ディミトリの妹になっちまった   作:上代わちき

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余談そのいち

まさかの評価バーに色がつきました。評価いただいた皆様に御礼申し上げます。
お気に入りの数も更新するたびに増えて、そのたびに嬉しさで舞い上がってます。



余談そのに

ここから第二部編ですが、前回申し上げた通り筆者は蒼月ルートをクリアしてませんのでエガちゃんまでは書けません。
(最低限ストーリーだけは動画などで把握してますが、そもそも最終ステージまでネタも持たなさそう……)
その代わり、かなり面白そうな区切り点がありますのでそちらの決着を以て暗月の章および本編完結とさせていただきます。
ご了承ください。



追伸

余談そのさん
のーんびり日間ランキング見たら、まさかまさかの「ディミトリの妹になっちまった」が51位にランクインしてんの見つけた。
まじでびっくりしました。おさけおいしい。

(・x・)みんな応援ありがとうございます!


暗月の章 前編

 

 

 

 

 

 

 

◆◆十一話

 

 

 

◆1

 

 

 やあ、ディミトリの妹になっちまったTS転生者さんだよ。

 あれから五年経ちました。

 

 とりあえずファーガスには帰ってません。

 だって間違いなくディミトリと一緒に処刑されるもん。

 今のファーガスは親帝国派に支配されてるんだから近寄るわけにはいかない。

 ぶっちゃけディミトリさんとドゥドゥーさんを見捨てる形なんだが、どうせ二人とも生き残るのはわかりきってるので一人で逃げた。

 

 つまりどさくさに紛れて俺もはぐれて、フォドラ中をのんびり観光してたのです。

 盗賊やら帝国兵やらをぶっ殺してその金で食べる飯はうまかったです。まる。

 

 

 

 

「アル……?」

「アルトリア……!」

 

 で、今は崩壊したガルグマク修道院の塔で寝てました。

 目覚めるとなんか先生とディミトリさんがいました。

 

 原作じゃ日光に照らされる先生と影に沈むディミトリさんが印象的なシーンだった。

 なのになんで今回はディミトリさんも日光に照らされてんだか。

 いやディミトリさんとドゥドゥーさん見捨てた俺が闇側なのはわかっているけどさ……。

 

 

 

「無事、だったのか……! 今までどこに……」

 

 とりあえず手を差し伸べてくるディミトリさんを無視してその場を去る。

 流石にちょっと気まずい……。

 

 

「無事でよかった」

 

 後ろから先生の声が聞こえて来た。

 彼女には悪いがこれも無視させてもらった。

 

 どうせ返事しようにも声出せない身だからな。

 本当にごめんね、二人とも。

 

 

 

 代わりにガルグマクに蔓延っている盗賊、先に皆殺しにして手間省いておいたから、それで許してもろて。

 

 

 

◆2

 

 

「殿下、先生、アルトリア様! 三人とも無事でよかった」

「イングリッド……来てくれたんだな」

「五年前のあの日、みんなで約束しましたもんね」

「そうそう~。アルトリア様も来てよかったわ~」

「本当に。アルトリア様だけ、来る気なさそうな雰囲気でしたから」

「アッシュ、メルセデス、アネットも。……ああ、本当によかった」

 

 なんとなくわかってたけど、なんかディミトリさん闇堕ちしてないね。

 完全に第一部のノリなんよな。

 

 

「処刑されたと聞いたが、やはり嘘だったか」

「だから言っただろフェリクス。そう簡単に処刑されるような人じゃないって」

「本当に、ご無事でよかった。しかし、なぜあの堅牢なフェルディアの牢を……」

「ドゥドゥーのおかげだ。だが、俺はドゥドゥーを……」

 

 あ、そこは原作通りなのね。

 ドゥドゥーさんがディミトリさんを助け、でもそのままはぐれてしまったのでドゥドゥーさんは生死不明、と。

 

 

「そう、でしたか。なればこそその忠義に報いねばなりますまい」

「……! アルトリア……?」

「アルトリア様、どこに行かれるのですか……?」

 

 そうして皆さんがお通夜状態になりますが、俺は無視します。

 いやだって、事前にドゥドゥーさんの外伝を普通にクリアしてるから確実に彼も生存しているのよね。

 死んでもないのに悲しむことはないというものだ。

 

 

 

「アル……」

 

 

 

◆3

 

 

 

