黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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ゴールデン・アップル ~後編~

~別視点side~

 

ヒースが射殺され、客達が逃げ惑う事態はやっとの思いで終息仕切った後、警察が駆け付けた。

 

「何てこった!!撃たれたのがまさかヒースとは……」

 

「知っているんですか警部?」

 

駆け付けた警察を纏めるのはニューヨーク市警のレッドウッド警部で、駆け付けた際にヒースが撃たれた事に驚き、項垂れながら話す。

 

「うちのカミさんが彼の大ファンでな……で、状況は?」

 

「役者達は部屋で待機させてますが客は逃げてしまった様です。弾丸は胸に一発で、背中の羽の仕掛けに食い込んでいました」

 

「翼の仕掛け?あぁ、これか……」

 

レッドウッド警部は黒人の刑事の説明通り、背中の羽の仕掛けがある事を確認すると黒人の刑事は続ける。

 

「弾の入射角からすると約、40度の角度で撃たれたものと」

 

「40度?かなり急だな……」 

 

レッドウッド警部は撃たれた角度がかなり急である事に疑問を抱いていた時。

 

「当然でしょ?あのテラス席から犯人は撃ったんだもの。レーザーサイトで狙いを付けてね」

 

「レーザーサイトの光った位置とも一致しています。普通なら彼処としか言えないでしょう。……少し、引っ掛かかる事があるけどね」

 

そう言って現れたのは有希子とエミリーで、二人を見た刑事達は歓喜の声を挙げた。

 

「「闇の男爵夫人!!ヴィンヤード嬢!!」」

 

「ユキコ!!エミリー君!!」

 

刑事達に出迎えられた二人にレッドウッド警部が来ると親しげに会話を始める。

 

「どうして君達が此処に?」

 

「たまたま、観に来てたのよ。まさかミュージカルがミステリーになるとは思わなかったけどね」

 

「びっくりしたよ……テラス席からレーザーサイトの光が見えたから無差別に乱射でもするのかと思ったよ……まぁ、今は状況を整理する為にこの人が撃たれた時の状況を話すよ。……有希子さんが」

 

「あ、あら……私任せ?まぁ、良いけど」

 

エミリーの言葉に有希子は呆れつつも状況の説明を始め、エミリーは脳内で情報の整理を始める。

 

撃たれたのは一番盛り上がる天使の登場シーンで、火薬が鳴り、演出の煙が吹き出して鏡に映った天使の映像が上にスライドすると同時に天使に扮したヒースが鏡の裏から舞い上がり、まるで鏡の中から抜け出た様に見える幻想的な場面。

 

犯人はその場面を利用し、ヒースが鏡の裏から出て来る瞬間をテラス席から狙撃し、その後でサイレンサーとレーザーサイトの取り付けられた拳銃を舞台に投げ捨て、騒ぎを大きくしたうえで混乱に乗じて逃げ去った。

 

普通に考えれば辻褄が合う様に見えるこの推理……"何処か引っ掛かる"。

 

確かにテラス席から狙撃すればヒースの高身長を気にせずに胸に一発、当てられるが果たして拳銃で"そこまでの狙撃が成せるか?"、"何故、わざわざレーザーサイトを使ったのか?"が問題だった。

 

腕の立つ人物なら狙撃は十分可能な距離で、よく狙えばピストル用のスコープやドットサイトを使わずに十分な成果を叩き出せるだろう。

 

しかし、それなら何故、レーザーサイトを使ったのか?。

 

レーザーサイトを使えば確かに正確な狙撃は出来る……しかし、デメリットとして、レーザーサイトは他人の目にも見え、現にエミリーと新一と言った人々に見られてしまっている。

 

基本、狙撃にはレーザーサイトは使ったりしない……見れるならバレるのは当然だからだ。

 

下手をしたら気付かれたうえで叫ばれ、早めに混乱が発生して狙撃所ではなくなる可能性もあるのにリスクを承知でレーザーサイトを使った。

 

「(そう……まるで"此処で撃つぞ"と言わんばかりの"アピール"の様なものだった……あの薬莢も変だったし、もしかしたら撃たれた場所は違うのかも……それにヒースの死体……何で遠くから撃たれて"火傷"するの?それにあの手の血は押さえた跡と言うよりも"掠れた跡"に見える……間違いない、これはテラス席から撃たれたんじゃなくてこの舞台で撃たれたんだ!)」

 

エミリーはそう結論を纏めた時、視線にレッドウッド警部の頬を引っ張る新一がいた。

 

「何やってるの……?」

 

エミリーはそう呆れながら呟くと表情は笑顔だが、何処か動揺している雰囲気を出している有希子に問う。

 

「優作に似ちゃったのよ。悪戯好きな所とか特に」

 

「いやいや、それは良いですが何で部外者の新一君と序でに蘭さんが堂々と現場にいるんですか!?」

 

「私は序でなんだ……」

 

