七陰列伝の第13話です。
基本、カゲマス準拠です。
今回は、『ねらわれたガンマ』の上下2部構成の上となっています。
本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わりました。
そして、シドと七陰の距離感がまったく違います。
というか、普段から七陰と一緒にいますし。ただ、最近、修行に傾倒気味で…
七陰も頑張っています。
気に入らない方は、そっ閉じ願います。
──これはそんな「if」の物語──
──早朝、露店の店先で──
それは、シャドウガーデンが教団へ対抗すべく、勢力の拡大を開始し始めたころ。まだ構成員が少なく、アルファが駆り出されることがあったころのこと。
「グリルよし、フライヤーよし。」
シドはピッと指を指して確認する。
「火元の確認…よし、閉店作業、完了したわ。」
アルファも同じように指を指して確認した。
お疲れ様、アルファ。 シドも手伝ってくれてありがとう。 いえいえ。
昨日がアルファの当番の日だったので、いつもよりも早くお風呂に一緒に入って、一緒のベットで寝て…そのまま早朝のアルファの仕事に付いて行ったシド──身体年齢14歳に変身中のシャドウだった。
「ふぅっ、でも、露店の営業も久々にやると、勘を取り戻すのに一苦労するわ。」
「アルファにはガーデンの運営もあるのに、露店の営業まで、ほんとご苦労様です。」
深々と頭を下げるシドだった。
「でも、たしか『指差し呼称』だったかしら、これもシドに教えてもらったのよね。」
「そうだったね。安全確認の方法として、旧拠点にいたころに教えたっけ…」
閉店した露店の前で話していると、ルーナ商会のルーナ会長──ガンマが笑って迎えてくれた。
「お疲れ様です、アルファ様、主様。くすくすくすっ。」
「いったいどうしたの? 思い出し笑い?。」
ガンマが笑いをこらえて喋りだす。
「いえ、まさか、ここに、誰にも知られていない秘匿組織である、シャドウガーデンの盟主とリーダーがいて、『まぐろなるど』の露店に立って商売をしていた……。こんなこと、この世界に生きる誰もが、つゆほどにも思っていない……なんて考えてしまって、つい、くすくすくすっ。」
シドはアルファと顔を見合わせて…
「そういう
…肩をすくめてみせた。
「またまたっ、ご冗談を……、くすくすくすっ。」
どうも、ガンマのツボに嵌ったようだ。
「それはさておき、この店舗の忙しさと売り上げだけど、確かに数字で確認する以上の凄まじさがあったわね。」
そう言って、三人で閉店した露店の看板を見上げた。
「ふぅ~~っ、ええ。営業時間は朝の5時から朝の10時まで。メニューは4種類のセットに絞り、テイクアウトのみ……。ミドガル王都の街中であれば、このような業態では大きな売り上げを望めませんが、この『聖地リンドブルム』それも、教会や神殿の立ち並ぶこの区画においては、ある種の例外が発生します……!」
ガンマが得意そうに説明してくれた。
「聖教の施設の清掃業務や、必需品の搬入を行う業者の多くが、深夜の仕事を終えて、この露店に集まる風景には驚いたよね~。」
シドがうんうんと頷きながらいった。それに続けてアルファは呆れたように言った。
「彼らが日々の仕事を終えても、その就業時間の都合上、温かい食事を得られる場所が少ないことにも驚いたけれども。」
「『聖地リンドブルム』の聖職者は、聖教の教えを頼るものに対しては、その手を差し伸べます……少なくとも、建前上は。…ですが、その教義を解くための空間を手入れしている労働者への視点は、やや欠けていると言ってもいい状況です。」
ガンマも苦笑いの表情になった。
「そんな彼らの受け皿として、この露店は機能しています。…それに、口にする言葉へ耳を傾ければ、そこには情報の芽もあります。」
「…以前にも報告で聞かせてもらった、『聖域』の存在についてね。」
シドとアルファはその時の報告を思い出していた。
「はい、信憑性に乏しい、業者間の噂話ではありますが、日常的に宗教施設へ出入りしている者たちの噂でもあります。その存在の真偽を突き止める価値はあるかと。」
ガンマなりの確信があるのだろう。
「…商売人としての勘が、諜報レベルにまで生きている。もし新たな発見があったなら、さらにお手柄よ、ガンマ。」
しかし、褒められたガンマは、ちょっと怯んてしまう。
「正直、ここに『まぐろなるど』の露店を出すことも、私の中ではかなりの冒険だったんです。利益を出せるというデータは揃っていても、実際に踏み切って想定通りの結果を出せるかどうかは、未知の領分でしたから。」
アルファは不思議そうに聞き返した。
