タイガ達正規ギルドの連合軍はニルヴァーナを動かす7つの
(ナツ・ドラグニル、タイガ・グラウス...やはり...期待以上の男たちだった...)
マスターゼロを倒したナツとモード雷光竜から戻ったタイガを見たジェラールがそう思っていると、彼等のいる部屋が大きく揺れ、壁や天井が崩れだした。
「ナツ!!!タイガ!!!」
この部屋だけでなく、他の
「うおおおっ......危ねえ...」
「ぷはー」
「あぎゅー」
「みんな無事か!?」
グレイとルーシィ、ハッピーが崩れたニルヴァーナから脱出し合流を果たす。
「エルザさ~ん!よかったぁ」
「な...何だその体は!?」
エルザと一夜もルーシィ達の元に辿り着くが、彼の上半身だけ鍛え上げたような体型にエルザが驚く。
「あっ!いたよ~」
「よかった...みんな無事みたいね」
次にやって来たのはサクラだった。彼女はネコ型のツバサに背中を掴まれて上空からゆっくりと降りてきて着地する。するとそんな彼女に駆け寄る人物が一人。
「サクラ!」
「うぉっ!?」
それはルーシィだった。彼女は親友の無事に喜び、サクラに抱きついたのだ。
「ルーシィ...!?...」
「よかった...心配したんだから...」
サクラは自分の胸元が濡れたことに気付く。表情こそ見えなかったがルーシィが流した涙だとすぐに分かった。いきなりいなくなった自分の事をこんなに心配してくれる親友にサクラは心から申し訳なく思い、目に涙を浮かべる。
「うん......ごめんね...」
「サクラの声、聞こえてたよ」
ルーシィのその言葉にサクラの心は救われた気がした。
そこに3人の人物が現れる
「ナツさんは!?」
「見当たらんな」
「ジェラールもいない!!」
ウェンディとジュラ、シャルルだった。
「ナツ...」
「あのクソ炎、何してやがんだ」
「ナツさん!!」
「タイガ...」
(ナツ...ジェラール...タイガ...何をしている...)
すると地面が少し盛り上がり、ルーシィとハッピーが吹き飛ばされる。
「ん」
「ひっ」
そして地面から出てきたのは
「愛は仲間を救う...デスネ」
「ナツさん!!」
「
「いろいろあってな...大丈夫...味方だ」
ジュラの言うとおり、ホットアイは彼と戦っている最中にニルヴァーナの影響を受け「世の中金」から「世の中愛」へと性格が変わっていた。いや、これが本来の彼だった。するとウェンディがナツとタイガに抱きつく。
「ナツさん!!!タイガさん!!!」
「「うぉ」」
「本当に約束守ってくれた...ありがとう!!ギルドを助けてくれて」
「みんなの力があったから、だろ?」
「もちろん、ウェンディの力もな」
そう言ってタイガはウェンディの頭を優しく撫でる。
「今度は元気よくハイタッチだ」
「はい!!」
パァァン
ナツとウェンディは元気よくハイタッチを交わした。
そしてサクラとツバサもタイガに近付き3人は拳を合わせた。
「...で、あれは誰なんだ?」
「?」
グレイとルーシィの目線の先には皆から少し離れた所にいる青髪の青年がいた。
「天馬のホストか?」
「あんな人いたっけ?」
二人の疑問にエルザが答える。
「ジェラールだ」
「何!!?」
「あの人が!!?」
その名にグレイとルーシィは驚き、ナツはムスッとした顔になる。
「だが、私たちの知っているジェラールではない」
「どうやら記憶を失ってるらしい」
「いや...そう言われてもよぅ......」
エルザやタイガの言葉にグレイは戸惑うがそこへウェンディがやって来る。
「大丈夫だよ、ジェラールは本当はいい人だから」
するとエルザがジェラールに近づく。
「とりあえず力を貸してくれた事には感謝せねばな」
「エルザ...いや......感謝されるような事は何も...」
「これからどうするつもりだ?」
「これから?......わからない」
「そうだな...私とおまえとの答えも簡単には出そうにない」
「怖いんだ...記憶が戻るのが...」
「私がついている」
エルザのその一言にジェラールは驚いた表情になる。
「たとえ再び憎しみ合う事になろうが...今のおまえは放っておけない......私は...」
