陰の実力者…?   作:ponpon3

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 陰の実力者になりたくて! 本編の第09話です。

 聖地編です。

 本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わりました。アレクシアとの関係も…

 気に入らない方は、そっ閉じ願います。


 ──これはそんな「if」の物語──


陰の実力者…? 第09話「聖地・欺瞞の都…」上

 

 

 イプシロンの朝はそこそこ早い

 

 睡眠時間はたっぷりの6時間。

 

 実は、七陰には魔力による疲労回復と睡眠を同時に行う術をシド様より授けられているので、最低3時間程度の睡眠でも健康や美容に影響が出ることはない。もちろん、作戦行動中などは助かるのだが。

 

 そこで普段から6時間の睡眠を取ることで、とても充実した気分を味わっている。特にシド──主さまと一緒の時は至福の時間となる。

 

 自分とほぼ同じスラっとした体形で、身長もほとんど変わらない。そんな主さまの女を磨く先生になることは、イプシロンにとって大切な時間であった。

 

 修行や任務はもちろんのことだが、彼女にとっては主さまの先生でいる時間、一緒の時間というのは特別だった。

 

「う~ん、イプシロ~ン。おはよう~」

 

 寝ぼけている主さまと一緒に微睡(まどろ)むのもいいが、それでは先生足りえない。

 

「おはようございます、主さま。今日もいいお天気ですよ?」

 

 だから、イプシロンは同じベッドで眠る主さまを起こして、一緒に大きな鏡の前に立たせるのだ。

 

 

 今日も私たちは、美しい!!

 

 

 まだ少し照れているが、イプシロンと共に下着姿(トップレス)でボディチェックをすることにも慣れてきたようだ。

 

 このところ主さまに泥棒ネコができたこともあって、細かい傷や打ち身などないか、手爪や足爪が伸びてないか、そして… 背中に爪痕や各所にキスマークがないか… チェックをすることも重要だ。そして、主さまに自分の身体をチェックしてもらうことも。

 

 鏡の前でゆっくりと回りながら、鏡に映る姿と生身を目視して確認していく。ほぼ同じサイズだが、ちょっとだけ主さまの方が背が高い。

 

「うん、完璧です。主さま。…あとで爪を爪やすりで磨きましょうね。」

 

「…イプシロンも完璧よ。…イプシロンの爪は私が磨くわね。」

 

 ちょっと赤くなった主さまも魅力的だ。 

 

 

 

 主様と出会って、私は1つの大きなコンプレックスから解放された。

 

 主さまが体現していたのは、豊満では無くて、スラっとした究極の機能美だった。

 

 それまで、自らを敗北の運命にあると思って嘆いていた自分の眼を覚ますモノだった。

 

 

 

 主さまは私と同じ。必ず勝利してみせます、豊満(ボン・キュッ・ボン)に!

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 ベータは原稿に一心不乱にペンを走らせていた。

 

 ──シャドウ様戦記第1巻第2章──

 

 ブシン流師範の男:新月の夜空のように暗く吸い込まれるような髪を揺らし、その瞳は青紫の光沢を放つ。

 

 ブシン流師範の男:紡がれる言葉は、魔神すらひれ伏す滔々とした美しい漆黒の闇を纏いし人

 

 ブシン流師範の男:なるほど、鍛え抜かれた黄金比の肉体と、完成された美貌を持つ君が教団に噛み付く野良…

 

 ブシン流師範の男:って、シャドウ様を野良犬呼ばわりぃ!?

 

 シャドウ様:我が名は漆黒を纏いし者。陰に潜み、陰を狩り、そしてそこにいる麗しきエルフを救い導く者。

 

 麗しきエルフ:シャドウ様ぁ…!

