デリシャスパーティ♡プリキュアVS暴太郎戦隊ドンブラザーズ   作:テンカイザー

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やっと、やっと出会った……。
今回から頑張ってドンブラ中毒していきますので、よろしくお願いします←


Chapter4 ドンと参上!ドンブラザーズ!?

 

 

 

 

 

「じゃーん、また王女さまになっちゃった!」

「…………」

 

 現在ゆいは、普段マイラ王女が着ている豪華なドレスを見に纏っていた。万が一の時のためにムギンが持って来ていたのだ。

 一方マイラ王女は、ゆいが先程まで着ていた服を着ている。髪型まで入れ替わっているため、側から見ればどっちが誰だかわからない状態となっていた。

 

 そう、ゆいが言ったアレと言うのは一年前と同じくマイラ王女と服と髪型を入れ替え自身がマイラ王女の身代わりになると言うものであった。

 

「はにゃあ、ゆいぴょん本当にマイラ王女みたい……」

「王女さまのドレス、やっぱり可愛い……」

 

 らんとここねは、マイラ王女に扮したゆいの姿に見惚れていた。

 一年前はよく見れなかったが、ゆいが今着ているドレスは王女の物だけあってそうとう高価なものだ。ゆいと同年代の女の子にとっては憧れの的であった。

 

「いや、一体何をしているんだ!?」

「へ?だってこうすれば怪物が襲って来てもあたしが狙われるかもしれないじゃん?」

「だからって、王女さまのフリが出来るのか!?」

「一年前は出来てたよ?」

「いや、だからって……」

 

 そんな中、あまねはゆいにツッコミを入れる。

 確かに一年前はこのやり方でごまかせていた。それに今回の目的は一年前とは違いマイラ王女の安全の確保だ。ならば確かにゆいが身代わりになれば、マイラ王女は狙われずに済むかもしれない。ゆいが狙われたとしても、プリキュアの力を使えば対処出来るだろう。

 だが、一年前あまねはゆいに成り変わったマイラ王女を案内していたため、ゆいが本当にマイラ王女をちゃんと演じられていたのかを知らない。今のどこか能天気そうなゆいを見ると、不安に感じずにはいられなかった。

 

「……少し失礼します」

「ムギンさん?」

 

 すると突然ムギンはどこへと姿を消してしまう。不思議に思ったマイラ王女は後を追おうとするも、すぐに見えなくなってしまった。

 

 

 

 

 

△△△△△△△△△

 

 

 

 

 

 マイラ王女たちの前から姿を消したムギンは、先程の常時冷静な態度から一変して尋常ではないほどの身震いを起こしていた。

 

(ヤバい、一般人の服着た王女さまマジカワエェ!ずっと間近で震える王女サマもメッチャ可愛いカッタのにあんなん反則級だロ!アァ、王女サマカワエェ……王女サマ愛デテェ……マイラ……マイラ…………マイラァァァァァァッ!!!)

 

 ムギンの内心は、普段の彼女の様子からは想像出来ないほど荒ぶっていた。

 実は彼女は、重度の()()()()()()()()()()なのである。普段は周りからの目を気にして冷静さを装っているが、その実態は常時マイラ王女の可愛い姿を拝みたくて仕方がないガチオタなのである。

 そして今回、彼女は滅多にお目にかかれないマイラ王女の姿を見てたことにより彼女のマイラ王女への並みならぬ愛が激しく刺激されてしまった。

 やがて自制心の効かなくなった彼女の心は、可愛いマイラ王女をもっと見たい、マイラ王女をもっと愛でたいと言う欲望を制御出来なくなる。その欲望が、()()()()()()を呼び寄せてしまった。

 

「マイラ……マイラマイラマイラ………………

 

 

 

 

 

 

マイラァァァァァァッ!!!

 

 

 

 

 次の瞬間、彼女の周りに『繝?Μ繧キ繝」繧ケ繝代?繝?ぅデリシャスパーティ』の文字が現れ、光と共にその姿を変える。

 そこにいたのはムギンではない、禍々しい風貌をしたであった。紅い鬼ベニツ鬼の上半身に様々な料理が歪んだ形で纏わり付いたその姿は、まるで豪華な料理が並ぶ食卓を歪めたかのようだ。

 

「マイラ……マイラァァァッ!!

