光の滅竜魔導士タイガ   作:kazuki01

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人々の心を悪に染める超反転魔法ニルヴァーナ

その照準は化猫の宿(ケットシェルター)に向けられている

ニルヴァーナを止める唯一の方法は七つの魔水晶(ラクリマ)を同時に破壊する事

連合軍は最後の力をふりしぼり各魔水晶(ラクリマ)へ向かう

しかし、その魔水晶(ラクリマ)の前に六魔将軍(オラシオンセイス)のマスターゼロが立ちはだかる

作戦決行まであと12分


新たな力

~1番魔水晶(ラクリマ)

 

マスターゼロとの戦っていたナツに攻撃したのはタイガと一緒に7番魔水晶(ラクリマ)に行っていたはずのジェラールだった。

 

「ジェラー...ル...」

 

「貴様...記憶が戻ったのか」

 

「ああ」

 

「くぅ...ジェラアアァァル!!!」

 

ナツは立ち上がってジェラールに向かって行くが、彼に再び攻撃される。

 

「くっ」

 

だが、先程の攻撃同様あまり効いていないようだ。

 

「オレに炎は効かねえぞ」

 

「知ってるさ、思い出したんだ...「ナツ」という希望をな」

 

「何!?」

「ア?」

 

ジェラールの言葉にゼロとナツは

 

「炎の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)、その魔力は炎の力で増幅する」

 

先程からナツに放たれた攻撃は炎の魔法だった。

 

「貴様...記憶が完全に戻ってないな」

 

「言った通り「ナツ」を思い出しただけだ。ニルヴァーナは止める!オレのやろうとしていることは変わらんぞ...ゼロ」

 

「何だよ...記憶って...」

 

「コイツは記憶を無くしてる」

 

ナツの疑問に答えたのはジェラールの後ろから出てきたタイガだった。彼はジェラールの肩に手を置く。

 

「お前のことも、エルザのことも憶えてないらしい...」

 

「タイガ...おまえ何でここに...?」

 

「安心しろ、7番魔水晶(ラクリマ)には()()()()()を行かせた」

 

そしてタイガはナツとゼロの間に立つ。

 

「お前は早くジェラールから炎をもらえ」

 

ナツは突然のジェラールの登場とタイガの言葉に困惑するが

 

「彼の言うとおり、オレにはこの地で目覚める以前の記憶がない...最低のクズだった事はわかったが自覚がないんだ...どうやら君やエルザをひどくキズつけたらしい...だが今はウェンディのギルドを守りたい。ニルヴァーナを止めたい。君たちの力になりたいんだ」

 

「ふざけんなぁっ!!!」

 

ジェラールの言葉を聞いたナツは彼に殴りかかる。それを見たタイガはやれやれといった感じで溜息をつく。

 

「はぁ...やっぱこうなったか...」

 

溜息をついた後、ゼロに向かって行き光を纏った拳を突き出す。ゼロは余裕の表情で防ぐ。

 

「ほう...次はお前が相手か?光の勇者」

 

「俺を壊すことはできるかな?...中途半端な破壊者」

 

「あ?」

 

「破壊を好むくせに、ナツ達が死んだか確認もしないんだからな」

 

「ムカつくヤローだなぁ!!」

 

 

タイガとゼロが戦っている後ろでナツとジェラールはというと

 

「あの事を忘れたって言うのか!!?何味方のフリしてんだテメェ!!!」

 

「頼む...ナツ...今は炎を受け取ってくれ」

 

そう言うジェラールの胸ぐらをナツは掴む。

 

「オレは忘れねえ!!!エルザの涙を!!!お前が泣かしたんだ!!!」

 

 

「ナツ!!!」

 

「!?」

 

ゼロと戦っているタイガがナツに叫ぶ。

 

「俺だって、ジェラールの全てを許した訳じゃない...けど、今は忘れろ。お前のその意地のせいで作戦を台無しにする気か!!」

 

