黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
私はスカーレットを連れてシェルビーGT500で日が沈み、雨が降り注ぐ道路を走っていた。
情報を手に入れた事でCIAを始末する絶好の機会……何としても仕留める。
でも、流石に二人じゃ手に余るよね……。
「と言う事でジン。手伝って」
《急に連絡寄越したかと思えばいきなりだな……まぁ、良い。その件は既にラムから俺達に通達されている。お前は近くの奴を
「分かった。お願いね」
流石はラム、仕事が早い。
私は携帯を切るとスカーレットの方を見る。
まだ、青ざめていて、とても戦える様な様子じゃなさそう。
「悪かったよスカーレット。辛いのは分かるけどあれは組織の登竜門。冷酷になれなかったら使い捨ての駒にされてたかもしれなかったんだよ?」
「……シンフォニーはいつもあんな事を?」
「口を割らせる為の拷問じゃないけどね。見せしめ。私が痛め付けてから殺すのはそう言う意味があるの。組織の仲間を守る為、家族を守る為。敵に対して容赦はいらず、無慈悲に狩る。私が冷酷であればある程に裏切りたいって言う人も少なくなるしね」
私がそう言って笑顔をスカーレットに見せたけど、駄目だ……元気にならない。
私は溜め息をついた所で最初の目的地に着いた。
「スカーレット。自分の武器の確認はしてる?」
「……それくらいはしますよ。やりましょう。早く帰りたいので」
あらま、スカーレットは完全に拗ねちゃってる……。
まぁ、良いか。
私はサイレンサーを取り付けてワルサーP99のスライドを引いてプレスチェックをすると、スカーレットもベレッタナノを取り出してサイレンサーを取り付けてからマガジンの弾数を確認してプレスチェックをしていた。
シェルビーGT500から降りて私達は数歩だけ歩けばすぐに目的のCIAの男が歩いてきて止まった。
「なッ!?お前は!!」
「残念でした。もう筒抜けだよ。さぁ、観念して死んでね」
私は雨に濡れつつ、ワルサーP99の銃口を向けたらCIAの男は舌打ちして反対方向に走り出したから私は発砲した。
乾いた様な銃声が鳴った後、CIAの男は倒れ、私は近付いて念入りに数発撃った。
「……行こう。獲物は多いよ。ジン達よりスコアを出さないとね」
「そうですね……」
スカーレットの返事が曖昧だな……まさか、離反を考えてる?。
まさかとは思うけど目を離さない様にしとこ。
~別視点side~
一方、ジン達も引き出した情報を元にCIAを見つけ出しては始末して回っていた。
応戦する者、逃げる者と区別をつける事なくジンは容赦の無い殺意を持って引き金を引いてはまた殺した。
「これで五人目……流石にシンフォニーを上回ったんじゃないですかい?」
「ふん……別に競っちゃいねぇよ。だが、始末の数ならシンフォニーには勝てねぇだろうよ」
「そ、そうなんですか?」
ウォッカは不思議そうにそう聞くとジンはタバコを吸いながらニヤリッと笑った。
「彼奴は常に動く。俺達が一人を始末する頃には三人は殺ってるさ……それだけ効率的に動き、始末する。それが彼奴のやり方だ。車を手に入れたのなら……彼奴は出遅れる事はねぇだろうよ」
ジンはそう行った後、ウォッカと共にポルシェ356Aに乗り込むとその場を後にした。
その頃、別の場所ではCIAの女が焦った様子で雨の振る道を走っていた。
「クソ!!クリスもレオンも死んだ!このままじゃ全滅してしまう……!どうにか立て直さなければ」
女がそう言って広い道に出た時、何処からか発砲され、頭を撃ち抜かれて死んだ。
「アッタリー!間抜けなCIAだねぇ!スナイパーへの警戒を怠ってやがったよ!」
「これなら……明日までに……片付く……」
「確かなその通りだよ。次の場所に行くよ」
此処ではキャンティとコルンのコンビが狙撃でCIAを殺害していた。
二人だけでなく、同じ幹部のキールもまた、任務に着いていた。
キールはCIAの居場所へと急行し、拳銃をCIAの男に向けていた。