 

 シャドウ様:待たせたな私の麗しきエルフの美少女よ、私が今すぐ君を……、今すぐ……、

 

 

「ダメね! これじゃ少しだけ(・・・・)脚色が過ぎるわ。」

 

 ペンを放り出し、そのまま机に突っ伏してしまった。そして…

 

「だからってあんな安っぽい女(アレクシア)をヒロインにできるかぁーーーーーー!!」

 

 と大声だ叫んだ。

 

 その声が静まった後の部屋に、ため息が漏れた。

 

「…少し外の空気に当たろうかしら。……着替えどこだっけ…」

 

 ──ベータはプライベートの片づけができない女であった。

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 真の寝室を出たベータと、イプシロンとシドは、食堂棟に行く途中の中庭ですれ違った。

 

「「おはよう、ベータ。」」

 

「おはようございます、シャドウ様。…イプシロンも。」

 

 彼女たちは表面上、和やかに挨拶を交わす。

 

 そんな何気ない朝の挨拶。しかし、互いの視線は相手の顔を一切見ていなかった。

 

 イプシロンの視線の先は…豊満な胸。ロケットのように突き出した相手の胸を、まるで親の仇でも見るかのように凝視していた。

 

 それは女のスタイルに対する負けられない闘い。

 

 

 なお、ベータは、もちろんシャドウ様しか目にしていなかった。

 

 

「ぅふふふっ。」

 

 とシドと繋いだ手(左手)をこれ見よがしに振って見せる。シドはちょっと頬を染めてそっぽを向いた。

 

「くっ…」

 

 昨日のシャドウ様当番はイプシロンだった。

 

 朝食を取るまでは当番の人に口を挟まない、そう決めたのは七陰だった。そこに至るまで紆余曲折あったが。

 

 

 

 この女のスタイルを賭けた闘いは、七陰がシャドウ様の外見年齢を決めるときから始まった。

 

 

 スラっと(究極の機能美) vs 豊満(ボン・キュッ・ボン)

 

 

 イプシロンとベータの断絶は広かった。

 

 今では互いに胸の内にどす黒いものを抱えているのだ。 …胸だけに

 

「ぅふふふ。主さまの服、今日はいつもよりガーリッシュでしょう?」

 

 そう尋ねてくるイプシロン。

 

「実は、いま主さまの着ている服って、私の服なのよ。そして私は主さまの服を代わりに着ているの。」

 

「そんなはずありません! 何かの間違いです!!」

 

「間違いではないわベータ、だってわかるでしょ。私たちは同じスラっとした体形なんだから。」

 

 『陰の叡智』による食生活の改善と十分な睡眠は、思春期のイプシロンの身長を改善してくれた。結果、身長的にはベータと同じくらいなのだが、スラっとしたイプシロンの方が背が高く見える。

 

「それは…そうですが…」

 

「でしょ、主さまがベータの服をきたら……、とってもだらしない格好になってしまうわ。」

 

 

 いやいや、お揃いの服を作ればそれぞれ着れるからね。でも同じ服を着回すのは無理でしょう? さすがに私のサイズをベータが着るのは無理だけど…

 

 わいわい、がやがや。

 

「お三方とも、何をしているのですか?」

 

「あら、ニューおはよう。」「どうかしたかしら?」「おはよ〜、ニュー。」

 

「ふぅーっ、アルファ様から指令が届きました」

 

 シドには、二人の顔が引き締まっていくのがわかった。

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 久しぶりの姉妹揃っての休日、二人は王都で評判の店を訪れていた。

 

「アイリス様とアレクシア様ですね。ようこそお越しくださいました。」

 

 ニューは頭を下げて二人お出迎えた。

 

「ずいぶん盛況なのねえ。」

 

「そうですよ、お姉様、王都で話題になっていますから、何でも揃っていてどれも質がいいと。」

 

 二人は混雑した店内を抜けて、VIP専用の特別室へ案内された。案内してくれたダークブラウンの髪の店員によれば、ここはセレブ専用の売り場だという。

 

「あなたの旅支度に付き合うつもりで来たのですが……、なるほど、これは興味深い。」

 

「でしょう? 姉様も王都の流行りくらいは知っておかないと。」

 

「…流行は結構ですけど、くれぐれも先走らないように。あなたはあくまで『女神の試練』の来賓として聖地に赴くのですから。」

 

「わかっています。でも来賓が大司教と懇談するのは普通のことでしょう? それを足がかりに、汚職や孤児の失踪といった黒い噂について調べたところで、無力な王女のすることなど誰も気に留めません。」

 

「私より警戒されにくいのは事実ですが…… やっぱりあなたに監査の話をするんじゃなかったかしら……」

 