「タイガ...」

 

「グレイも、ルーシィも、一夜さんも、エルザも、サクラだって自分のやるべき事をやってんだ!!...お前が今するべき事は何かを考えろ!!!」

 

するとタイガと戦っていたゼロは

 

「やれやれ、内輪もめなら別の所でやってくれねーかな...うっとうしいんだよ!!!」

 

隙を見てナツ達に常闇奇想曲(ダークカプリチオ)を放つ。

 

「しまった!!?」

 

タイガが二人を守ろうと飛び出すも、攻撃がナツ達にに迫ったその時、ジェラールがナツの前に立ち攻撃をくらってしまう。

 

「「!?」」

 

ナツとタイガはその姿にある人物が重なった。楽園の塔でエルザを守ったシモンだ。

 

「おまえ!!」

 

ナツがそう言うとジェラールは倒れる。

 

「オレをやるのはいつでもできる...もう...こんなにボロボロなんだ...今は...奴を倒す力を...」

 

ジェラールの手には炎の魔力が灯る。

 

「金色の...炎...」

 

 

 

 

 

~7番魔水晶(ラクリマ)

 

「本当にできるの?ウェンディ」

 

「これは、私がやらなきゃいけない事なんだ」

 

本来ならタイガが来るはずだったここに何故ウェンディとシャルルが来たかというと、話は数分前に遡る。

 

 

エルザやサクラと別れたタイガ達。ウェンディは調子の悪そうなジェラールを心配する。

 

「ジェラール...具合悪いの?」

 

「いや...」

 

するとタイガはウェンディに話しかける。

 

「ところでウェンディ、俺と一緒に1番魔水晶(ラクリマ)に行ってくれないか?」

 

「え?」

 

「さっきはああ言ったが、ゼロと戦う事になるナツを回復させてやってくれ」

 

「それが...」

 

「何バカな事言ってんの!!!今日だけで何回治癒魔法を使ったと思ってるのよ!!!これ以上は無理!!もともとこの子は...」

 

「そうか...ナツにゼロの相手を、ジェラールに7番の破壊を任せて、俺が1番の破壊をしようと思ってたんだけどな...」

 

「ならば、ナツの回復はオレがやろう」

 

ナツの回復を買って出たのはジェラールだった。

 

「え?」

 

「思い出したんだ。ナツという男の底知れぬ力...希望の力を」

 

「なら...ウェンディ、君は俺たちの代わりに7番魔水晶(ラクリマ)を破壊してくれ」

 

「でも...私...」

 

タイガの頼みにウェンディは自信が無さそうだが、彼は目線を低くして彼女に合わせる。

 

「君にならできる。俺たちの使う滅竜魔法は、本来ドラゴンと戦う為の魔法。圧倒的な攻撃魔法なんだ...空気...いや、空を..."天"を喰え。君にもドラゴンの力が眠っている」

 

「私の中の...ドラゴンの力...」

 

咆哮(ブレス)は全てのドラゴンが使える基本中の基本の攻撃魔法だ...君の親のドラゴンは回復の魔法は教えても、そんな初歩的な技は教えてくれなかったのか?」

 

タイガはウェンディの頭に優しく手を置く。

 

「子供は親を信じてやるもんだ...そうだろ?」

 

「...はい!!!」

 

タイガの励ましを受けたウェンディはシャルルと一緒に7番魔水晶(ラクリマ)へと向かった。それを見送ったタイガとジェラールも1番魔水晶(ラクリマ)へと向かう。

 

「俺たちも行こう」

 

「ああ」

 

「...あ!そうだジェラール」

 

「何だ?」

 

「ナツはお前の顔を見たら、きっと殴りかかってくるだろうから気を付けろよ」

 

「...分かった」

 

 

 

そして、現在

 

「自分のギルドを守る為なんだ!!!お願い!!!グランディーネ!!!力を貸してっ!!!」

 

 

 

 

 

~1番魔水晶(ラクリマ)

