黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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エミリー=ヴィンヤードの日常

私、夜空ユメことエミリー=ヴィンヤードとしてアメリカで暮らし初めてから一月の月日が流れた。

 

慣れないアメリカでの生活に私は困惑しつつも楽しんでいたりする。

 

因みに私は"普通に学校に通っている"。

 

[Detective School(ディテクテブ スクール) ]

 

それが私が通っている高校だけど……アメリカの高校は日本の高校と違って義務教育だし、自分で時間割とかを作って課題をこなしたりする教育方法は日本の大学みたいな感じがして変な気分だった。

 

日本で言うなら高校生なのに大学に通って勉強しているみたいな感じ。

 

大学みたいな高校だからか皆、何処か大人びた感じがしていていや、既に大人だよって言う人が殆どだった。

 

日本の高校生達はまだ何処か子供みたいな感じが多いからこの違いはある意味、国柄なんだなって思えた。

 

まぁ、取り敢えず17歳の私が義務教育の範疇にある高校に通わないなんて怪しい事は出来ないからと今まで学校なんて通った事の無い私をベルモットが送り込んだ事で現在にあたるのだけど……。

 

それは建前で私にとって初めて殺し以外の仕事を任された。

 

「やぁ、エミリー。放課後、一緒にランチでも食べに行かないか?」

 

「えぇ、良いわよ。喜んでご一緒させて貰うわ」

 

私に話し掛けてきたのはソフィア=ゴットスピード。

 

男口調で赤毛の似合う私の同級生にして何気に初めて友達になった人。

 

ソフィアは一見、アメリカに住む普通の女子高生だけど裏の顔がある。

 

ゴットスピード・ファミリーの首領、リアム=ゴットスピードの一人娘で副首領をしている……らしい。

 

ゴットスピード・ファミリーはアメリカでデカイ顔をしてニューヨークを中心に縄張りを牛耳るマフィアで、その影響力はうちの組織でも簡単には割り込みをさせてくれないくらいに顔が利く程に強大……でも、うちの組織の方が圧倒的に武力とコネが勝ると言った所。

 

私の任務はソフィアに取り入り、ゴットスピード・ファミリーと繋がりを得つつ組織の傘下に組み込む長期に渡ると思う任務。

 

ベルモット曰く、「そろそろ長期に渡る様な仕事もこなせる様にならないとね。あまり、武力に頼らずに済ますのよ」とボス直々の命令としてゴットスピード・ファミリーへの工作任務を申し付けられた。

 

万が一、ゴットスピード・ファミリーを傘下に組み込む事に失敗したらゴットスピード・ファミリーを全滅させてしまえと最後に言われてるから成功しても失敗してもゴットスピード・ファミリーさえ邪魔にならなければ問題無いと言う事になる。

 

でも、ベルモットはあまり"武力に頼るな"と言った。

 

これは私を育てる過程での一種の課題としてベルモットが用意した任務だと嫌でも分かった。

 

まぁ、要するに力以外の方法で済ませられる様になれって事だね。

 

私はソフィアが通う高校に転校と言う名の潜入を開始し、接触を図ろうとしたけど……最初は意外と難しかった。

 

ソフィアは私と同じ17歳で副首領のポジションを任せられるだけあって簡単には信用してくれなかった。

 

だから、のらりくらりと躱されたりして全く繋がりを持ちきれなかったから流石に焦ったりもした。

 

でも、ある日にソフィアが何人かの男連中に絡まれてたから私が機転を生かして近くの警察を連れてきて助け出した。

 

おかげでソフィアから感謝されて信用もされた。

 

今では一緒に課題を片付けたり、食事に行ったり、雑談したりする仲になった。

 

あの時のソフィアが絡まれてた件……何だか仕組まれた様な感じがあって気掛かりを覚えるけどまぁ、いっか。

 

~別視点side~  

 

ソフィア=ゴットスピード。

 

マフィア組織であるゴットスピード・ファミリーの首領、リアム=ゴットスピードの一人娘でゴットスピード・ファミリーの副首領の立場に着いている。

 

ゴットスピード・ファミリーの一員である事を隠して高校に通う中、一人の転校生と出会った。

 

「初めまして私、エミリー=ヴィンヤードって言うんだ。貴方の名前は?良ければ友達とかにならないかな?」

 

ソフィアから見たエミリーの第一印象は……何処か図々しい奴だった。

 

悪気が無いのは分かる……だが、明らかに取り入りたがっている様な雰囲気が嫌でも感じる。

 

他に生徒がいるであろうに真っ直ぐにソフィアの方へ来たと言う事は自分が"何者なのか知っている"のではとソフィアはエミリーに疑いを持った。

 