 

 奇声を上げながら、ムギンから変わり果てた鬼––––––食卓鬼は愛しの王女の元へと向かった。

 

 

 

 

 

△△△△△△△△△

 

 

 

 

 

「ムギンさん、どこへ行かれてしまったのでしょう?」

 

 一方マイラ王女たちは、突然姿を消してしまったムギンを心配していた。

 みんなで辺りを探してみるも、彼女の姿はどこにも見当たらない。

 

 

 

 

 

「マイラァァァァァァッ!!!」

 

「キャアッ!!」

「うわっ!?」

 

 刹那、彼女たちの前に食卓鬼がその姿を現す。

 

「あ、あれは……」

「ほへ!?何アレ……」

 

 突如として現れた食卓鬼に一同は困惑する。一年前のブンドル団との戦いによりこうした事態には多少慣れているものの、目の前の怪物は彼女たちにとって完全に未知の存在だ。困惑せずにはいられなかった。

 

マイラァ……マイラァ!

 

「くっ、狙いは王女さまか!」

「とすると、アレが件の怪物って訳!?」

 

 時折マイラ王女の名を鳴き声のように叫ぶ様子を見て、あまねは食卓鬼の狙いを察する。それを聞き、マリちゃんは食卓鬼こそがマイラ王女を襲った怪物の正体だと推測していた。

 

「とにかく、マイラ王女を守らなくちゃ!」

「うん!」

「はにゃ!」

「ああっ!」

 

 相手が何であれ、目の前の存在がマイラ王女を狙っているのならば自分たちが守らなければならない。

 ゆいたちは前に出てプリキュアに変身しようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハーハッハッハッ!ハーハッハッハッ!」

 

 

 

 

 

 

『……へ?』

 

 変身しようとするや否や、突然聞こえて来た場違いな笑い声に食卓鬼も含めて全員が困惑する。

 一体何だと思っていると、すぐさま新しい姿が現れる。まず最初に見えたのは、綺麗な純白の羽衣を着た三人の天女。三人は三方向に散っており、左右の2人は扇子を持ちながら、真ん中のは花弁を撒き散らしながら優雅な舞を披露している。

 続いて現れたのは、天女たちの背後に現れた真っ赤な神輿。その下では計6人の担ぎ手たちがわっせわっせと神輿を担いでいる。

 さらにその御輿の上にはフロントが鳥の形をした真っ赤な巨大なバイクが乗っており、さらにそのバイクに跨る影がある。その影こそ笑い声の主であった。全身真っ赤な姿に顔には特徴的なサングラス、頭には先が歯車のような形をしたちょんまげ、そして何よりも特徴的なのは額に輝く巨大な桃の飾り。

 

 

 

 

 

 

「やあやあやあ!祭りだ!祭りだ!

 

袖振り合うのも多少の縁!躓く石も縁の端くれ!

 

共に踊れば繋がる縁!この世は楽園!

 

悩みなんざ吹っ飛ばせ!笑え笑え!

 

 

 

 

ハーハッハッハッ!ハーハッハッハッ!

 

『…………は?』

 

 突然現れるや否や圧倒的な存在感を見せつけるその人物に全員が唖然としてしまう。

 

「さあ、楽しもうぜ…………勝負!勝負っ!

 

 刹那、赤い人物––––––ドンモモタロウはバイクから飛び降り、手に持った日本刀『ザングラソード』で食卓鬼に切り掛かる。…………バイクを乗せた意味あった?

 

「–––––っと」

「–––––ふむ」

「–––––おっ、キタキタ!」

「……えっ、なんだ?この町に来てまでか!?」

 

 すると光と共に今度は新たに4人の姿が現れる。それを一言で言うならば、正しく()()

 

「よーし、いくぞー!」

 

 現れた4人の内、全身黄色い姿をした鬼の戦士––––––オニシスターは巨大なトゲつき棍棒『フルコン棒』を振り回し、ドンモモタロウに続いて攻撃を繰り出す。

 

「私たちも行くか、はあっ!」

「よーし、ケンケンケンケーン!」

「あぁもう、さっさと終わらせるぞ!」

 

