七陰列伝の第11.5話です。
今回の主役は、クレアお姉さまです。
シドの分身との入れ代わりがどうだったのか? クレアお姉さま視点の話となります。
なので、今回は、ちょっと長いです。
さて、本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わりました。
クレアお姉さまも……
それに注意して読んでください。
気に入らない方は、そっ閉じ願います。
──これはそんな「if」の物語──
──クレアの不思議な妹──
今年10歳になったクレア・カゲノーには、二つ年下の妹が一人いる。
クレアは優秀な少女である自覚があった。優秀な魔剣士を輩出するカゲノー家において、後継ぎとして将来を大いに期待されるほどの。
その妹…シドも優秀であった。クレアと二人でカゲノー家を盛り上げてくれるでは、と期待されているが…ちょっと不思議なところがあった。
最初に不思議に思ったのはシドがいくつのころだっただろう……
クレアは、妹とほぼ
それは特にクレアが3~5歳のころのトラブルの記憶にあった。
例えばそれは、火にかけられた鍋に手を伸ばしてひっくり返してしまった時に、後ろからシドが首元を引っ張って尻もちをついたおかげで助けれられたこと。
例えば、3階の自室の窓から身を乗り出し過ぎて落ちそうになった時に、後ろから抱き着いて引っ張って助けてくれたこと。
例えば、野犬に嚙まれそうになった時に、手を引っ張って助けてくれたこと。そのあと野犬はシドに一睨みされたら逃げていったわ。
例えば、カゲノー家の屋敷内を探検に出て途中で迷子になったときも、見つけてくれたのはシドだった。
…助けられたことの方が多かったわね。
それでも、一番に鮮烈に記憶に残っているのは、クレア5歳でシドが3歳の時のことだろう。あの時は……
最初は…そう、シドが私との早朝の稽古の時間になっても起きてこなかったのだ。不審に思ってメイドさんとシドを起こしにいったところ、ベットの上で顔を真っ赤にしてうんうん唸っているシドを発見したのだ。
私がビックリしている間に、メイドさんがシドが様子を見て、発熱…それもかなり高温になっていることがわかったのだ。それも夜のうちから発熱していたようで、ベットには寝乱れた跡が見て取れた。
メイドさんがママを呼びに行ったりバタバタ動き始める中。私はベットに近づいてシドの様子を近くから覗き込んだ。すると、私に気付いたのが、シドが右手を伸ばしてきた。私はその手を両手で握り締めた。熱い! まるで熱い湯に手を入れたかのように感じた。人の手の温度じゃない!
このままじゃ、シドが死んじゃう!
涙が止まらなくなった。いったいなぜ? 昨日まではいつものように一緒に遊んでいたのに、一緒に稽古もしたのに、一緒に元気だったのに、なぜ? 私が一緒に寝ていればもっと早くに気付けたのだろうか?
私が握り締めた手をギュッと握り返してくるのを感じた、少し痛いくらいに。それに握り合った手を通じて、シドの魔力が昂っているのも感じた。
シドが、シドが、シドが、シドが、
熱いし痛いが、私もギュッと握り返すと、シドの表情が少しだけ休まるのが見えた。
シド、シド、シド、シド、シド、シド……
今、私がシドを繋ぎ止めいる、なぜかそう思った。
それからは大変だった。ママが来て、パパも来て、大慌てで医者を呼んでくることになって、診察されて、外傷はないこと、身体全体が発熱していること、とにかく水分を──塩水を混ぜた果樹水を取らせること、他にも色々あったように思うが覚えていない。
私は、シドが死んでしまわないようにと女神ベアートリクスさまに祈りながら、シドの手を握り続け、シドも私の手を握り返す。
飲み物もシドが自力で飲めなかったため、私が口移しで飲ませ続けた。食事やトイレで離れることはあったけど、私はシドの手を、シドは私の手をギュッと握りしめて離さなかった。
シド、シド、シド、シド、
そして、三日後、シドの昂っていた魔力が落ち着いてくるのを感じた。同時に熱も下がってきているのがわかった。
やった! シドを繋ぎ止めることができた。死神にも私とシドの絆は切れ無かったんだ!
