黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
書いてて一気に飛ばすのもあれかと思ってトロトロと書いてしまって……ですが、ようやく暗黒期の終演が見えてきました。
何時からだったけ……私が組織の駒として銃を握ったのは?。
覚えている記憶の中でも、最も古いものでも私がお父さんから訓練を受けていた位まで。
そのお父さんが死んで、ベルモットに引き取られて、組織の皆と出会って……。
……あれ?。
どうして?。
何で……お母さんの記憶が無いの?。
思い出そうとしても全く、思い出せない……まるで思い出そうとしているのを拒んでいるみたいで。
ねぇ、母さん……どうして私達を捨てたの?。
そんなに私達の事が嫌いだったの?。
母さん……。
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重い瞼を開け、目を覚ますとそこは知らない天井だった。
私はまだ身体が重い中、無理矢理に起き上がろうとした時、扉が開かれる音と一緒に白衣を着た数人の男女がやって来た。
私は唖然としていると年配の男性が私の前に出てきた。
「ユメさん。気が付かれたのですか?体調は?私の指が何本に見えますか?」
「え、えぇ……体調は……微妙?指は五本だね」
「そうですか……いや、良かった。意識を失くしてから随分と年月が経ってしまったので……覚悟はしていたのですよ?」
年配の男性はそう言うと周りにいた男性と女性は私の身体のあちこちを触ってきて鬱陶しかった。
「一体何なのよ?何が起きてるの?それにどうして私の本当の名前を?」
「それは」
「此処は組織の息が掛かった病院だからよ」
私はその声に反応して視線を向けるとそこにはベルモットがいた。
「ベルモット?何で?」
「貴方が孤児院に襲撃しに行った時に失敗したって聞いてね。探して回ってたらこの子と一緒に見つけたのよ」
ベルモットはそう言って部屋の外に合図を送ると押し込まれる様に入れられた人が来た。
「え?スカーレット?」
「……久しぶり」
孤児院で出会った無愛想な少女、スカーレットは何処か前よりも大人の様な雰囲気を漂わせている。
「ねぇ、ベルモット……私、何れくらい寝てたの?」
「そうね……ざっと、3年位かしら?」
「え?さ、3年!?」
私はそれを聞いて飛び起きようとしたら近くにいた女性、ナース達に押さえられた。
「まだ寝てないと駄目です!」
ナースの一人にそう言われると今度は男性、つまり医者が眼鏡を指で軽く上げた。
「起きたばかりでそこまで動けるのは感心します……が、それでも医師としてはすぐに動き回るのはオススメしないし、認められない」
「ロスが3年よ!すぐにでも任務に戻らないと!」
「もう終わったわよ」
「え……?」
ベルモットの一言で私は固まってしまった。
「貴方が意識不明の間にね。ゴットスピードの連中に分からせてあげたわ。誰のものに手を出したのかってね。貴方が眠っている間にジン達を呼び出して。徹底的に潰した。ゴットスピードの屋敷に火を点けて終わったわ。もう、ゴットスピード・ファミリーは存在しない」
ベルモットのその言葉を聞いて私は任務の失敗した事を痛感するしかなかった。
傘下にも収められず、自分の手で壊滅も成し遂げられなかった。
失敗は組織の中では処刑宣告にも等しく、多少なら許される事はあっても、ボスの命を守れなかった私は間違いなく死ぬ。
「言っておくけどね。死ぬ事はないからね」
「え……何で?」
「それはね……私が口添えしたからよ」
ベルモットはそう言って私の頭を撫でた。
「まぁ、どちらにしてもボスは貴方を殺すつもりはなかった様だし、課題みたいな任務だもの。あの程度の任務で死なれたら困るわ」
「そ、そうなんだ……でも、エミリーの事は?私が寝てたんでしょ?いなくなったら騒ぎになるじゃん」
「エミリーの件はね。この子にお礼を言いなさい」
ベルモットはそう言ってスカーレットの両肩を軽く掴んで私の前に立たせた。
