう言うが、さっきまで隣にいた彼女がいないことに気付き周りを探すと。

 

「あっ!?」

 

 

 

「そうね~、じゃあドンペリでも持ってきてもらえる?」

 

彼女は人型になり、一人用のソファーに座りトライメンズにおもてなしされていた。

 

「いや、でもお嬢さんならジュースの方が」

 

ツバサは自分にそう言うヒビキにコップの水をかける。

 

「あんまり私を怒らせないでくれる?...お嬢さんじゃなくて女王様とお呼び」

 

「申し訳ございませんでした!女王様!!」

 

「ホストのくせにレディーの扱い方もロクに知らないのね。年増の女は若く扱われると喜ぶだろうけど、私のようなとびっきり若い娘には少し大人の扱いをするのが常識...ドンペリ持ってこいって言ったら黙ってウーロン茶の1つでも持ってくるのが気のきいた対応じゃなくて?」

 

「すいませんでした女王様!じゃあウーロン茶1つ」

 

ツバサはウーロン茶を出そうとしたイヴにコップの水をかける。

 

「ホントにウーロン茶持ってきてどーすんのよ。ホントに使えないボウヤたちね~。未成年にドンペリやシャンパン頼まれたら、似たような炭酸ジュース出して大人の気分を味あわせるのよ...それが一流ってもんじゃない?」

 

「「「勉強になります!!女王様!!!」」」

 

(ひざまず)く三人にそう言われたツバサは「悪くない気分ね~」といった顔するが、

 

コツン

 

「痛っ」

 

後ろに立ったタイガに軽く叩かれ猫型の姿に戻った。そして頭の後ろをおさえられ頭を下げさせられる。

 

「何女王様ごっこしてんだ?...まずは水ぶっかけたこと謝りなさい」

 

「ごめんなさい...ボク、調子乗ってました...」

 

「だいたい、どこでそんなキャラ覚えた?」

 

「ルーシィの部屋の本」

 

するとタイガはルーシィをキッと睨む。

 

「うちの子に何読ませてんだ?」

 

「あ...あの~...小説のネタ探しに色々買ってて...」

 

そしてタイガはトライメンズに向かい

 

「さっきは、うちの子が悪かったな...でも、おもてなしはもういいだろ?」

 

「彼の言うとおりだ...君たち、その辺にしておきたまえ」

 

「な...何!?この甘い声!!?」

 

ルーシィは階段の上から聞こえた甘い声に驚く。

 

「一夜様」

 

「い...一夜?」

 

どうやらエルザはこの声に聞き覚えがあるようだ。

 

「久しぶりだね、エルザさん」

 

「ま...まさか、おまえが参加してるとは...」

 

「会いたかったよ...マイハニー」

 

そして階段から下りてきたのは

 

「あなたの為の一夜でぇす」

 

背が低く、かなり濃い顔をした男だった。

 

「!!!」

「マイハニー!!?」

 

彼の発言にサクラとツバサは驚く。

 

「「「一夜様の彼女さんでしたか...それは大変失礼を...」」」

 

「全力で否定する」

 

「片付けろ!!!遊びにきたんじゃないぞっ!!!」

 

「「「ヘイ!!!アニキ!!!」」」

 

「あれ...さっき"一夜様"って言ってなかった?」

「一貫してないんだね」

 

先程とは違う呼び方にサクラとツバサは疑問に思った。おそらくしっくりする呼び方を探しているのだろう。

 

「君たちの事は聞いてるよ。エルザさんにサクラさんにルーシィさん...その他...」

 

「!!!」

 

一夜にその他扱いされたことにグレイは驚く。すると一夜はルーシィに気付く。

 

「むっ」

 

「!」

 

「くんくん、くんくん...いい香り(パルファム)だ」

 

「キモいんですけど......」

 

「スマン...私もこいつは苦手なんだ。すごい魔導士ではあるんだが」

 

突然自分の香りを嗅ぐ一夜にルーシィは嫌悪感を抱いた。そこにグレイが声をかける。

 

青い天馬(ブルーペガサス)のクソイケメンども。あまりうちの姫様方にちょっかい出さねーでくれねーか?」

 

「あ、帰っていいよ男は」

 

「「「お疲れ様っしたー」」」

 

「オイオイ!!!」

 

まさかの返しにグレイは思わずツッコむ。

 

「こんな色モンよこしやがって。やる気あんのかよ」

 

「ためしてみるか?」

「僕たちは強いよ」

 

「ケンカか!!!まぜてくれーー!!!」

 

「やめないか!おまえたち」

 

一触即発の雰囲気にナツが空気を読まずに自分も混ざろうとし、エルザが止めようとするが。

「エルザさん、相変わらず素敵な香り(パルファム)だね」

 

「近寄るなっ!!!」

 

「メェーーーン」

 

自分に近づき、香りを嗅ぐ一夜を殴り飛ばした。すると屋敷の入り口に立っていた男が自分に向かって飛んできた一夜の頭をガシッと掴む。

 

「こりゃあ随分ご丁寧なあいさつだな」

 

男がそう言うと掴んでいた一夜の頭が氷に包まれる。

 

「貴様等は、蛇姫の鱗(ラミアスケイル)上等か?」

 

その男は以前ガルナ島で出会ったグレイの兄弟子のリオンだった。彼はあの後、蛇姫の鱗(ラミアスケイル)所属の魔導士となったようだ。

 

「リオン!!?」

 

「グレイ!!?」

 

「おまえ...ギルドに入ったのか...」

 

まさかの人物の登場にグレイとナツは驚く。

 

