黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
昨晩、私は蘭さん達、保護者の方々にこっぴどく怒られ、約束を忘れた事をルークに怒られ、スカーレットが勝手に私のコレクションを持ち出した事を怒ったら逆に怒られてしまった。
本当に散々だった……もう悪戯しない……。
でも、アイ達に会えて良かった……本当に大きくなったなぁ~二人共。
アイはちょっと色っぽくなった?。
私がこんなんじゃなかったら堂々と会えるんだけどなぁ~。
まぁ、それはおいといて……私が今、何してるか分かる?
「今回も始まりました!ザ・ミステリーショー!!」
何でかテレビに出てまーす(笑)。
アッハハハ!……本当にどうしてこうなった?。
いや、私が昨晩の事で拗ねて近くのバーで飲んでたら男の人が声を掛けてきて……女目的の変態か何て思ってたけど意外と話が弾んで……私が探偵だって言ったらそれで……酔ってたよく分からなかったけど、何かお願いされたからOKしちゃって……それでテレビに出てた。
あれ?。
だから何でテレビに出ちゃったのかな?。
しかも生放送の……。
「今日のザ・ミステリーショーでは今回も迷宮入りとなった難事件をゲストとして御呼びした"探偵達"と一緒に追っていきたいと思います!」
そう……私の他に探偵がいるらしい……。
「アメリカで数多くの難事件を解決する美しき女探偵にして名女優の母と姉の二人を持つ、エミリーヴィンヤードさん!」
「ど、どうも?」
私、エミリー=ヴィンヤード。
「日本のベテラン探偵!高校生探偵、工藤新一達、若き探偵達が活躍する最中、自分の推理は崩さない楠木峰元さん!」
「よろしく」
如何にもベテランと言う様な風貌の47歳のベテラン探偵、楠木 峰元。
「此処最近、大活躍!華麗に事件を魅力するだけでなく、女性をも魅力する若手探偵の綾田鷹さん!」
「ふっ……よろしく」
何処かナルシストみたいなイケメン?系の25歳の若手探偵、綾田 鷹。
「高校生探偵ならぬ女子高生探偵!?おさげが特徴的な可愛らしい女の子!平泉 安友子さん!」
「は、はい!よろしくお願いします!」
そして……17歳の女子高生探偵、平泉 安友子。
私達、四人によるテレビ局での迷宮入りしてしまった難事件の推理をする企画をする事になる……らしい。
でもまぁ、それは良い……問題なのは……。
「いやぁ、今回の探偵達も凄そうですね!アイさん!」
「はい!どんな推理をするのか私も楽しみ!」
まさかのアイとの共演です……!
いや、本当にびっくりしたよ……確かにアイドルを止めてドラマとかバラエティーとかに出てたりしてるのを見た事はあった……いや、全部録画してあるくらいに把握してたのにこの番組は見逃した……!。
私はまさかアイがミステリー系の番組に出てるなんて思ってもなくて完全に見逃した事を悶えながら視線を変えたら……。
安友子ちゃんがアイの事を凝視してた。
わぁ……すっごく見てるよ……親の仇か何かみたいな感じで?。
……平泉って聞き覚えがあるけどまさかね。
「ザ・ミステリーショーでは、御呼びした探偵達と共に未解決となった難事件の推理をする企画となっております!今回は三つの未解決事件!それらの推理をして貰います!」
三つって多いな……。
難事件なうえに未解決なのに……まぁ、解決に至る訳がないって言う考えもあるんだろうなぁ……。
「最初の事件は犬坂屋敷事件です!」
司会の男性が最初に出した事件、犬坂屋敷事件って何だろうと思っていると画面に事件の内容と図面が出てきた。
「犬坂屋敷事件は犬坂家の当主、犬坂謙郎が何者かに惨殺された悲惨な事件です」
まぁ、内容はこう言う事だね。
