七陰列伝の第09話です。
基本、カゲマス準拠です。
今回は、『イータの実験記録』の上下2部構成の下となっています。
本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わっています。
そして、シドと七陰の距離感がまったく違います。
それに注意して読んでください。
気に入らない方は、そっ閉じ願います。
──これはそんな「if」の物語──
ガンマが、魔道具『ガンマの大太刀』でゴーレムを斬りつける。これまで、なかなか…ほどほど……そこそこにしか命中しなかったガンマの攻撃が、一発目から命中している。
当たれば、硬くてパワーのあるガンマの
思わず、拍手をしてしまったわ。
「これは……!ガンマ様」
イータはニヨニヨしている。
「あれっ……私……強いのでは!?」
『魔道具』の底上げによって、ガンマに不足していた命中力……というか戦闘センスが、しっかり補われている形ね。
「ええ……、弱点を補強する運用はもちろん、元々の長所をさらに伸ばすといった運用もできます。」
劇的な変化はもたらさないのかもしれない。だけどその差はときに……特に難しい状況では、明暗を分けるきっかけにもなる──ということね。
「そう、それが……『魔道具』」
イータが楽しそうに笑いながらラムダに追加の指示を出した。
「えっ!本当におやりになる!? で、ですが、ガンマ様に危険が……」
「やって。」
「しかし……!」
もしもの時は、私がフォローするわ。
「アルファ様…… サー! イェッサー!!」
「さあどんどんかかってきなさい? 我が大太刀に断てぬものなしよ!……って、イータ!この数はさすがに──」
「……ふふっ……」
イータは相変わらず、満面の笑みを浮かべている。
「あなた!私を殺す気!?」
「……ふふふっ……死ななければ……殺したことには、ならない。」
「そういうことじゃなくて!私が死んでもいいのかってことよ!」
「……そうなったら、まあ……仕方ない。」
「ちょっとーーーーーっ!?」
──殴りたい!その笑顔──
「作成に…成功した、上質な魔道具……用意したよ。次の戦闘は、これ『陰の大太刀』を使って。」
「用意した、って言われても……」
質のいい魔道具は、やっぱり制作が難しい?
「魔道具の制作自体は、レシピ通りに素材が揃っていれば、どのような品質の魔道具でも、安定して行える、とのことです。ですが。基本性能以上の効果や付加価値を目指して、安定して魔力を付与させるとなると……やはり 根気が必要かと。」
思った通りに魔力な流れを安定させるのは、難しいこと。それは魔道具においても変わらない、ということね……
「……ガンマ、 頭を使って……勝って。」
イータはとことんマイペースだ。
「イーーーターーーーッ!!」
ガンマは絶叫を上げた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「お見事です、ガンマ様。」
「死ぬかと思ったわ。」
「死ななかった……つまり、魔道具の実験……大成功。」
「もう、怒る気力もないわよ。」
「ガンマ様。」
「でも……もうちょっと……頑張って、欲しかった。今日の……実験、終わって……ないから。」
まだ、何か試したいことがあるの?
「うん……。この防衛施設……稼働実験……スライムを、使っている。……テストが……必要。魔道具と……一緒に、実験したかった。」
なら私がテストするのはダメかしら
「アルファ様は……強いから、いい……データ、取れないかも。」
強いものが、魔道具でさらに強くなるのであれば、それはそれで、参考程度にはなるんじゃないかしら?
「それは、まあ……うん……。その結果……確かめる、面白いかも。」
それじゃあ、決まりね
「ラムダ……、今用意できる……もので、一番いい……魔道具を。さあ、じゃあ……突破していって。」
アルファ専用のメタルスライム・ソードね、了解、全部倒してしまって構わないのよね? 出てくるもの全部。
「できるもの……なら。これは……ある種の、真剣勝負。ラムダ……、始めて。」
「サー! イェッサー!!」
体がいつもより軽い! 魔道具が効いているのね。
アルファ様……、とても、強い。
「イータ様が、アルファ様でのテストを渋ったのもわかる。これでは、魔道具による伸びしろが分かりにくくて、あまり参考にならない。」
ラムダは苦笑いした。
まさか、まだ何かあるの? さて、あとは最後のワンブロックだけど……
「もう……ゴーレムも、スライムも……出番は、おしまい。相手は……スライムじゃ……ない、ゴーレムでも……ない。」
あら、じゃあ何が出てくるのかしら?