思わず安心して、シドのベットに潜り込んで一緒に寝てしまったのが良かったのか悪かったのか…
翌朝、寝ているうちに私が抱きしめていたシドを見ると、すやすやと寝息を立てていることがわかった。お互いひどい顔をしていたし、汗もすごいことになっていたが、私には、とても愛おしく見えた。
「おはよう、シド。」
「おはよう、お姉ちゃん。…その、助けてくれてありがとう。」
「シドが助かってよかった……」
お互い涙がでてきて、抱きしめ合って泣いたことを覚えている。
そのあと、医者に診断してもらって、衰弱しているけどそれ以外問題ない、となって、二人でお風呂に入ったことも覚えている。
そういえば、その時に三日ぶりにシドの瞳を見たのだだけど、あんなに紅い瞳だったかしら?…まぁ私に似てきたのだから些細なことね。
それに体格もすこし変わっているような…瘦せたのかしら。でも少し大きくなっているような…、まぁ生きている以上これも些細なことね?
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──クレアの不思議な妹 2──
というわけで、今年10歳になったクレア・カゲノーには、二つ年下の妹が
なぜ疑問形なのかといえば、日によって微妙に違いを感じるときがあるのだ。無理やり言語化すれば、大大大好きお姉ちゃん! な時と、だ、大好きお姉ちゃん!! になるだろうか? え、どっちも大好きお姉ちゃんだって? この微妙な差がわからないかなぁ?
とにかく、日によって、場合には朝と晩で違って感じる時がある。この微妙な感覚については誰にも相談したことはないけれど。
もともと妹のシドには、前にもいったように、ちょっと不思議なところがあった。
しかし、この感覚を覚えるようになったのは…シドが3歳のころに急に熱を出して私がこの世に繋ぎ止めたころからだろうか?
…いえ、まだ、あのころはそうでは無かった。あんなことが起きないよう、できるだけ早く気付くことができるように、ってママにお願いして、一緒に寝ることができるようにしてもらったのよね。最初の方は恥ずしがっていたけど、徐々にシドの方から私のベットに潜り込んでくるようになったし……
そういえば、あのころ、シドが馬鹿力がでるようになって、大変なことになっていたわね。扉の取っ手を
そのころにあったことといえば…リンドブルムに旅行したことがあったわね。楽しい十日間だったわ。温泉に一緒に入ったり、女神の試練を一緒に観戦したりしたわね。最後に盗賊に襲われるという事件もあったわ。でも…今思うと、そのころにはこの感覚の片鱗があったのような……
で、実生活でなにか問題になっているか、といえば全く無いの。そもそもこの感覚を持っているのも好き好きの対象である私だけみたいだし。
それで、この間大大大好きお姉ちゃんなシドと一緒に寝てるときに、こっそりと聞いてみたのだけど…、涙目で、お姉ちゃん…って言いながら抱き着いて静かに泣き出してしまったの。私の胸に顔をうずめてさめざめと泣くシドを見ていると、もう何も聞けなくなって…。
もうなだめるのに必死になってしまったわ。でも、ぼくでも私でもお姉ちゃん大好きなシドだよ、って言ってくれたから信じることにしたわ。…二重人格なのかしら? それくらい気にしないのに。
それに、去年位少し調子が悪くなった時に、私に向かって必死な表情で、お願いぼくを信じて、っていって私を抱きしめて魔力?を流して整えてくれたシドが、私に何をするっていうのよ。
あれから調子が良くなって、魔力をもっと制御できるようになったのよね。おかげで魔剣士学園へは特待生で受かる自信がついたわ。いずれブシン祭へも…
シドが魔剣士として剣の訓練を初めて、今年で2年くらい。正直オトンよりも綺麗に滑らかに魔力を制御しているシドとの稽古の方が得るものが多いのよね。