「殿下、アルトリア様は……」

「五年前にはぐれた時から、何も変わっていない。再会したのも、ついさっきだ」

「本当に、約束を覚えていてくださったのね」

「でも、血まみれだった。……修道院も、盗賊の死体で埋め尽くされていた」

「まさか、彼女が殺して……」

「いくら盗賊だからって、殺すまでは……」

「いったいどんな五年を過ごしてきたんだ……」

 

 

 

 

 

◆◆十二話

 

 

 

◆1

 

 

 

 青獅子の学級が揃った後、セテスをはじめとするセイロス教団の人らも揃った。

 彼らはベレス先生の指示で動くようになり、結果的にベレス先生が支援するディミトリさんの勢力は強くなった。

 しかもジェラルト本人も含めた傭兵団も合流しているから、原作よりも強力な兵力が揃っている。

 

 こうなりゃフォドラの未来は安泰だなーと悟ったので、わちきは去ることにした。

 ぶっちゃけ偶然ではあるが五年前の約束は果たしたし、見捨てたディミトリさんの安否も確認できたからもうここにいる意味はないのだ。

 

 

「待ってくれ、アル……!」

 

 と思ったらそのディミトリさんに引き留められた件について。

 

 いや、俺さっさと帝国に行きたいんですが……。

 今のあんさんならほっといてもフォドラの未来は安泰なのに。

 いっそ無理やり引き剥がそうかな?

 

 

 

「落ち着いてください、アルトリア様。殿下も、我々も、貴女の敵ではないのです」

「そうだ娘っ子……お前は俺の命の恩人なんだ。その分の礼をさせてくれよ」

 

 人を陥れる時の常套句だなって言えばいいんでしょうか?

 いや喋れないから言わんけども。

 だからキルベルトさんも先生もそんな面しないで。

 ジェラルトさんも、断りにくいこと言わないでくれ……。

 

 というかまじで行かせてくんない奴なのこれ?

 俺の目的、死神騎士なんですけども。

 

 

 

「頼む……俺にはもう君しかいないんだ……!」

 

 …………。

 

 

 

◆2

 

 

 

 結局行かせてくれませんでした。

 せめてもの抵抗として共同訓練も高度教練もお茶会も全部拒否して大聖堂に引きこもることにしました。

 

 これ完全に原作の闇堕ちディミトリのムーブなのはわかっているけど、なーんかやる気になれないのよね……。

 一応レベルも五年の間に60まで上げてだいたいステータス完成してっから、あんまり一人で訓練する気にもなれんし……。

 今となってはイエリッツァ先生が残してくれた本が唯一の娯楽だよ。

 

 

 

「アル……」

 

 またディミトリさんが来た。

 けどあえて崩れたステンドガラスからは目を離さない。

 

 なんとなくあの顔を見てから、居心地が悪くて顔を見る気になれないのよな……。

 

 

 

「みんな、心配しているぞ。聞けば、殆ど食べてないらしいじゃないか。食堂で先生もジェラルトさんも待っているのに」

 

 だぁって、そっちはそっちで猶更居心地よくないもん。

 そういうのもあってさっさと出ていきたかったのに……。

 

 

 

「失礼します。お二人とも、急ぎ迎撃の準備を。帝国軍がガルグマク大修道院に攻めてきました」

「やはり、見張られていたか…………」

 

 ……とりあえず、行くか。

 気分転換も兼ねて、全員殺しまくってやる。

 

 

「アル……無茶な戦はしないでくれ」

 

 

 

◆3

 

 

 

「猪……いつまで家族ごっこに耽るつもりだ」

「アルが心を開くまでだ」

「敵将の両目を抉ったあの化け物の心を、か」

「……」

「なぁ知っているか。……あの化け物、この五年間ずっと盗賊や帝国兵を殺して回っていたそうだ」

「ギュスタヴから聞いた。……隻眼の殺人鬼と帝国から恐れられているのも含めて、な」

「なんとも思わんのか。あの男ほどでないにしろ、シルヴァンもイングリットもお前のために動いていた……!」

「お前だってそうなんだろ、フェリクス」

「茶化すな。……あの女だけなんだ。お前を見捨てて、ずっと好き勝手してきたのは!」

「それでも、俺は右目以外無事じゃないか。それに、またこうして一緒にいれる。彼女も、な。ありがたいことだよ」

「……」

 

 

 

 

 

