白い抱擁   作:suiru

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終章

 ヘルミニアとの死闘に決着をつけたバルジェロたちは、屋敷に火の手が回っていることに気づき、急いで外へ脱出した。そして彼らはしばらくの間、燃え落ちていく屋敷を見ながら立ち尽くしていた。

 屋敷を包む炎はこの場で命を落とした者たちを天へ送り届けるかの如く夜空へ高く上がっている。

 燃え上がる炎に照らされているバルジェロに、勝利の快感は訪れていなかった。

(ゴッドマザー)

 バルジェロは心の中でヘルミニアに語りかけた。

(あんたは俺たちの町を蹂躙し、多くの命を……俺の仲間を奪った。どうしようもないヤツさ)

 胸の中に重く沈んでいる感情は、仲間たちへの弔いの気持ちだけで十分なはずであった。

(だが初めてあんたを見た時、俺はあんたの中に微かな光を見た。そして最後に確信した。……あんたは虐げられる弱者の痛みを知っていた。そして本当は誰よりも、人間そのものを信じたかったんじゃないか?)

 そして彼は爪が食い込むほど強く拳を握った。

(それができないと思い込んだあんたは、抱えていた信頼への羨望を憎悪に塗り替えた。胸に空いた穴を、あぶく銭で埋めようとした。なぜだ? なぜ自らの中にあった光に……背を向けちまったんだ?)

「今となっちゃ……知る由もない……」

 そう呟くと、踵を返したバルジェロは颯爽と歩き始めた。行く着く先で、ヘルミニアの呪縛から解き放たれたヴァローレの町が彼を待っている。

 故郷の未来を切り拓くことを決意した若きマフィアのボスが、宿敵であった女の過去に思いを致したことは、これが最後であった。(完)

 

 

〜後書き〜

 無事に完結しました!

 もともと筆が遅い人間なのですが、書き始めから早くも半年も経っていた汗。それだけ作品とじっくり向き合えたということにしておこう。執筆を始める前に、富を極めし者の第一章〜第三章のセリフを書き写すという謎ムーブもしてました……そのおかげで原作の雰囲気を壊さずに書くことができていたらいいなぁ。

 連載中いいねやリポストをくださった方々、本当にありがとうございました! そして、あたたかいメッセージをお寄せいただいたり感想をポストしてくださったエレさん、瑞久さん、片津霧利さん、ゆうちゃんさんにこの場をお借りして心から御礼申し上げます。これからもオクトラを通して皆様と仲良くできたら嬉しいです♪

 今は大陸の覇者で私が書きたいことは書き尽くせた感じです。完全燃焼。いつかタイタス編かサザントス編を書いてみたいなぁと思っているけど思っているだけで終わる笑。

 それでは、最後までお付き合いいただき本当に本当にありがとうございました‼︎

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