光の滅竜魔導士タイガ   作:kazuki01

88 / 106
『教えてハッピー先生』での質問を募集してます。詳しくは活動報告にて。


天空の巫女

青い天馬(ブルーペガサス)が所有する魔導爆撃艇クリスティーナが攻撃されたのを見たタイガ達は、落下した方向がナツ達が向かっていった方だという事に気付き、森の中を走っていた。

 

「あれは!?」

 

一行の目の前にはある光景が広がっていた。ナツ達が六魔将軍(オラシオンセイス)に倒され、彼等にブレインの攻撃常闇回旋局(ダークロンド)が迫っていた。

 

「ふせろぉーっ!!!」

 

そしてジュラが皆の前に立つ。

 

「!!!」

 

「岩鉄壁!!!」

 

ジュラが魔法で壁を作り、攻撃を防ぐ。

 

「ジュラ様!!!」

「おおおっ!!!」

 

「はぁっ!!!」

 

続いてタイガが敵の攻撃の中に突っ込み

 

「ハアァーーーッ!!!」

 

全身から光の魔力を放出し常闇回旋局(ダークロンド)を打ち消した。

 

「すごいや!!」

 

「ありがとう、助かったよ」

「アンタもなにげにありがと」

 

ヒビキはさりげなくルーシィを守っていた。二人より少し遅れてサクラ達三人もやって来た。

 

「みんな!!」

「大丈夫!?」

 

「あいつらは!!?」

 

サクラとツバサに声をかけられたナツは周りを見渡すが

 

「いねえ!!!くそっ!!!逃げられた!!!」

 

六魔将軍(オラシオンセイス)はすでに姿を消していた。そしてタイガは周りを見るとハッピーとウェンディがいないことに気づいた。

 

「ウェンディ...」

 

「完全にやられた」

「あいつら強すぎるよ」

 

シャルルは連れ去られた友達を心配し、レンとイヴは敵の強さを改めて知る。すると立ち上がったリオンがジュラに近づく。

 

「ジュラさん、無事でよかったよ」

 

「いや...トライスクワッドがいなければ、ワシも危うかった」

 

六魔将軍(オラシオンセイス)め、我々が到着した途端に逃げ出すとは...さては恐れをなしたな」

 

「あんたボロボロじゃねーか」

 

駆けつけた五人の内ただ一人ボロボロの姿の一夜にグレイがツッコんだ。

 

 

「みなさん、私の痛み止めの香り(パルファム)を」

 

一夜が香りを入れた試験管を取り出そうとすると、タイガがナツ達に向けて左手を広げる。

 

太陽光(サンシャイン)

 

すると手から放たれた黄色い光を浴びた者達の傷が回復した。

 

「暖かい光...」

「傷が...治っていく...」

 

「あ...あの...」

 

シェリーとルーシィの反応に一夜が気まずそうな顔をする。全員の回復を確認したタイガは今度は右手を広げる。

 

月光(ムーンライト)

 

タイガから放たれた白い光を浴び、魔導士たちの体力も回復した。

 

「......」

 

「「「元気を出してください、()()!!!」」」

 

「また呼び方変わった...」

 

自分が使おうとした痛み止めの香り(パルファム)よりもタイガの回復魔法が上ということに一夜は落ち込みトライメンズは励ますが、またも呼び方が変わったことにルーシィがツッコむ。

 

「あいつら~...よくもウェンディとハッピーを...」

 

回復したナツが立ち上がり

 

「どこだーーー!!!」

 

当てもなく走り出そうとすると

 

ぐいっ

 

「んが」

 

誰かに後ろからマフラーを引っぱられて倒れた。引っぱったのはいつもの如くタイガ

 

 

 

 

 

 

ではなく、羽を出して飛んでいるシャルルだった。

 

「まったくもう...少しは落ち着きなさいよ」

 

「羽!?」

「羽ですわ」

「猫が飛んでる」

「すごいや」

 