「失礼いたします。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」

 

 藍色の髪で背の高い、非常に美しいエルフが二人の前に現れた。

 

「私、当商会の会長をしております、ルーナと申します。」

 

 上品にお辞儀をしてくる。

 

「ご歓談中失礼いたしました。」

 

「なんでも揃っているという評判通りに、いいものがたくさんあって困ってしまうわ。」

 

「それでは、ここで一息入れてもらってもよろしいでしょうか…」

 

 ガンマは手を顔の高さに上げると、軽く2回叩いた。

 

「…当商会の新作のチョコレートを用意いたしました。こちらの新作のカフェラテもお付けしますので、よろしかったら合わせてお召し上がりください。」

 

 そういって、エルフの店員が綺麗に装飾された白く輝く磁器にポツンと一つ盛られた一口サイズの茶色く丸い塊を、アイリスとアレクシアの前のテーブルに配膳していく。

 

「こちらはまだ発売したばかりの『トリュフ』という商品でございます。どうぞ召し上がってください。」

 

「ではお言葉に甘えて。」「一つだけもらいます。」

 

 アレクシアとアイリスは、刺さっている楊枝を摘まむと、ぱくりと口に放り込んだ。

 

「…んっ、美味しい!柑橘系もいけるわね。」

 

 とアレクシアの好みに合ったようだ。

 

「うん、カフェラテも香り高いのにまろやかで飲みやすい。これならシドも砂糖無しで飲めそうね… 

 

「…不思議な味ですね。でも、カフェラテはコーヒーほど苦くないので飲めそうです。」

 

 アイリスには、トリュフはすこし微妙だったようだ。

 

「これ買うわ。寮の方に送ってちょうだい。」

 

「まぁ。いつもご贔屓に、ありがとうございます。」

 

「他にも、新作があったら見繕っておいて。」

 

「かしこまりました。」

 

「あと、カフェラテも…」

 

「カフェラテにはエスプレッソマシーンとスチーマーが必要なんです。近々学園のカフェでご提供させてさいただきますので、そちらをご利用ください。」

 

「アレクシア、私たちは旅支度に来たのですよ。」

 

 アイリスがアレクシアを責めるように言う。

 

「…わかっています。」

 

「あの…ご旅行でございますか?」

 

「ええ、聖地へね。」

 

 ガンマの眼が少し鋭くなった。

 

「なるほど、それはそれは……。では、必要そうなものを見繕わせます。」

 

「お願いね。」

 

 そこで、アレクシアは視線を明後日の方向に向け、ちょっと照れたような顔になってから付け加えていった。

 

「…あと、旅行とは関係無くはないんだけど、おすすめの服を2、3着見せてもらえないかしら?」

 

「パーティー用のドレスならもう何着か発注したでしょう?」

 

 怪訝な様子でアレクシアを窺うアイリスがいた。

 

「そういうのじゃなくて……、もうちょっとこう、普段使いというか、カジュアルな感じで。街を歩くときに良さそうな…」

 

 アレクシアの頬がすこし赤くなっていた。

 

「…お友達へのプレゼントですか?」

 

 アイリスにはわからなかったので聞いた。

 

「プレゼント……とは、違うような、私のためというよりは、まあ……彼女のためというか…

 

「くすくすくすっ、かしこまりました。では、こういったものではどうでしょうか?」

 

 ガンマは再び手を2回叩いてスタッフに指示をだして、商品をワゴンで運ばせる。

 

 そのワゴンの上には、これまでの店にはなかった、女性の下半身を模したマネキンに装着された、ミツゴシ自慢の下着──Tバック等がカラフルに、そして煽情的に陳列されていた。

 

「こ、ここ、こ、こ、これは……!」

 

 アイリスは顔を朱に染めて叫んで固まってしまった。

 

「女性用の下着で、Tバックという商品です。」

 

 ガンマは瀟洒な笑顔で答えた。。

 

「ティ、Tバック……。」

 

 アイリスは戦慄した。確かによく見るとマネキンに装着されたそれは、女性用の下着に見えなくもない、こともない、わけでもない、が……、それにしては布面積が小さすぎる。

 