「そう? 私はあなたが真剣に考えた計画なら、何らかの成果は得られると思って、許可を出したのだけれど。」
「アルファ様は強心臓ですね……!」「そういうところあるよね~。」
ガンマとシドは感心したように頷いた。
「ガーデンの発展において、私の後押しが必要な時は、どんな時でも、頑張るみんなの背中を支えてるつもりよ。」
「アルファ様は頼りになっていますよ。」
「うんうん。名ばかり盟主の私よりもずっとね。それに…」
ちょっと小声で続けて言った。
「…私が聖地に来ると、また『どこでも扉』が追いかけて来るんじゃないかって、心配だったんだよね。」
魔力探査…を使うとまずそうなので、氣を高めて
「たしか、シドが実年齢4歳の時の『女神の試練』の時の話よね。」
「あの現象は、1年に1度の『女神の試練』という聖域の扉が開かれる、という日に聖域の
それはそうだけどさ…とシドはぼやいた。
よしよし、と頭をなでて上げるアルファと、それを微笑ましく見るガンマがいた。
「…そうそう、ガンマが以前に提案してきた、王都の一等地に商会の新社屋を作る計画──いよいよ本格的に進めようと思うのだけど、どうかしら?」
「ッ! アルファ様…!」
「あなたは『ルーナ』としてさらに表の顔を売ることになる。教団以外の敵も増えるし、身動きも難しくなっていくでしょう…」
そう言って、アルファはガンマを見据えて告げた。
「…だけど、あなたも思っているように、事業の拡大に踏み切るのは、商会の知名度が上がってきている、この機を置いて他にない。」
「そうね、『機を見るに敏』ともいうからね! このチャンスをものにしなくっちゃ!」
「お任せください……! 必ずや、成し遂げてごらんに入れましょう。」
ガンマの眼が輝いていた。
「『自らが最弱であると知るものは、最強へと通じる自らの道を知る。知力あるものである。』かつて主様が、私に語ってくださった道しるべ…、この『最硬にして最弱のガンマ』の道を、私は進みます!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
──ルーナ商会のこれまでの軌跡──
「これが、先日の貴族のパーティーで獲得した新規の顧客リストで──、これが紅茶の流通を通して関係のできた新規の物流業者リストで──」
「ガンマ、調子はどうですか?」
アレクサンドリアの執務室で仕事をするガンマのところに、顔を出すベータがいた。
「ベータ……今回は明確にゴールが見えている分、忙しいですが、やりがいはありますね。」
生き生きとしているガンマがいた。
「こちらが、頼まれていた『よみにち新聞』広告枠の見積書です。新聞会側も、今回の新店舗計画に、かなりの関心を寄せているようですよ。」
「ありがとうございます、ベータ。新店舗に専用の出版物コーナーを確保すると言われれば、態度も柔らかくなるというものでしょう。よい物や、よい情報があっても、それを売る場所が存在してこそ、なのですから。」
「売る場所といえば……、あの王都の建設予定地、よく抑えられましたね。」
その点についてはベータも驚いていた。
「あれは……王都の商会株をどこから買い付けようかと、最初期の段階から吟味した結果ですね。王都が発行している商会株がなければ、貴族向けの商売はできませんし、発行数には上限がある関係で、新規に商会を立ち上げることはできない状態でしたから。」
大変だったんですよ、とガンマは独り言ちた。
「そして、かつての『ルーナ商会』は、あの土地と、崩壊寸前の服飾事業しか残っていなかったんです。」
「確か、元々はやり手のおばあさんが商会を率いていたと聞いていますが……」
「ええ、大手の商会の中でも、一時期は『服飾関係はルーナ商会』とまで言われるほどだったそうです。」
そう得意そうに言ったあとで、一転悲しそうな口調になった。
「ですが、お孫さんが悪魔憑きを発症したことで──さらにお孫さんの身柄は聖教に確保されて、ルーナ商会の評判も地に落ちました。それでも、そこから10年以上持たせたのは、商売人としての意地だったのかもしれません。」
「私が商会を訪れたときには、ほぼ限界に近い状態でしたから。おばあさん……ルーナさんは突然現れた私の姿を見て何か思うところがあったようです。
「…例えば、目の前で扉でも引きちぎった姿に?」
「ちょっと、ベータ! ……まぁ。その通りかもしれないんですけども。」
あらあらまあまあ……
「初めての打ち合わせなのに、私、ルーナさんの前で盛大に扉を引きちぎってしまって……。それでも、扉を横に置いて、はっきり言ったんです『商会株をお譲りいただけませんでしょうか』と。」
ふむふむ……!