「やるんだ瑛海!奴等に疑われる様な事はしてはいけない!」
「でも……!」
「やるんだ!」
CIAの男はそう叫びながら拳銃を向け、驚いたキールは引き金を引いてしまい、撃ってしまった。
「……そうだ……それで良い……頼んだぞ……瑛海……」
CIAの男はそう呟いて息を引き取るとキールはその姿を悲しげに見つめながらその場を去った。
~side終了~
冷たい雨が降り注ぐ新月の夜……私はまた、殺した。
今度は抵抗しようとしてきたからさ……手早く始末して後は放置を決め込むだけ。
正直、飽きた。
これで十人近く殺ってるけどまだ、仕事終わりの合図が出ない。
「あと何人殺れば良いのよ!!」
「CIAに逃げきられるまでですよ。彼らの撤退している背後を突く様に私達は攻撃しているんですから簡単には終わりませんね」
スカーレットのその言葉に私は不機嫌になると、ブラックデビルのタバコを一本取り出して口に咥えると火を点けて吸った。
……やっぱり、イライラしたらこれよね。
「あまり吸わない方が良いですよ?健康に悪いですし」
「別に構わないよ。それよりも次の獲物の所へ向かうよ」
私はそう言って構わずに吸ってるとスカーレットは諦めた様に溜め息をついた。
シェルビーGT500を運転している時、目的地の場所から車が走り出したのを見つけた。
彼処はCIAが潜伏している以外では無人……その無人の目的地の場所から車が出てきたと言う事は。
「CIAが逃げた!追うわよ!」
「え?ちょッ!?」
私はアクセル全開で出ていった車を追い掛けると車はスピードを増して逃げようとしている。
「ビンゴ!CIAだ!」
「シンフォニー!あまりスピードは出さない方が!?」
「馬鹿!此処でスピード出さないでどうやって追いかけるの!黙って乗ってなさい!!」
私はそう言いながら猛スピードで逃げたCIAを追い掛けた。
日が完全に落ちたとは言え、まだ一般人が多い時間帯をCIAも私も駆け抜けていく中、やっと、隣に着いた。
「撃って!スカーレット!!」
「分かってますよ!!」
私の指示を聞いたスカーレットはベレッタナノをCIAの車に向けて発砲、サイレンサーを取り付けてなかったからかなり大きな銃声が響いた。
スカーレットからの発砲でCIAの車の車体や窓に弾丸が当たった。
けど、そこからCIA側は撃たれた窓を叩き割って反撃の発砲、私のシェルビーGT500に傷をつけてきた。
「私のシェルビー!?」
「言ってる場合じゃないでしょ!?運転に集中して下さい!!」
私がシェルビーGT500を傷つけられた事を悲しんでる間にスカーレットも応戦して発砲を続けている。
互いに横に着けながら車で走りつつ行う銃撃戦にあちこちから悲鳴が……これ、ジンに怒られるだろうな……。
私は憂鬱に思っていた時。
《警察よ!!そこの車二台、止まりなさい!!》
今度は何と言うか……覆面パトカーにしたら滅茶苦茶、カッコいい車の代表、赤のRX-7がサイレン鳴らして向かってきていた。
「ちッ……スカーレット」
「何ですか!!」
「あのRX-7のタイヤ撃てる?」
「今、忙しいですよ!!」
「……じゃ、私がやるわ」
「そうですか!!……え?」
スカーレットは戦闘で忙しいそうだし、私がやる事にした。
車のハンドルをそのまま握りつつ、アクセルを踏んで、タイミングを上手く掴んでから……窓から上半身を出した。
周りは今は丁度、暗闇の中……ちょっと乗り出しても私の顔は見えない。
私は身を乗り出し終えるとワルサーP99を構えて赤のRX-7のタイヤを撃ち抜いた。
赤のRX-7はタイヤを撃たれた事でバランスを崩して急停止の後に停車、私達を追い掛けられなくなったのを確認するとそのまま車を運転しているCIAの頭を狙い撃って殺した。
ターゲットを始末して、追っ手も撤いた。
文句無しの終わり方をしたから私はそのまま車内に戻って運転を再開した時、ラムからメールが届いた。
内容は簡単に言うと仕事は終わりだった。