「スカーレット。この子は逸材よ。ハッキリ言ってエミリーの不在は少し、危なかった。副首領のソフィアが貴方が行方を眩ませた事でエミリーとユメは同一人物だとバレていたかもしれなかった。でも、スカーレットが貴方に化けて3年間をエミリーとして過ごした。そのおかげでゴットスピードの壊滅までソフィアは気付かなかったわ。この子の意外な演技力でね」
ベルモットはそう言った後、スカーレットから離れると私はスカーレットに視線を向けて見たらスカーレットは顔を背けた。
「ベルモット。もしかして、スカーレットを無理矢理に協力させた?」
でないと孤児と言う点以外では普通に暮らしていたスカーレットが私達、組織にましてや拾ってくれたゴットスピード・ファミリーの敵対する私達に対して協力なんてしない筈だし。
「違うわよ。この子から私達の仲間に入りたいって言い出したのよ」
「スカーレットが?」
「父と母の……父さんと母さんの仇がリアム=ゴットスピードだった。昔、ゴットスピード・ファミリーとは別のマフィアと抗争があった時に……抗争の銃撃戦に私達、家族を巻き込んで!殺して!私から家族を奪った!」
物静かで無愛想な彼女からは予想出来ない怒りの感情に私は驚いているとスカーレットは怒りによる興奮を抑え、息を整え直していた。
「だから……私はゴットスピードに復讐するチャンスをあの孤児院で待ってた。貴方がゴットスピードに戦いを挑んだと聞いて私は貴方を探した。貴方達の仲間になる為に」
「……ベルモット?」
「別に構わないわよ。組織に手を貸した事実もあるわ。組織に来る者は拒まず、去る者は……容赦しない。スカーレット。覚えておきなさい。組織に来た以上は後悔しても遅いからね?」
ベルモットはそれだけを言うと、今度は私に視線を向けて微笑んだ。
「この子は貴方が飼いなさい」
「え、えぇ!?いや!でも……!」
「どのみち、部下は必要でしょ?孤児院での油断……忘れた訳じゃないわよね?」
ベルモットにそう言われてしまっては反論出来ない……。
私が反論出来ないって、ベルモットは分かるとニッコリと笑った。
「それじゃ、私は帰るからスカーレット。この子に3年間で起きた事を入院中、しっかりと報告しなさい。それがこの子の"部下"としての最初の仕事よ」
ベルモットはそう言ってそのまま出て行ってしまい、医者達もある程度、診察したら全員、何処かに行っちゃったし、残された私とスカーレットで気まずい雰囲気が流れる。
「……取り敢えず、報告しますね」
「う、うん……お願い」
「先ず、貴方の妹さんの子供の存在がバレました」
「いきなりハードね!?」
もう少し、間を置いてから言う物だと思ってたよそう言うの!?
いや、それよりアクアとルビーの存在がバレた!?
「どう言う事!?」
「アイを張っていた記者がアクアとルビーは斎藤夫妻の子供ではないと見抜き、記事にした模様で……すぐに収拾が着きましたが、ドームコンサートを最後にアイドルを引退したみたいで」
「ちッ……そのクソ記者、絶対に殺す。それで?何ですぐに収拾が着いたの?」
問題なのは何ですぐに収拾が着いたのか?。
いくら何でも特大級の核爆弾並みのネタが爆発したのに炎上がすぐに終わるなんて……。
「いえ、割りと受け入れる人が多くて……」
「……はい?」
「いえ、だから受け入れる人が多くて」
「いや、本当に何で?」
私は本当に何で受け入れられてるのかさっぱり、分からないと思っているとスカーレットは携帯の画面を見せてくれると。
1.名無しのアイドルファン
推しのアイドルがいつの間にか子供産んでたんだけど!?
2.名無しのアイドルファン
え?何時?
3.名無しのアイドルファン
子供の年齢からして16歳らしい
4.名無しのアイドルファン
ファッ!?(*゚Д゚*)
5.名無しのアイドルファン
嘘だろ!?
と、続いてて炎上不可避だったんだけど……ある所から雲行きが変になった。
34.名無しのアイドルファン
女優だった藤峰有希子は20歳で子供を産んだんだぞ!16歳で産んだから何だ!