◆◆十三話

 

 

 

◆1

 

 

 

 やあ、ディミトリさんも中々頑固だなーって思っているTS娘さんだよ。

 俺のような化け物、さっさと見捨てりゃいいのにって思うけどなー……。

 

 

「アル、今日のご飯だ。……お、野菜もきちんと食べているじゃないか。少し、安心したよ」

「……俺としては、もう少し肉を食って欲しいもんだがな。いくらなんでも華奢すぎる」

 

 まぁ流石に俺の傍に供えられたご飯は食べてる。

 食い物に罪はないし、そもそもわがままで大聖堂に引きこもっているのも一応わかってはいる。

 ……どうしても色々納得できないだけで。

 

 

 

 

「それよりも王様。俺の娘が呼んでるぜ。……こいつの世話は俺がやるから、行ってやれ」

「わかりました。……また、来る」

 

 

 とりあえずガルグマクに攻めて来た帝国兵の将ランドルフさんの目を、勢い余って抉ってしまった後。

 フェリクスさんの父であるロドリグさんが増援を出してくれることになった。

 

 色々あって煉獄の谷アリルで合流し、なんやかんやで襲撃してきたグェンダルさんをぶっ殺して、兵力は整った。

 原作通りの展開だ。

 

 

 

 

「全く……反抗期の娘を持った気分だ。ベレスの奴はここまで酷くなかったからなぁ……ほら、さっさと飲め。飯は食っても水は殆ど飲んでないんだろう?」

 

 

 

 ただ意外なのは、ロドリグさんが提案した王都奪還をディミトリさんが拒否ったことだ。

 詳しい話は聞いていないが、おそらくはセテスさんを筆頭とするセイロス騎士団との兼ね合いなんだとは思う。

 セイロス騎士団の目的は五年前の襲撃で行方不明になった、大司教レアの捜索だ。

 

 レアは十中八九帝都に囚われている筈だから、セイロス騎士団としてはなんとしてでも帝国に突撃したい。

 実際には口にして主張しているとは限らないが、だからこそディミトリさんはそれを察して自分から帝都突撃案を採択しているのだと思う。

 ディミトリさん達としてはセイロス騎士団の兵力も頼りにしているわけだから、なんとか彼らとの亀裂を作りたくないんじゃないかなーってTS娘さんは思うわけですよ。

 

 まさか俺の配慮で帝国突撃を敢行するほど馬鹿じゃないだろーし、この辺りが妥当な事情だと思う。

 まぁ所詮は推論だし、わざわざ答え合わせしに行くつもりはないけど。

 

 

 

「ジェラルト殿……全員、揃いました」

「おい娘っ子。出撃の準備が整ったそうだ。……全員、お前を待っているぜ」

 

 

 だからまぁ、原作通り帝国領突撃のための重要拠点「ミルディン大橋」を落とすことになったわけなのです。

 ……皆、ここから本格的に五年前の学友と殺し合うことになるの、わかってやっているのかな。

 

 

 あ、ドゥドゥーの件ですがやっぱり生存して大橋で合流してくれました。

 ますますもってディミトリさんの精神が安定してくれて何よりです。

 

 

 

◆2

 

 

 

「ドゥドゥー……本当に無事で良かった」

「五年前の同胞に助けられました。……今から再び、殿下の剣に、盾になりましょう」

「ありがとう。だが、二度と自分の命を捨てるような真似はするな。……そういうのは、アルだけで精いっぱいだ」

「……やはり、あの方は相変わらずなのですね」

 

「一つ進展はあったんだがな……五年前の学友であるフェルディナントとローレンツが敵方として出てきた時、彼女が二人とも討ったんだ。……ふんぎりをつけれなかった俺の代わりに」

「相も変わらず、頼もしい限りですな」

「ああ。それでな、俺がローレンツに攻撃されそうな時に、彼女は大声をあげてローレンツの意識をひいたんだ。……やっと、アルの声が聞けたんだよ。もう九年ぶりだ」

「アルトリア様が……?! ……戦の混乱で殿下達と分かれてしまったのが悔やまれる」

「……だけど、その後アルは吐いてしまったよ。……介抱した時、「肝心な時に、迷惑かけてごめん」っていってさ。……ああいう迷惑なら、いくらでもかけてくれていいのに」

「アルトリア様…………」

 

 

 

 

 

◆◆十四話

 

 

 

◆1

 

