陰の実力者…?   作:ponpon3

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 陰の実力者になりたくて! 本編の第01話です。

 ここまで、序章6話、七陰列伝16話、閑話3話、計25話も…

 今後も七陰列伝は順次投稿していく予定ですが、本編の開幕です。


 本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わりました。

 シドと七陰の距離感がまったく違います。普段から七陰と一緒にいますし。

 そして、実年齢バレとレミーの陰謀で、色々と七陰に教育されています。ええ、教育です!

 気に入らない方は、そっ閉じ願います。


 ──これはそんな「if」の物語──


陰の実力者…?
陰の実力者…? 第01話「クレア誘拐事件」上


 

 かれこれあって、シャドウガーデン設立から8年ぐらい経った。

 

 アルファたち七陰がシャドウガーデンをディアボロス教団に対抗して活動範囲を世界に拡げてから4年、もはやガーデンは構成員(メンバーズとナンバーズ)は600人を、準構成員(サブ・メンバーズ)を含めると700人を超えていた。

 

 教団相手に悪魔憑きの救出・奪還を本格的に始めてからは5年ほどだから、脅威の年百人以上の増加率である。どれだけ教団が無体していたことか……。

 

 私とイータで、某龍玉にあったレーダーを参考に開発した、悪魔憑き感知レーダーが大活躍したのだろう。悪魔憑き発症時の魔力暴走中の魔力波形・波長を捉えることで実現できた。目標としている発症前か発症初期段階での感知は、まだほとんどできていない。その段階では魔力の波長や波形の特徴が小さいからね。

 

 私は13歳(前世の記憶――記録――を入れると30歳!)に、アルファは18歳に、そしてお姉ちゃんのクレアが15歳になった。

 

 13歳という年齢に特に意味はないけど、15歳という年齢にはそれなりに意味がある。

 

 

 

 貴族は15歳になると3年間王都の学校に通うことになるのだ。

 

 お姉ちゃんはカゲノー男爵家期待の後継者でホープ、つまり、母さんとか張り切って送別会とかやって、さすが期待のホープって感じだった。

 

 それはいい、それはいいんだけど、いざ王都に出立するその日になって、お姉ちゃんとシド(レミー)が揃って誘拐された。

 

 で、現在カゲノー男爵家は大騒ぎ、ってわけだ。

 

 

 

 私は、アレクサンドリアで、シャドウとして先々週に王都で奪還・救出した、とても実験された内容が酷い悪魔憑きの治癒と解呪に1週間強掛かりっきりだったので、身代わりをしていた私の分身であるレミーが、クレアお姉ちゃんと一緒に寝ていて一緒に誘拐された、というのがことの真相のようだ。

 

 

 レミーとの同調(シンクロ)により誘拐先は判明しており、魔封の拘束具を着けられて、カゲノー家とオリアナ王国の間にある教団の隠しアジトの牢屋に監禁されている、とのことだ。

 

 よく隠しアジトが残っていたな、と思っていたら、どうも、ここ十年近くは使われていなかったからガーデンに露見しなかったようだ。

 

 ─なお、同調は量子間通信のようなものだから距離も魔封の道具も関係無しにできる。スライム通信──同じ親から株分け・分裂したメタルスライムのコア間の共振通信──も同様にできるので、シャドウガーデンに抜かりはない─

 

 現在、ゼータ君にお願いしてアジト内部の潜入調査をお願いしているところだ。

 

 

 

 ゼータは2年目に私が直接悪魔憑きを解呪して助けた金豹族の唯一の生き残りで、諜報・潜入のスペシャリストだ。

 

 教団の陰謀で一族を滅亡させられたため、ディアボロス教団絶対殺すウーマンになっている、まぁ構成員(メンバーズとナンバーズ)は大概そうなんだけどさ。

 

 557番(ウィクトーリア)と仲が良くてメンバーにシャドウの説法したり布教活動しているときがあるんだよね。恥ずかしいけど、ゼータが生き生きとやっているので止めるわけにもいかず……

 

 

 

 カゲノー家については、ベータに様子見してもらっている。

 

 今のところオトンとオカンがドツキ漫才のようなことをしているようだ、結構余裕ある??