如何に最低限の魔力を使って、必要な部分を必要な分だけ魔力強化する、魔力を効率的に使う方法は、この2年のシドとの稽古で覚えたものなの。ぱっとみ地味に見えるけど。
さらに一歩進んだ魔力を全身に纏うオーバードライブも教えてもらっているところよ。シドの剣術にはキレがあるし、それに負けないようにするのは大変だけど、私がお姉ちゃんなんだから頑張らないと。
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レミーがシドに隠していることは少なくないが、クレアお姉ちゃんが入れ代わりに違和感を持っていること、それを直接聞かれたこと、は隠している。クレアお姉ちゃんにも、もうひとりにはこれ以上聞かないようにお願いしているので、シドが気付くことはないだろう。それに、実は気付いてくれて少しうれしかったこともシドには隠している。
実は、レミーにとっての記憶は、どうやら、シドが魔力暴走を起こしてクレアお姉ちゃんに手を握ってもらっていたときに、ベッドの下で「うらやましいなぁ…」という思いから始まっていたのだ。
だから、レミーは入れ代わったときに全力でお姉ちゃんに甘えまくった。いつも一緒、お風呂も一緒に入るし、ベットにももぐりこんだ。大大大好きお姉ちゃんと一緒にいることは、シドの分身であることの
なので、シドには悪いが、前世の“ボク”のことなんて
さぁ、今日も大大大好きお姉ちゃんと一緒に起きて稽古をしよう。レミーにより適応者になったお姉ちゃんに魔力の効率的な使い方と制御方法、そしてオーバードライブを教えることを
「おはよう! お姉ちゃん、大大大好き!」
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──クレアの華麗なる日常──
そんなこんなで1年くらいたって、今年11歳となったクレアの日常は、早朝の稽古から始まる。
…いや、その前に妹のシドを起こすところから始まる。
今日
しばし寝顔を見ながら、今日もシドが無事だったことを女神ベアートリクスに感謝する。
「起きなさい、シド。朝の稽古の時間よ。」
いつものように、ギュッと抱き締めながら耳元で囁く。
「やんっ……もうアルファ……あっ、お、おはよう……お、お姉ちゃん。」
…ちょっと違和感を覚える。が、それには蓋をする約束だった*2。
おはようの挨拶に両頬へキスをし、シドにも返してもらう。
「では、訓練場で…」
稽古着に着かえると、訓練場に行く。シドも少し遅れてやってきた。そこでシド考案のストレッチと柔軟体操を行う。運動前にすると怪我を防止し、体を柔軟にしてくれる、とか。
シドが足を横一線に開き、後ろから背中をゆっくり押してあげる。上半身がペタリと地面に付くのには驚くわよね。まだ私は横一直前まで広げられないし、ようやく胸が地面に触れるようになってきたところよ。もう少しよね。
なお、この訓練をするようになってから、お互いの稽古着をスカート型からズボン型に変えたわ。
…だって、シドったら立ったままで右足を頭の上まで真っ直ぐ伸ばして、I字バランスとか言ってやって見せたのだもの。わたしとママとメイドしかいなかったのは不幸中の幸いだったわ。
これらをそこそこ時間を掛けて行い身体を暖めてから、パルクール?を始める。なんでも、道なき道を自由自在に駆け抜けることで瞬間的判断力と身体の制御能力が養われるとか。まぁ普通に野山を駆けまわるよりも面白いからいいのだけれど。
今日は稽古場からカゲノー家の城を越えて町の城壁まで行って、そこから反対の城壁まで途中必ず城を超えて行って帰ってくる、これを2往復することにした。私がそこらに落ちていた石を軽く親指ではじく。地面に落ちると同時に