「フン」

 

「メェーーン」

 

「!!!」

 

リオンは一夜を屋敷の中へと投げ飛ばす。ルーシィとグレイはそれをとっさに避けた。

 

「きゃっ」

「何しやがる!!!」

 

「先にやったのはそっちだろ?」

 

「つーか、うちの大将に何しやがる!!」

「ひどいや!!」

「男は全員帰ってくれないかな?」

 

「あら...女性もいますのよ」

 

そんな声がすると突然ルーシィの足元の絨毯が動き出す。

 

「人形撃絨毯人形(カーペットドール)!!!」

 

「あたしぃ!!?...てか...この魔法...」

 

ルーシィはその魔法に見覚えがあった。

 

「うふふ...私を忘れたとは言わせませんわ。そして過去の私は忘れてちょうだい」

 

「どっちよ!!!」

 

「私は愛の為に生まれ変わったの」

 

現れたのはガルナ島でルーシィと戦った女性魔導士のシェリーだった。

 

 

蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の登場により、魔導士達の雰囲気はさらに悪くなっていく。

 

「もっと...もっと私にあなたの香り(パルファム)を!!!」

 

「く...来るな!!!斬るぞ!!」

 

「リオン」

 

「グレイ」

 

「かかってこいやーーー!!!」

 

「あなたは愛せない」

 

「あたしも嫌いよっ!!!」

 

「どうしよ~サクラ~」

「さすがにまずいわね」

 

この雰囲気をさすがにまずいと思ったツバサはサクラにしがみつく。

 

すると

 

ゴゴゴゴ

 

タイガから強い魔力が溢れ、それに恐怖を感じた魔導士たちはタイガに注目する。彼の顔は笑っていたが目は笑っていなかった。そして彼は静かに言い放つ。

 

「お前等~これから大事な作戦だっていうのに、これ以上くだらないケンカをするなら全員の頭にゲンコツくらわすぞ......サクラが!」

 

「あたしかいっ!!!」

 

タイガは皆に説教をし、自分の後ろにいたサクラを親指で指さす。それに対してサクラにツッコまれた。さらに屋敷の入り口から一人の男が入ってくる。

 

「タイガ殿の言うとおりだ...ワシらは連合を組み、六魔将軍(オラシオンセイス)を倒すのだ!仲間うちで争っている場合か」

 

「ジュラさん」

 

「ジュラ!!?」

 

「こいつがあの...」

「ラミアのエース...」

「岩鉄のジュラ」

 

入ってきたのは蛇姫の鱗(ラミアスケイル)のエースのジュラだった。

 

「誰?」

 

聖十大魔道(せいてんだいまどう)の一人だよ!!!」

 

ナツだけがジュラの名を知らず、ハッピーに説明してもらう。

 

「あたしでも聞いた事ある名前だ......」

 

「妖精は6人、ペガサスは4人でしたね。私たちは3人で十分ですわ」

 

「むぅぅ~...」

 

シェリーに人数の事で指摘され、ルーシィは言い返せずにいたが、そこにツバサを抱えたサクラがやってくる。

 

「妖精は7人よ。うちのツバサを舐めてたら痛い目見るわよ」

 

「サクラ~せめて8人って言ってよ~。オイラを忘れないで~...」

 

 

するとタイガがジュラに近づく。

 

「久しぶりだな、タイガ殿。今回はよろしく頼む」

 

「こちらこそ、ジュラさん」

 

二人は握手を交わした。その親しげな様子にルーシィは問う。

 

「え!?...アンタ達知り合いだったの?」

 

「ああ...前にマスターの付き添いで定例会に行った時に知り合ったんだ」

 

「そういえばタイガ殿...先日の事件で空いたジークレインの聖十の席にお主を推薦する話が出ているのだが、いかがかな?」

 

「何度も言ってるけど、俺はまだそんな大した魔導士じゃありません。だから今回も断るつもりです」

 

「ハハハ...お主ならやはりそう言うと思っておった...まったく相変わらずだな」

 

ジュラはタイガの返事を聞き笑い出す。彼の返答は予想通りだったのだろう。

 

 

 

「さて、これで3つのギルドがそろった。残るは化猫の宿(ケットシェルター)の連中のみだ」

 

「連中というか、一人だと聞いてまぁす」

 

ジュラと一夜の会話を聞いてグレイとルーシィ、シェリーは驚く。

 

「一人だと!!?こんな危ねー作戦に、たった一人だけをよこすってのか!!?」

 

「ちょ...ちょっと...どんだけヤバイ奴が来るのよぉ~」

 

ルーシィが最後にやって来る魔導士に不安を感じているとタイガが何かに気付く。

 

「ん?...ちょうど来たみたいだぜ...」

 

タイガがそう言うと入り口から一人の少女が入ってくるが

 

「きゃあっ」

 

その少女は入ってくるなり、ズテェーンと転んでしまった。

 

「痛ぁ...」

 

少女は立ち上がる。

 

「あ...あの...遅れてごめんなさい」

 

そして青い長髪の少女は自己紹介をする。

 

化猫の宿(ケットシェルター)から来ました、ウェンディです。よろしくお願いします!!」

 

「子供!?」

「女!!?」

 

化猫の宿(ケットシェルター)から唯一の参加者がまさかの女の子である事に、ルーシィ達は驚き

 

「ウェンディ?」

 

ナツはその名にどこか聞き覚えがあるようだった。

 

 

そして

 

「あ!」

「あの子!?」

 

タイガとサクラはウェンディの顔を見て、何かに気付いた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。