35.名無しのアイドルファン
つまり、アイの子供は生でおっぱいを吸えると?
36.名無しのアイドルファン
おい!セクハラだぞ!ちょっと、トイレに……
37.名無しのアイドルファン
どっちでも良いから双子、代われ!
38.名無しのアイドルファン
いや、俺が( ゚Д゚)ノ
39.名無しのアイドルファン
いや、俺が( ・`д・´)
な、何これ……?
何かネット内が妊娠、出産を隠していたアイへの批判じゃなくて変態発言で埋め尽くされてるんだけど……?
「日本は面白いですね。セクハラのオンパレードです」
「いや、本当に……何で?」
私は呆然としてたらスカーレットは携帯をしまった。
「発覚したのはしましたがまぁ結局、炎上はそこまで起こらず、別に子供を虐待してるとかそんな事実もなかったので、そのままいつの間にか受け入れられていたと。アイは現在、女優として活動しているとか」
「……それで良いの日本?」
いや、まぁ、良いけどさ……うん。
「次の報告ですがゴットスピード・ファミリーについてです」
「……それで?壊滅って言っても何処まで?」
「リアム以下、ゴットスピードの構成員……全て死にました。一人を除いて」
「一人を除いて?」
「ソフィアが行方を眩ませました」
私はそれを聞いて逃がした事に不安を覚えたのか、それとも逃げ切ってくれた事に安堵しているのか分からなかった。
只、もう彼女に合わせる顔も無い……二度と会う事は無いよね。
「学校も無事に卒業し、貴方は長期任務が終わり、晴れて自由の身です。友人のルークとアメリアは大学に行くそうですがね」
「そう……まぁ、組織に敵対しなければどんな立場でもどうでも良いわ。それで?他には?」
私はこの3年間で失くした時間で分からない情報と自身の今の立場をスカーレットの口から少しずつ把握していく。
残り、1年間……それまではアメリカ生活は終わらないけど、あまりに大き過ぎる失った時間を取り戻す為に少しでも情報と勘が残っているのか確かめたいから。
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意識を失い、暫くの入院生活を送る中で私は明日、退院する事となった。
普段ならいつもは一人で過ごすけど……。
「何ですか?」
リンゴの皮を器用に向いている私の部下(仮)のスカーレットがいる。
「いや、まだいたんだって思って……」
「部下ですから近くにいて当然です」
どうしよう……この子、途轍もなく真面目だ。
普通ならちょっと、サボっても良さそうな事もやってくれるんだよ。
めんどくさい事も頼むとすぐにやってくれる……少しは面倒に思えば良いのに。
私は暇潰しに新聞を広げると新聞の一面に大きく書かれた記事があった。
"空飛ぶ密室、少年によって解決!?"
そんな題名で事件のあらましは、日本からアメリカに飛ぶ旅客機内で殺人事件が起き、その事件を居合わせた探偵と名乗る少年が無事、解決に導いたと言うものだった。
「その事件。有名ですよね?」
「うん。さっきからニュースはこれを大々的に報じられてる……エミリーの影響かな?」
私はもう一つの顔である探偵のエミリーの事を思い浮かべる。
何故だか、どうしてか事件に巻き込まれては解決し、警察から信頼されてしまう……めんどくさい役。
そのめんどくさい役すらも此処にいるスカーレットも当然、私の影武者をしていた事で経験している筈だけど……。
「意外と簡単でしたね。推理」
「貴方って色々な意味で初心者の筈だよね?」
殺人もした事も無さそうだし、推理小説はある程度まで読んだ位までらしい。
何で推理力あるんだよってツッコミたくなるけど……めんどくさいから良いや。
「事件を解決した少年の名は……シンイチ=クドウ?」
何だか何処かで聞いた名前だね……まぁ、関係無いし良いや。
私は明日からの退院で何処まで身体が衰えてしまったのか、早く確かめたいと思いながら新聞を放り投げた。
※因みにスカーレットは二次創作では姓にされますが、現実ではスカーレットは名前に分類し、とても珍しい名前だそうです。
例として女優のスカーレット=ヨハンソンさんがそうですね。