黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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女達のショッピング

優作さんと別れた私達は早速……と言うかほぼ無理矢理に連れて来られたのはやはり、女性の服を専門に取り扱う様な店で中に入れば。

 

「ねぇ!これなんて似合うんじゃないかしら!」

 

「これも良いわよ」

 

「ね、ねぇ……私は良いから自分達のを……」

 

「試着してみて!」

 

「ほら、早く」

 

駄目だ……有希子さんもベルモットも服を手に私を試着室に押し込んできた。

 

仕方ない……満足するまで付き合うしかないや。

 

私は手渡された服の一着目を着ると試着室のカーテンを開けると二人共、良い笑顔を私に向ける。

 

「良いわね!スッゴく似合うわ!」

 

「とても良いわよ。これもどうかしら?」

 

有希子さんから絶賛された後、ベルモットから受け取った服を着てカーテンを開けるとまた良い笑顔を二人は見せた。

 

「やっぱり似合うわね。私の見立て通りね」

 

「うんうん!それじゃ今度は……これ!」

 

「ッ!?」

 

有希子さんが手にしているのは露出が多めの服で、私はその服を着るのは嫌だった。

 

いや、恥ずかしいの問題じゃなくて……身体の傷痕までは隠しきれてないから……だから露出の少なめな服を極力、着るようにしてる。

 

「い、いや……それは……」

 

「有希子。お願い……その服だけは止めてあげて」

 

「え?」

 

私が有希子さんに断り辛くしているのを見たベルモットがそう言ってくれて有希子さんから差し出された服を取って戻した。

 

「私……何か悪い事した?」

 

「いえ……有希子さんが悪いんじゃなくて……私、ちょっと、身体に人には見せたくない傷痕があって……露出の多い服は控えてるんです。すみません」

 

私は敢えて傷の事は隠さず、何の傷かを有耶無耶に隠しつつ言った後、頭を下げると有希子さんは慌てた様子を見せる。

 

「良いのよそんな頭を下げなくても!知らなかった私が悪いんだから!」

 

「ごめんなさいね。この子、昔に事件に巻き込まれちゃってね……何のとは言えないけど、とても大きな事件だったわ。間違いなくトラウマを刻む様なね」

 

此処でベルモットが予め、傷の事がバレた時用の説明をしてフォローしてくれた。

 

有希子さんはそれを聞いて悲しげな表情を浮かべる姿に少し、罪悪感が出てくる。

 

「そうなのね……本当にごめんね、エミリー」

 

「いいえ。でも、私は自分の付いている傷は私への戒めなんです。犯罪を許さない、罪を犯した犯人は必ず償わせる。……そんな、何かになりたいんです。探偵でも、警察でも」

 

私は自分でも反吐が出る様な嘘を平然とついた。

 

"言っている事"と、やっている事が全くの真逆、それが探偵としての私なのだから(殺人鬼としての私なのだから)

 

「……新一にも聞かせてあげたいわね。あ、新一は私の子供ね。今年で13歳になるんだけど何処か危なっかしいのよね~」

 

「それ、貴方は人の事を言えないわよ」

 

「何よ!もう!」

 

母親らしく言う有希子さんにベルモットが指摘すると有希子さんは拗ねてプイッと顔を背けてしまうと私は笑ってしまった。

 

それに釣られて二人も笑うと、どんよりとした雰囲気が一気に晴れてしまった。

 

「さて!気を取り直してこれ着てみてくれる?」

 

「良いですよ」

 

私はそう言って有希子さんが選んだ今度は露出が少ない服を手に取って試着室のカーテンを閉じた。

 

~別視点side~

 

エミリーこと、ユメが試着している間、ベルモットは次の服を選んでいると。

 

「ねぇ、シャロン……」

 

「なーに?」

 

「あの子って変装してるわよね……?」

 

有希子の指摘にベルモットはやっぱり、バレたかと深い溜め息をついた。

 

有希子はベルモットと共に黒羽盗一に弟子入りした経緯があり、そこで変装術を学んだ。

 

ベルモットは見破るのも困難な程に別人に成りすませられる程の腕前で、声すらも変声機に頼らずに巧みに変えられるが、有希子は声はおろか、そこまで別人にさせる程の腕前は持っていない。

 

しかし、それでも間近で盗一とベルモットの変装術を見てきた彼女がユメの変装術を見破れない訳がなかった。

 

「あの髪は地毛みたいによく出来たウィッグだし、瞳はカラコンかしら?マスクを使ってない所を見るとそこまで手間の掛かる変装じゃ、都合が悪いからなのか簡単な方法を取ってるのが分かるわ。肌は白ぽいけどよく観察したら少し、白人の人の肌でもないわね。どちらかと言うと……アジア系の人寄りかな?。どう?」

 

「……そうね。当たりとしか言えないわね」

 

「やっぱり?」

 

ベルモットのその答えに有希子は当たってしまったと言わんばかりに戸惑っている様な表情を見せている。

 

「彼女はね、私の養子よ」

 

「えッ!?あ、ゴホン……よ、養子だったの?」

 

「あら?私は自分の娘とは言ったけど、"実の"とは言ってないわよ?」

 

ベルモットは悪戯が成功したとばかりにそう言うと有希子は意外な答え過ぎて口がなかなか塞がらなかった。

 

「あの子が事件に巻き込まれた話は話したわよね?彼女はその事件で"本当の母親を目の前で亡くしてるの"。身体に酷い傷がついて、一人だけ生き残った。彼女は母子家庭。他に親戚の類いも無くてね……路上で震えていたエミリーをクリスが連れて来なかったら……保護されていたら良いんだけど最悪、路上でずっと悲惨な生活をしていたかもしれないし、死んでたかもしれないわ」

 