それからはエミリーからの猛アプローチを躱す様になった。

 

「ねぇ、今日は」

 

「悪いね。僕には先約があるんだ」

 

何て誤魔化しながらエミリーを避けたりする毎日。

 

エミリーも何日か経てば何処か焦っている様子を見せ、ソフィアはボロを出すのも近いなと感じていたがある時、不運にも付き人もいない時に出歩いていた所をガラの悪い連中に絡まれてしまい、連れ去られそうになった。

 

ソフィアは抵抗するが相手は男なので虚しい抵抗にしかならず、そのまま人気の無い所に入ろうとした所で。

 

「お巡りさん!此方だよ!」

 

「お前達!何をしているんだ!」

 

エミリーの声と警察官達が駆け付け、間一髪の所で助けられた。

 

ソフィアは助かったと思い一息ついているとエミリーが駆け寄って来て。

 

「良かった……本当に無事で……」

 

その時のエミリーの顔をソフィアは忘れる事はないだろう。

 

エミリーの打算的な表情も無く、恐怖や軽蔑と言ったソフィアの正体を知った者達の様な顔もしない……本当に誰かを心配する表情だった。

 

「(彼女なら……少しは信用しても良いかな)」

 

ソフィアはそう思いながらエミリーと事実上の"友人"になっていった。

 

 

 

ユメことシンフォニーとソフィアの間で起きた出来事の裏側。

 

ベルモットは任務に着いたシンフォニーの事を思い浮かべ、心配していた。

 

任務初日の時、シンフォニーのうっかりさの事が気掛かりになり、仕事に行く次いでに様子を見に学校に潜入し、シンフォニーとソフィアのいる教室を覗いたら。

 

「(やっぱり……警戒されてるじゃないの)」

 

思いっきりソフィアから警戒されているシンフォニーの姿があった。

 

「(あの子、いきなり交流を持とうとしたのかしら?駄目じゃない。ソフィアは立場上、かなりデリケートな子よ。信頼も無く近付いて友達になんてなろうとすれば下心があると思われるのに。まぁ、あの子は同世代の子との交流は極端に無かったし、人との距離の計り方が分からないのも無理はないのだけど)」

 

ベルモットはシンフォニーの今までの交流の無さに嘆き、頭を抱えたが組織育ちのシンフォニーにそれを求めるのは流石に無理があると言うのはベルモットでも理解している。

 

だからこそ、学校に通わせたのは同世代との交流を行い、人との関わり方、距離間の掴み方を学ばせる為でもある。

 

常に歳上、歳下ばかりが相手じゃない事を自覚させなければ絶対に痛い目にあうとベルモットは確信している。

 

それに今回、シンフォニーに与えたゴットスピード・ファミリーを傘下に加える長期工作任務だが、組織にとって一介のマフィアを加える工作を行うなど無意味に等しい。

 

何故なら組織は世界に根を張る程の巨体な存在であり、何れだけ大きかろうが一定の土地に張るだけの犯罪組織など敵ではない。

 

武力も、資金源も、コネも、何もかも上で地元の影響力は強くてもそれ以外の全てに勝る組織がゴットスピード・ファミリーを潰そうと思えば一週間もあれば終わる。

 

邪魔なら消せば良い……それが組織のやり方だが、これはあくまでもシンフォニーへの教育の一環としての任務だ。

 

組織のボスはシンフォニーが殺し以外にも使えるのか興味を示しており、教育係であるベルモットに対してシンフォニーに殺し以外の適当な任務を当てる様に命じられた。

 

それがゴットスピード・ファミリーを傘下に加えると言う組織にとって造作もない仕事だった。

 

しかし、シンフォニーは殺し以外はほぼ未経験。

 

交渉も工作もろくにした事もない……いや、させなさ過ぎた。

 

おかげで取り敢えず殺せば良いかって言う様な感じの何処か脳筋じみた思考に染まりつつあり、第二のジンいや、ジンよりヤバいのが出来上がろうとしていた。

 

だからベルモットはシンフォニーを残虐脳筋系暗殺者に仕上げない為にも成功して傘下に加えようが失敗して殲滅しようが構わない任務に着かせたのだが、当本人がアレなのでどうしようもない。

 

「(仕方ないわね……今回だけよ)」

 

故にベルモットはシンフォニーに対して助け船を出したのだ。 

 

適当なゴロツキをけしかけ、ソフィアを襲わせてそこをシンフォニーが助けると言う感じでどうにか信用を得させたのだ。

 

