陰の実力者…?   作:ponpon3

61 / 69

 陰の実力者になりたくて! 本編の第30話です。

 ブシン祭編です。

 本戦二回戦のお話ですが、なんというか吹っ飛んでいます。

 本日は2話投稿しています。良かったら前話も見てください。

 本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わりました。アレクシアとローズとの関係も…

 気に入らない方は、そっ閉じ願います。


 ──これはそんな「if」の物語──


陰の実力者…? 第30話「陰の実力者…?」

 

 

「フフフフフフ、アハハハハハ、アーッハッハッハッハッ!」

 

 

 ラウンズ第五席 フェンリルの笑いが会場に響いていた。

 

 

「フハハハハッ。さぁディアボロス教団に歯向かう者には死を与えよう。チルドレン1st、2nd、3rdどもよ、地獄を作れ!!」

 

 

 フェンリルの背後から現れた、黒地に赤い模様の入ったローブを身に纏った十数人のチルドレン1stが一斉に得物を抜いた。

 

 貴賓席の正規の扉を蹴り開けて雪崩れ込んだ、数十人のチルドレン2ndもそれに続いた。

 

 

 みな一様に下種な顔をして、下卑た笑みを浮かべている。

 

 そこには、殺戮を楽しむ意思しかなかった。

 

 

 

 そして…

 

 

 

 チルドレン1stと2ndは一斉に倒れた。

 

 

 

 あるものは首が飛び、あるものは口から血を吹き出し、あるものは心臓を抉られて…

 

 

 

 ………諜報中隊(シークレット)、及び強襲中隊(アサルト)、チルドレン1st及び2ndの処理完了しました。

 

 ………エクセレント!!

 

 ………引き続き、チルドレン3rdの処理を開始しています。

 

 

 

「は!? なん…だと?…バカなっ。いったい何が起こったというのだ?」

 

 

 

 次々とチルドレン3rdの首が飛んでいく、心臓が抉られていく。

 

 

 

 あっと言う間に貴賓席にいたチルドレンは全滅した。

 

 

 

 その間に、グレン率いる紅の騎士団と、王太子に組する第三騎士団の闘いも始まっていた。

 

 

 

 ベアトリクスはアイリスの頬を叩いた。

 

「ボーッとしていると死ぬわよ。」

 

 剣を抜き打ちざまに、ミドガル国王に押し寄せてくる第三騎士団の騎士を斬りつける。

 

「わ、私は…」

 

 

「死ねぇっ!!」

 

 

 そこに、第三騎士団の元3番隊隊長が攻撃してきた。

 

 慌てて剣を抜いて受ける。

 

 

「貴様が邪魔をするから化け物退治がうまくいかなかったっ! アレクシアを人体実験送りができなかったっ!」

 

 

 あまりの物言いに、スッと頭が冷えていった。

 

 

「繰り返す。勅令である。ディアボロス教団に(くみ)する大逆犯を討てっ!!例え王太子と言えども例外は無いっ!」

 

 

 アイリスの剣から迷いが消えた。

 

 

 

 

 ドエム・ケツハットは最初迷っていた。

 

 ええい、ここはどっちに組するのが正しいのか?

 

 しかし、あっと言う間にチルドレンが全滅するのを見て考えを変えた。

 

 取り敢えず、人形を確保するのが先かっ!、

 

 

 

 しかし、人形(オリアナ国王)は、近付いてきていたローズに走り寄った。

 

 そう、機敏な動きで。

 

 そしてローズに命じていった。

 

「ローズよ! 近衛兵よ! 勅命を下す。ディアボロス教団の一員であるドエム・ケツハットを討伐せよ!」

 

「承知いたしました。」

 

 ローズは剣を抜いて構えて前に出た。

 

 

 近衛兵は一瞬迷った。

 

 

「くそうっ、人形風情が…」

 

 ドエムが思わず叫んでいた。

 

 

「観念せよ、ドエム。余の勅命である。投降するなら命“は”保証しよう。」

 

 

「人形風情が、人形風情が……」

 

 近衛兵も剣を抜いてドエムに構えた。

 

 

「ええい、やってしまえっ!!」

 

 

 配下に命令を下す。

 

 

 文官に扮していた手の者が、隠し武器の暗器を取り出して襲い掛かった。

 

 

 しかし……

 

 

 ローズの蜂蜜色の眼に、青紫色の炎が宿った。

 

 身体に、青紫色の光の帯の混じった白金の光を纏うと、細剣を振るった。

 

 血飛沫が舞って、配下の者が飛び散った。

 

 

「覚悟っ!!」

 

 

バカな、バカな、バカなっ!