ゴチィン
「メェーン」
「「!!」」
どこかに行こうとした一夜が何かにぶつかった音が響き、全員は彼を見る。
「どうしたオッサン!!」
「トイレの
するとウェンディが何かに気付く。
「何か地面に文字が...」
「こ...これは...術式!!?」
一同の周りには術式による結界が張られ出られなくなっていた。
「いつの間に!?」
「閉じ込められた!?」
「誰だコラァ!!!」
ナツが叫ぶと彼等の周りを同じ服を着た複数の人物が囲む。
「手荒な事をするつもりはありません。しばらくの間、そこを動かないでいただきたいのです」
そこに彼等の代表と思われる眼鏡をかけた青年が現れる。
「私は新生評議院、第四強行検束部隊隊長ラハールと申します」
「新生評議院!!?」
「もう発足してたの!?」
「我々は法と正義を守る為に生まれ変わった。いかなる悪も決して許さない」
「オイラたち何も悪い事してないよっ!!」
「お...おう!!」
ハッピーは自分達は何もしていないと声を上げるが、ナツは普段の行いから心当たりがあるのか歯切れの悪い返事をした。
「存じております。我々の目的は
「!!...ま...待ってくれ!!」
「いいのデスヨ、ジュラ」
「リチャード殿」
「たとえ善意に目覚めても過去の悪業は消えませんデス。私は一からやり直したい」
ジュラが抗議しようとすると、ホットアイ改め本名リチャードが制止する。彼の覚悟に気付いたジュラは
「ならばワシが代わりに弟殿を探そう」
「本当デスか!?」
「弟殿の名を教えてくれ」
「名前はウォーリー...ウォーリー・ブキャナン」
「ウォーリー!!?」
[だぜ...だぜ...だぜ...]
「「「「「「「四角ーーー!!?」」」」」」」
リチャードの目的は生き別れた弟を探す事だったが、その名を聞いたエルザやタイガ達の頭にはある顔が浮かんだ。アカネで出会ったエルザのかつての仲間の一人であるカクカクした顔の男だ。エルザはジュラとリチャードに近づく。
「その男なら知っている」
「何と!!?」
「!!!」
「私の友だ。今は元気に大陸中を旅している」
エルザから弟の無事を聞いたリチャードは涙を流して膝をつく。
「これが...光を信じる者だけに与えられた奇跡というものデスか...ありがとう...ありがとう......ありがとう!!!」
エルザに感謝したリチャードは抵抗することなく評議院に連行されていった。
「も...もうよいだろ!!術式を解いてくれ!!!もらすぞ!!!」
「「やーめーてーーー!!!」」
一夜の我慢が限界に来ており、ルーシィとサクラがツッコむが術式を解く様子は無い。
「いえ...私たちの本当の目的は
「!!!」
「評議院への潜入、破壊...エーテリオンの投下...もっととんでもない大悪党がそこにいるでしょう」
ラハールが指さした大悪党とは
「貴様だジェラール!!!来い!!!抵抗する場合は抹殺の許可もおりている!!!」
「そんな!!!」
「ちょっと待てよ!!!」
ウェンディとナツは驚く。
「その男は危険だ。二度とこの世界に放ってはいけない。絶対に!!!」
ジェラールは抵抗することなく手錠を着けられた。
「ジェラール・フェルナンデス...連邦反逆罪で貴様を逮捕する」
「待ってください!!ジェラールは記憶を失っているんです!!何も覚えてないんですよ!!」
「刑法第13条によりそれは認められません。もう術式を解いていいぞ」
「はっ」
「で...でも!!」
「いいんだ...抵抗する気はない」
ウェンディが必死に抗議するもジェラールによって止められる。
「君の事は最後まで思い出せなかった。本当にすまないウェンディ」
「このコは昔あんたに助けられたんだって」
「そうか...オレは君たちにどれだけ迷惑をかけたのか知らないが、誰かを助けた事があったのは嬉しい事だ」
ナツはエルザを見るが彼女は何も言わない。そんな彼女にジェラールが声をかける。
「エルザ...いろいろありがとう」
(止めなければ...私が止めなければ...ジェラールが行ってしまう...せっかく悪い夢から目覚めたジェラールを...もう一度暗闇の中へなど行かせるものか!!!)