「そしたら、なんて言われたと思います?」
「……なんて言われたんです?」
「『まず、その冷や汗を拭きなさい』って!」
ふふっ……!
「それで、私、ハンカチを忘れてしまっていて、そしたら、ルーナさんが、汗を拭いてくれて、そして、私にこう言ったんです。『このハンカチを1週間で100枚売ってきな』と──」
「それで、どうやって売ったんです……?
そこで、ガンマは胸を張って言った。
「売りませんでした。」
えっ!?
「100枚売ったところで、それは普通の商売の域を出ませんし、それで立ちゆく商売であれば商会も傾いていないでしょうから。」
そう言って、肩をすくめてみせた。
「それに、出された課題としても、素直にクリアしてしまっては、それは経営者ではなく奉公人としての感覚だと思ったので──」
「ひとまず、100枚あったハンカチを、1000枚に増やしました。」
「えっ、逆に増やしたんですか!? それにはどういう意図が……?」
「商会は死に体でしたけど、商会と取引のあった職人たちは健在だったわけです。100枚用意して売っても、継続できる商売にはならない。だけど、1000枚用意して売れるならば商売になる。」
ガンマは再び得意そうに言った。
「ならば、私はこの千枚のハンカチを継続して売ります、そのために必要なことをやります、と言ったんです。」
それからベータを見てから続けた。
「それに、物を売るところではなく、物を作るところから確認するのは、ガーデンの秘密を守る上での方針でもありましたから。」
「それで、ルーナさんは……?」
「……商会株を譲る上で、私には条件が出されました。それは商会のこれまでの取引先や職人に対し商会株を継承するにあたって違約金を捻出すること。」
それが狙いではなかったようなのですが…と独り言ちた。
「とはいえ、本来なら商会株を売却してでも補填を行うべき状況だったので、服飾を含んだ事業を承継する上では当然の条件ですね。まあ、そこからは駆けずり回って金策の毎日です。イータの無駄遣いが最強の敵でしたね。」
一瞬に脱力してしまったかのように見えた。
「あ、あはは……! すごくわかります……!」
ベータも大笑いだ。
「それでも、なんとか違約金を用意できて──ですが、その支払いは行われませんでした。」
感慨深げにガンマは言った。
「もし私が、違約金を耳を揃えて用意できる器なら、新たに生まれ変わる『ルーナ商会』に協力するよう、ルーナさんが取引先や職人たちに、話をつけていたんです。」
そう言うガンマはちょっと悔しそうにもみえた。
「協力するということは、取引は継続するわけで、違約金も支払うことは無い、という流れになったんですね。」
「ええ、それだけじゃなく商会株も、商会の土地も、結果としてはタダで譲ってもらったんです。その条件は、私がルーナさんに代わって、ルーナ商会の長である『ルーナ』を名乗ること。」
だたそれだけだったんですよ。と呟いた。
「これも、お孫さんが成長して、商売をやるようになったら、まずはそのようにしてお孫さんに事業基盤を継がせた上で、いずれは商会名も変えさせる、という夢があったそうなので……。」
少し寂しげに言った。
「…こうして、ミドガル王都の『ルーナ商会』は新生し、私も『ルーナ』と名乗るようになったわけです──」
「う~ん、これは誕生秘話ですね! それに……私たちには身近な話でもあります。」
「身近…というと?」
「まるで、シャドウ様が私たちを救ってくださったように──、ガンマもおばあさんとその取引先を救ったわけですから。」
ガンマはちょっと嬉し恥ずかしそうに言った。
「そうなのだとすれば、それもまた、主様のおかげ、ということになりますね……」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
──秘められた『ルーナ』の真実──
「建設予定地の整備、まとまり始めているわね……」
そして、後ろに振り返り、ゼータに言った。
「それじゃあ、ルーナ商会の裏取りした報告をお願い。」
「…おばあさんの方の『ルーナ』だけど、以前からの身辺調査、完全に完了したよ。純然たる『白』。ディアボロス教団とは何のつながりもない。…だけど、ちょっとした秘密も判明した。」
「秘密……?」
そんなものがあるとは、ガンマには、想像できなかった。
「あぁ、商会のボスとしてのルーナは、身内に悪魔憑きが出た事実をお金の力でもみ消さなかったんだけど──、それを理由に、他の商会に攻撃されて追い落される過程で、ルーナ本人に、娘夫婦含めて、もう亡くなっていたんだ。」