ベルモットはやっと、任務が進んだのを見て次からはちゃんと他の仕事も教育しようと考えながらその場を後にしたのだった。

 

~side終了~

 

私とソフィアは昼食を取る為に食堂まで足を運ぶとそこに見知った人達がいた。

 

「ルーク!アメリア!」

 

「ん?エミリーにソフィアか」

 

「貴方達もこれから昼食ですか?」

 

茶髪がよく似合うイケメン風?なルーク=ブラウンと黒髪が特徴的で眼鏡が特徴的なアメリア=テイラーは私の同級生に当たる人達で、この二人との付き合いは私が転校してきてから私を案内してくれて以来、慣れていない私に何かと気に掛けてくれてそのまま友達になった。

 

まぁ、友達なんて作った事なんて無いし、よく分からなかったけど交流を持つ切っ掛けは……。

 

「それですね!今回もアイのパーフェクトな歌が聞けてですね!て、二人共聞いてますか!?」

 

「ハイハイ……その日本のスターのアイが凄いんだね。百回は聞いたよ……」

 

「好きなのは良いが何度もしつこく言わないでくれよ」

 

「もう二人して!真面目に聞いてくれるのはエミリーだけですよ!」

 

「まぁまぁ、落ち着いて。私が幾らでも聞いてあげるから」

 

アメリアが生粋のアイのファンだと言う事かな。

 

最初は眼鏡っ娘な優等生タイプな人かと思ったけど……割りと流行りに敏感で、はっちゃけたりする人だった。

 

機械関連が得意みたいでそれで既に大学への推薦が決まっているそう。

 

高校を卒業したら推薦された大学に行って犯罪抑止の為の新技術を作るんだってとても気合いを入れている。

 

「はぁ……エミリーは私の話を聞いてくれるのに二人は何でそこまで興味無さげなんですか?」

 

「いや、俺はそう言うのには興味はねぇ」

 

彼、ルークはクールな印象が強くて他の女子生徒にモテモテな所がある……けど、彼自身が朴念仁過ぎて全く伝わってないけどね。

 

そんな彼の将来、犯罪を取り締まる警察官になる事を目指しているそうで……残念ながら将来的に相容れない関係になる事が決まった。

 

彼は一見、ドライな感じの人かと思ったけど深く話して見ると彼は過去に両親が押し込み強盗の手によって射殺されてしまい、子供が出来ない身の上がある警察官で義理の父と義理の母となるその妻に引き取られた経緯があり、どんな小さな犯罪は許さない、必ず捕まえて報いを受けさせる、その為に警察官になると言う熱い一面があった。

 

たぶん、警察官の義理の父の影響も助けてだろうけどね。

 

「別に嫌いではないが……何度も同じ話を聞くと流石に嫌気が差すよ」

 

ソフィアは苦笑いでそう言うとアメリアは不貞腐れてしまい、私達は笑いながらに昼食の時間を楽しんでいるとアメリアは悲しげな表情で携帯を弄っている。

 

「それにしても数日前の事件ではアイ、可哀想でした……」

 

「確か冤罪を掛けられた友人が追い詰められて焼身自殺した話だよな?」

 

「それは僕も読んだよ。酷い話さ……日本の警察は優秀だと聞いていたんだけどね。無実の人間を追い詰めただけでなく、死んで責任逃れをしたらしいしね」

 

私と平泉刑事の事は意外にも遠い国であるアメリカにも届いていた。

 

まぁ、テレビでの放送ではなく、携帯での電子ニュースで報じられたものだけど……その影響は意外と凄まじく、アメリカにいるアイのファン達が日本の警察に対して怒っている、失望している等のコメントが書かれたりしていた。

 

「絶対に許しませんよ!犯罪を何とかしたい私達にとって、これはあまりに酷いです!アイのファンとしても厳重に抗議すべき案件ですよ!」

 

「落ち着け。まぁ、たしかに俺も警官を目指してる身としてはあまりに最悪な結果だ。マサジロウ=ヒライズミって奴は何を考えて死んだのやら」

 

将来的に犯罪抑止の立場に着きたがっている二人からの厳しい声に私は内心ではほくそ笑んでいた。

 

平泉刑事には申し訳ないけど……これもアイの為。

 

バレたら警察とヘマした私を殺そうとする組織の二つに狙われるなんて事になりかねなかったし、アイ達の身も危ない。

 

消すしか無いんだったら消せば良い……私にとって、それだけの事だった。

________

_____

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会話の後、特に変わった事も無く、私はスクールバスで帰宅するとそこにはクリス・ヴィンヤードとしてのベルモットがいた。

 