 

 ベータは最初にアルファが連れてきたエルフの元悪魔憑きの少女だ。

 

 アルファは金髪だったけど、ベータは銀髪だ。猫みたいな濃い青い瞳に泣きぼくろの彼女は、私とアルファ、レミーに続く4人目のシャドウガーデンメンバーだ。

 

 シャドウ戦記って私を主人公とした物語も書いているんだ、恥ずかしいけどね。

 

 

 

 ガーデン最初の1年間、シャドウガーデンのメンバーは私とアルファとレミーの3人だった。アルファを内家戴天流の最初の弟子として、体内の氣が生み出すエネルギー内勁の修行を魔力制御と平行して行なった。

 

 そして私の変身とレミーの分身のことがアルファにバレた。というか、私のウッカリでバレた。まさかアルファも私が実年齢5歳(レミーと同じ)とは信じられなかったみたいだ。あの時は何か修羅場*1っぽくて、必死に全部話して信じてもらったんだよね。

 

 その後は、昼間はアルファ(10歳)はレミー(5歳)と鍛錬か狩り(魔物&動物等)、夜にはシド(外見年齢17歳)と修行か勉強会をしていた。この時に魔力と氣による肉体改造方法まで教えようとしたが、残念ながらできなかった。──後にイータの研究によりできない原因は判明するのだが、無理に覚えさせなくて良かったよ。

 

 1年半後には、シャドウガーデンの構成員は増えて9人になり、最初期のメンバーである7人が揃い、全員に無理やり氣──内家戴天流剣術と拳術の修行と、『彼の叡智』──ガーデン内には『陰の叡智』と称することにした──を教育したりしていた。。

 

 その最初の7人──七陰までは、私が直接指導して氣の習得を無理やりさせてきた。とはいえ、内家拳を7人中7人とも修めることができたって、前世の師匠曰くわけがわからないことになった。無理させてごめんよデルタ。その後は、師範代理で古参のラムダに最初の氣の適性と初歩の初歩の指導まで任せている状況だ。本来内家拳は修得が難しいからね。

 

 まあ妹たち*2の中でも闘いたい娘には、私が初歩の初歩の初歩から教えてあげているんだ。一部、魔術回路の修復も必要な娘もいるからね。

 

 満を持して4年目からディアボロス教団の調査を開始した。それから悪魔憑きを奪還・救出・解呪・保護も。あっという間に構成員(メンバーズ)が増えて、8〜24番の『記号持ち』(ナンバーズ)と、25〜99番の上位メンバーズ、番外(エクストラ)という枠組みができた。後に闘うことのできない娘のために準構成員(サブ・メンバーズ)も追加されたけどね。

 

 さらに5年目、七陰はディアボロス教団に立ち向かう力を蓄えるため、シャドウガーデンを世界規模の組織にすることを決めた。そして、新拠点『古都アレクサンドリア』を得た

 

 そうして設立から8年、3人で始まったガーデンは、今では構成員が600人を超えていた。。

 

 今では、メンバーズが分隊(4~6人)を構成し、上位メンバーズを分隊長・小隊長(3~5分隊)とした部隊編制が行われている。中隊長(3~5小隊)以上は大体『記号持ち』(ナンバーズ)となっている。

 

 適正に応じて『強襲』《アサルト》『情報』《インテリジェンス》『諜報』《シークレット》『清掃・救出』《クリーナー/レスキュー》『科学・医療』《サイエンス/メディック》から一つ以上を取得することになっている。もちろん戴天流剣術は必須技能となっている。あと、準構成員(サブ・メンバーズ)と一緒に、アレクサンドリアでの農業やミツゴシ商会やまぐろなるど、展開中のコーヒー専門店へも所属してもらっている。

 

 

 

 さて、現状に話を戻そう。今回ディアボロス教団は準幹部クラスが来ている……らしい。クスリが効かないレミーがこっそりと見聞きしたところでは、オルバという元近衛部隊の騎士らしい。情報部の情報で詳細を確認中だが、2年前のブシン祭本戦に出場した騎士のなかにその名前があった、とのことまでわかっている。

 

 狙いは、クレアお姉ちゃんで、シドはオマケだったらしいこともレミーからの連絡でわかっている。アレクサンドリアの作戦指揮所にどんどん情報が集まっていく。

 