「デルタ。」
「あれっ、アルファ様だ。おいっ、イータ。ここに来るやつはどんなやつでも、倒していい実験。お前そう言ったですよね?」
「うん……。言った。だから……アルファ様も……倒して……いい。これは、そういう……防衛施設の……実験。」
「イータ様、さすがにそれは……」
「倒していい奴が、アルファ様ということは、つまり、ここでアルファを倒して デルタが群れのナンバー2ということになるのです!」
あ" 出てくるもの全部倒してしまっても構わないのよね?
「うん……、どうぞ。」
それじゃあ 遠慮なく
「き、今日はビビらないですよ。デ、デルタが勝つのです!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「なんか今日のアルファ様、強いです。」
専用の魔道具、良いものね。
「これが、魔道具の真価。実力者を、さらに強くする!」
「思ったより……いい……データ、取れた。実験……成功!」
「あの……、アルファ様。」
イータって、こういうところのある子、なのよ。
目的のためには、他人の命にだって遠慮はない。そもそも、そういうことを思いやる感覚が、ないのかもしれない。でもそういう純粋さこそがあの子、イータをイータ足らしめている。
一緒に今回の作業をしてあなたにもそれは何となく感じられているのではなくて
「確かにそうですね。あまりに純粋で、純粋過ぎて、支えたいと思える。」
イプシロンなんかは、いつもあの子の世話を焼いているのよ?
「アルファ様、それは、他の七陰の方々に対する、アルファ様も同じです。」
そうかしら? そうだといいわね。
「うぅーっ、イータ、実験は、もうコリゴリなのです!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「拠点に……防衛施設と……訓練施設、作った。ガンマと……デルタに、実験……協力して……もらった。あと、魔道具も……作った。」
今日はイータと一緒にお風呂に入って一緒に寝る日。
「お疲れ様。協力とイータは言ってるけど、それ絶対巻き込まれたやつよね。ただ、デルタはホイホイ騙されたとして、ガンマがイータの実験に付き合ったのは、ちょっと意外かな? それに魔道具って?」
私はベットでイータを胸に抱き寄せる。
いつも実験に付き合わされてるベータがいなかった分、何か事情があったりしたのかな?
「魔力を使った、様々な能力を……補助して、強化する道具。弱点を補強する……運用はもちろん、元々の長所を……さらに伸ばす……といったことができる。」
「へぇ。あくまで自分の能力を、補助して強化するのね。それなら有りか…収束と圧縮の補助とか…」
「そう、まだまだ……研究が、必要。あと、防衛施設も……まだ、改造の余地……いっぱい……ある。何か……面白い、アイデアが……勝ち抜けシステム……以外に、ある?」
少しくぐもって聞こえるし、胸に声の振動も感じる。
アイデアねぇ 勝ち抜けシステムも、なんとなく思いついた……、というか、前世の“ボク”の記録にあったバトル漫画でよくある、テンプレを話しただけのような……。
まあ、実際には、誰かに任せて、自分たちは先に進んだりとか、何かの拍子で数箇所先にワープしちゃったりとか、攻略順番が守られないこと、往々にしてあったりするんだけれど。
──いつの間にか。私がイータの胸に顔を埋めさせられていた。
「そうだなぁ、謎かけというのはどう?」
「なぞかけ……?」
イータの息が耳にくすぐったい。
「そう、謎かけ。要はクイズ。力だけじゃなくて頭も使わないと通路が開かなくて、先に進めない感じの。」
「それ……とっても、面白そう。でも、デルタとか……通れなくなる。」
暖かくって眠くなってきたわ。でも、もうちょっとおしゃべりしたい…なぁ…
「それは、まあ、最初から答えを教えていれば、大丈夫なんじゃない……かな? デルタが答えを忘れない、という保証は全くない……けど。ふわぁ。」
こう見えてイータは体温が高い。思わず欠伸が出てしまった。
「例えば……どんな、謎かけ?」
ふむっ。
──ミドガルまぐろと実験材料、この2者に通じる言葉は何でしょう? 汝の心に問うがいい、その答えこそが、汝の迷う道を照らし出すであろう。──
「とか、どう?」
「すぐに……答えは……出てこない。けど、うん……。やっぱり……マスターの話、いつ聞いても……面白い。」
もう眠くて無理。おやすみなさい、イータ。
おやすみ、マスター。
うん……順調に、染まっている。ニヤリ
テコ入れを兼ねて、早くに仕上がったので、投稿します。
七陰列伝第09話です。上下2部構成の下です。
基本はカゲマス準拠です。
本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わっています。
そして、シドと七陰の距離感がまったく違います。
この設定が気に入ってくれると嬉しいのですが。
色々と捏造した設定がありますので、読む際は注意願います