猫が羽を生やして飛んでいる、そんな光景に妖精の尻尾(フェアリーテイル)のメンバー以外が驚く。

 

「これは(エーラ)っていう魔法。ま...初めて見たなら驚くのも無理ないですけど」

 

「ハッピーやツバサとかぶってる」

 

「何ですって!!!」

 

自分の魔法を自慢気に説明するシャルルだったが、ナツの言葉に逆に自分が驚いた。

 

「わ~!やっぱり君も使うと思った~。お揃いだね」

 

ツバサも(エーラ)を発動し、シャルルに近づいてそう言った。すると倒れているナツの元にタイガが近づく。

 

「『6人まとめてオレが相手してやる』...そう息巻いてたのにこの様か...敵を一人も倒せず、仲間も攫われて」

 

「......」

 

タイガにそう言われ、ナツはなにも言い返せず顔を逸らす。

 

「いいかナツ...自分の強さに自信を持つのは別に悪くない。けどな、自分一人で何でもできると過信してる時は、大事なことが分かってないって事だ...何のために連合を組んだと思ってる?」

 

「彼の言う通りよ...とにかく、ウェンディとオスネコの事は心配ですけど、やみくもに突っ込んでも勝てる相手じゃないってわかったでしょう...それに」

 

シャルルがくいっと顔を向けた先をナツが見ると

 

「!!」

 

「エルザ!しっかりして!!!」

 

エルザが腕を押さえて苦しんでいた。その様子を見たタイガは原因をすぐに察した。

 

「毒か...」

 

タイガ達がここに到着する少し前、連合軍は六魔将軍(オラシオンセイス)の六人と戦っていた。その戦いの中で、エルザはコブラが従えている大きな蛇に噛まれ、毒を受けたのだ。

 

「タイガお願い!!もう一度回復魔法を」

 

ルーシィが必死にそう頼むが、タイガは静かに首を横に振る。

 

「俺ができるのは傷を治すのと、体力の回復だ。毒を治すことはできない...」

 

「そんな...」

 

するとエルザはルーシィの腰に手を伸ばす。

 

「ルーシィ...すまん...ベルトを借りる...」

 

「え?」

 

ルーシィの返事も聞かずに、エルザは彼女のズボンのベルトを取った。

 

「きゃあああっ」

 

当然のようにズボンがストンっと落ち、ルーシィは叫びを上げる。

 

「な...何してんのよ...」

 

「このままでは戦えん」

 

エルザはルーシィから奪ったベルトを腕にキツく巻き付け、自分の剣を出すと

 

「斬り落とせ」

 

なんと毒が全身に回る前に右腕を斬り落とすよう仲間達に頼み込んだ。

 

「「「「!!!」」」」

 

「バカな事言ってんじゃねえよ」

 

誰もがその頼みに驚き、グレイが叫ぶも剣を拾う者が一人いた。

 

「わかった、オレがやろう」

 

「リオン!!てめえ!!!」

 

「やれ」

 

「よせ!!!」

 

「今この女に死んでもらう訳にはいかん」

 

グレイが止めようとする中、リオンは剣を振り上げる。

 

「けど...」

「どんだけ甘いんですの!?妖精さんは」

「あんたに何がわかるっていうのよ!!」

 

「やるんだ!!!早く!!!」

 

「やめろリオン!!!」

 

「よさないか!!!」

「そんな事しなくても」

「エルザ殿の意志だ」

 

その場はリオンを止めようとする者、エルザの意志をくむ者と分かれ、リオンが剣を振り下ろしたその時

 

ガキィ

 

彼の振り下ろした剣は、タイガの光竜剣とサクラの木刀によって止められた。

 

「貴様等はこの女の命より、腕の方が大事か?」

 

「他に方法があるかもしれないでしょ?」

 

リオンとサクラが言い争っていると

 

「あ...」

 

エルザは意識を失い倒れてしまった。

 

「エルザ!!!」

 

