陰の実力者…?   作:ponpon3

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 七陰列伝の第02話です。

 基本、カゲマス準拠ですが…


 本作品では、アルファたちの出会いや年齢などがズレています。

 …当然、みんなの性格や嗜好も変わってしまいました。

 そして、シドの……教育も始まっているため、七陰との距離感が違います。


 ──これはそんな「if」の物語──


陰の… 七陰列伝 第02話「救援!褐色のエルフ」

 

 

 

 では、ベータ、先週の報告を始めてちょうだい。

 

「ガンマはミドガル王都にて、商会株の取得へと動いています。」

 

 相手の商会についての情報は?

 

「『ルーナ商会』と呼ばれている、服飾用品を扱う古参の商会で、現在は女会長が老齢のため、活動を休止している状態です。何か事情もあるようですが…、ガンマの報告によれば、穏やかな流れで商会の経営を譲り受けることになりそう、とのことです。」

 

 足がかりを作る上で、行動に波風を立てないのは基本中の基本。ガンマは早速、上手にやっているようね。

 

「ゼータは引き続き教団に対する諜報活動を行っています。新拠点の探索と選別も行っているようで、候補となる場所をまとめたリストが届いていいます。」

 

 私も拠点候補のリストには目を通したのだけれど、当のゼータ自身が満足していない、という注釈つきのものだったわ。引き続き探索を行ってもらうことにしましょう。

 

「デルタとイータは待機中です。イータは研究に没頭していますが、デルタは…その……」

 

「ヒマです! 狩りに行きたいのです~~!! あぅ~~~っ!!!」

 

 このところ我慢をさせているわね……。

 

「他の仕事を覚えさせた方がいいのではないでしょうか?」

 

 それはシド──シャドウも試みたことよ。だけど、その彼女もある日、何かを悟ったかのように諦めたの。そのとき彼女は、短所を無理に克服させるよりも、長所を伸ばすことに集中した方がいい、そう語ってくれたわ。

 

 まあ、シャドウとレミー、イータが協力して、使い魔のメタルスライムに更なる知性 ──のようなもの── を付与することを進めているわ。どこでも、何でも、相棒のように対話して使用することができるらしいの。

 

「『彼の叡智』は、すごいのです♪」

 

 はいはい、それで残りの七陰は?

 

「イプシロンは先週にゼータが調査していたディアボロス教団のものと思われる地下施設を偵察中です。もうすぐ調査と偵察を終えて戻ってくると思いますが……」

 

 噂をすれば、ね。

 

「ただいま戻りました、アルファ様。」

 

 お帰りなさい、イプシロン。

 

「……お帰りなさい。」

 

「……ただいま。」

 

 豊満なベータとスラッ(・・・)としたイプシロンがお互いを睨みあう。

 

 …二人とも、話を続けてもらっていいかしら?

 

「えっ?ど、どうぞ。」

 

「あっ、はい!」

 

「それではイプシロン、どうでした?」

 

 

 

 ──そういえば、ほぼ1年前、まだ悪魔憑きの研究や、教団についての調査を始めたころ。その日も、拠点の小屋の執務室でベータと打合せ中に、イプシロンが報告に来たのが始まりだったわね。

 

 今ではシャドウガーデンで師範代理をしている『λ』(ラムダ)の救助も、イプシロンの報告から始まったことを(アルファ)思い出していた──。

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 一年前のイプシロンの報告は、あまり喜ばしいものでは無かった。

 

「調査中の地下施設について、未確定情報でしたが、確定しました。地下施設は、ディアボロス教団のアジトで間違いありません。しかも、この二日以内の間に悪魔憑きが運び込まれた形跡もあります。」

 

 ……急がなければならないようね。

 

「すぐに動きますか?」

 

 ええ、ベータ。ベータとイプシロン、出撃の準備を。デルタにも伝えてきてくれる? 30分後に出発。いいわね?