エルザがそう思っている中、護送車へと近づくジェラールにラハールが声をかける。
「他に言う事はないか?」
「ああ」
「死刑か無期懲役はほぼ確定だ。二度と誰かと会う事はできんぞ」
(行かせるものか!!!)
エルザがそう思うと、真っ先に動いた者が一人。
「行かせるかぁぁっ!!!」
その人物はナツだった。彼は叫びながら評議員を蹴散らしていく。
「ナツ!!!」
「相手は評議員よ!!!」
タイガとサクラの制止も聞かず、ナツは進む。
「貴様...」
「どけぇっ!!!」
「ぐぁっ」「うごっ」
「そいつは仲間だぁ!!!つれて帰るんだーーー!!!」
「ナツさん......」
「よ...よせ...」
ナツの行動にウェンディは涙を浮かべ、ジェラールは戸惑う。
「と...取り押さえなさい!!!」
ラハールの号令で部隊の者達がナツを取り押さえようとするが二人の男に遮られる。
「行けナツ!!」
「こうなったらナツは止まんねえからな!!!」
「タイガ!!グレイ!!」
「気に入らねえんだよ!!!ニルヴァーナを防いだ奴に...一言もねぎらいの言葉もねえのかよぉ!!!」
グレイのその言葉に同意する者が二人。
「それには一理ある。その者を逮捕するのは不当だ!!!」
「くやしいけど、その人がいなくなるとエルザさんが悲しむ!!!」
「うわ」「なんかいい匂い!!」
ジュラと一夜も参戦する。ちなみに一夜はまだ力の
「もうどうなっても知らないわよ!!」
「あいっ!!」
ルーシィとハッピーも参戦する中、サクラとツバサに守られているウェンディが叫ぶ。
「お願い!!!ジェラールをつれていかないで!!!」
「来い!!!ジェラール!!!」
ナツは抑えられながらもそう叫んだ。
「おまえはエルザから離れちゃいけねぇっ!!!...ずっと側にいるんだ!!!エルザの為に!!!...だから来いっ!!!...オレたちがついてる!!!仲間だろ!!!」
「全員捕らえろぉぉぉ!!!公務執行妨害及び逃亡幇助だーーー!!!」
「ジェラール!!!」
「もういい!!!そこまでだ!!!」
エルザのその一言に争っていた全員が動きを止める。
「騒がせてすまない。責任は全て私がとる...ジェラールを...つれて..いけ...」
「エルザ!!!」
ナツが叫ぶもジェラールは再び護送車へ歩み出す。すると、ふと何かを思い出したように立ち止まる。
「そうだ...」
「!」
「
彼の言葉にエルザは驚いた顔をする。
「さよなら...エルザ」
「......ああ」
そしてジェラールは連行されていった。彼が最後に行った髪の色、それは二人が出会った時名字が無かったエルザに彼女のキレイな
評議員がいなくなった直後、タイガは突然フラつく。
「タイガ!!」
倒れかけたタイガをサクラが支えるが、彼は疲れ切った顔で眠っていた。モード雷光竜は体力と魔力をかなり消費するようで、緊張が解けた今は立つ力もなくなり倒れたのだった。
やがて夜が明ける。その日の朝焼けは見た事のないくらいに美しい緋色に染まっていた。エルザの髪の色のようにあたたかく情熱的に。