「まずいよ!!このままじゃ毒が体中にまわって...」

 

ルーシィとイヴが焦り出すとタイガは冷静にシャルルを見る。

 

「何か方法があるんだろ?」

 

「あら?...根拠でもあるのかしら?」

 

「皆がこんなに慌てる中、君だけはかなり冷静だった...エルザを助けるのに心当たりがあるってことだ」

 

「そうね...ウェンディなら助けられるわ」

 

シャルルのその言葉を全員が黙って聞く。

 

「今は仲間同士で争ってる場合じゃないでしょ。力を合わせてウェンディを救うの......ついでにオスネコも」

 

「あの娘が解毒の魔法を?」

「すごいなぁ」

 

「解毒だけじゃない、解熱や()()()()、キズの治癒もできるの。しかもキズの治癒においては、さっきタイガがやった魔法よりも早く治せるわ」

 

「それはすごいなぁ、俺の回復魔法の上位互換ってことか」

 

「あ...あの...私のアイデンティティーがおびやかされてるような...」

 

ウェンディの魔法にただただ感心するタイガと先程痛み止めの香り(パルファム)を使おうとしていた一夜と反応はそれぞれだった。

 

「治癒って...失われた魔法(ロストマジック)じゃなくて?」

 

「まさか天空の巫女ってのに関係あるの?」

 

「あの娘は天空の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)...天竜のウェンディ

 

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)!?」

 

ウェンディが滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)であることにタイガ以外の全員が驚いた。

「?...あら?あなたは驚かないのね」

 

「あの娘から感じていた魔力...俺やナツに近いものがあったから、もしかしてと思ってたんだ」

 

「そう...でも詳しい話は後!!ってゆーかこれ以上話す事はないけど...今私たちに必要なのはウェンディよ。そして目的はわからないけど、あいつ等もウェンディを必要としてる」

 

シャルルの言葉に魔導士達はある決意を固める。

 

「...となれば」

 

「やる事は一つ」

 

「ウェンディちゃんを助けるんだ」

 

「エルザの為にも」

 

「ハッピーもね」

 

「おっし!!!」

 

「行くぞぉ!!!」

 

「オオッ!!!」

 

魔導士達は円陣を組み、中央に向けて拳を突き出した。連合軍が一つになった瞬間である。

 

 

 

そして連合軍は六魔将軍(オラシオンセイス)の拠点を探す為、ギルド毎に三手に分かれて樹海に入った。だが、妖精の尻尾(フェアリーテイル)も行こうとしたその時、タイガがサクラとツバサを止める。

 

「ツバサ、お前はナツ達と一緒に行け。サクラはここに残って俺の護衛を頼む」

 

「護衛?...どういうこと?」

 

サクラに問われたタイガの目線の先には意識を失っているエルザがいた。

 

エルザ(こいつ)をこのままにはできないだろ?...」

 

そしてこの場にはタイガとサクラ、ルーシィ、エルザ、ヒビキの5人が残った。

 

 

 

「それで...どうするの?」

 

「俺の太陽光(サンシャイン)は光を浴びた者の細胞を活性化させて傷を治すんだ。それを最大で放てば毒の進行を少しは遅らせられるだろう」

 

「なるほど...」

 

「ただ、かなり集中しないといけないから俺自身が無防備になるんだ」

 

「それであたしに護衛を頼むって訳ね」

 

「それも理由の一つだが...お前は闇ギルド相手だとやりすぎるからな...」

 

そしてタイガはしゃがみこんで、エルザに語りかける。

 

「エルザ...俺は医者じゃないから正確には分からないが、お前がこの先怪我も病気もしなければ生きたであろう数年分の寿命を削らせてもらうぞ...ま、文句を言う元気もないだろうけどな」

 

タイガは毒に侵されたエルザの腕に左手を添えて目を閉じる。

 

最大太陽光(マキシマム・サンシャイン)

 

するとタイガの左手から太陽光(サンシャイン)の時より強い光が放たれる。

 