私はその姿を見て自然と笑顔になれる。

 

「ただいま!」

 

私はそう言ってベルモットに抱きつくとベルモットはそんな私に嫌がりもせず笑って受け入れてくれた。

 

「お帰りなさい。何時まで経っても甘えん坊な子ね。貴方ももう、子供じゃないんだから抱きつくのは卒業しない?」

 

「私は中身が日本人だもんねーだ。日本の高校生はまだ子供扱いなんだよ?」

 

「あら、今の貴方はアメリカ人の筈だけど?」

 

「それとこれは別だもん」

 

私はそう言い切るとベルモットに頭を撫でられる。

 

「はいはい。分かったわよ。今日は女優の仕事も早く終わったし、外に食べに行きましょうか」

 

「うん、良いよ。準備してくるね」

 

私はそう返事をすると準備の為に自分の部屋に行く。

 

~別視点side~

 

ベルモットは困った表情をしながらも微笑んでいた。

 

夜空ユメ、今はエミリー=ヴィンヤードと名乗っているベルモットの仮初めの娘、妹と言う立場にいる彼女が17歳ではあるがベルモットに対してだけの甘えん坊な所は相変わらずで、ベルモットとしても流石に直さなければならないと思いつつ、先延ばしにしてしまったりしている。

 

そんなユメの事を思っていた時、初めて出会った事を思い出す。

 

それはある日、日本に偶然いた際に組織のボスに命じられ、ベルモットはとある屋敷を訪れた。

 

そこは組織のメンバーが所有する豪勢な屋敷ではあるが、使用人はおらず、あるのは無機質に広がる広々とした空間だと言う事だけだった。

 

ベルモットはボスからそこで一人の子供を見つける事が任務で、ベルモットは念の為にと拳銃を手に、一つ々見て回る。

 

しかし、子供らしき姿は無く、ベルモットは書斎で困り果てていると本棚が扉の様に動く事を見つけ、動かすと地下へ通じる階段を見つけた。

 

ベルモットは暗い地下への階段を懐中電灯で照らしながら進み、一つの扉へと行き着くとゆっくりと開け放って奥を照らすと。

 

「お姉ちゃん……誰……?」

 

そこにいたのは細い身体の少女がそこにいた。

 

ベルモットは目標だと認識するとボスに一度、連絡し、写真を送ると確かに目的の少女だと返事が返り、ベルモットはゆっくりと少女に近づくも少女は怯えて後ずさってしまう。

 

「怖がらないで。大丈夫。私は貴方を傷付けないわ」

 

「本当に誰なの……?お父さんは……?」

 

「……そのお父さんから頼まれて来たの。ほら、良い子だから来て頂戴。大丈夫だから」

 

ベルモットは極力、優しげに少女に言う。

 

少女は怯え、オドオドとしつつもベルモットに近付くとベルモットはユメを抱き抱えた。

 

「信じてくれてありがとうね。貴方、お名前は何て言うのかしら?」

 

「ユメ……ユメだよ……」

 

「そう……良い名前ね。素敵よ」

 

ベルモットはそう言って頭を少女、ユメを撫でるとその場から去った。

 

その後、ユメには途方もない殺しの才能があり、それを知ったユメの父親の手によって虐待紛いの訓練を受けていたとベルモットは知る事になる。

 

ベルモットが最初に見つけて連れ帰り、服を着替えさせる過程で見た"身体の傷"もその訓練での物だと嫌でも分かった。

 

顔まで傷つけられなかったのは恐らく、女性としての美貌も利用出来ると言う利点を考えていたからだと思われる。

 

なお、そのゲスな父親はベルモットがユメを連れ出して来る前に激しく抵抗した際にFBIの手によって射殺されていた。

 

その後、ベルモットはユメの教育係としてボスにユメを付けられ、共に過ごしていく過程で親子と言っても大差の無い関係になり、今まで親の愛情などろくに受けた事も無いユメからとても懐かれる事になり、今に当たる。

 

親からの愛をまともに受けた事の無いユメは自分を愛してくれているベルモットに"依存"していると言っても過言ではなく、ベルモットとしてはあまり、依存され過ぎても困る。

 

故にアイとは双子の関係である事を話し、定期的にアイの情報を話したりして関心をアイに向けさせる事でベルモットへの依存を弱め、そして時が多く経過し、今に当たるが。

 

「(アメリカに来てからまた、私への依存が強くなってきてるわね。どうにか彼女の鬱憤を晴らさないといけないわね)」

 

ベルモットはそう思いながらユメとの外食の為の準備を黙々と続けながら鏡の前で微笑んだ。

 

~side終了~

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