ディミトリの妹になっちまった   作:上代わちき

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あらすじの通り、一話一話がかなり短いので一ページに五話分ぐらい詰め込むスタイルです。
ご高覧の際は、どうか上記の件ご了承ください。


本編 暗月の騎士
暗雲の章 前編


 

 

 

 

 

 

 

◆◆一話

 

◆1

 

 気が付きゃTS転生してた。

 しかもディミトリの妹だった件。

 草。

 

 

「なるほど、お前が次期国王の妹か。……本当に、片腕で剣を振るうのだな」

 

 ダスカーの悲劇は知らんうちに乗り越えた。

 原作じゃディミトリさん以外全員死んだらしいけど、こっちじゃ俺も生きてるから生き残りは二人になった。

 その過程で左腕吹っ飛んだけど、王族特権で専用の義手が使えるようになった。

 この世界そんなオーパーツあるのかと疑問に思ったが、魔力で動くシロモノだそうだ。

 ……いや、やっぱりオーパーツだろ。便利だけどさ。

 

 

「──」

 

 とりあえずこの身の目的は、このユニット──つまりTS転生したこの体──の剣術と理学をSに仕上げること。

 つまり最強の魔法剣士になること。

 

 何故かって?

 ファンタジー世界に生まれたなら魔法剣士はロマンだからだ!!!!!

 

 

 

「……違う。もっと踏み込め。それでは剣に膂力が乗らん」

「──」

「何をしている。……鍛錬をするために、わざわざ訓練所に来たのだろう」

 

 そういうわけでガルグマク大修道院の訓練所で剣を振ってたら、闇パスおじさんことイエリッツァ先生の教えを受けることになった。

 いくらかの時間と引き換えに剣術の値が30ぐらい上がった気がする。

 え、先生じゃなくても「教員研修」受けれるの?

 

 

 

◆2

 

「殿下……やはり彼女は」

「ああ、医務室だ。イエリッツァ先生の教えを受け、さらにカトリーヌさんやマヌエラ先生にも剣術を教えてもらっていたらしい。……その直後に体を壊して、マヌエラ先生に怒られていたが」

「まだ学級の教員すら決まっていないのに……いや、だからこそなのか?」

「だからって先走りすぎですよ……まだ一年が始まったばかりなのに」

「アルトリア様……優しかった貴方は、どこにいったのですか?」

「四年前の悲劇で右目を焼かれ、左腕が斬られ、声も失くした。復讐に狂うのも、仕方ないが……」

 

 

 

◆◆二話

 

 

◆1

 

 青獅子学級の先生が決まったらしい。

 まさかのベレス先生だ。ま?

 ファーガス神聖王国勝ち組じゃん。

 

 俺、場合によっちゃファーガスとディミトリさん捨てるつもりだったのに。

 まぁ楽でいいけどさ。

 

 

 

「君は、エピタフが目標なの?」

 

 早速面談すると、目標を聞かれた。

 いきなり目標設定ですか、そうですか。

 

 言っておくけど剣術と理学極振りだかんな俺は。

 

 

 

「いや、君はそれでいい。……それより、休むことを覚えるべき。君は剣に打ち込みすぎだ」

 

 よし! よし!

 なんか剣術訓練禁止されちったけど、変なのを目標にされるよりはよほどいい!

 まだ俺には理学があるからな!

 

 

「君は、意欲がありすぎだ」

 

 当たり前です、先生。

 俺、最強の魔法剣士になるので!