犬坂家において犬坂謙郎さんが何者かに殺された事件で、現場は和風造りの屋敷の被害者自室で、犯行内容は鋭利な刃物による斬殺。
当主の謙郎さんは自身の自室で鋭利な刃物で肩から腰辺りまで切り裂かれ、腹が貫かれ、首が切断された状態にされてしまい、死体は家政婦である佐美子さんが発見。
すぐに警察に通報され、捜査が始まって現場検証が行われたけど、凶器は見つからず、これだけ斬られているにも関わらず犯人と争った形跡も無し、警察は頭を悩ませる事になった。
一応、凶器らしき物として自室に飾られていた刀に注目されたが、血痕の痕が見られず、使われた痕跡も無かった為、証拠から除かれている。
その後、容疑者として大学生で息子の秋富さん、高校生で娘の心優さん、妻の朋子さん、家政婦の佐美子さんと挙げられている。
警察は各々に事情聴取を行い、各々のアリバイを聞いている。
息子の秋富さんは遅くまでレポートを仕上げていて、晩御飯が遅くなった為に佐美子さんに頼んで夜食を作って貰って食べていたそうだ。
娘さんの心優さんは自分の部屋でゆっくりと読書をしていたらしく、証人は無し。
妻の朋子さんは編み物をしていたらしく、秋富さんが夜食を食べていたのが見える位置にいたらしい……つまり、秋富さんも朋子さんが見える位置と言う事になる。
家政婦の佐美子さんは秋富さんに夜食を作った後、朋子さんから言いつけられた屋敷の仕事をこなした後、謙郎さんの部屋に行った際に死体を発見したそうだ。
「警察による度重なる調査、事情聴取も行われたそうですが結局、犯人に繋がる決定的な証拠は挙がる事はなく、事件は今も未解決事件となっているそうです」
「他に凶器になり得る物は?」
事件のあらましを聞きえた後、楠木さんが質問をした。
「いえ、その付近に凶器となりえる物は無かったそうですね」
「なら、外部犯の可能性は?」
今度は綾田さんが質問する。
「警察は外部犯の可能性も考慮して捜査しましたが成果は無かったとされていますね」
「なら……何か細工とかされてませんでしたか?例えば血痕とか指紋とか?」
安友子ちゃんが指摘司会の男性は首を横に振った。
「いえ、特に無かったそうですね」
あれ……だとしたらかなり不思議ね……。
特に何か細工された訳ではなく、凶器は見つからない、他に凶器になりそうな物がない……外部犯の存在も有り得なくはないけど、いまいち確信がない。
私は考え込んでいると。
「エミリーさんは何か分かりますか?」
「え?あぁ……まだ何とも」
私はそう言って苦笑いして見せると、それを綾田さんに鼻で笑われた。
「無理しなくても良いですよ。此処はアメリカじゃないんだ。無理な推理はしなくても我々が解決しますよ」
明らかに馬鹿にした様な言葉と表情に私はあまり挑発に乗らない方だけどちょっと怒っちゃった。
だから、徹底的に叩いてやるわ。
「はぁ……刀よ」
「は?」
「凶器は刀。それしか無いでしょ?」
「馬鹿な。刀には血痕も使われた痕跡も無かった」
「簡単よ。血痕は上手く消す方法は沢山あるし、使われた痕跡が無かったなんて事もそれって切れ味の事を指してあるなら、研げば良いのよ。司会者さん。容疑者の中に刀を扱った事のある人はいる?」
「え、えぇ……確か……秋富さんが居合道をしてたとかで何度か本当に斬ったりする様な実演をした事もあったとか……」
「刀を手入れとかは?」
「よくしてたとか……父親に代わって……」
司会者さんのその一言を聞いて私はまだ確信は無いけど、何となく見えてきた気がした。
「おいおい、まさかとは思うが秋富が犯人だと言わないよな?無理だぜ。秋富は夜食を食ってたんだ。他ならぬ母親の朋子の目の前でな。一度離れるとしたら間違いなく印象に残るぜ」
「確かにな……だが、不可能ではないだろ?」
此処で楠木さんからのまさかの援護に私はちょっとビックリしてたら。