 しかし、なぜカゲノー家を狙ったのか、クレアお姉ちゃんを狙ったのか……。これまで教団の情報にカゲノー家が特異的に出たことはなかった。今日にも王都に旅立つというのに、わざわざ夜陰に応じて強奪していく理由が検討もつかない。

 

 教団死すべし、慈悲は無い!とはいえ、何かおかしい。レミーと潜入した諜報部隊とゼータ君からの情報に期待したいところだ。

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「教団関係者は20人、15人は3rdチルドレンで、それ以外も様子を見るに下っぱの構成員らしい。一応フェンリル派。幹部はオルバ一人かな。諜報部隊を1個小隊見張りに置いてきてるよ。山一つ越えたところに仮設本部のテントを用意しているよ。」

 

「潜入ありがとう、ゼータ君。」

 

「ここ10年は使われて無いただの拠点で、一応は古代遺跡ではあったけど、見る程のことは無いかな。」

 

「情報部隊からの報告ですが、たいしてありません。元近衛騎士所属で、前回のブシン祭本戦出場するも1回戦でアイリス王女に負けてます。」

 

「半年ほど前に近衛を辞職しています。おそらくフェンリル派に下ったようです、監視記録から目撃報告がありました。後、家族構成ですが、妻を早くに亡くし、一人娘がいたようですが、同時期に消息不明となっています。」

 

 おそらく、教団に人質にでも取られたのかと…

 

「諜報部隊から追加すると、フェンリル派を再調査したけど、教団の情報に特別カゲノー家の情報は上がっていなかった。極秘任務だとしたら、オルバの単独任務だね、オルバ側も教団も連携してないんだ。」

 

「なぜ教団がピンポイントにカゲノー家を選んだのかは不明、ということね。」

 

 アルファも悩んでいるのはそこだ。

 

「何にせよ、今なら存在を抹消することで、教団に対して隠蔽できるよ。オルバに出された命令は、詳しくはオルバ本人から聞きだすしかないね。後は誘拐犯をどうするか、だね。」

 

「懸念事項として、オルバ個人をを監視している者がいる場合、──そこそこな手練れになると思う。」

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 薄暗い地下道を1人の男が歩いていた。

 

 歳は30代半ばをすぎた頃だろう。 鍛えられた体躯に鋭い眼差。灰色の髪をオールバックに纏めている。 しかし良く見ると、その目の下には隅があり瞳には焦りがみられた。

 

 彼の足は地下道の突き当たりで止まった。扉が1つ、その脇に2人の兵士がいる。

 

「カゲノー男爵家の娘たちはここか?」

 

「この中ですオルバ様。」

 

 問いかけられた兵士はオルバに敬礼した。

 

「そろそろ目覚める頃です。」

 

 下卑た顔でオルバに告げてくる。

 

「尋問は私一人で行う。お前たちは周辺の警戒をしておけ。」

 

 すると残念そうな顔になった。

 

「お一人で大丈夫ですか?」

 

「ふん、私を誰だと思っている!」

 

 そう押しきって、牢屋の鍵を引ったくると鉄格子の扉を開けて中にはいった。

 

 そこは石造りの地下牢だった。中には揃いの寝衣を着た姉妹が繋がれていた。本来一人分だった、魔封じのアーティファクトをそれぞれの両手に付けられて、壁に固定された鎖に張り付けられていた。

 

「クレア・カゲノーだな?」

 

 オルバの呼びかけに、クレアと呼ばれた年上の方の少女は顔を上げた。

 

 美しい少女だった。寝ているところを連れ去られたからか、薄い寝衣姿で、豊かな胸の膨らみが見てとれる。絹のような黒髪は腰まで伸びており、気の強そうではあるが穏和(・・)な目がオルバを見上げていた。

 

「あら、誘拐犯さん、あなたの顔、王都で見たことがあるわ。確か…オルバ子爵だったかしら?」

 

「ほう、以前近衛にいたが……。いやブシン祭の大会でか?」

 

「ブシン祭ね。確か前回の大会の本戦でアイリス王女に斬られていたような…」

 

 ふん、とオルバは鼻で笑った。

 

「…試合という枠内ならば、あれは別格だ。もっとも実戦で負けるつもりはないがね。」

 

「そう、実戦では違う、と。決勝大会の一回戦で負けてしまったオルバ子爵?」

 