 

 

 

◆2

 

「先生、彼女はどうでした?」

「見ていて痛々しい。このままじゃ倒れてしまう」

「もうすでに三度倒れています。休日のたびにイエリッツァ先生とカトリーヌさんから剣術を教えてもらい、そのまま倒れるまで続けているんです」

「止めないのか」

「……言って止まる子なら、どんなによかったか」

「教員に周知するのは?」

「マヌエラ先生はすでに味方につけています。次に剣術の鍛錬をしているところを見たら、問答無用で医務室送りにすると」

「ただイエリッツァ先生は、むしろ彼女のやる気を評価しているみたいで……カトリーヌさんは冷たい顔で「見えないところで倒れられるよりは」とだけ」

「いったいどうして……」

 

 

 

◆◆三話

 

◆1

 

 

 いやぁ「課題 鷲と獅子と鹿の戦い」は強敵でしたねぇ。

 具体的に言うと参加禁止令が強敵でした。ちくしょう!

 あんまりにも腹が立ったので、イエリッツァ先生にまた剣術を教えてもらってました!

 

 ゲームと違ってぶっ倒れるまで一人から何度でも「教員研修」ができるのがとてもありがたい。

 そのかわりマヌエラ先生は敵になっちまったけどな! もう医務室送りは嫌なのだ……。

 

 

「……今日はここまででいいのか?」

 

 とはいえ、今日はそういうわけにはいきません。

 なんせもうすでに剣術がB+ぐらいになっているのだ。

 こんな序盤でここまでになれたっけ? って思わなくもないが、まぁそんなもんだろ。

 名声引継ぎプレイならしょっぱな指導レベルAにするのなんか当たり前だったし、そういうもんだ。たぶん。

 

 

 それよりもなによりも。

 今の俺にはレベルが足りない!

 

 なんせ兵種が貴族なんだぞ!

 エピタフどころか剣士にすらなれてないのだ。

 早急にレベルを上げて、エピタフになる準備を整える必要がある。

 

 

 

「何か言いたそうだな。……わかっている、声は出ないのだろう。筆談でいいから言え」

 

 じゃあ遠慮なく。

 俺を課題出撃につれてって♡

 

 

◆2

 

「聞いたか先生。イエリッツァ先生がアルトリアを課題出撃に連れて行ったそうだ」

「……なんだって?!」

「やはりイエリッツァ先生は正気じゃない……いくら意欲があるからって!」

「だが話に曰くアルトリア様の方から言い出したらしい……そうなると、イエリッツァ先生だけを責めることはできない。事実、二人とも五体満足で帰ってきている」

「しかも言いにくいことですが、イエリッツァ先生から先生へ苦情が来てます。……生徒の意欲を削ぐようなことはするな、と」

「……!」

「なぜだ……なぜそんなにも自分を追い詰めるんだ……アル!」

 

 

 

◆◆四話

 

 

◆1

 

 

 ヒャッハーーー!

 コスタス戦じゃああああ!

 

 逃げる奴は盗賊じゃ!

 逃げない奴はよく訓練された盗賊じゃ!

 

 経験値よこせぇぇえええええ!

 

 

 

 

「落ち着いて。これから二手に分かれて攻める。君は自分と一緒に、だ」

 

 おっと、了解だ。

 戦場での先生のいうことは絶対だ。

 それがユニットの宿命だからな。

 

 もういっぱい殺してレベルも10を越してるし、そろそろ経験値を他のみんなやディミトリさんに譲らないといけない頃合いでもあるか。

 うーん、正直一人のユニットを集中して育ててくれるプレイヤーだったら嬉しかったんだが……ここまで偏ってるだけでもまだましか。

 今回はここまでにしよう。

 

 

 

「すごい。あの子がここまで素直にいうことを聞くなんて……!」

「ふん、その化け物はただ殺しつくして満足しただけだ。すぐにまた血に飢えるようになる」

 

 よくわかってんじゃんフェリクス。

 雑魚は見逃すが経験値(コスタス)は絶対に譲らないからな。

 

 

◆2

 