 

倒れたジェラールは右手に金色の炎を灯し、ナツにさしだす。

 

「これは咎の炎...許しなんていらない、今は君に力を与えたい...オレは君を信じる...エルザが信じる男を......オレは信じる」

 

その言葉を聞いたナツは彼から炎を受け取り、それを喰らう。

 

「頼んだ...ぞ」

 

「ごちそー様」

 

咎の炎を喰ったナツの体から魔力が溢れ出す。

 

「確かに受け取ったぞ...ジェラール」

 

「咎の炎か、それを喰っちまったら貴様も同罪か」

 

「罪には慣れてんだ...妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士は」

 

ナツの言葉を聞いたタイガは彼の隣へと跳ぶ。まるで選手交代というように。

 

「本当の罪は......眼をそらす事...誰も信じられなくなる事だぁ!!!」

 

ナツは体中に炎を纏い、ゼロに突進する。

 

「がっ!?...ちっ...」

 

吹き飛ばされたゼロは即座に立ち上がり、常闇奇想曲(ダークカプリチオ)を放つが、ナツは片手で弾く。そんな彼の顔には竜の(うろこ)のような模様が浮かぶ。

 

「こ...この光...ドラゴンフォース!!?」

 

ナツは自分から溢れる魔力に気付く。

 

「この力...エーテリオンを喰った時と似てる......スゲェ...自分の力が2倍にも3倍にもなったみてえだ」

 

(滅竜魔法の最終形態!!!...その魔力はドラゴンにも等しいと言われる、全てを破壊する力......破壊...)

 

ナツの姿を見たゼロはにたぁと笑う。

 

「面白い」

 

「これなら勝てる!!!」

 

「来い...ドラゴンの力よ」

 

「行くぞぉ!!!」

 

ナツのドラゴンフォースの発動を見たタイガは

 

「ナツ!!ゼロ(そいつ)の相手は任せたぞ!!!」

 

魔水晶(ラクリマ)を見て攻撃の構えをとる。

 

(5分後にコレを破壊する)

 

するとどこからか放たれた攻撃がタイガに直撃した。

 

「がっ!?...」

 

「タイガ!!?」

 

 

 

 

 

~6番魔水晶(ラクリマ)

 

作戦決行まであと5分。自分の持ち場に辿り着いたサクラと彼女の手助けのためについてきたツバサ。

 

「サクラ...大丈夫?」

 

「......」

 

だがサクラは壁に手をつき、座り込んでいた。

 

(強がってる場合じゃないのに...「できない」なんて言えなかった...もう魔力が...)

 

実はサクラの魔力はもう残ってはいなかった。木刀を刀にすることもできない程だ。タイガがサクラにツバサを同行させたのも、すでに魔力が少ないことを見越してたからだが、彼女の消耗はタイガの予想を超えていた。

 

「でも...立ち止まっていられない...ウェンディのギルドを守る為に...」

 

サクラはそう言って立ち上がろうとしたが、倒れてしまう。

 

「サクラ!!?」

 

ツバサは倒れたサクラに駆け寄ると彼女は悔しげに拳を握る。

 

「これは闇ギルドに対する復讐心なんかじゃない...あたしは今......みんなを助ける為の力が欲しい!!!」

 

ドクン...

 

「!!?」

 

叫んだサクラがふと気付くと、さっきまでいた魔水晶(ラクリマ)の部屋ではなかった。だが、サクラはその場所をよく知っていた。

 

大きな満開の桜の木が立ち、満月の浮かぶ夜空のそこはサクラの精神世界であり、斬魄刀達と出会い、力を手にする場所でもあった。

 

「お主の心意気、わし等の心に響いたぞ」

「中々見所のある奴じゃん」

 

彼女の前に現れたのは手や顔、胸元以外の全身に猿のような緑色の毛が生えた女と白い服を着て蛇のような尻尾が生えた少年だった。その二人は互いの体を鎖で繋がれていた。

 