「ほざけ。決勝の舞台に立つことがどれほどの偉業か分からぬ小娘ごときが!」

 

 オルバはクレアを睨みつけた。

 

「私なら後数年で立てるわ。」

 

「残念だが貴様に後1年もない!」

 

 クレアを繋ぐ鎖が甲高い音を鳴らしたが、その役目を果たした。

 

 壁に繋がれた鎖がクレアの手を阻んだのだ。

 

 が、オルバが僅かに下がらなければ、危うく手が届くところだった。

 

「1年後生きていないのは果たしてあなたか私か。試してみる?」

 

「試すまでもなく貴様だ、クレア・カゲノー。」

 

 獰猛に笑うクレアの頭を、オルバの拳が打ち抜いた。

 

 その瞬間、隣に繋がれていた妹が眼を開け、殺気を飛ばしてきた。

 

 クレアはそのまま石壁に叩きつけられ…ること無く、僅かに下がって耐えた後、背中を壁につけることもなく立って、変わらぬ強い瞳でオルバを見据えていた。

 

 オルバは手応えのない拳を下ろした。

 

「後ろに跳んだか。」

 

 クレアは不敵に微笑んだ。

 

「いいえ、関節を利用した衝撃の吸収よ。ちょっとした手品かしら、うふふん。」

 

「ふん、高い魔力に振り回されるだけではないらしいな。」

 

「魔力は量ではなく、使い方特に制御方法だと教わったわ。」

 

「いい父を持ったな。」

 

「あのハゲに教わったことは少ないわ。…妹に教わったの。」

 

「妹……?」

 

 隣に繋がれながらも殺気を飛ばしてくる妹に眼をやる。こちらも美しい少女だった。姉とお揃いの薄い寝衣姿で…胸部の起伏(・・)は似なかったようだ。絹のような黒髪は肩先で切られており、姉と同じ紅の瞳がオルバを睨んでいた。

 

「うふふん、かわいいかわいい妹よ。私よりも魔力量と制御能力があるの。だから毎日虐めて鳴かせているの。」

 

 クレアはいたずらっぽくも艶やかな笑みでそう言った。

 

「ち、ちょっとお姉ちゃん、その言い方は…」

 

「可哀相な妹だ。ならば私は酷い姉から彼女らを救った英雄というわけだな。さて、無駄話はこのぐらいにして…」

 

 オルバは言葉を切ってクレアを見据えた。

 

「さて、クレア・カゲノー。最近身体の不調はないか? 魔力が扱い辛い、制御が不安定、魔力を扱うと痛みが走る、身体が黒ずみ腐りはじめる、そういった症状は?」

 

「わざわざ私を連れ去って、やることは医者のまねごと?」

 

 クレアは艶やかな唇の端で笑った。

 

「私にもかつては娘がいた。これ以上手荒な真似はしたくない。素直に答えてくれることがお互いにとって最善だろう。」

 

「それって脅し? 私は脅されると反抗したくなる性質なの。たとえそれが非合理的であったとしても。」

 

「素直に答える気はないと?」

 

「さて、どうしようかしら?」

 

 オルバとクレアはしばらく睨み合った。

 

 

 静寂を先に破ったのはクレアだった。

 

 

「まあいいわ、大したことじゃないし答えましょう。身体と魔力の不調だったかしら? そんなものはないわよ、魔力封じのアーティファクトに繋がれてさえいなければ、ね。」

 

「…今まで一度も?」

 

 聞く声に若干の震えがあった。

 

「ええ、今まで一度も。」

 

 

くそっ、全てが嘘偽りか、あの金髪の小僧が!!」

 

 急に激昂するオルバに呆気にとられるクレアとシドがいた。

 

 

…これも教団のやり口か! くそっ、くそっ、くそっ、くそーーーっ! …ミリア…

 

 

 地団駄を踏むオルバはどこか憐れに見えた。そして、小声で呟かれた名前を聞き取ることはできなかった。

 

 オルバの頭の中は、金髪の似非偽善者を(むご)たらしく殺す方法で一杯になった。

 

「どうした、同士オルバ!」

 

 そう言いながら廊下から兵士が近づいてくる。

 

 その言葉に一瞬でキレたオルバは、抜き打ち様に二人を切り殺した。

 

 

『同士』などと私を呼ぶな!