「共犯者の線ですね。息子さんの秋富さんと母親の朋子さんの二人での」
此処で安友子ちゃんも参戦した。
「きょ、共犯者だと!?」
え、此処まで来て考えてなかったの?。
刀を扱った事のある秋富さんがその母、朋子さんと殺害計画を練り、謙郎さんを殺害した後、何食わぬ顔で過ごせば完璧なアリバイが作られる。
二人が互いに見れる位置にいると家政婦の佐美子さんが確認すれば第三者による証言も完成し、晴れて無罪放免となる。
「そう……これは共犯者二人が第三者にそこで見れる位置にいると確認させたうえで行われたアリバイトリック。まんまとアリバイを作り上げた秋富さんはそのまま素早く謙郎を惨殺。凶器の刀を血痕消して切れ味を戻し、再び何食わぬ顔で夜食を取る。母親の朋子さんは佐美子さんが謙郎さんの所にすぐに行かない様にと、秋富さんがいない事を気取られない様にする為の時間稼ぎに仕事を言い付け、犯行が終わるまで佐美子さんを忙しい身にさせた」
「だが、動機は?何故、謙郎さんを殺す真似を?」
「そう、そこなのよ。いくら私でもトリックは解けても昔の事件の全ては解けない……ただ、言えるのは謙郎さんの殺され方からして……強い恨みでもあったんじゃないかなってね」
私は推理と推測を全て言い終えるとニッコリと微笑んで見せた。
~別視点side~
ザ・ミステリーショーのスタジオのスタッフ達は動揺していた。
ザ・ミステリーショーは未解決の事件を扱いはするが、解決する所までは期待されていない今、流行りの"探偵ブーム"に乗っかっただけのテレビ番組でしかなかった。
難事件を名探偵が解決する……そう言うスタンスが表に出始めてからテレビではドラマやバラエティーが企画され、小説業界では世界的な推理小説家である工藤優作の影響でミステリー系の小説が沢山売れているのだ。
ザ・ミステリーショーも例外ではない。
特に高校生探偵の工藤新一や大阪の高校生探偵の服部平次、最近になって名探偵として売れてきている眠りの小五郎などの著名人を呼んだ訳でもなく、日本内で名無しの探偵達を呼び寄せたに過ぎない。
故にアメリカの探偵であり、大女優のシャロンとクリスの親戚であるエミリーに目を付けたディレクターは、見た目の良さもあって視聴率が取れると踏んで引っ張ってきたら予想以上に高い推理力を発揮したのだ。
「凄いな……他の探偵達が全く映らない……」
ディレクターは折角、呼び寄せた探偵達がエミリーの飛び抜けた推理力のせいで全く映らず、エミリーの一人勝ちみたいな状態になっていた時、そこへスタッフの一人が駆け込んできた。
「で、ディレクター!犬坂屋敷事件の犯人が逮捕されたみたいです!」
「なに!?そ、それで誰が!?」
「……息子の秋富と母の朋子だそうで……テレビでの推理を聞いて逃げ切れないと悟って自首をしたそうです」
ディレクターはそれを聞いてマジかと思いながらエミリーを見るのだった。
一方、予想外の出来事に動揺が広がっているスタジオを何とか持ち直そうと司会が動いた。
「い、いやぁ、凄かったですね!もし、推理が合っていたのなら未解決が解決になりますねアイさん!」
「そうですね!私、探偵さんの推理を初めて聞いたんだけど殆ど分からなかったです!」
「あ、分からなかったですか」
アイのコメントで観覧客が笑いに包まれ、スタジオ内の場の雰囲気が少し良くなった。
そんな中、アイは二人の人物に注目していた。
一人はエミリー=ヴィンヤード。
アメリカの探偵を名乗る誰が見ても美人だと答えそうな容姿をしているが残念ながら服のセンスがない。
エミリーの姉であるクリスとは一度だけアイと共演しており、アイから見てもクリスの女優としての貫禄は凄いと思えた。
そんなエミリーにアイは疑問を抱いていた。