 

 

ルーシィはタイガの魔法を受けているエルザを心配そうに見ている。

 

「みんな、急いで...お願い...」

 

「全員、樹海に突入...完了...と」

 

彼女等の後ろでヒビキがキーボードのような魔法陣を操作していた。

 

「君はいかないの?」

 

タイガに護衛を頼まれたサクラはともかく、ナツ達と行かなかったルーシィにヒビキが問う。

「エルザをおいてはいけないでしょ...それにどう考えても、あたしが一番戦力にならないし」

 

「そんな謙遜を...」

 

「そうよ、ルーシィだって強いわ」

 

「噂は聞いてるよ...3mのゴリラを19匹も倒したとか、ファントムのマスターを再起不能にしたとか、アカリファじゃ闇ギルド相手に一人で千人と戦ったって」

 

「尾ヒレつきすぎ...てか、ファントムのマスターを倒したのタイガだし...」

 

「そーゆーあなたはいかないの?」

 

「女性三人をおいてはいけないよ...タイガ君も強いと言っても今は無防備だしね」

 

「意外とやさしいのね」

 

「それに僕の魔法はみんなにココの位置を知らせる事ができる。ウェンディとハッピーを救出しても、この場所に帰れなかったら意味ないからね」

 

 

 

 

 

一方その頃、ナツ、グレイ、シャルルは森の中を走っていた。ツバサはグレイの肩に乗りハッピーとウェンディの気配を探っていた。

 

「どうだ?ツバサ」

 

「...森中に変な気配が広がってて、よく分からないよ...」

 

「そうか...」

 

「ねえグレイ...ボク、思ったことがあるの」

 

「?...何だ?」

 

「やっぱ肩の乗り心地はタイガの方が良い」

 

「ふっ...何だよそれ」

 

ツバサとグレイがそんな会話をしていると、ナツがある疑問をシャルルに聞く。

 

「天空の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)ってさぁ...何食うの?」

 

「空気」

 

「うめえのか?」

 

「さあ」

 

するとシャルルはウェンディが今回の作戦に志願した理由を話し出す。

 

「あのコ、あんたに会えるかもしれないってこの作戦に志願したの」

 

「オレ?」

 

「同じ滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)でしょ?聞きたいことがあるらしいの」

 

ウェンディが志願した理由はナツに会うためだった。

 

「あのコ、7年前に滅竜魔法を教えてくれたドラゴンがいなくなっちゃったんだって。あんたならドラゴンの居場所知ってるかもって」

 

「そのドラゴン、なんて名前だ?」

 

天竜グランディーネとか言ったかしら」

 

「オイ!!!いなくなったのって7月7日か!!?」

 

「さあ」

 

「イグニールも、タイガとガジルのドラゴンも、ウェンディも7年前...んがっ」

 

ナツが考え事をしながら走っていると、木の枝に顔をぶつけて倒れた。みなさんは歩いたり走ったりする時は、ちゃんと前を見ましょう。

 

「そうだ!!!ラクサスは!?」

 

「じーさんが言ってたろ?あいつは滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)じゃねえ」

 

ナツとグレイが話していると、ツバサとシャルルは驚きの光景を目にする。

 

「な...」

「何コレ!!?」

 

彼女等の前には森の木の一部が真っ黒に染まっていた。

 

「木が...」

「黒い...」

「き...気持ち悪ぃ」

 

するとナツ達に二人の男が近づく。

 

「ニルヴァーナの影響だって言ってたよな、ザトー兄さん

 

「ぎゃほー、あまりにすさまじい魔法なもんで、大地が死んでいくってなぁガトー兄さん

 

「誰だ!!?」

 

そしてナツ達は大勢の魔導士達に囲まれる。

 

「ちょ...ちょっとぉ...囲まれてるわよ!!!」

 

「ニルヴァーナの影響だってな」

「さっき言ったぜガトー兄さん」

「そうかいザトー兄さん」

 