 

「はいっ!」「了解です!」

 

 

 

 30分後、教団のアジトに向けて、私、ベータ、デルタ、イプシロンの4人で出発した。

 

 まだ構成員は、ガーデンで救助したばかりで、荒事に連れて行くことはできない。

 

 シドの内家戴天流剣術の弟子となって3年少し、まだ弟子を取れる(皆伝した)ほど修めてはいないが、構成員への教育──内家戴天流剣術の指導──を考えなくてはならない。

 

 やることが多くあることに内心溜め息を付きながら、教団の地下施設まで急いで、しかし静かに移動を開始する。

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 敵の見張りを、音もなく近づき片付けるイプシロン。死体は素早くアイテムボックスに収納して隠蔽する。

 

「現時点での見張りはおそらくこいつ一人だけと思われます。偵察の最後、常に一人交代で見張りを行っていました。」

 

 (アルファ)は考えを整理しながら話し始めた。

 

 となると、ここはそれほど、教団にとって重要な施設、というわけではないのね。

 

「どうしてなのです? 見張りが弱っちいから、なのです?」

 

 それもあるわ。だけど、一番の理由としては『ここを誰かが見張っている』とわかったから。

 

「……つまり、本当に重要度の高い施設であれば、見張りの必要な場所だと、そもそも他者に悟らせることすらしない、と。」

 

 ええ、ベータ。この世界における、ディアボロス教団の存在の様に、ね……。だけど、ここが隠されていた場所であることに、違いはない。

 

 …そして悪魔憑きも現在進行形で運び込まれている。

 

 ──(アルファ)は作戦を考える。この場合──

 

 となると、……やはり陽動を行うべきね。

 

「陽動って、オトリ作戦です!? そんなことしなくても片っ端から狩ればすぐ終わるのです!」

 

 通常の殲滅作戦であればデルタの言う通りだけど、今回は悪魔憑きの救出を行わなければならないのよ。

 

 以前の救出作戦で、追い詰められた教団の研究者が、悪魔憑きに薬物を投与したことがあったわよね。暴走させられた悪魔憑きを鎮める手段は、残念ながらシャドウガーデンには存在しない……シャドウに縋る以外には。

 

「…そうか。だから、敵をおびき出して、その隙に助けるです!  それにおびき出した方が、たくさん狩れそうで楽しいです!」

 

 陽動は、ベータとデルタにお願いするわ。

 

「私ですか!?」

 

 デルタがやり過ぎないようにサポートするだけで大丈夫よ。それに、デルタの取りこぼしを的確に仕留めるなら、この中ではあなたが最適でしょ?

 

「ムッ! デルタ、獲物を取りこぼしたりしないですよ!」

 

「とのことですが、了解ですっ! デルタと一緒に陽動作戦を展開します。」

 

 私とイプシロンは、誘い出された敵の展開の隙をついて施設の奥まで浸入、悪魔憑きの救出を最優先に動く。

 

 ──シャドウガーデン……作戦開始!──

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 ………檻の中にいるようね。

 

 二人は、体奥に深く色濃く残る青紫色の魔力(・・・・・)を共振させ、無言で意思を交わす。シドに──シャドウに直接、時間かけて、膨大な魔力で解呪された七陰に発現した特異な能力だ。

 ──後に、氣と魔力を長時間注がれ続けてきた七陰だけの能力とわかるのだが──

 

 ………空きの檻が多いですね。もしかして以前から運び込まれていた? もう少し早く調査できていれば、もっと多くの悪魔憑きを助けられていたのかも……

 

 ………イプシロン、私たちはシャドウに様々な力と叡智を与えられた。でも、神になれたわけじゃないわ。シャドウだって世界の全てを見通せるわけじゃないわ。

 

 そう、シドだって神なんかじゃない。

 

 ………私たちにできることは、今の自分たちがやれることを、未来のために為すことよ。これからも、こういう状況が多くなるけど、決して焦らないこと。

 

 ………アルファ様! 今やれることを未来のために為す……わかりました!

