黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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久しき故郷

有希子さん達と巻き込まれた殺人事件から暫くして……私、エミリー=ヴィンヤードは母、シャロン=ヴィンヤードの葬儀に参列していた。

 

いや、別にベルモットが死んだ訳じゃなくて今も隣で立ってるクリス=ヴィンヤードとしてのベルモットがいる。

 

何でわざわざシャロンの葬儀を開いたのかと言うと……ベルモット曰く、老け顔メイクが面倒くさくなったそうみたい。

 

ベルモットも面倒だと思う時があるんだな……なんて思いながら母が死んで悲しんでいる様に見せる為の演技に力を入れる。

 

「可愛そうに……」

 

「エミリーはシャロンを本当に敬愛していたからな……無理もない……」

 

こんな風に涙を流して、周りからの同情を買ったりしてたら何か空気の読めない馬鹿な記者が出てきて、ベルモットや私にまで葬儀に似つかわしくない質問をしてくる。

 

最初は無視を決め込んでたけど……ハッキリ言う……殴りたい。

 

でも、流石に殴ったら此方が悪くなるし、こんな馬鹿な事をする記者の事だ。

 

あらぬ事まで書くに決まっている。

 

私は怒りの感情を抑えていると記者は。

 

「知られたらマズイ事でもあるのかと?」

 

何て声を荒げてきたから私、我慢しきれないで拳を振るおうとしたらベルモットに止められた。

 

私は止めてきたベルモットに視線を向けるとベルモットはお母さん(別人)の棺に背を向け、口元に笑みを浮かべながら。

 

A secret(ア シークレット) makes (メイクス) a() woman woman(ウーマン ウーマン)……」

 

その言葉を記者に言い放った。

 

日本語で直すと秘密は女を女にすると言う意味……私や周りはその言葉の印象の深さに静かに黙り込んでいたけど、やがて我に返った数人の男の人達が質の悪い馬鹿記者を追い出す様に連れて行き、ベルモットは少し乱れた髪を指で戻すと私の頭を撫でながら。

 

「暴力は駄目よ……でも、ありがとうね……私達の為に怒ってくれて……」

 

ベルモットは周りには強い姉妹愛がある様に接する言動を取りつつ、さっきの暴力沙汰になりかけた事態が無かったかの様に振る舞い、葬儀も進んでいく。

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葬儀は一通り終わり、私はベルモットを含め、周りがいなくなってもシャロンに変装させられた遺体が眠っている墓の前から動かなかった。

 

何故って?。

 

この葬儀には私だけでなく、クリスのベルモットも参列していたなら当然、この人もいるから。

 

「エミリーちゃん……」

 

シャロン=ヴィンヤードの親友、有希子さんだ。

 

親友が死んで、葬儀に出席しない訳がない……だから、私は敢えて怪しまれない為に深く悲しんでいるフリをする為に墓の前に残った。

 

「有希子さん……結局、お母さんとお姉ちゃんを仲直りさせてあげられませんでした……お母さんがまさか、病気を隠していたなんて……私がもっと早く気づいていれば……お母さん……!」

 

私はそう言いながら泣きじゃくり、本当に悲しんでいる様に演じて見せた。

 

名女優の有希子さんを騙せるか否か、私は内心では緊張に包まれていると有希子さんは私を背中から静かに抱き締めた。

 

私は自分の演技で有希子さんを騙し抜いたんだ。

 

「貴方のせいじゃないわ……そう……きっと、シャロンだってそう言ってくれているわよ……だから……目の前の悲しみを一緒に乗り越えましょう……シャロンを安心させてあげる為にもね……」

 

有希子さんはそう言って泣いているのか体が少し、震えている感触を覚える。

 

いや、本当にごめんなさい!。

 

うちのベルモットが老け顔メイクが面倒だからって理由でシャロンを死んだ事にしてすみません!。

 

私はもはや架空の存在であるシャロンの為に泣いてくれる有希子さんに少々の罪悪感を覚えながら取り敢えず、有希子さんが気が済むか、私の体力が尽きるまでこのままの体勢でいる事にした。