 

 

 ドエムも隠し持っていた暗器を取り出すが……

 

 

 紫電一閃

 

 

 ドエムの首が宙を舞った。

 

 

 その目は、信じられないものを見る目だった。

 

 

 

 

 そして、フェンリルの前に歩いて来るものがいた。

 

 すれ違いざまに、第三騎士団の騎士を切り捨てて来る。

 

 

「それで? チルドレンとやらは全滅したみたいだけど、貴方はどうするの?」

 

 

 シドは、剣についた血を振るって落としながら聞いた。

 

 

「ラウンズ第五席殿?」

 

 

「この木っ端男爵のガキが……頭に乗るなよ! 血牙よ、我が呼び声に応えよ。」

 

 フェンリルが虚空から剣を抜き出した。

 

 それは、彼の背よりも長かった。

 

 そして、淀んだ血のような赤い刃をしていた。

 

 

「そういえば、古代の剣術を甦らせたようだが、そんな剣は無かったぞ。」

 

「…一応訂正しておくけど、魔力操作方法を甦らせただけで、剣術は自前よ?」

 

「はん、どっちでも構わん! 貴様も、貴様の姉も殺して、英雄の血の覚醒方法は絶えさせてもらう。」

 

 ニヤニヤ笑いながら伝える。

 

「あるいは、ディアボロスの右腕の復活の材料にしてやろう……」

 

 

 シドの紅い瞳が鋭くなった。

 

 

「ククッ、良い殺気だ。少し本気を出すとしよう…」

 

 

 空気が凍った。

 

 

 フェンリルの体から、底知れない魔力が噴き出してきた。

 

 それと同時に、フェンリルの髪がどんどん白く染まっていった。

 

 顔には深い皺がいくつも刻まれていった。

 

 手足は細く枯れていった。

 

 あどけない少年は、老人へと姿を変えた。

 

「それが本当の姿、ということね。」

 

 押せば倒れそうな、弱々しい老人に見えた。

 

 しかし、圧の重さは格段に増していた。

 

 

 くっ…

 

 

 周囲で闘っていた者が、苦しげな表情になっていた。

 

 

「剣を積み重ねて千年。頂は遥かに遠いぞ。」

 

 

 ─なんだ、たったの千年か……こっちは四千年の継承して研鑽されて伝承されてきた果てにあるものよ─

 

 

「なら、私もちょっとだけ本気になってあげる。」

 

 虚空に手を出すと、倭刀(メタルスライム・ブレード)を取り出した。

 

 

「ほぅ……片刃で反っているのか……」

 

「まだお試し中だけど……」

 

 ということにした。

 

「ちょうど良いハンデになるでしょう。」

 

 

 フェンリルの眼が尖っていった。

 

 

「死ね。」

 

 

 血牙を薙いだ。赤い刃が鞭のようにしなって襲いかかった。

 

 それを刀の鎬で上に払った。

 

 

「これだから老人は短気で困る。」

 

 

「貴様……」

 

 

 血牙が、上下左右から赤い残像を引いて襲いかかってきた。

 

 その一つ一つの剣筋が美しく舞のようだった。

 

 

 しかし、それら青紫色の円弧が、払い、流し、返し、捲くり、すり上げ、打ち落とし、捌いていった。

 

 キン、キン、キン、と無数の音が連続して響きわたった。

 

 

「凄い……」

 

 

 いつしか、周囲の闘いが止まっていた。

 

 

 赤い残像と、青紫色の円弧が踊っていた。

 

 フェンリルの剣は、間違いなく最強の一角にふさわしいものだった。

 

 それを迎撃するシドの刀にも、異次元の強さがあった。

 

 

「チッ。」

 

 フェンリルは、一度下がった。

 

 

「貴様、遊んでいるな!?」

 

「まさか。」

 

「ふん。嘘をつけ。反撃してこないではないか。」

 

 

 周囲の人々は驚いた。

 

 確かに迎撃するのみで、自ら攻撃に出てはいない。

 

 

「俺も歳をとったが、これ程バカにされたのは初めてだ。」

 