 

 ………それで、そろそろ仕掛けますか? 教団員も大半がデルタたちに誘い出されたようですから……

 

 ………飛び出しのタイミングはあなたに一任するわ。

 

「行きます!」

 

 予め生成して左腰に下げていた漆黒の刀(メタルスライ厶ブレード)を抜刀しながら、1人目に“放手奪魂”の斬撃を放つ。

 

 イプシロンと連携して、残っている教団員全員を撫で斬りにして始末する。もちろん、死体は素早くアイテムボックスに収納して隠蔽するも忘れない。

 

 

 

「周辺の状況、確認終わりました。敵の増援の気配はありません。」

 

 ありがとう、イプシロン。陽動を含めて倒された人数を考えれば、この施設を死守しようなどとはもはや考えないでしょうね。

 

 そう言って、空になった檻をみる。逃げた者たちもベータとデルタが仕留めているはず。

 

 

ヴヴヴヴゥゥゥゥ…………

 

 

「アルファ様……」

 

 まだ息があるのは、この子だけだったわ。…他は間に合わなかったか、まだ来て無かったか……

 

 隣でイプシロンが拳を握り込む気配がした。

 

 私たちが嘆くのは後でもできる。それよりもこの子をすぐにでも助けることの方が大事だわ。

 

「はいっ! それでは、アルファ様……」

 

 イプシロン、あなたが助けるのよ。

 

 

「………………。 えっ!?」

 

 

 イプシロンは戸惑っていた。

 

「で、ですが、これまで悪魔憑きの解呪は、シャドウ様とアルファ様──ついでにレミー──しか行ってこなかったのでは……」

 

 レミーの扱いが雑ね…。まあ、つまり今日からその中にあなたも加わることになるわね。

 

「そんな!」

 

 他の七陰にも、解呪の訓練は常にさせていたわ。だけど、その中でもイプシロン、あなたの魔力制御は群を抜いているわ。

 

 緻密で、繊細で、魔力の制御については、私以上の才能を備えている、と言っても過言ではないわ。シドも褒めていたわよ。

 

 ちょっと嬉しそうな顔になった。

 

「それは……、光栄です。ですが、解呪を私がやるって言うのとは違うというか……」

 

 大丈夫、イプシロンならできるわ。シド──シャドウが助けて、導いて、救ってもらって、内家戴天流の直弟子となった、今のあなたなら。

 

 少し怯んでいたイプシロンの瞳に、薄青紫の炎(・・・・・)が宿る。

 

 

「……わかりました!!」

 

 

 イプシロンは、大きく深呼吸をしてから、内息を整えて氣脈を落ち着かせる。

 

 丹田に充足していく内氣を逃さぬよう、極限まで充足していく気息。それが充溢した時、六感(五感+霊感)は極限まで研ぎ澄まされていた。

 

 イプシロンが、悪魔憑きに触れ、氣と魔力を流し始めた。

 

「旋律を奏でるように……、魔力の濁流を……清らかな流れへと……そして弱った身体を氣で癒していく……」

 

 そう、魔力を意のままに操作するのではなく、その魔力にとって、もっとも自然な流れへと導く……、そして、氣を与えて相手の生命力に働きかける……

 

 イプシロンの膨大な魔力と氣が、一帯を明るく薄い青紫の光で染めていく。

 

「決して、魔力の源を損なうことがなく、雫が沢となり…川へと流れて…海へと旅立つように……そして、こぼれ落ちた生命(いのち)を補うように氣で補う……」

 

 イプシロンのこめかみから汗が流れ落ちる。それに気づくこと無く氣と魔力操作に集中していく。

 

「私は……その流れを、少しだけ、タクトを振って導き、命を補う……その事だけに集中する……」

 

 一瞬、薄い青紫の光が周囲を覆いつくした。

 

 イプシロンは、息絶え絶えになっていた。氣も使い果たし、文字通りフラフラにだった。

 

で、できました……私……できました!

 

 声に喜色が溢れている。

 

 成功よ、よくやったわイプシロン。今の感覚を決して忘れないようにね。

 

「アルファ様……、はいっ!」

 

 イプシロンは満面の笑みで答えた。

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 予備のメタルスライムを取り出して、褐色のエルフの身体にボディースーツとして纏わせていく。それが刺激になったか、目を覚ましたようだ。

 

「う、うっっ……私は……」

 

 気が付いたかしら?