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一先ず、落ち着いた有希子さんと一緒に軽く墓地を出る為に歩いていた。

 

「エミリーちゃん。これからどうするの?」

 

「はい……実はアメリカを離れようかと……」

 

「え?アメリカから出ていっちゃうの?」 

 

「出ていくと言うより、自分を見つめ直そうかと思ってて……お母さんも死んじゃったし……お姉ちゃんも外国に行く事を許してくれたし……私も……良い大人だから……だから……アメリカとは別の外の世界を見たいな~なんて……」

 

私はアメリカから出ていく適当な理由を告げた。

 

アメリカに滞在する期間があと1年……もうすぐよ……もうすぐ、アイ達のいる日本へ帰れる。

 

楽しみだな~……元気にしてるかな?。

 

アクアとルビーは私が帰る時には小学生1年生だし、アイも女性らしくなってるだろうな~。

 

早く……会いたいな

 

私は悲しみにくれる少女を演じながら何時か来る、日本への帰国を夢見てアイ達を思いつつ、有希子さんと墓地を後にした。

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私の母役であったシャロン=ヴィンヤードが亡くなった事になってから約、1年の月日が流れた。

 

アメリカに来てから5年間……ようやく、私は日本へ帰る事が許された。

 

私は荷物を纏めて夜の空港にベルモットとカルバドスと一緒にやって来ていた。

 

「忘れ物は無いわね?パスポートもあるわね?怪しい何かも身に付けたりしてないわよね?」

 

「もう、お姉ちゃん!私だって大人何だから大丈夫だよ!」

 

「一つでも怪しい事をしたら追い返されるのよ?念入りにしておいた方が良いの。ねぇ、カルバドス?」

 

「あぁ……準備は大事だ」

 

ベルモットに同意しながらカルバドスは私のトランクケースを床に置いてくれた。

 

私は不貞腐れて拗ねるとベルモットは困った様な微笑みを浮かべてくる。

 

「貴方は抜けた所があるから心配になるのよ?3年間……貴方は眠ったままだった時だってね……これでも心配したのよ?」

 

「お姉ちゃん……」

 

「……さぁ、時間よ。スカーレットも落ち着いたら日本に来る事になってるから、その時はちゃんと世話してあげなさいよ?あの子、アメリカから出た事がないんだから」

 

「はーい。じゃあ、行って来るね……お姉ちゃん」

 

私は軽く返事をするとカルバドスが置いてくれたトランクを手に、日本行きの便の出発ゲートへと歩き出しながら後ろを向くと、ベルモットが軽く手を振っていて、カルパドスも笑って見送ってくれている。

 

私は手を振り替えしてから出発ゲートへ今度こそ向かった。

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~別視点side~

 

ユメが日本に向かっている頃、日本では一人の女優が名を馳せていた。

 

その名はアイ。

 

本名は星野アイで、双子の二児の母だ。

 

本格的に女優になる前まではアイドルとして活躍し、多くのファンを魅力する絶対的なエースとしてセンターを務めあげ、ドームコンサートを果たすとそれを最後に20歳で引退、女優として多くのドラマや映画、バラエティー番組に引っ張りだこの日本を代表する女優としての人気を獲得する。

 

16歳で双子を産んだと言う事実があるが、奇跡的に炎上らしい炎上はなく、何で普通に受け入れられて今でもテレビ出演してるのか斉藤夫妻は勿論、B小町のメンバー、アイの双子の子供達にも困惑されたりした。

 

これには理由がある。

 

この時、アイの妊娠、出産したと言う情報が出回ってしまった時、日本にいた黒の組織の末端達が何れ帰って来るであろうシンフォニーが情報漏れを知って、理不尽な責任を負わされ、とんでもない方法での報復を受けるのではと恐れ、全力で最低限の被害で抑えたのだ。

 

流石に全てを誤魔化せないが腐っても黒の組織の一員。

 