「あなた達は?」

 

「もう気付いておるのだろう?」

「今回は特別にオイラたちの魔力を分けてやるよ...あんな魔水晶(ラクリマ)壊すのなんて一発だ」

 

自分に力を貸してくれる者達に感謝し、サクラはフッと笑う。

 

「ありがとう...あなた達の名前を聞かせて」

 

「「わし等(オイラたち)の名は   」」

 

 

サクラの意識が現実に戻り、彼女は木刀を支えにして立ち上がる。

 

「サクラ?」

 

「行くよツバサ...二人で...いや、()()で!!」

 

サクラは木刀を刀に変えて構える。

 

 

 

 

 

~1番魔水晶(ラクリマ)

 

「タイガ!!?」

 

叫んだナツが攻撃が放たれた方を見ると、そこにいたのは驚きの人物だった。

 

「な...何で!?...」

 

タイガも自分に放たれた方を見ると、そこにいたのは今まさにナツと戦っているはずのマスターゼロだった。

 

「念には念を入れてて良かったぜ」

 

今この1番魔水晶(ラクリマ)の部屋には、ナツと戦っている者とタイガに攻撃した者、二人のマスターゼロがいた。タイガは立ち上がり、二人のゼロを見る。

 

「思念体...いや、これは分裂魔法か」

 

「分裂?」

 

「本体を二つに分ける魔法だ。ただし、力も半分になるけどな」

 

聞き慣れない魔法を聞いたナツに、タイガは説明する。

 

「オレが魔水晶(ラクリマ)の前にいると言えば、テメー等は二人で来ると思ったからなぁ...ちなみに一つ訂正があるが、オレの分裂魔法は力もそのままに二人になれる...つまり、半分どころか二倍だ」

 

タイガもまさかゼロが分裂魔法を使うのは予想外だったが、特に焦った様子も無くもう一人のゼロに向かい合う。

 

「ちょうど良かった」

 

「あ?」

 

「闇ギルド、それもバラム同盟の一角のマスターだ...この力を遠慮なく試せる」

 

するとタイガの体から魔力が溢れ出す。

 

「ハアアァァーーーッ!!!」

 

彼の体から溢れた魔力には光だけでなく、雷も含まれていた。

 

 

 

遡ること数日前。タイガは妖精の尻尾(フェアリーテイル)の顧問薬剤師であるポーリュシカを訪ねていた。

 

「体が痺れるような感覚?」

 

「ええ...魔法を使っていると、時々そんな感覚があるんです」

 

「それは何時からだい?」

 

「収穫祭の...あの騒動でラクサスと戦った後からですね」

 

「その時に何か変なことは?」

 

「......あ!?」

 

タイガは思い出す。カルディア大聖堂でのあの戦いの時、ナツに放たれた雷竜方天戟(らいりゅうほうてんげき)の光を食べて威力を弱めようとしたのを。

 

「恐らくその時に攻撃の光だけでなく、雷の魔力も取り込んだんだろうね」

 

「...雷の魔力」

 

「時々体の不調が出るのは、異なる属性の魔力を取り込んだことによる副作用だろう」

 

 

 

そして現在。

 

「ハアアァァーーーッ!!!」

 

「!?」

 

タイガから溢れる魔力に気付いたナツは彼の方を見る。そこには光と雷の魔力を体に纏い、服に雷のような模様が入り、頭の両側には雷を(かたど)ったような黄色い角が生えたタイガがいた。ナツはその様子を見て呟く。

 

「この感じ...まるでラクサスの」

 

そしてタイガは体に纏う魔力を安定させ口を開く。

 

「モード...雷光竜(らいこうりゅう)

 

その姿こそ、光と雷の魔力を同時に発動し纏った姿。「モード雷光竜」だ。




タイガの新たな姿、雷光竜。

頭の両側に生えた角のイメージは、ウルトラマンタイガフォトンアースの角です。
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