「終わった……サッサと帰ろうか」
「……私、もう貴方の車に乗りませんから……」
「え?何で?」
スカーレットに何故か乗車拒否された私は首を傾げた。
~別視点side~
その頃、赤のRX-7の持ち主である佐藤 美和子はタイヤを撃たれ、制御が難しくなったRX-7を持ち前の運転技術で事故を起こさずに停車させた後、暗闇に消え去ったユメ達が向かった先を睨んでいた。
街中でカーチェイスするだけに飽き足らず、銃撃戦を行っていたと言う通報を受け、たまたま近くを運転していた美和子が駆けつけたのは良かったが結果はこの有り様だった。
タイヤを撃たれた事で万が一、美和子が少しでも運転を誤っていたら美和子だけでなく、周りに被害を及ぼす事態になっていた。
美和子は追跡の最中、追跡車の一台である黒のシェルビーGT500の運転席から出てきた人物の事を考えた。
「あんなの……普通じゃない……」
運転席から上半身を乗り出させて窓の上に座りながら狙い撃つ……ハッキリ言えばかなり危険で、無謀な行為だった……しかし、それを容易く行い尚且つ、運転もこなしていた。
顔もよく見えなかった為、誰だったのかは分からないがシェルビーGT500のナンバープレートは把握したので追う事は出来る。
とは言っても彼処まで暴れ回っていた者がナンバープレートを気にしない筈がないので無駄になる可能性が占めていた。
唯一の手掛かりであるシェルビーGT500もいつまでも使っていたり、工夫をしないなんて事もありえない。
「……今はこれを何とかしないとね」
美和子はそう言ってタイヤを撃ち抜かれたRX-7を見ながら応援が来るまでどうにも出来ない状況に溜め息をついた。
~side終了~
仕事が終わって、私はちょっと休憩しようかな~なんて適当な理由で人気の無い公園まで来ていた。
シェルビーGT500を見つからない様に泊めてスカーレットと近くの自販機から飲み物を買ってからベンチに座り込んだ。
「疲れた~!帰ったら今日はすぐに寝ようかな~いや、絶対にねる」
「シャワーは浴びてくださいね」
「めんどくさい~」
「浴びてください。臭いますよ?」
流石に臭うのは女としては駄目だよね……ベルモットに恥を掻かせちゃうし。
私は買ったコーラを飲みながら夜の公園の景色をボーと見ていた時。
「シンフォニーは昔から組織にいたのですか?」
……スカーレットがつまらない質問をしてきた。
「……スカーレット」
「すみません……禁句でしたか?」
「……いや、別に禁句にしてた訳じゃない。思い出したくないだけかな。私は組織に忠誠を誓ってる。それは本当。でも、最初から望んで入った訳でもない。……私のお父さんが私を引き込んだ様なもの。組織の為の訓練……戦闘、拷問、爆弾作り、ハッキング……色々な事をさせられた……言う事を聞かない、失敗したなんて事になればよく殴られたな~……ベルモットに出会わなかったら私、生きてたのかな?」
私は吐き出す様にスカーレットに言うとスカーレットは無言だった。
「だから、私にとって組織は仲間であり、家族であり、命の恩人。組織が何れだけ最低で狂った存在でも私は救われた命に見合う恩を返すつもり。そう……例えこの世の全ての人間に憎まれたとしても……私は"残忍で冷酷な人間を演じないといけないの"。そのせいなのかな……たまに私が私で失くなってる時があるんだ。自分が自分でない……その事に気付いたら……まぁ、別に気にしてないし、それを利用して此処まで生きてきたんだもんね」
私はそう言ってコーラの缶をゴミ箱に捨てた。
私は私……例え別の何かがこの身体にいたとしても……それを受け入れてしまえば良いんだから……。
「さぁ、帰ろう!報告を纏めないとラムに怒られちゃうしね」
私は意気揚々と歩き出した……けど、近くに転がってた缶に気付かないで踏みつけてバランスを崩した後、思いっきり転んだ。
「やっぱり……私がちゃんとしないと」
スカーレットからそんな声が聞こえた気がするけど気のせいよね?。