 

「千年の積み重ねっていうから、少し味わっていただけよ。」

 

 

 フェンリルの眼が赤く染まった。膨大な魔力が溢れ出した。

 

「遊びは終わりだ。悠久の時を経て剣の頂にたどり着いた俺の剣で死ね。」

 

 そう言うと、腰を落として、血牙を大きく後ろまで引き絞った。体勢が半身になった。

 

 

「古流剣術奥義『空蝉』」

 

 次の瞬間、フェンリルの姿が消えて、シドの背後に現れた。血牙はすでに振り終わっていた。

 

「ほう、躱すか。」

 

 フェンリルは愉しそうに言った。

 

 シドの身体が薄れて消え去っていく。

 

「さすがにちょっと驚いたわよ。」

 

 

 いつの間にか、シドは下がったところに現れていた。

 

「気配を残して移動するとか、聞いたことがないわっ。」

 

「? 別に大したことしてないわよ?」

 

「アハハハハハ。小娘、お前天然じゃろう。」

 

 

 激しく同意する人が何人もいた。

 

 

「失礼ね。天然100%よ。…じゃあ、代わりに芸を一つ見せてあげるわ。」

 

 そう言うと、右手の刀を引き絞って、左手を先に添えた。

 

 フェンリルも思わず防御の構えをとった。

 

 その瞬間、フェンリルが頭から吹き飛んだ。

 

 宙を舞って、最初の位置に着地する。

 

 シドも最初の位置に戻っていた。

 

 

「驚いた。全く同時に3ヶ所を突かれるとは…」

 

 よく見ると、フェンリルの心臓と喉から血が噴き出していた。

 

「どう、気に入ってもらえたかしら?」

 

 

 フェンリルの魔力が溢れだして、傷ついた身体を癒していく。

 

「ふむ、その域に達するには、あと千年はかかりそうじゃな。」

 

「あら、大丈夫よ。しっかり死んでもらうから。」

 

 

 周囲の人は、困惑していた。

 

 心臓と喉を抉られて死なない相手をどうやって殺すというのだ。

 

 一部の人は、歓喜していたが。

 

 

 シドは、ゆっくりと息をすると、始めて魔力*1を纏った。

 

 そう、いままでの攻防には、魔力は使われていなかったのだ。

 

 シドの身体が、紅と青紫色の光で覆われていった。

 

 

カカカッ、愉しいのう。

 

「あら、どうして?」

 

「己の修練を試すほど愉しいことはない。剣は一人では振れんのじゃ。」

 

 

「? 弟子を作らなかったの?」

 

「…できの悪いのしかおらんでな…近いところでは、司書長にゼノンじゃ…」

 

「あっ……ごめんなさい。」

 

 確かに、直近の弟子がゼノンだったら、仕方がない。

 

 

「まぁ良い。空蝉を昇華させた我が奥義、受けてみよ。」

 

 血牙が長く伸びた。そしてそれを振り抜く。

 

 一度だけではない。二、三、四、……、九度。

 

「これぞ剣の頂──『空蝉の血牙』」

 

 

 九本の刃が全方向からシドを襲う。

 

 シドは絶体絶命の中で笑った。

 

「そこに存在するなら斬ればいい。」

 

 

 氣を込めて振るえば、布帯は剃刀に、木片は鉄槌へと変ずる。

 

 そして、鋼の刃の変ずる果ては、ただ因果律の破断のみ。

 

 それは形在るもの総てを断ち斬る、絶対にして不可避の破壊である。

 

 そこまで精錬された“氣”のことを、『内家戴天流』においては、“雷鳴氣”と呼称する。

 

 

 それに魔力を合一させる。

 

 これぞ、我が現世での奥義、太極雷鳴氣。

 

 1本だろうと、9本だろうと、しょせん相手の『意』よりも遅いのだ。

 

 一刀如意の秘奥による反応で、殺気の主(フェンリル)の『空蝉の血牙』を、フェンリルを、『意』よりも早く“太極雷鳴氣”を込めた刃を振るった。

 

 

 六塵散魂無縫剣(りくじんさんこんむほうけん)

 

 

 十条の紅と青紫色の剣光が同時に迸った。

 

 内家戴天流の絶技。神速にして細緻の剣刺は、薙ぎ払ったとしか見えない刃影が実は悉く刺突の残影という、超絶の秘技、戴天流の絶技だった。

 