「えっ!? つまり……あのおばあさんは、本当のルーナ本人から、ルーナという名前を受け継いだ、ただの赤の他人ということですか?」
「その通り。商会株を生前のルーナから継承した、商会預かりの、いち従業員だったんだ。」
ゼータは肩をすくめると続けた。
「血のつながりも、個人的な利害関係も何もないのに、あのおばあさんは10年もの間、替え玉のルーナとして『ルーナ商会』を維持していたんだよ。」
さすがのガンマもビックリしたようだ。
「発行された商会株さえ本物であれば、誰が商売の矢面に立っていても問題ないとはいえ……! おばあさんが、見ず知らずの私に対して、商会株を譲ろう、という発想にもなるわけだわ。」
「どうして生前のルーナが、悪魔憑きの存在をもみ消そうとしなかったのかも、真相は陰の中。記録は残されていないし、…死人に口はないからね。」
しばらく考え込んだガンマはゼータに告げた。
「…それについては、自分の孫の存在を『いなかった者』になんてしたくなかった──おばあさんの方の、新しいルーナも、その考えを理解していたから、商会を継いだのかもしれない、…できればこういう風に考えたいところね。」
希望的推測だね、とゼータはこぼしたあと聞いた。
「それで、この件についてはどうする? おばあさんに改めて確認する?」
「…いえ、それには及ばないわ。もうすぐ、ルーナ商会の名前も一新して、新しい商売の形を走らせ始める予定だし──」
そこで、ガンマは少し複雑そうな顔をした。
「それに、おばあさんの方のルーナが、おそらくだけど……もう長くはない状態なのよ。おばあさんが秘密を墓まで持っていきたいのなら、私はその気持ちを尊重して、あの人に対しては、最後まで本物のルーナに対するように接したいと思います。」
ゼータは途中から組んでいた腕を外してそう言った。
「…ガンマって、案外繊細なんだ。」
「そうかしら? 私自身としては、ある意味、大胆だと思うけど…」
少し考えてから続けた。
「…偽物の名をさらに引き継いだ偽物として、本物の商売をやろうとしているわけだから。顧客の秘密を守ることと、みだりにその秘密を暴こうとしないこと──。商売人としての基本を全うさせてもらうわ。」
「了解、アルファ様にもそう報告しとく。それじゃあ、また。」
そう言ってゼータは去っていった。その後、ガンマも一人考えていた。
「…悪魔憑きとして世界から否定されてもなお、この世界に関わって生きることを選ぶ。けれども剣を手にして闘うことは望まない…。…シャドウガーデンにおける私の仕事は、そんな人たちが再起するための受け皿でもあるわけで…」
「…それに、現在修行に傾倒してきている主様のアライメントを『中立・善』に保つためにも、元悪魔憑きで解呪されても闘えない娘・幼い女の子たちへのケアを、主様が納得できる理由を作って頼む必要がある──そのためならば救済制度や奨学金制度だって作って見せましょう。」
「でも。そう思うと、私たちガーデンがルーナ商会を手にしたのは偶然ではなかったのかもしれないわね…」
そして、店舗予定地を見る。
「『陰の叡智』曰く『店は立地が9割!』そしてここは、庶民も富裕層を抑えられる王都の中心地──」
これまでの成果を指折り数え始めた。
「パーティーやサロンで関係を作った様々な貴族の顧客、被服と紅茶の取り扱いで熟知した地方と王都を結ぶ流通網、露天『まぐろなるど』で把握した庶民から中流層の感覚──」
それに納得したようで、次の構想を語り始めた。
「それを、ルーナ商会が、これまでに培ってきた強み、それを最高の形で活かすには、ルーナ商会から受け継いだ被服売り場・アレクサンドリアでしか取れない良質な紅茶を含む食品売り場、そして『まぐろなるど』常設1号店を含む、複合型の商業施設としての展開が望ましい……!」
つまり、『陰の叡智』曰く『総合デパート』を作りだす必要がある。
「ルーナ商会は、これらの要素を統合、統括する、ミドガル王国のみならず、他国においても類を見ない商業施設の経営母体として生まれ変わる!……『ミツゴシ商会』へと!」
そこには、商売人としても頑張る決意を込めたガンマがいた。
「よし! ここからが本番! これからも頑張るわよーー。」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
─デルタとお風呂に入る時には気を付けないといけないことがある。
それは、犬耳と尻尾の存在だ。髪を洗う時と流す時には注意をしないといけない。
髪を流すよ〜、耳を伏せて〜。はいなのです! 少し伸びてきたね~、ボス・レディーと同じくらいなのです、もっと伸ばすのです。耳の後ろ触るよ、強く触るのダメなのです。はいはい、どうですか? 気持ちいいです!