地面に落ちると同時にシドと飛び出した。稽古場の壁の上にジャンプするところまでは同じだが、そこからルートが変わってくる。
シドは城の
町に入ったときにはほとんど差が無かった。そこからは、建物の屋根や屋上、時には道路を飛び越えながら城壁を目指す。目まぐるしく上下左右に揺れる視界の中、最適ルートを考えて、それに合わせて身体を制御する。
たしかに判断力と制御能力が鍛えられるわね、って、しまった、大通りに馬車が来てるわね。しかたなく壁を蹴ってスピードを調整して、馬車の通過した後を狙う。と、隣を走っていたシドが加速して、馬車の上に手を突いてとんぼ返りしながら飛び越えていった。
馬車が通過した後に着地をしてから、大通りの店の屋根へと再び飛び上がる。馬車の人が気付いた様子がなかったので、よほど丁寧に飛んだのだろう。この辺の繊細さも学ぶ対象ね。
落ちてしまったスピードを上げるべく、足に魔力を込める。魔力は最小に、それを圧縮して解放されるときの圧を体幹で受け止めて加速していく。これもシドから教わったやり方だ。
城壁の到着したので、壁面に着地しながら、帰りのコースを見定める。シドは…さっきの差がついた分、一足早く飛び出しいていた。コースを決めて、そのまま壁面を蹴って再び城目指して飛び出していく。
…最後にはなんとか同着に持ち込んだわよ。最後の城への直線でオーバードライブを使って加速したの。シドも驚いていたわ。あそこから追いついてくるなんて凄い!って褒めてくれる。うふふん。シドに褒められるのってやっぱり気持ちいいわぁ…
でも、ちょっと違和感を感じているの。シドだけ力が何倍も必要なように見えたの。シドもいつもより息を荒げているし…*3
それから、
シドの剣はその軌跡がキレイなの。ただ、あまり裏刃側を使った返しを使わない、それがちょっと窮屈そうに見える時がある。…片刃の剣の方が良いのかしら。それに剣と剣を打ち合わせることも嫌そうだ。
一通り組み手を行ったら、早朝稽古はお仕舞いになる。メイドがタオルを差し出して来るのを、先に受け取って渡してくれる、かわいい。
汗を拭きながらシドに眼をやると、とても瀟洒に拭いていて…少し色気を感じてしまう。ちょっと前までは男の子みたいだったというのに。ちょっと見つめ過ぎたのだろうか、首をかしげてこっちを見ている。
「さぁ、朝食前に汗を流すわよ。」
はー―い
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朝のお風呂で洗いっこして、髪の毛を乾かしあって、お揃いの服に着替えると朝食の時間よ。
シドの希望で玉子料理とベーコンや鶏肉等の肉類、飲み物に果物のジュースが出てくるの。パパとママと一緒に家族そろって食べる。…食べ方も上品になってきたわね。私よりも優雅に見える時がある。ちょっと複雑な気分だわ。
今日の予定をママに聞く。たしか、礼儀作法と法律の先生がくる日だったはず。しかし、予定が変わって、午前中はママが礼儀作法を見てくれることになった。
食後のティータイムを終えたら、ママとシドと一緒に応接室に向かう。順番に入って挨拶の練習だ。季節の挨拶の言葉を言って、名乗ってカーテシ―をする、そしてソファーに座る、までを何度も繰り返す。
やっぱり少し上品になっている、怪しい…けどそれを聞くと前みたいに泣きだしちゃうかも知れないので蓋をする*4。ちなみに、ママは物覚えが良いと喜んでいるようね。
それと、なぜかメイドの使い方が下手なのよね。つい自分で動いてしまって、メイドと手や眼を合わせることが多い。なお、執事はもっと下手…というか近付かれるのも苦手っぽい。前はそうでも無かったのに…どうしたのだろう?