 

 やあ、ディミトリの妹になっちまったアルトリアさんだよ。

 いよいよグロンダーズの会戦だ。

 

 

 前回の一件で、あからさまに怪しい『村娘』が志願して軍に入り込んできたり、同盟への使者が殺されたりとか、まぁ原作通りのことがいろいろ起きた。

 ……色々思うところはあるが、ロドリグさんはなんとか生かして帰そう。

 

 例の『村娘』はこの間殺した将兵の妹で、原作じゃ兄の仇を討とうとディミトリを殺そうとし、けれどもロドリグさんがそれをかばうことで命を失う。

 今回は、それを無理やり回避させてロドリグさんを生かす。

 今まで迷惑をかけた詫び代わりだ。

 

 

 

 

 

「恨むなよ。手加減できるほど余裕はないんだ」

 

 わかっているけども、ディミトリさんが第二部の外見で第一部のノリをやられるとすっごい調子が狂う。

 原作なら「殺し尽くしてやる……!」って感じだったのに。

 

 

 

「アルトリア……」

「ベレス、今は頼もしい限りと思っておけ。むしろ、ああやって声を出せるようになっただけ前進じゃねぇか」

 

 ……そういやこの間の一件で少し声が出るようになったのよね。

 そのせいか、思わず心の声が表に出ちゃってあからさまに勘違いされてしまった。

 

 もとより、俺に復讐心はない。

 俺を縛るのは……。

 

 

 

「進め!」

 

 おっと、ディミトリさんの号令だ。

 五年前は楽しめなかったから、今回は存分に楽しむぞー。

 

 

 

◆2

 

 

 

 グロンダーズの会戦は強敵でした。

 クロードの軍勢を剣で吹っ飛ばしたり、中央の砦の弓兵を闇魔法で叩き潰したり。

 もちろん帝国兵はほぼ例外なく皆殺しだ。

 

 例えばペトラさんは原作なら撤退だが、今回はその隙を与えず闇の炎であぶり殺した。ごめんね。

 ヒューベルトさんも右腕を斬り落としたから、生きてはいてももうユニットとしては死んだようなもんだ。すまんなヒューくん。

 魔獣連中も当然のように何度も何度も斬り殺したから、全員死んでいる。

 流石にエガちゃんは五体満足のままの撤退を許しちゃったけど……。

 

 ただまぁ、次から次へとこちらへ押し寄せてくる雑兵を無双ゲーム感覚で次々と斬り殺す感覚は中々だ。

 弓兵やら飛行兵やらは闇魔法で黒く潰すのみ。

 本当、鍛えた甲斐があったってもんだ。

 

 

 

「殿下、アルトリア様、ご無事ですか。とにかく今はミルディン大橋へ退却を」

「エーデルガルト……追うには帝国軍の後詰が脅威か。わかった、俺達もすぐに退却する!」

「…………ふふっ」

 

 さぁて。

 俺なりに、報いを受けますか。

 

 

 

「あはははははは! 少しは後ろに注意されたらどうです、殿下? ……いや、隻眼の殺人鬼!」

 

 

 え? そっち?

 

 

 

◆3

 

 

「ご無事ですか殿下! ……っ?! アルトリア様?!」

「っ! ア、アル?!」

「……ロ、ドリグ! や、れ……!」

「っ! はい!」

「あ、ああっ……にいさ……」

 

「アル! ……なんで俺をかばった!」

「……おれ、さ」

「アル……!」

「アルトリア様! どうか喋らずに! 傷が……」

「おれの、せいで……誰かに死なれるのは……いや、だ」

「……ふざけるな! 自分なら死んでもいいのか?! 残された俺は、どうなる?!」

「……ほんとは、自分のために死にたかった。……けど、だめだった」

「アルトリア様……?」

「ディミトリの……あの顔、みちゃったら……もう全部、だめだった」

「アル! 待て、目を閉じるな……!」

「でも、死なれるのはもっと、いやなんだ…………本当、今までごめんね」

「アル! アルーーーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

◆4

 

 

 次の瞬間、ガルグマクの部屋で寝ていた。

 ……もしかして、俺さん生き残ってるの?

 あんなセリフ吐いたのに?

 

 

 

 

 

 

 




いやだってお前(ゲーム的に解釈したら)プレイアブルユニットじゃん。
(・x・)普通はムービー永久離脱なんてしないのよ。
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