→前回に組み込むには文字数がかさんでるし、でも次回に組み込むには筋が違う……。
→そういうわけで、独立しました。
→今回は比較的短めです。
◆◆十一話
◆1
帝国は檄文を発した。
これから、セイロス教団との戦争が始まる。
ガルグ=マク大修道院にいる生徒も、王国も、同盟も、全部巻き込んで。
そうして流れる血はきっと尊くて、でも俺達にその血を尊ぶ資格はない。
帝国が齎す破滅をこそ、正義というしかない。
だって、それがエーデルガルト側につくってことだから。
彼女を否定する資格なんて俺達にはなくて、だからこそ俺達はエーデルガルトをこそ皇帝と認める。
やあ、ディミトリの妹になっちまったアルトリアだよ。
これから、帝国の将として修道院を攻める。
立ちふさがるものは、全部ぶっ殺す。
戦乱の中を生き延びるためではなく、アルトリアとして生きるために。
「いよいよね……黒鷲遊撃隊の初陣を、必ず勝利で飾るわよ!」
◆2
「アルトリア様……」
やあ、こんな形に会えるとはね。
ギュスタヴ。
いや、キルベルトって呼ぶべきかな?
「なぜ……帝国についているのですか? ブレーダッドの姫である、貴女が……なぜ」
……その称号が、嫌だからだよ。
「なんですと?!」
でも。
俺がどれだけ、その名を嫌おうと。
俺が、ブレーダッドの名を捨てようと。
王族として生まれた事実自体は覆らない。
だから、全部踏みつぶすんだよ。
今度こそ、「俺の人生」を取り戻すために。
「そうですか。……お許しください。貴女は、貴女だけは、なんとしてでも連れ帰らねばならないのです。……たとえ、力づくでも!」
そうかい。
何度、耐えられるか見物だな。
「ぬっ?!」
痛かろう。
お前のその鎧は堅牢だ。
俺の剣じゃ、まともに傷つきやしない。
だが、俺の闇魔法じゃ関係ない。
そのまま、闇に沈め。
「主君のため、倒れるわけには……」
いいや、お前はここで終わりだ。
「っ?! ……殿下、お許しくだ、さい……」
…………。
◆3
「ずいぶん、やってくれたな……」
……まぁ、立ちはだかるわな。
ジェラルトさん。
あんたも、一応はセイロス騎士団なんだから。
「一つ聞かせろ、娘っ子」
なんだい。
「ベレスは、俺の娘は……エーデルガルトに操られていると、レア様に聞かされた」
おいおい、ずいぶん適当な嘘ついたな。
錯乱してんのはなんとなくわかるが、いくらなんでもそりゃないぜレアさん。
「……違うんだな。やはり、さっき遠くで見たあの顔の通り、あいつの意思でガルグ=マクを攻めているんだな」
セイロス教団を打破するのは、エーデルガルトの意思だ。
でも、そんなエーデルガルトを護ると決めたのは、間違いなく先生だ。
「…………本当は、傭兵としてやっちゃいけないことなんだがなぁ」
おん?
「これより! ジェラルト傭兵団は、セイロス教団から手を引く!」
え?
なんで……。
「本来、あいつが自分の意思で帝国に味方したなら、容赦する理由はない。あいつの意志は尊重するが、それだけだ」
……。
「だが、教団がまた俺をだますというなら話は別だ。ベレスの心臓の時といい……もう、教団にはうんざりだ」
……そっか。
そりゃ心強い。
「さて、俺はこれから新しい雇い主に傭兵団の強さをアピールしないといけない。うかうかしていると、手柄を取っちまうぞ」
わかっている。
ここからが、本番だ。
◆4
「帝国に、力を貸そう……」
やっと来たか、イエリッツァ先生。
待ちわびたぜ。
「ここにいるということは、すべて覚悟の上なのだな、アルトリア……」
ああ。
俺ぁ、エーデルガルトが言ってくれた「生きて」という言葉から逃げないために。
フォドラを本当の地獄に引きずり落とすと決めた。
「そうか……。お前は「生きる」ために戦うのだな……」
……また、一緒に稽古できるんだな。
イエリッツァ先生。
「ならば、まずはこの戦場を生き延びろ……。話はそれからだ……」
おう、了解だ。
◆5
「アル……」
やっぱり、いたんだな。
ディミトリ。
……俺の、未練。
「帰ろう、アル……! 君は、そこにいちゃだめだ……!」
そういうわけにはいかない。
今のファーガスは、信用できない。
……邪魔なんだよなぁ、あのおじさんとコルネリアが。
「なぜだ……っ?!」
おっと、俺の剣が通じないか。
ならこいつはどうだい?
「っ──っ! ……アル、なんで……?」
闇魔法も通じない、と。
こいつぁ厄介だな。
「やっぱり、操られているのか……っ?!」
けど、この鎌は予想外だろう?
ずいぶん便利なもんだよ、この仕込み義手は。
「待て……待つんだ、アル!」
……流石に、ディミトリは仕留められんか。
炎で崩落した建物に、遮られちまった。
「ガアアアアア!」
ありゃ……白きもの。
ってことは……先生!
「アルトリア殿……! 落ち着いて聞いてください。先生が、崖に…………!」
…………クソ!
そういうとこも、原作通りかよ……!
◆6
「なぜだ……! なんで、帝国につくんだ……!」
「殿下……」
「おい、猪。いい加減に弁えろ! 奴は、キルベルトを討った。もう、俺達の敵だ……!」
「嘘だ! ……アルが、俺の敵になるわけがない! ……ないんだ!」
「! 猪……!」
「ぅ…………あああああああああああああ!!!」
悲報 もう三話だってのにまだ第二部に入っていない件 というか多分本編より本編してる……
いや、蒼月ルートの時はディミトリさえ曇らせしとけば色々成立したから……。
紅花ルートは他にも色々書きたいことがあるだけだから……。
許して……許して……。