 

 前世の“ボク”が、憧れて到達できなかった絶技。

 

 師匠の孔濤羅(コン・タオロー)が、戯れで見せてくれた殺戮の絶技(アーツ・オブ・ウォー)

 

 太極雷鳴氣を込めたそれは、すべての血牙とフェンリルを打ち砕いた。

 

 

「見事っ」

 

 フェンリルは崩れ落ちるように倒れた。

 

 もはや、魔力を溢れさせても回復しない。

 

「クククッ、最後に武の頂をみた。良いものを見せてくれた…」

 

 身体の末端から、塵と化して消えていく。

 

 

「武に頂など無いわ。」

 

 つまらなさそうにシドは告げた。

 

「頂の先には、さらに頂がある。それだけよ。」

 

 フェンリルは意外そうな顔を見せた。

 

「そこが頂だと思ったとき、人は歩みを止める。それだけよ。」

 

 だから、いずれツァーリ・ボンバに追いつき、追い越して見せるっ!

 

「そうか、だから私には……次の頂が見えなかったのか…」

 

 身体のほとんど塵となった。

 

 

「これでラウンズは本気になる……」

 

「望むところよ。」

 

「精々足掻くがいい。地獄で待ってるぞ…」

 

「あまり嬉しくないお誘いね。」

 

 

 そうか……グハハハハ……

 

 最後に笑いながら、すべてが塵に還った。

 

 

「我シド・カゲノーが、ディアボロス教団 ナイツ・オブ・ラウンズ 第五席 フェンリルを討ち取ったり!!」

 

 私は刀を上げて名乗りを上げた。念のために塵を吹き散らす。

 

 

 ウオォォォォォォーーーーッッッ!!!!!

 

 

 熱狂が辺りを包んだ。

 

 ディアボロス教団に属する者は、絶望に落とされた。

 

 生き残りが紅の騎士団と応援にきた第一騎士団に次々と捕縛されていく。

 

 

 そして……

 

「う、嘘だ! フェンリルが死ぬはずがない!!」

 

 王太子…殿下?が残った。

 

 涙ちょちょきれて、なんとも情けない顔を晒している。

 

 

 私は、ミドガル国王を見た。

 

 先程まで、グレンやベアトリクスと一緒に第三騎士団と闘っていたアイリスも──途中から私の闘いを観戦していたが──ハッとして見ている。

 

 

「陛下、恐れながら直答許していただきます。大逆罪の判決はどうなりますか?」

 

 

 ここでハッキリとさせておこう。

 

 アレクシアにはちょっと悪いが、ディアボロス教団に乗っかったのはコイツだ。

 

 国王陛下は、しばし眼をつぶったあと、王太子を見つめた。その眼には決断の色があった。

 

 

「大逆罪の判決は、死罪のみ。」

 

 

 王太子は、絶望のあまり倒れて気を失ってしまった。

 

 

「…但し、王族の場合のみ、宮刑とし幽閉とする場合もある。」

 

 まぁ、宮中法度を習っている身としては、それに気付かないような王太子を義兄呼ばわりするのはごめんこうむる。

 

 グレンが嫌そうな顔をしながら、王太子に縛を打った。

 

 

 私は刀を納刀すると、ミドガル王都の司教を見た。

 

 じっと見続ける。

 

 おいおい、気付いて無いのか?

 

 刀をポンポンと叩いて見せた。

 

 

 それで、ようやく気付いたのか…

 

「い、異端に対する聖戦の完了を宣言します。」

 

 

 これでいいはずだ。

 

 ………アルファ、もう抜けは無いよね?

 

 ………ええ、とりあえずは終わりよ。

 

 ………もうゴールしていいよね?

 

 ………残念ながら、お姫さまの時間よ。

 

 さすがに疲れたよ。

 

 やれやれ、と肩を降ろすと…

 

 

「シドー!!」

 

 …アレクシアが勢いよく飛び込んできた。化勁を使って受けとめる。

 

 

「よかった…勝つって信じていたけど怖かったのぉ。」

 

 もう、わんわん泣いている。

 

 …陛下(お父さん)の前だけど、いいのかなぁ…

 

 ここは空気読まないで、抱きしめてよしよししてあげる。

 

 しばらくグズっていたけど、泣き止んだと思ったら……

 

 

 がばっと私の頭を掴むと、ちゅーーーって……

 

 深い深いキスをされてしまった。

 

 

 あっちには陛下、こっちには司教……

 

 ………もうゴールしていいよね?