 他の3人も後から続き戦闘を始める。

 全身青い豪腕の戦士––––––サルブラザーは大きく飛び跳ね、食卓鬼の背後を取る。そして自慢の豪腕で強烈な一撃を叩き込み、食卓鬼は前のめりになる。その隙に2頭身の黒い犬の戦士––––––イヌブラザーは手に持った拳銃『ドンブラスター』で銃撃を放ち、更に全身ピンクの異様に脚の長い雉の戦士––––––キジブラザーが追い討ちと言わんばかりにその特徴的な脚で蹴りをお見舞いする。

 

「ガアッ」

「ハーハッハッハッ!まだまだ生温いぞお供たち!」

 

 懸命に攻撃を繰り出すお供たちに対し、ドンモモタロウは相変わらずの大きい態度で苦言を呈する。だが、お供たちは彼の遠慮もへったくれもない物言いに慣れてるのか特に何も言い返さずに攻撃を続ける。

 

「––––ん?アレは!」

 

 すると戦闘の最中、オニシスターはたまたま目に入ったものに反応する。先ほどからずっと唖然としていたゆいであった。

 ゆいを発見するや否や、食卓鬼をいなしすぐさまゆいの元へと飛び込む。

 

「やっぱり、マイラ王女!」

「……えっ!?」

 

 するとオニシスターは、どこから共なく取り出した写真を見て、ゆいのことをマイラ王女だと認識し出す。

 一方でゆいは自分をマイラ王女と間違えられたことでまたしても困惑する。

 

「さぁマイラ王女、早くここを離れましょう!」」

「え、いやちょっと待っ––––––」

 

 ゆいが言い切るのを待たずしてオニシスターはゆいの腕を引っ張り出してしまう。

 

(王道に行くのなら、やはりここは王女さまを安全な場所へ連れて行くのが先決!)

「みんな、ここは任せた!」

「いやだから、あたしは––––––」

 

 そしてオニシスターは、流れを王道路線に持って行くべくマイラ王女(ゆい)を安全な場所へ避難させるべく戦いを丸投げして戦線を離脱し始める。

 

「––––––勝手に行くな!追うぞお供たち!」

「グハァッ!」

 

 勝手に抜け出そうとするオニシスターを見て、ドンモモタロウは食卓鬼を勢い良く蹴り飛ばしすぐさまオニシスターを追いかけ始める。ちなみに蹴り飛ばされた食卓鬼は一瞬で姿が見えなくなるほど遠くへと飛んで行った。…………いやちゃんと退治しろ。

 

「むっ、私たちを置いて行くな!」

「あぁ、ま、待ってぇー!」

「おい!何がどうなってるのか説明しろ!」

 

 他のお供たちもすぐさま追いかけ始める。

 かくして、先ほどまで戦闘を繰り広げていた者たちは全員姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんだったの、今の?」

「可愛い、ワンちゃんがいた……?」

「なんか色とりどりなミックスサラダパーティみたいな人たちだったね……」

「いや、なんだソレは……」

 

 残されたマリちゃんたちは、ただ唖然とするしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい!」

 

 すると今度はまた新たに男の声が聞こえてくる。

 そこにいたのは、件のゆいの幼馴染である『品田拓海』であった。

 

「ったく、待ち合わせの時間になっても来ないから探したぞ。一体何やってたんだ……」

 

 どうやら約束の時間になっても待ち合わせ場所に現れないゆいたちを探しに来たようだ。そうして町中探し回ってたまたまここに辿り着いたのである。

 

「おいどうしたんだよ?みんなダンマリして」

「……あぁ品田、実はその––––––」

 

「イヤァァァァッ!!!」

 

『うわぁっ!?』

 

 拓海にどう説明したら良いかあまねが言い淀んでいた中、突如としてマイラ王女が悲痛な叫びを上げる。

 

「ゆいが…………またワタクシのせいで、ゆいが………!」

 

「……あぁーっ!!そうだゆいぴょん!連れていかれちゃったじゃん!」

『––––あぁっ!』

 

「はぁ?」

 

 目の前で起きた訳のわからない状況に困惑するあまり気づくのが遅れたが、マイラ王女の言葉で大事なことに気づいた。そう、ゆいが謎の集団ドンブラザーズに連れていかれてしまったのである。

 一方未だに状況が理解出来ていない拓海は困惑するしかなかった。

 

「……います」

「マイラ王女?」

 

 するとあまねはまだ何かを言おうとしているマイラ王女に気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先日ワタクシの元に現れた怪物は、今の方たちなのでございます!」




いかがでしたか?
これが私流のドンブラ中毒だぁ!←

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