ベルモットは嘘と本当の事を上手く巧みに混ぜ込みながらシナリオを構築していく。

 

嘘を嘘だと見破られない様にするには本当の事を多少、混ぜた方がよく隠せられるからだ。

 

ベルモットが作り上げたシナリオを聞いた有希子は悲しげな表情を浮かべていた。

 

「でも、それなら何で変装なんか?そう言う理由なら皆も納得してくれるんじゃないの?」

 

「事件はね……"まだ終わっていないの"」

 

「え?」

 

「"犯人が捕まっていないのよ"。あの子の本当の母親を殺し、周りの人達を巻き込んだ事件を引き起こした張本人がね」

 

「それって……まさか、まだ狙われているの?」

 

「可能性は捨てきれないわ。だから、暫くはイギリス留学と言う事で誤魔化して私達との生活に慣れさせる過程で、生き残る術も与えたの。本来なら事件を解決する様な探偵なんて目立つからやって欲しくないけど……クリスがやらせてやるべきだって聞かなくてね。そのまま諦めちゃった」

 

ベルモットはそう言って笑って見せると近くをそっと通ろうとした老婦人の肩を掴んだ。

 

「何処へ行くつもりなのかしら……エミリー?」

 

「な、何の事なのかしら?」

 

「声を変えても、顔を変えても無駄よ。値札付けっぱなしだもの」

 

「あ……」

 

「まだ終わるつもりはないのよ?」

 

「お願いだよ!もう許してぇッ!!」

 

ベルモットに敢えなくお縄についたエミリーは老婦人の姿のままで少女の声を出すものだから周りは驚きと唖然で染まっていく。

 

しかし、今の二人にはそんな視線を感じる事すらなく、笑顔で捕まえるベルモットとジタバタと涙目で暴れる老婦人の格好に変装したユメに有希子は血だけには止まらない親子の関係に微笑ましく思えた。

 

 

 

その頃、ゴットスピード・ファミリーの屋敷の応接室にリアムとそれに対面して座る人物がいた。

 

静かな雰囲気な広がる中、先に切り出したのはリアムだった。

 

「それで?作家のお前が此処に来たのはどんな理由だ?ユウサク=クドウ?」

 

リアムと対面して座る人物、工藤優作は真剣な面持ちでリアムと向き合っていた。

 

「前置きはよして、単刀直入に言いましょう。……私はマンハッタンの惨劇について調べています」

 

「マンハッタンの惨劇か……俺のファミリーの者達が死んだ。下手人は未だに捕まらず、ケジメもつけれていない。お前は何の為に調べている?ゴットスピード・ファミリーとは関係の無いお前が?」

 

「少し、気になる事がありましてね……マンハッタンの惨劇で起きた抗争で貴方方は敵を仕留めていない。状況を見ればそれは明らかですからね。問題なのはその敵が誰で、どんな勢力に属しているのか?そこが分からない。リアムさん。貴方方、ゴットスピード・ファミリーは事件の後、何かしらその敵から要求を受けているのではありませんか?」

 

「……何の事だ?」

 

「マンハッタンの惨劇の大量殺人。それが何の見返りもなく実行されるとは考え辛い。攻撃を仕掛けてきたのなら協定を目的としてではないでしょう。そう……その敵はゴットスピード・ファミリーを下に付けたい、つまりは傘下に加えようとしている。そうですね?」

 

リアムは優作の予想に暫く、無言を貫いた後、ソファーから立ち上がると窓に近づき、外の景色を眺める。

 

「……マンハッタンの惨劇の後だ。下手人と思われる東洋人の小娘からメッセージが届いた。組織の傘下としてゴットスピード・ファミリーは傘下に加われ、さもなければ貴様のファミリーは死をもって終わりを告げるだろう……とな」

 

リアムはそう言って拳を握り締めた。

 

「警察にその事は?」

 

「ふん。我々はどの様な存在か分かっているなら予想がつくだろう?我々と警察は相容れない関係だ。無駄に大義名分を与えてやるつもりはない」

 

リアムの言葉に優作はもっともだと思いつつもやはり、事件を追うにはゴットスピード・ファミリーの協力が必要だった。

 

だが、マフィアであるゴットスピード・ファミリーが簡単に警察に協力するとも思えない事は優作が一番よく分かっている為、別の提案を挙げた。

 

「なら、警察に代わって私に協力させて貰えないかな?」

 

「小説家のお前がか?」

 

リアムは優作の提案に失笑するが別に優作を侮っている訳ではない。

 

優作が一度、事件の捜査に加われば迷宮入りになる事なく事件を解決させられるだけの頭脳の持ち主だとされ、表社会でも裏社会でも評判だった。

 

無論、裏社会での評判は最悪で、完璧な計画を潰しかねない優作を隙あらば亡き者にしたがる輩は多い。

 

リアムは優作は裏社会での自身の評判を知らないのかと考え、呆れたのだ。

 

もし、ゴットスピード・ファミリーのこの見えない敵との抗争に優作が首を突っ込めば間違いなく、厄介払いしようとする者で溢れ返り、抗争のどさくさに紛れて他の勢力が優作を殺すかもしれない。

 

だからこそ、無関係な者かつ、優作が間違いなく狙われると分かっている為に巻き込む真似をリアムは承諾しかねた。

 

「帰れ。貴様の手を借りる意味はない」

 

「そうですか……なら、仕方ない。また来ますよ?」

 

「……次の機会があればな」

 

リアムのその言葉に優作は何かが引っ掛かった感覚を覚えながらその場を後にした。

 

愛想なく返事をするか、怒って追い出すものかと優作は考えていたが、リアムは何処か悲壮感を漂わせながら曖昧な返事のみした。

 

まるで……死ぬ覚悟を決めようとしているかの様に。

 

~side終了~

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