エミリーとは何処かで会った事がある様な気がアイにあった。
死んでしまったユメと同じ感覚……アイは不思議でならなかった。
二十歳になる頃に斎藤社長からユメが双子の姉だと告げられ途方もない喪失感を覚え、ドーム公演を期に引退を決意する程だった。
アイドルを引退してから2年後、子供達が行方を眩ませて見つかった時に会ったエミリーを見て人種や容姿が違うのに何処か他人とは思えなかった。
もう一人は平泉 安友子。
女子高生探偵として呼ばれた17歳の少女で、おさげが特徴的な女の子。
しかし、このスタジオに来てから安友子から時折、視線を感じていた。
その視線はいつもファンに向けられる様な視線ではなく、誰かを憎む、怨んでいる……そんな冷たい視線だった。
アイには平泉と言う名字には覚えがあった。
忘れもしない……ユメを自殺に追い込んだ刑事と同じ名字だった。
もし、本当にその刑事の娘ならハッキリ言えば恨まれるのは筋違いだと言いたかった。
アイはいつのもの様に笑顔を作りながら内心では二人に気にしつつ、自分の仕事に専念する。
それがアイに今、出来る事なのだから。
~side終了~
ふぅ……やっと、CMだ……。
生放送だから全く油断出来ないし、ヘマしたら全国に恥ずかしい姿を見られちゃうし……最悪。
「凄いですね!私、感服しちゃいました!」
「え?えーと……ありがとう?」
気を抜いてたら安友子ちゃんに話し掛けられました。
うん、流石は女子高生……可愛らしい。
「ふん。偶然だ偶然。たまたま頭に丁度良い言い分が出来ただけさ」
うわ、また綾田さんか……何か滅茶苦茶、敵視されてるんだけど何かした?
「それはどうかな。彼女の実力は日本に来る前から確かだからな。そうだろエミリー=ヴィンヤード?」
今度は楠木さんか……そこまで注目するの何で?。
「まぁ、何度か事件解決を手伝ったりしたけど……」
「それってしたんですよね!凄いですよ!前に調べたんですがアメリカで数年前から起きていた連続殺人事件に終止符を打ったそうですよね!」
「それを言うなら嬢ちゃんも"名探偵"だろ?聞いたぜ……5年前に起きた洋館殺人事件を中学生だった嬢ちゃんが解決したんだろ?」
「あ、あれは偶然で……!」
あの館の殺人事件は安友子ちゃんが解決してたんだ……。
意外な出会いに私は驚いていると。
「そろそろCMが終わります!」
「雑談は此処までだな」
「次はどんな事件なのでしょうか?エミリーさんの推理が楽しみです!」
「いやいや、貴方も推理するんだかね?」
私はそう言って、髪を軽く整えた時。
「う、ウゴアァッ!?」
突然、綾田さんが苦しみだした。
「綾田さん!?」
安友子ちゃんは綾田さんの異常事態に驚いて声を掛けるもそのまま倒れて……動かなくなった。
スタジオ内は悲鳴が起き、スタッフ達は慌て、観覧客は逃げ出そうとした時。
「動くなぁー!!」
楠木さんの怒鳴り声が響いた。
「此処から一歩も出るなよ!!スタッフは警察を呼べ!!急げ!!」
楠木さんの迫力のある声に観覧客は席に座り直し、スタッフ達は警察を呼ぶ為に行動を開始した。
私は倒れた綾田さんの所に駆け寄って安否を確かめるけど……。
「……駄目、死んでる」
「このスタジオで殺人事件ですか……!」
いつの間にか私の近くに立っていた安友子ちゃんが驚いているけど死体を見て特に動揺をする様子はなかった。
「そうみたいだね……所で安友子ちゃん。貴方は大丈夫なの?死体を見ちゃっても」
「え、えぇ……ハッキリ言うと慣れてしまって……中学の頃から何故か殺人事件に出会いまして……それで成り行きで何度か解決する事になっちゃって……」
安友子ちゃんはそう言って苦笑いする姿に私は何処か共感を覚えた後、私達は出来る事をしたうえで警察の到着を待つ事になった。