 

「……体が、元に、戻っている!? 私は……悪魔憑きになって……なのに!?」

 

 褐色のエルフは、身体を見て触れ回りながら、驚きの声を絞り出した。

 

 悪魔憑きとは、古の時代、魔人ディアボロスが自らを討ち果たした英雄達に、断末魔として縛り付けた呪い……、すなわち、英雄の血脈に連なることの証明でもあるわ。

 

「……私が……英雄の子孫だというのか!?」

 

 しかし、力の抜けたような声に変わった。

 

「だが……そんなことは……もうどうでもいい……私は全てを失った……地位も、名誉も、この世界に存在する理由さえも。」

 

 そうかもしれない。だけど、新たに始めることはできるわ。

 

「新たに始める、だと……?」

 

 ええ、私たちは、この世界の真実を知っている。

 

 歴史をねじ曲げ、あまつさえ魔人を復活させようとする者ども ――『ディアボロス教団』が、影のように暗躍する現実を知っている。

 

 そして、その教団がねじ曲げ続けてきた歴史の陰で、呪いに苦しめられ続けてきた人々の存在を、あなたのような悪魔憑きが、ディアボロス教団による様々な人体実験の犠牲になっている事実を知っている。

 

「ディアボロス教団!? そんな、おとぎ話のような……、だが、周りの檻は……まさか、私と同じ!」

 

 生き残りは……ここに居たのはあなただけよ。

 

 私は褐色のエルフの顔を見ながら話を続ける。

 

 あなたには、2つの選択肢がある。

 

 1つは、救われた命を大事に抱えて、何も見ず、聞かず、何にも応じず……静かに暮らし続けること。

 

 そして、もう1つは……私たちの仲間になって、陰に潜み、この世界を歪ませる影と戦うことよ。

 

 

 この娘はどちらを選ぶのだろうか。見たところ闘いに慣れている人と同じ雰囲気がする……

 

 

 褐色のエルフは、少し考えて込んでいるように見えた。

 

「私が何者なのか、聞かないのか?」

 

 聞いてほしいなら、聞かないわけでもないけれど……。これからのあなたが生きる上で、それは必要な過去なのかしら?

 

「それは……まさかお前たちも、元々は悪魔憑きだったのか?」

 

 ええ、今のあなたと同じように、すべてを失ったわ。だけど、シャドウによって助けられた。

 

 歴史から永らく失われていた解呪の方法も、彼女から教わったもの。

 

 そして、シャドウと私たちは、ディアボロス教団を滅ぼす……そのために動いている。

 

「シャドウ! ……私の命は、あなた方にはもちろんのこと、元をたどれば、シャドウという方に助けられたも同然なのだな。ならば……消えるはずだったこの命! そのシャドウと、あなた方のために……使い尽くして見せよう。」

 

 ……ようこそ、『シャドウガーデン』へ。あなたの名前は……今から『λ』(ラムダ)よ。

 

「『ラムダ』!」

 

 褐色のエルフ――ラムダは、自身の新たなる名前を噛みしめるように呟いた。

 

 

 

 さて、イプシロン、何時ものように教団員の死体をアイテムボックスに収納していくわよ。

 

「チリ一つ残さず全部、ですね。」

 

 イプシロンが、残った教団員の死体や教団の資料を収納しながら声をかけてきた。ベータとデルタにも交信を使って同様の指示を出す。

 

 まだ、シャドウガーデンについて気付かれるわけにはいかない。デルタにも、これだけは守らせている。

 

 そうよ、血痕を処理するスライムの予備はある? あるなら出してちょうだい。

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「……という具合に、これまでの一年の間に、ミドガル王国の王都の東の──拠点近辺のディアボロス教団のアジトは、ほぼすべて潰したてきたわ。もちろん、あなたやカゲノー家、シャドウガーデンが関与しているような捉え方をされないよう陰に潜んで、細心の注意を払いながら、ね。」

 

 アルファの声を頭頂部で聞く。

 

「その過程で、多くの悪魔憑きを助けてきたの。ほとんどの子たちが、シャドウガーデンへと忠誠を誓ったわ。ラムダ師範代理を中心に構成員への教育も実施しているわ。私たちの目的を遂行するための土台作りは、着々と進行中よ。」