昼食のサンドイッチを食べたら、昼からは剣の稽古の時間だ。今日は我が家の騎士と兵士たちと合同訓練よ。我がカゲノー家の騎士服に着替えて稽古場に集合する。といっても、マントや上着にカゲノー家の紋章が入っているだけで、王国の騎士服とデザインは同じなのだけれど。
シドは、私のお下がりを着て楽しそうにしている。でも、やっぱり男の騎士や兵士からは離れて、女の騎士や兵士たちと一緒にいる。筆頭は私ではあるが…
なんていうか、男の騎士や兵士たちにはそっけないというか塩対応である。今も話しかけられたのに、あっさり流してしまう。
実は、この傾向は、だ、大好きお姉ちゃんの時に顕著になってきているのだが…、まぁ大大大好きお姉ちゃんの時には、そもそも私から離れないのだが。
そうしてシドと喋ることしばし、パパが来て南門まで行軍する。門についたら外の広場で訓練を開始する。
兵士は盾と槍を持って密集体型を組んで行軍する訓練を開始し、マスケット銃隊は射撃訓練を射撃場で開始し、騎士は森の入り口まで移動して組み手を開始した。
パパと私たちは、岩を運んできて試し切りをするようだ。パパが自分と同じくらいの岩を持ってきて、みじん切りにする。私たちも持ってきて切る。ミスリルの剣は魔力の通りが良いので、ザクザク切っていく。でもシドは…少しゆっくりなペースでシャンと切っていく。切られた岩の断面が滑らかだ。私の方は最後の方で砕けてしまっている、なんか悔しい。
もっとキレイに、最小の魔力で大きい効果を得られるように…シドを動きと魔力の制御を参考にしながら続けていく。途中からシドが手取り足取り教えてくれたの。うふふん。
休憩を挟みながら夕方前には切り上げる。稽古場に戻ったら、騎士・兵士共に屋外の稽古場にテーブルを据えて、騎士・兵士の家族に、オカンにメイド、執事たちも出てきて全員で夕食を取る。
実はこれもシドが聞いてきたことから始まった習慣である。みんなで同じシチューとパンだけの野営料理を食べる。確かにこれをするようになってから一体感が増した、というか、士気が高くなった。メイドと兵士のカップルも増えた気がする。まぁ盗賊とかもここ数年あまり出たとは聞かないが、いざという時のための備えは重要よね。
途中から各隊の指導に廻っていたオトンは気さくに声をかけられて返している。シドは…予想通り私の廻りか、オカン、女騎士・女兵士や女の子のところのにいるわね。特に少女や女児とは楽しそうにしているわ。反面、男・男の子とは最小限で塩対応だし、何か男が苦手になるようなことあったかしら?
私たちには質素な、兵士はたちにはそこそこ豪勢な食事が終わり、暗くなる前にお開きだ。この後一杯いくか、とご機嫌な騎士と兵士とその家族を見送りながら、リビングに戻ってティータイムをする。
家族団欒の一時なんだけど…シドの雰囲気が大大大好きお姉ちゃんに代わっていたわ。不思議よね? 二重人格ってこんな感じなのかしら。
「さぁ一緒にお風呂に入って寝るわよ。」
は~~い。
身体と髪を洗ってあげると、それだけで上機嫌になっている。今ならいけるかしら。ねえ、ストレートショートボブからお揃いのロングに伸ばさない? …ごめんなさい、お姉ちゃん。…髪型だけはは変えられないの… ちょっと涙眼ね、かわいい。じゃあまたお揃いの服を作ってもらいましょう、シドのデザインで。うん、お姉ちゃん大好き。私も大好きよ。
他愛もない話をしながら私も洗ってもらう。近頃シドに洗ってもらった方がキレイになっている気がする。いつの間にか上手くなっている。髪を乾かしたらお揃いの寝衣に着替えてベットの上で柔軟体操を行う。ホントに柔らかいのよね。
一緒の布団に入ってシドを抱きしめる。お休みのキスをした後、耳元に口を寄せて囁くように聞く。
この頃シドって男とか男の子へ対応が塩過ぎるようになってきたけど、何かあったの?
何かあった訳じゃないんだけど、ちょっと苦手意識ができたというか…そう植え付けられている…みたいな…
最近上品になっていることも?
それもちょっと…理由があって…。でも、約束通りもう一人には聞かないでくれてありがとう、ぼくお姉ちゃんのこと大大大好きだよ。
私はどっちのシドも大好きよ。
ギュッと抱きしめて眠りにつくのを待つ。
明日もシドと元気で過ごせますように、女神ベアートリクスさま……
…いつかきっと全部話せるようになるから…それまでごめんなさい…
何も
七陰列伝第11.5話です。ちょっと遅れましたが投稿します。
基本はカゲマスですが、今回はオリ回となります。
本作品では、アルファたちの性格や嗜好も変わっています。それはクレアお姉さまも…
まぁ、黒幕の一人はレミーでありますが…
なお、クレアお姉さまには二重人格だと思われている模様。
結果、カゲノー家の設定も変わっています。
この設定が気に入ってくれると嬉しいのですが。
色々と捏造した設定がありますので、読む際は注意願います。