現れたのは闇ギルド裸の包帯男(ネイキッドマミー)だった。そのリーダー格の二人、髪を逆立てたガトーとアフロ頭のザトーは何故かお互いを『兄さん』と呼んでいた。

 

「うほぉ!!!サルだ!!!サルが二匹いんぞオイ!!!」

 

ナツがサル顔の登場にそう言っているとそこにもう一人現れる。

 

「こ...こいつら妖精の尻尾(フェアリーテイル)だ!!!こいつらのせいで......」

 

「オオ!!!もう一匹増えたー!!!」

 

「?...あのサル、どっかで見たような...誰だっけ?」

 

現れたのは以前アカリファの商業ギルドで強盗事件を起こした集団の一人だ。ツバサはルーシィと一緒に彼等を退治したのだがすっかり忘れているようだ。

 

六魔将軍(オラシオンセイス)傘下裸の包帯男(ネイキッドマミー)

 

「ぎゃほおっ!!!遊ぼうぜぇ」

 

「敵は...6人だけじゃなかったっていうの!?...やられた...」

 

シャルルがさらに増えた敵に驚いているとグレイとナツ、そしてヒト型に変身したツバサが並ぶ。

 

「こいつぁ丁度いい」

 

「ウホホッ丁度いいウホー」

 

「お待たせしました!!戦闘パートです」

 

「何言ってんのアンタたち!!!......てか最後のアンタ誰!?」

 

シャルルは知らないうちにヒト型に変身していたツバサが誰か分からずツッコんだ。

 

「拠点とやらの場所をはかせてやる」

 

「今行くぞ、ハッピー!!ウェンディ!!」

 

グレイは指の関節を鳴らし、ナツは炎を纏った腕をぶんぶん回す。そしてツバサは自分の魔力を棒の形にして身構える。

 

「なめやがってクソガキが...」

六魔将軍(オラシオンセイス)傘下裸の包帯男(ネイキッドマミー)

 

「何で二回言うんだ!?さっきから!?」

 

「死んだぞテメーら」

 

「何なのよ妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士は...今の状況わかってるのかしらっ!!!」

 

 

 

「うおおおおっ!!!」

 

ナツは拳に炎を纏って飛び上がり

 

「らあっ!!!」

 

ドゴォッ

 

「ぐわっ」「がっ」「ぎぇー」

 

思いっきり地面を殴りつけて、周囲の敵を吹き飛ばす。グレイは敵の一人の顔を掴むとその頭を凍らせ

 

「ぐあっ」「ぎゃっ」「うがっ」

 

敵の集団の方へ投げつけた。

 

「おのれぇ......魔導散弾銃でもくらいやがれ!!!」

 

敵の一人がナツに向けて散弾銃を撃つと、ツバサが体の前で棒を素早く回し散弾全てを弾き飛ばす。

 

「はっはーっ!!!」

「オラァ!!!」

「にゃーーっ!!!」

 

敵を次々に倒すナツ達を見た二人の兄さんは

 

「なかなかやるようだぜ、ガトー兄さん」

「いっちょやるか、ザトー兄さん」

 

 

 

~数分後~

 

「だはーーーっ」

「ぶはーーーっ」

「はぁ...はぁ...はぁ...」

 

ナツ、グレイ、ツバサは裸の包帯男(ネイキッドマミー)を全滅させた。

 

「何だよコイツら、ザコじゃなかったのかよ」

 

「意外とやるじゃねーか...」

 

「当たり前じゃない!!!相手はギルド一つよ!!!何考えてんのよアンタたち!!!」

 

木の陰に隠れていたシャルルが三人にそう言う。するとナツは倒れていたザトー兄さんの胸ぐらを掴み、問いただす。

 

「オイ!!!ぎゃほザル!!!おめえらのアジトはどこだ!!?」

 

「ぎゃんっ......言うかバーカ、ぎゃほほっ」

 

ゴン

 

「オイ!!!でかザル!!!」

 