隠蔽工作も誘導も容易く、それを全力で実行して怒りを収め、別の事に集中させると言う一見、簡単そうでかなり難しい事を神業染みた処理能力で抑え抜いたのだ。

 

後は全員で土下座でも何でもすれば何とかなると言うのが処理を担当した末端達の考えだ。

 

勿論……保証は無い。

 

組織の中ではまだ慈悲深い(ジンよりも優しい)方であるシンフォニーの機嫌次第では、裏切り者や敵対者達と同等の苦痛を持って始末されかねない。

 

彼女の慈悲ある天使の裏の顔は冷酷な悪魔なのだから……。

 

組織内ではシンフォニーは狂犬よりも悪魔と例えられやすい。

 

何故なら、シンフォニーはベルモットの様に顔も声も変えてしまい、見知った顔で安心させ、甘い言葉で秘密を引き出して誘惑し、平気で人を騙して操り、最後に盛大に裏切り、無慈悲に嬲り殺すからだ。

 

まさに悪魔の如き所業故に悪魔だと末端達の噂の的になるのだ。

 

魔女の猟犬は……血に餓えきった天使の様な顔を持つ悪魔だと。

 

テレビでユメの双子の妹であるアイが喋れば同じ声ゆえに末端達は震え上がる日々。

 

故に末端達は今年中には日本に帰ってくるシンフォニーに対してビクビクと怯えて帰りを待つしかなかった。

 

日本は今まさにシンフォニー(残酷な悪魔)の帰還を果たそうとしている。

 

~side終了~

 

アメリカから長い時間を旅客機に乗って数時間。

 

私は遂に……。

 

「日本に帰ってきたぁー!!」

 

成田国際空港に降り立った私は嬉しさのあまりつい、叫んでしまい、周りから笑われてしまい、私は顔を赤らめながらその場から離れる。

 

恥ずかしかった……でも、これでようやくアイ達の安否をすぐに知る事が出来る。

 

アメリカだとアイ達の情報が手に入りにくいし、不便だったから……心配でたまらなかった。

 

それにしても何処からアイ達の情報が漏れたのかしら……あ、まさか末端の連中がしくじったとか?。

 

……いや、まさかね。

 

あの人達もプロだし、そんなヘマはしないでしょ。

 

まぁ、でも……もし、ヘマしてたら……情報を広めた記者共々、アスファルトになって貰おうかな?。

 

私はトランクを引っ張りながら迎えを寄越してくれるって言われて待ち合わせ場所まで来たけど……何処かな?。

 

「おい、そこの金髪の嬢ちゃん」

 

「ん?」

 

私は呼ばれた様な気がしてその声のする方に視線を向けると……黒服で強面の髭の生やしたおじさんがいた。

 

勿論、私の知り合いだからすぐに誰だか分かった。

 

「テキーラ……?」

 

「久しぶりやな……シンフォニー」

 

私とテキーラは暫く睨み付けるみたいに見つめあった後……。

 

「本当に久しぶり!元気にしてた?」

 

「おう!ほんまに久しぶりやな!5年も見ない内にすっかり別嬪さんになりおって!」

 

「それはそうよ!何たって22歳だもんね!」

 

思いっきり抱き締めあった。

 

私とテキーラは仲が良いと思ってる。

 

いや、テキーラって確かに顔のせいで誤解とか受けやすいよ?。

 

でも、テキーラって遠くに任務に行けばお土産は欠かさないし、構ってくれるし、面白いし、何なら奢ってくれたりする良いおじさんだよ?。

 

「元気そうで良かったわ!ハッハハ!」

 

「それよりもテキーラだけなの?他は?」

 

「あぁ、ジンは分かるだろ?後の連中は各々の任務やら表の仕事やらで手が離せへんから俺が来たんや」

 

「そうなんだ……寂しいね。皆して薄情だよ全く……」

 

「そんなに落ち込むなや!なぁに!行けば皆、喜ぶって!元気出せ!」

 

テキーラはそう言って私は励ましながら空港の外に停めてある車へ一緒に歩いて行った。

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