「賊の討伐は完了した。……後は騎士団の仕事だ。もういいんだよ、アル」

「…………」

「待て、アル! せめて返り血を…………どうしてなんだっ!」

「戦場では素直に指示を聞くのがせめてもの救いですが……こりゃつける薬がないな」

「シルヴァン!」

「そんなに怒らないでくださいよ殿下。本当は、とてもやさしい子だってのは俺も見てきました。……だからこそ、今の彼女の姿は見てられないんですよ」

「コスタスを斬り殺すときの化け物の顔、見たか? あれは、殺戮を楽しむ顔だ。復讐鬼というのも生ぬるい」

「アル……アル……っ!」

 

 

 

◆◆

 

五話

 

 

◆1

 

 いやぁマクドレド奇襲戦は強敵でしたねぇ。

 青獅子の学級の皆さん、相手が民兵だとわかったとたん士気ががくんと減ってやんの。

 おかげで途中から他の皆さんをかばうふりで経験値を露骨に稼ぐことができた。ほくほく。

 

「待ってくれ、アル!」

 

 あれ、どしたのディミトリさん。

 メルセデスさんも連れてきて。

 

 

「傷を見せるんだ……アッシュをかばった傷があるだろう?」

 

 あ、うん。

 実はアッシュくんが一番動揺してて、ロナートにやられそうになってたのよね。

 だからかばってダメージを食らいました。

 

 めちゃくちゃいた……くないんだなぁこれが。

 実は無痛症でした。傷は怖くありません。

 なんなら応急処置しかしてないこと、すっかり忘れてた。反省しないとなぁ。

 

 

 

「止血はしっかりしている。持たせた傷薬も使っている……本当はいうことはないんだけど」

 

 それはそれとして経験値が足りない。

 あとちょっとでレベル二十なんだよなぁ。

 先生、まだ残党とかいないっすか?

 あと一人斬り殺せばレベル上がると思うんだけど。

 

 

 

「アル……! 頼む、頼むから、今は養生してくれ! そのままじゃ、死んでしまう……!」

 

 いや、悲壮な面しているディミトリさんには申し訳ないけどまだ死なんよ?

 多分半日気絶するだけで済むと思うから。

 

 この体意外と虚弱なのよね。

 まだ余裕のあるうちに体力とスタミナも鍛えないとなー。

 

 

 

◆2

 

 

「ごめんなさい殿下。僕が動揺してなければ、アルトリア様は……」

「いや、いいんだ。アルも君も生きて帰れたし……それに、発想を変えればアルは誰かをかばえる程度には、優しさが残っている。それだけでも救いだ」

「殿下……」

「この調子で、昔みたいに心を開いてくれるようになれば……。アル……!」

 

 

 

 

 

 

 






アルトリア
ディミトリの妹に転生したTS娘。ダスカーの悲劇を生き残った二人の片割れ。その日に右目を焼かれ、左腕を切り落とされ、声を失った。
金色の髪は白く染まり、青い目もどこか薄い。また右目周辺はやけどを隠すために包帯を巻いており、左腕は専用義手に換装している。
ユニット的には剣と理学に極振りした奴。信仰も可。どうあがいてもトリックスター・エピタフ向き。しかも闇魔法しか覚えない闇堕ち剣士。専用魔法として「ブラックファイア」を覚えるとか。
中身はだいぶ変なことになっており、ユニット(=自身)を育てることにしか眼中にない。具体的には剣と理学をなんとかSにしようとしか考えてない。

ちなみになんでTSさせたのかっつーと、女の子にしたいけど男の思考じゃないと書けない、ってのと単純にわちきの趣味。
名前はまじ適当に考えたのをそのまま文にしてしまったので、一応これで固定します……。


追伸
感想返信の際の考察で、こいつのスキルに「殺意」「応撃」がついてくるようになりました。
「殺意」はともかく「応撃」は絶対第一部味方キャラが持っていいスキルじゃねぇ……
(「殺意」=自分からの攻撃時、命中+20)
(「応撃」=距離を問わずに反撃可能)


(・x・)本作まじで酒の勢いで書いたから色々適当なのよ……。

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