「本当めちゃくちゃねアンタたち」

 

ザトー兄さんを殴り倒し、続いてガトー兄さんに問いただすナツにシャルルは呆れた。

 

「まあまあナツ...ここはボクにまかせてよ」

 

再び殴りかねないナツに代わってツバサが聞き役となる。

 

 

 

~5分後~

 

「で...もう一回聞くけど、六魔将軍(オラシオンセイス)のアジトはどこ?...素直に言わないと、分かるよねぇ~?」

 

ツバサはガトー兄さんに笑顔で尋ねるが、当の本人はその笑顔にひどく怯えきっていた。

 

「ひぃ~...に、西の廃村です...ですから()()はやめてくださいぃ~...」

 

「は~い、よく言えました...いい子いい子~」

 

ツバサは正直に話したガトー兄さんの頭を優しく撫でるが、彼はいまだに怯えている。その様子を見ていたナツとグレイはお互い抱き合いながら震えていた。

 

「ツ...ツバサ怖ぇ~...」

「まさか...()()()()()で聞き出すなんて...」

 

「みんな~行くよ~」

 

「「あい...」」

 

ナツとグレイは怖がりながらも一緒に返事してついて行く。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)ってこんな奴ばっかりなの?」

 

二人よりはまともだと思っていたツバサの様子にシャルルは呆れた。するとグレイが恐る恐るツバサに尋ねる。

 

「ところでツバサ...さっきの尋問、誰に教わったんだ?」

 

「聞きたい?...」

 

「いや...やっぱ遠慮しとく」

 

 

 

 

 

四人はしばらく走るとすり鉢状の地形の底にある廃村を見つけた。

 

「ここか!!?」

 

すると

 

ハッピー!!!ウェンディー!!!

 

「ちょっと!!!敵がいるかもしれないのよ!!」

 

ナツが大きな声で二人を呼び、シャルルに注意された。

 

「!?...危ない!!?」

 

「ぐあぁ」

「ぐはぁ」

 

何かに気付いたツバサがシャルルを抱きかかえて伏せる。すると廃村の方から一人の男が素早い動きでナツとグレイを攻撃した。六魔将軍(オラシオンセイス)の一人レーサーだ。

 

「またアイツだ!!」

 

「ここはまかせろ!!早く下に行けナツ!!!」

 

「おし!!!」

 

「行かせるかよ」

 

廃村へ行こうとするナツを追いかけようとするレーサーだったが、

 

つるんっ

 

「おっ」

 

ズドッ

 

「ぎゃっ」

 

グレイに足元の地面を凍らされ、その場で転んでしまった。

 

 

「ツバサ!!!今だ!!!羽!!!」

 

「こっちの方が手っ取り早いよ」

 

するとツバサはナツに向かって飛び蹴りをくらわせた。

 

「あああぁぁぁーーー」

 

ナツが谷底の廃村へ落ちたことを確認したツバサは

 

「シャルル!!行くよ!!」

 

「ええ!!」

 

シャルルを抱き上げ、(エーラ)を発動しナツを追って廃村へ向かった。残されたグレイとレーサーは

 

「てめえ...このオレの走りを止めたな」

 

「滑ってコケただけだろーが」

 

 

 

一方、廃村へ下りた三人は

 

「ウエンディ!!!」

「ハッピー!!!」

 

シャルルとナツが自分の相棒の名を呼んでいると、彼等の後ろで気配を探っていたツバサが目を開く。

 

「ナツ!!あっち!!!」

 

彼女が指さしたのは洞窟の入り口だった。

 

「ナァーツゥー」

 

「ハッピー!!!」

 

中からハッピーの声が聞こえ、三人は洞窟の中へと入る。

 

「な...何だ...コレ...」

 

「そんな...!!!」




補足すると、通常の拷問は肉体にダメージを与えますが、ツバサのは精神にダメージを与えます。

どんなものかというと.........恐すぎて私の文では説明できません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。