 これではお尻がほとんど見えてしまうし、しかもところどころ透けている。これでは本当に最低限しか隠せない。確かにデザインはかわいいが目的が露骨すぎる。

(こ、こんな下着がこのように存在していいのだろうか…)

 

 なお、アレクシアはふらふらとTバックに近づいていって、手に取っていた。

 

「あ、あのぉ! 布面積が小さすぎますし、ところどころ透けているような……っ!」

 

 再起動したアイリスがルーナに詰め寄るが、ガンマは超然と答えてきた。

 

「男性の方や、女性にも人気で、とてもお喜びになるとか。」

 

 

「男性!? や、女性にも!? ……アレクシア!あなたまさか!!」

 

 

 真っ赤に沸騰したアイリスは、アレクシアに振り返りながら問い詰めようとした。たしかに前回の誘拐事件の前から、シドさんという女生徒と… こ、恋人関係になった、 とはアレクシアがら直接聞かされていた。

 

 しかし…

 

「姉様……。」

 

「へっ!?」

 

 アレクシアに機先を制されてしまった。

 

 

「私…、お尻の形にも自信があるのです!

 

 

(な、何を言っているのだこの妹はっ)

「そ、そういう問題ではありません! こ、こ、こ、こんなはしたない下着、王女が身につけるものではありません! あと、手を離しなさい!!

 

 

 下着を掴んだ手を離さずに、ふぅーと唸ったアレクシアは続ける。

 

 

「姉様。私、お尻の形にも…「それはもう聞きました!」

 

 

 息を切らして叫ぶアイリスがいた。

 

 

「ダメです許しません!」

 

 

 一瞬、二人の間を沈黙が満たした。

 

 そこに、空気を読まずにガンマが割って入っていった。

 

「あの…、よろしければ試着もできますよ?

 

 

「えっ!?」

(こいつ…余計なことをっ!)

 

 

「頼むわ。」

 

 

 掴んでいた下着をマネキンから引ん剝くアレクシアがいた。

 

 

「ええ!?」

 

 アレクシアに再度詰め寄るアイリス。

 

「ダメです!あなたそのままうやむやのうちに買っちゃうつもりでしょ!?」

 

 アレクシアは、ちっ、とかわいく舌打ちをする。

 

 そこにガンマがアシストを入れた。

 

「いいえ、アイリス様? 勘違いをしていらっしゃるようですが、Tバックは女性のための下着なんですよ。」

 

 

「いや、さっきと言ってること違うじゃないですかぁ!?

 

 

「くすくすくすっ、実はわたしも履いているのです! ご覧ください!」

 

 そういうと、ガンマは着ていた黒の薄手のロングドレスを腰と尻の部分を強調して見せた。

 ─決してスカートをたくし上げたのではない─

 

「このように、薄手のドレスでも下着のラインが浮かばず…「すごいですね、姉様も見てください。」」

 

 

「結構です!!」

 

 

 アイリスの勢いにも負けず、アレクシアは手にTバックを握りしめて試着室に向かう。

 

「試着室借りるわ!」

 

「ア、アレクシア!? 待ちなさい、アレクシア!?」

 

 慌ててアレクシアを追いかけて一緒に試着室に入って行った。

 

 ゴソゴソと服を脱ぐ音が聞こえてくる。

 

「あ、コラ! 靴は脱いで服はたたんで……」

 

 なんだかんだ言ってしっかりアレクシアの面倒を見るアイリスであった。

 

「いい手触りね、履き心地は…」

 

 

「アーーー!? アレクシア、それは、透けているのではないですか!??

 

 

「ギリ大丈夫です…」

 

 

だ、大丈夫ではないでしょう! そ、そ、それはどう見てもはみでっ、でっ、で……」

 

 

 アイリスは言葉にすることすら恥ずかしかった。

 

 

「とにかく…ダメ! ダメですよっ!認めません!!

 

 

 アイリスはもう息も絶え絶えだった。

 

 

「どうしてもですか?…「どうしても、です!」

 

 

「こ、こんなはしたない下着は、ミドガル王国の王女として認めません!!