序で扱いされた蘭は苦笑いする中、新一は構わずヒースの死体に近付いて勝手に調べている始末だった。

 

誰も止めない事に業を煮やしたエミリーはレッドウッド警部を近くに呼び寄せると文句を言いつける。

 

「見てみぬふりはしないでくれますか?さぁ、部外者の彼らを早めに連れ出してください」

 

「確かに部外者だが完全に無関係ではないし……」

 

「いくら関係者でも警察でもなく、何かしらのライセンス持ちでもない子供が捜査なんてしたら法律違反でとんでもない目に遭いますよ?」

 

「それだったらユキコだってな……」 

 

「有希子さんはテレビの影響で見逃して貰っているだけで、新一は無名。ライセンス無しの無名の少年を周りが信用なんてします?」

 

エミリーはレッドウッド警部に問い詰め、早く新一達を連れ出す様に言っている時、刑事の一人が二人の元にやって来た。

 

「警部!エミリー!ちょっと……」

 

「ん?なんだ?」

 

「スタッフ達への聞き込みで1ヶ月も前にあのテラス席のチケットを買ったと言う怪しい人物を見たと話しました。マフラーと帽子で性別までは分からなかったそうですが……」

 

「わざわざあの安いテラス席を?」

 

エミリーはわざわざ狙撃位置である安いテラス席のチケットを購入した犯人らしき人物に疑問を抱いた。

 

わざわざ怪しい格好をして、わざわざ敢えてあの安いテラス席のチケットを購入している。

 

まるでこの殺人の犯人はテラス席から狙撃する為にチケットを買ったと言う見方も出来るが、だったらこっそり、テラス席に侵入して狙撃すればより目立たずに事を済ませられ、1月も前にチケットを購入したと言う目撃証言も存在しなかった筈なのだ。

 

「(これでハッキリした。犯人はテラス席で狙撃なんてしていない。この舞台で何らかのトリックを用いて射殺したのね。もう少し、周りを調べないと……あ、その前に)」

 

エミリーは考えを纏め、周りを調べに行く前に新一の所へと近づく。

 

新一はヒースの死体の調査に夢中なのかエミリーの気配に気付いておらず、エミリーは呆れながら肩を軽く触れると新一はビクっとしてエミリーの方へ振り向いた。

 

「貴方ねぇ……一度、事件を解決したからって何の権限も無い子供がでしゃばって良い訳じゃないのよ?」

 

「誰が子供だ。俺は高校生だぞ。それにあんたもそうだったろ?17歳の時にレストラン、ルポゼの殺人事件を解決したんだろ?そんなあんたが俺に文句を言えんのかよ?」

 

エミリーは新一の指摘に言い返せなかった。

 

彼女の成り行きとは言え、ベルモットの行き付けの店で殺人事件を起こして折角のプライベートを台無しにした奴の鼻を明かす為にやっただけの推理。

 

真面目な事を言ってもこの事実がある限り、とても新一を納得させられるだけの理由が無さ過ぎた。

 

故にエミリーはもう、諦めた。

 

「……まぁ、良いわ。それよりも貴方。あの騒ぎの時に薬莢を触ったんじゃない?」

 

「おう。大事な証拠品を失くす訳にはいかねぇからな。言っておくけどよ。指紋が付かねぇ様に拾ったからな」

 

「別に疑ってないよ。それで薬莢の状態はどうだった?熱かった?」

 

「いや、全くな。撃てば熱を帯びる筈だが熱を感じる事もなかった。そこから考えられる答えは一つ」

 

「事前に置かれていたって事になるよね。レーザーサイトもまるでテラス席から狙っている様に見せ掛ける為の仕掛け。発砲された場所は一つ」

 

「「この舞台になる。そして、犯人は女優の四人の中にいる」」

 

エミリーと新一の答えが合わさり、エミリーと新一は互いにニヤリッと笑った。

 

その後、エミリーは何やかんやありつつも新一と共に舞台に仕掛けられたトリックを解き明かし、天に舞い上がるヒースを冥界に撃ち落とした犯人を暴き出し、事件を解決した。

 

事件解決後、エミリーは劇場の出入り口前まで有希子達に着いていった。

 

「エミリーちゃん。今日も大活躍だったわね!流石は名探偵だわ!」

 

「いえ、今回は新一君の手柄ですよ。私が見逃していた所に気付いて推理していましたから。今回の事件は私はあまり、冷静じゃなかったのかもしれないから。……お母さんの脚光を浴びた作品を殺人に利用した犯人を許せなかったから……」

 

エミリーはそう言って苦笑いした後、有希子さん達を見送り、姿が消えるまで笑顔で手を振ると無表情になった。

 

エミリーは一息つくと携帯を取り出してある人物に連絡をいれた。

 