 

 ………どうぞどうぞ。

 

 ………主、最強!

 

 ………ボス・レヂィー、最強なのです!

 

 ………主様、お見事でした。このガンマ感服しました。

 

 ………マスター……頭おかしい…

 

 ………主さま、あの…ローズさんが…

 

 ………シャドウ様、やりました。上位ラウンズ撃破です。

 

 ………えっと、シドさん、お疲れ様です。

 

 ………ヴァイオレットさんだけだよ、労ってくれるの。

 

 

 そんな凍った時の中をゆっくりと歩いてくる音がする。

 

 ………これって幻聴じゃなかったんですね。

 

 ………ええ、歓迎するわ、ローズ。盛大にね。

 

 ………そうそう、アレクシアに大きくリードしてるからね。

 

 ………ちょっと、ゼータ? ってやっぱりローズさんもか…

 

 

 酸欠で苦しくなったのか、アレクシアがようやく唇を放した。

 

 あっ、唾の糸ひいている…

 

 

 他人事のように考えていると、ごしごしとハンカチで唇を勢いよく拭かれてしまう。

 

 そして、ローズ(・・・)は、消毒です、そう言って、むちゅーーーっとこれまた深い深いキスを仕掛けてきた。

 

 

 さすがに息が持たなくて、ローズの肩を叩くが無視された。

 

 ………ちょっと、ローズ?

 

 ………だから、消毒です。お父様から許可をもらっています。

 

 ………へっ? いつの間に?

 

 ………事実だよ、主。

 

 ………本当にいつの間に? ゼータ?

 

 

 キスの余韻に浸っていたアレクシアも気付いて騒ぎだした。

 

 

 なんとも締まらない話だ。

 

 

 たっぷりと堪能したローズが満足そうに唇を放した。

 

 そして、アレクシアとローズがキャットファイトを始めたのを、ちょっともうろうとする意識の中で見ていた。

 

 

 ………うふふん、これでシドのどこが「陰の実力者…?」って言うのよ。

 

 ………ちょっとアルファ、どういうこと?

 

 ………別に、そういうことよ。「シド」には重要なことではないわ。

 

 ………そうそうー。「シド」は気にしないー、気にしないー。

 

 ………レミー?

 

 

「もう、大丈夫?」

 

「…クレアお姉さまだ…」

 

「ちょっと本当に、大丈夫?」

 

 

「お姉ちゃん……大好き❤ ちゅー…」

 

「えっ、さ、さすがに今は(・・)まずいわよ……

 

 

「…お姉ちゃーん…大好き❤ ちゅーしてくれないのー?」

 

「え、ええと……ちょっと……いい加減に起きなさいっ!!

 

 

 頭を(はた)かれて意識が飛んでいくのを感じた……。

 

 

 後で聞いた話だが、アレクシアとローズのキャットファイトはアイリス様が止めてくれたという。

 

 そして、クレアお姉さまは、私をしばきたおしたとして、最強を超える最恐として認定されたとのことだった。

 

 

 なお、最強に最恐、お揃いだね? と脳天気なことを言ったら、私も最凶になります、とローズが言って、私も最狂になるわよ、とアレクシアにも言われてしまった。

 

 

 そんな、さいきょう、っていらないって……

 

 

 

*1
─氣と魔力です─





 陰の実力者になりたくて! 本編の第30話です。

 ブシン祭編です。

 本戦二回戦のお話ですが、なんというか吹っ飛んでいます。

 本日は2話投稿しています。良かったら前話も見てください。

 基本カゲマス準拠です…が、オリ展開です(開き直りっ)。

 本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレ、みんなの性格や嗜好も変わりました。アレクシアにローズ、クレアも… 性癖全開です。

 最大の捏造ポイントでもあります。多分オリキャラ?がでています。

 そして、さあ、皆さんも突っ込みましょう! やっと作品名の回収できました。

 プロローグ 6話+七陰列伝 21話+本編 34話 合計61話もかかりました。

 ちょっとエピローグは分けています。


 この設定が気に入ってくれると嬉しいのですが。

 他にも色々と捏造した設定がありますので、読む際は注意願います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。