 

 

 そう叫んで、倒れてきた首なし死体を蹴り飛ばした。

 

「…いきなり仲間割れをされても困るのだけど…」

 

 

もはや仲間でもなんでも無いわっ!

 

 

 そこで一旦落ち着いたのか…

 

「…お前たちから見たら同じにしか見えんか…」

 

 そう言うと懐から鍵束を取り出すとクレアの足元に放り投げた。

 

「すまなかったな。後は好きにしろ。…私にはやることができた。」

 

 その眼は憎悪に燃えていた。

 

 そこに、駆け足で迫ってくる音がした。そこそこの人数のように聞こえた。

 

 先頭の魔剣士がこちらを眼にするなり、剣を抜きながら叫んだ。

 

 

裏切ったな! オルバ子爵!!

 

 

「そうか…これも計算の内か…」

 

 最初は凪いでいた、しかし…

 

 

「まあいい。直接聞けば分かることだ!!

 

 

 再び激昂すると仲間に切りかかった。

 

 

 オルバにとって有利なことに、牢の入り口から直ぐのところで始まったため、最初の数人を倒した後入ってくる相手を順番に相手をすれば良かった。

 

 しかし、無理やり通った一人がオルバの横を通り過ぎて、オルバに向かわず、こっちに向かって来た。

 

 そして、急展開に巻き込まれたシド──レミーは、情報をシドや七陰から同調で知らされていたのに咄嗟に動けなかった。

 

 

「もう、ダメよシド、こんな時に停まってちゃ…」

 

 

 そう言って、最初に殺された兵士から剣を奪って、敵の剣を払うクレアがいた。

 

「こいつ、手の肉削いで、指も外したかっ……!?」

 

 クレアを拘束していた鎖はただの鎖ではない、魔封の鎖だ。つまりクレアは純粋な筋力だけで、己の手の肉を削ぎ落とし、骨を砕き拘束を外したのだ。

 

 その事実に敵は驚愕した。そしてレミーも……

 

 

「あ゛、あ゛、あ゛、お、お姉ちゃん、手が…」

 

 

「ほらほら、今のうちにさっさと外しなさい。できるでしょ?」

 

 敵の全力の切り下しがクレアに迫る。それを負傷した手で持つ剣で払う。しかし、その一撃で剣が手から零れ落ちた。もう敵の一撃を防ぐ術はない。

 

「はっ、小娘がっ! これで仕舞だ!!」

 

 敵は、一度剣を引き、再び剣を振り上げた。

 

 クレアの両手から流れ落ちる血が床に赤黒い染みを作っていた。

 

 

「さっさと動け、シド(レミー)。」

 

 

 敵は突然頭が弾けてその場に崩れ落ちた。

 

 

 シド──レミーは全力(氣と魔力)を込めて魔封の鎖(・・・・)を引き千切った。

 

 

 

 

 

*1
─七陰列伝 第06話参照─

*2
─解呪したけど闘えない娘や13歳未満の女の子─





 陰の実力者になりたくて! 本編の第01話です。

 ここまで、序章6話、七陰列伝16話、閑話3話、計25話も…

 一体何を目指したのだろうか…

 今後も七陰列伝は順次投稿していく予定ですが、設定も固まったので本編の開幕です。


 本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わりました。

 シドと七陰の距離感がまったく違います。普段から七陰と一緒にいますし。

 そして、実年齢バレとレミーの陰謀で、色々と七陰に教育されています。ええ、教育です!

 そして、今回は本編開始に当たって、以下のように解釈しました。
  ①オルバはアイリスに本戦1回線で負けている。
  ②アイリスは前回大会優勝者である。
  ③学園の入学は春である(入学後次の休みが夏休み)
  ④ブシン祭は夏開催される(入学後である)
  ⑤シド入学後本編のブシン祭有り⇒クレア入学後が前回大会。
  ⑥クレアが入学前にブシン祭のオルバを見て知っている。
 あれれ?①って、②の時だと③~⑤と⑥でおかしくなってしまいます。

 よって、本作品では、
  ①前々回大会:オルバアイリスに本戦1回戦負け、優勝者不明
  ②前回大会:アイリス二回目の出場で優勝
 としています。

 この設定が気に入ってくれると嬉しいのですが。

 色々と捏造した設定がありますので、読む際は注意願います。
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