「……私です。はい……少々のトラブルはありましたが事件を解決しました。いいえ、私が主に推理した訳ではありません……そう、シンイチ=クドウ。彼の推理力は群を抜いています。何れ、私達の強大な脅威になるのでは?……はい、分かりました。では、すぐに合流場所へ向かいます。では、また後で……"シンフォニー"」

 

エミリーはそう言って携帯を切った後、人気の無い路地へと足を運ぶと顔を引っ張ると、何かが脱げる様に顔が一瞬で変わった。

 

エミリーに扮していた人物、スカーレットは事前に指示されていた合流場所へ向かうべく姿を消した。

 

~side終了~ 

 

私に代わって、事件の捜査をスカーレットに任せて私はベルモットに連れられて赤井を待ち構える為にベルモットは通り魔に化け、私は赤井の隙を見て狙撃する役目を受けた……でも、今回は赤井達が一枚上手だった……。

 

私がバレットMRADのスコープを覗きながらベルモットが赤井達を誘き出すまで狙撃位置で待っていたらFBIの連中に踏み込まれた。

 

何度も撃ち殺して、何度も巻いて、ようやく追ってがいなくなると私は急いでベルモットを探す。

 

鈍ってさえいなければこんな奴等に時間を取られたりしなかったのに……!。

 

私の存在を見越していた赤井の事だからベルモットの事も必ず狙う。

 

ベルモットに何かあれば私は……!。

 

「何処……?何処にいるの……?」

 

私は必死に探していたら上からサイレンサーが落ちてきて、上を見たら通り魔に化けているベルモットが落ちかけ、何故かいる蘭さんに掴まれて助けられている姿が見えた。

 

「べ、ベルモット……!」

 

私は自分の存在が知られるのを覚悟で助けに行こうとした時、そこへ新一君まで出てきて躊躇してしまった。

 

まともに動けないでいるとベルモットは手すりの柱を掴んで飛んで階段に戻り、私は安堵のあまりへたれ込んでしまった。

 

赤井に負けただけじゃなくてベルモットまで失うんじゃないかと思えば嫌でも力が抜けてしまう。

 

私は新一達がいなくなるまで静観した後、急いでベルモットの所まで駆け付けた。

 

「ベルモット!!」

 

私はそう叫んでベルモットの元まで来ると、ベルモットは撃たれたのか腹部から血を流していた。

 

「……シンフォニー……静かにしなさい……まだ、赤井達が彷徨いてるのよ……?」

 

「そんなの分かってるよ!でも、それよりも早く手当てしないと!」

 

私は止血しながらベルモットにそう言うけどベルモットは焦る所か、笑っている。

 

「そうね……でも、その前にこの通り魔の自殺を演出しないとね……ねぇ、シンフォニー……」

 

「なに……?」

 

「私にも……エンジェルがいたみたいだわ……ふふ、やっぱり忘れなさい……貴方の事だからきっと、嫉妬しちゃうだろうから……」

 

ベルモットはそう言って私を撫でた後、ゆっくりと立ち上がって歩きだした。

 

エンジェル……。

 

その意味は分からない……ベルモットにはとても秘密が多くて私にだって秘密を沢山抱えている。

 

でも、今確かになのは新一君と蘭さんの二人がベルモットの何かを変えたと言う事だけだった。

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殺人事件と赤井暗殺計画から一夜明け、家ではシャロンの姿でいるベルモットが上機嫌で有希子さんと話していて私は昨日の晩の事を思い出す。

 

通り魔に変装したベルモットを助ける蘭さんに新一君。

 

帰ってからはベルモットは蘭さんをエンジェル、新一君をクールガイと呼ぶ様になった。

 

どんな形にしてもベルモットを助けてくれた二人には私にとっても大きな恩が出来た。

 

でも、正直に言えば……二人にかなり嫉妬している自分がいる。

 

ベルモットからの愛を今まで独占していたのに……いつの間にか私にだけ向けてくれる優しい笑顔が別の人に向く。

 

誰だって好きな人が別の人を見てたりしたら嫉妬するでしょ?。

 

私は二人に嫉妬心を燃やしながらワルサーP99を磨いているとベルモットは電話を終えたのか笑顔で電話を切っていた。

 

「あら、エミリー。不機嫌そうだけどどうしたのかしら?」

 

「分かってる癖に……」

 

私は不貞腐れながらそう言うとベルモットは私を優しく抱き締めた。

 

「ふふ、ごめんなさいね。でも、彼と彼女はもう私にとって宝物なの……お願いだから手を出さないで頂戴ね?」

 

「……分かったわよ。でも、流石にジン達の目の前にだと庇いきれないから気を付けてね?」

 

「えぇ、分かってるわ。所でエミリー」

 

「なに?」 

 

「私、死ぬ事にしたから」

 

「……はい?」

 

私はベルモットの突然の死ぬ宣言に唖然としてワルサーP99を落としたのは言うまでもない。




やっと日本に帰れる目処が着きそうです。地味に長かった……。

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