そして、尻尾用ブラシを取り出す。デルタの尻尾は毛の量が多く長いので専用のブラシを使う。
女の子座りをしてもらって後ろに回り、尻尾用のシャンプーをかけて泡だてていく。その後丁寧にブラッシングしながら洗っていく。ご機嫌なのか尻尾の先がふりふりしている。
今日の狩りも楽しかったのです。あのイノシシの魔獣大きかったもんね。ハイなのです、それに、しぶとかったのです! 明日の夕飯はもみじ鍋にしてもらおうか? モミジナベ?美味しいですか?
わいわい、がやがや
お風呂から上がって尻尾と毛を
「それにしても、魔力は前からできてたけど、“氣”の方もある程度練れるようになってきたわね。」
「やっと感覚がわかってきたのです。魔力とは違っていたのです。」
「…そこからだったのね… まあデルタの場合、そうかも知れないわね。『陰の叡智』にも
「それはとても良い言葉なのです! 感じるままに氣を練って、今度こそガンマに爪を立てるのです!」
「あ、あはははっ……。ま、まあホドホドにね。」
「ハイなのです!」
デルタの当番の日は、昼に狩りに行くことから始まる。まぁデルタの息抜きにもなって良いそうだ。目的地の近くの隠し拠点までシャドウ・ゲートで移動したあと、全力ダッシュで目的地の人跡未踏の地に向かう。そこで強い魔獣を倒して素材を──時々イータの依頼の素材を──手に入れてくる。それから一緒にお風呂に入って帰り血やホコリを落とすのだ。なので、汚れ落としに擦り傷のチェックとか、デルタとのお風呂はある意味気を使うのだ。
「よし! これでピカピカのふわふわになったよ。」
「ボス・レディーの髪もつやつやになったのです。」
今度どこに狩りに行くか考えるのです! そうだね~、今日北に行ったから次は南の方に行きたいです! 南かぁ、なにか珍しい島あったかなぁ…
デルタと一緒のベットで、一緒の布団に包まって、次の狩りを計画しながら寝る。いつも通りのデルタとの夜だった。
こしこし、ボス・レディーに
ちょっと、く、くすぐったいよ、デルタ…
ダメです!もう少しするのです!
アルファ様に言われた通りにたくさんするのです!
七陰列伝第13話です。早めに仕上がったので投稿します。
高評価を入れてくださりありがとうございます。なんと赤色です、うれしいですね。
さて、今回も基本はカゲマス準拠です。
本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わりました。
シドと七陰の距離感がまったく違います。
というか、シドは普段から七陰と一緒にいますし。ただ、最近、修行に傾倒気味で…
七陰も頑張っています。
なお、残念ながら私には暴走するデルタは想像できませんでした。
そろそろ設定も固まってきたので、本編もボチボチ投稿したいですね。
その前にもう少し七陰列伝を投稿する予定です。
なお、テンプラーの取り扱いはどうするかまだ迷っています。
正直、七陰列伝第2章の話の展開がどうなるのか、本作品を書いていて怖いです。
この設定が気に入ってくれると嬉しいのですが。
色々と捏造した設定がありますので、読む際は注意願います