 

 アルファの胸に顔を埋められながら私は考える。

 

 確かに、私はシャドウガーデンの盟主になった。その代わりにシャドウガーデンの運営はアルファたち七陰にお願いしている。だから、七陰(彼女たち)が考えた結果、教団に対抗するために、ガーデンの勢力拡大と、活動範囲を世界に広げることが必要と判断した、というのもわかる。

 

「ご苦労様、アルファ。 それにすごいわね。でも、人数が増えたら、あの拠点(修行場)で活動する……ってわけにはいかなくなりそうね。」

 

 私の声がくぐもって聞こえた。私もアルファを抱きしめた。

 

「それについては、ゼータに新しい拠点を探させているところよ。見つかり次第、すぐに移動開始するつもり。」

 

 後頭部にアルファの手を感じた。撫でられているようだ。

 

「それから、シャドウガーデンの構成員が増え始めるのに合わせて、七陰を含む全員に、剣術(内家戴天流剣術)の訓練を始めさせているわ。」

 

「ふ〜ん……んっ!? 」

 

 思わず変な声が漏れてしまった。

 

 ──そりゃ七陰は、最初の直弟子だったし、全員に私が直接指導して内家戴天流を教えて、氣も無理やり習得させてきたけれども……本来、内家を七人が七人とも修めるとか、わけがわからないわ!?──

 

「あなたは、今でも内家戴天流を指導してくれるけど、それまで一時、自らの道を進むよう、自立を促していたでしょう?」

 

 ええ、超不器用な人と超器用な人がいたから、やむなく、ね……

 

 アルファとベータは普通?に内家戴天流ができたけど、ガンマは氣の適性が馬鹿高くてなんか硬くなってパワーマシマシで凄く動けるようになったのに戦闘センスがなくて当たらないし、デルタは戦闘センスはピカ一なのに氣や内家戴天流剣術の覚えがあまりにもアレだっし……。

 

 そして、イプシロンってほんとに魔力制御が超上手だったし、ゼータは何でも超器用にできる代わりに根気がなかったし、イータに至っては……そこそこしか当人にやる気がなかったし……

 

「それでも、みんな内家戴天流の弟子として、内家拳士となってくれて嬉しかったけれども。」

 

 だんだん眠くなってきた……

 

「ええ、そのおかげで、七陰は、それぞれの個性を生かした独自の戦闘スタイルを確立できたけど……ガーデンとしての秘匿性はもちろん、象徴性も大事にしたいと思って。」

 

 アルファの体温と匂いに包まれていく。暖かいし柔らかくて、いい匂いがして……

 

「うん……、こっちの世界の武術…流行りの王都ブシン流にしても…、戴天流剣術に比べると大したこと無いから……。できるだけ修行には協力するわ…。全員…には無理でも、ラムダ師範代理から、氣への適正が高い者がいたら手推薦してもらへば……優先して弟子として内家戴天流の修行も……付けてあ げ る よ……」

 

 だから…誰かラムダ以外にも…剣術や氣の訓練の…師範代理に…なれそうな人が…いたら、紹介して……ね……

 

「ふふふ……もう寝てもいいわよ、おやすみなさい。シド。」

 

 額に…口付けされるのを…かすかに感じた……

 

 おやすみ……アルファ……。また……明日………ぐぅ。

 

 同じ背格好(・・・)となったシドを改めて抱き締めなおすとアルファも眠りに落ちていった。

 ふふふ…順調に…調きょ…教育できてるわね。

 

 

 





 早くに仕上がったので、投稿します。

 七陰列伝第02話です。

 基本はカゲマスですが、七陰の性格や嗜好も変わってしまいました。

 よって、シドへの距離感が全然違います。

 前話で明らかになった、シドへの……そう教育。

 果たして、七陰はシドを中立・善に維持できるか?そしてシドのソレを歪めることができるのか!?

 教育の成果が明らかになっていきます。


 この設定が気に入ってくれると嬉しいのですが。

 他にも捏造した設定がありますので、読む際は注意願います。
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