 

 

「姉様……「絶ッッッッ対に認めません!!!」そうですか…、ですが姉様。」

 

 

 そういって、アレクシアはアイリスに詰め寄る。アイリスは下がって壁に背をぶつけてしまう。さらにアレクシアはアイリスの顔の横に右手をつき、顔を姉に近づけて瞳を覗き込んだ。

 

「…………!?」

 

「…姉様。私はもう聞く必要のない言葉には流されません。姉様は言ってくれましたよね、私の剣が好きだと。」

 

「アレク……シア…?」

 

「 私の剣は私というちっぽけな人間そのものです。だから私を認めてくれた人の言葉を大切にしたいんです。……姉様 とシドを 。」

 

 アイリスは感動に震えた。ようやく姉妹の心が通じ合ったのだ。

 

「ですが…それは…あぁっ……アレクシア……

 

 アレクシアはさらに顔を近づけて囁くように聞いた。

 

「姉様が、Tバッグを認めないというなら諦めましょう。私はとてもTバックで勝負したい… シドと

 

 まるでキスする直前のように顔を近づける。もうアイリスの瞳にはアレクシアの瞳しか見えていない。

 

「…いえ、とても個人的にTバックを履きたいけれど諦めましょう。だから答えてください姉様。」

 

 アレクシアは左手でTバックの縁に指を通し、引っ張ってパンと鳴らした。

 

「Tバッグは、絶対に認められないものなのですか? 姉様…」

 

 アイリスは顔を背け、視線を右下に落とした。

 

 

「べ、別に…、ぜ、絶対というわけでは…「じゃあ買います!」

 

 

 アレクシアはあっさりと離れてTバックのまま試着室の外へ出て行った。アイリスはきょとんとしている。

 

「これ買うわ。柄違いをいくつかと、あと、そこの穴の! それ試着できる?」

 

 

「あぁ……」

 

 思わず、試着室の中で膝をついたアイリスがいた。

 

「まぁいいか。シドさんがこういうのに興味を示さないといいのですが…。それに、なにかスタイルが良くなったような…」

 

 そういえば、グレン副団長に聞いたときに、なにか言ってましたね。確か──

 

「シド嬢についてですか? 先ず、腕は立ちますね。早朝訓練とか放課後の試合を拝見させてもらっていますが、剣技だけなら私とも張り合えますね。それに、とても緻密な魔力制御をします。なんでも、カゲノー家の失われた秘伝を甦らせたとか。それをアレクシア様には(・・)教えていて…アレクシア様…実はかなり上達しています。」

 

 現状マルコといい勝負できますよ。と小声で告げた。それから…とちょっと顔をしかめた。

 

「かなりの男嫌いですね。丁寧に対応はしてくれるのですが、女騎士への対応に比べると塩対応というか、容赦ないというか…」

 

 肩をすくめると続けて言った。

 

「まぁ男性不信気味になった傷心のアレクシア様にお似合いというか…相性が良すぎるのが問題、かと。」

 

 少しいいよどんでから

 

「…紅の騎士団にも予備役で参画してますし、腕が立つのでアレクシア様の護衛騎士、ないしは専属騎士とかに取り立てることができるといいのですが、何分(なにぶん)、家柄は普通の男爵令嬢ですし、実績もまだありませんから…」

 

 …まぁブシン祭も近いですし、生徒代表枠にも選ばれたと聞いてます。意外と直ぐに実績を出してくれるのでは?

 

 ──そう語ってましたね。剣技でグレンと張り合えるというなら、護衛にはなるでしょう。

 

 リンドブルムに誘うなら、同行を許可してもいいかもしれません。

 

 それにしても、相性が良すぎる…ですか?

 

 我が妹ながら面倒くさい性格の持ち主ですのに…今度お忍びで会いに行ってみようかしら。

 

 

 

 





 陰の実力者になりたくて! 本編の第09話です。

 聖地編です…って聖地に旅立ってもいませんが。

 基本カゲマス準拠です。今後も七陰列伝は順次投稿していく予定ですが、もう少し本編を進めます。

 本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わりました。アレクシアとの関係も…性癖全開です。

 作中グレンとアイリスがフラグを立てていますが本作での捏造です。


 この設定が気に入ってくれると嬉しいのですが。

 他にも色々と捏造した設定がありますので、読む際は注意願います。
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