黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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天才子役

依頼日の日時。

 

私は欠伸をしながらスカーレットを連れて待ち合わせ場所の日売テレビ局前に来るとそこには依頼主と思われる母親とその子供の有馬かながいた。  

 

母親はビクビクとした様子で周りを伺ってて、とてもまともな状態じゃないのは間違いなかった。

 

「ねぇ、あの人?」

 

「そうです。子供の方を見れば分かるでしょ?」

 

スカーレットのその言葉に私は嫌な予感を感じながら取り敢えず営業スマイルに徹した。

 

「すみません。お待たせしました」

 

「遅い!もっと早く来てよ!」

 

はい、怒られました……別に遅刻してないのに……。

 

よっぽど子供が襲われる事が恐ろしかったんだろうね。

 

「す、すみませんね……それで依頼で娘さんの護衛と聞いたんですが何故、娘さんの命が狙われてるのか分かりますか?」

 

「知らないわよ!どうせアレよ!この子がドラマの大きな役を取った事に嫉妬した奴の仕業なのよ!だから邪魔になるこの子を殺して役を奪おうって魂胆なのよ!」

 

「いや、まだ決まってませんし……」

 

うわぁ……面倒臭い人たな……狙われてる理由もかなり一方的だし……。

 

「いや、何か狙われているって言う根拠とか?証拠はありますか?ほら、殺害予告とか?」

 

「あるわよ!ほら、これよ!」

 

そう言って差し出されたのは新聞の文字を切り取った古風な殺害予告で、

 

 

有馬かなの役である主人公のシングルマザーの娘役を降りないと殺す

 

 

って言うものらしい。

 

「これは確かに……スカーレットはどう思う?」

 

「真意は定かではありませんね。単なる脅しかもしれませんし、本気でやるかもしれません。念の為に警察に連絡するのは?」

 

「駄目よ!大事な時期なのに警察に連絡してスキャンダルになったらどうするの!この子の仕事が減ってから久しぶりに来た大仕事なのに台無しにしろって言うの!」

 

大事な時期や仕事ね……自分の娘の危機なのにそんな事の為にリスクを負おうとしてるの?。

 

私はかなちゃんを見るけど全く元気が無い様に見える。

 

「……かなちゃんのお母さん。悪い事は言わないからさぁ。仕事なんてキャンセルして、警察に被害届けを出そう。別に悪い事をしてスキャンダルになるんじゃないんだから大丈夫だって。またチャンスだってありますよ」

 

「駄目!!」

 

私が止めとけなんて言ったら今度はかなちゃんが声を挙げたよ……。

 

「私はプロよ!!キャンセルなんてしないんだから!!」

 

「かなちゃん……」

 

困ったな……子供なのにプライドを持つくらいの気持ちはあるのか……子供だしなぁ……自分が置かれている危険が分かっていない可能性もあるし……。

 

「どうするんですか?」

 

「私に聞かないでよ……」

 

「いやいや、貴方が決めてください。貴方の仕事なんですから」

 

「スカーレットの仕事でもあるじゃん」

 

「私は貴方の助手です。つまりは部下。上司の貴方が決めないでどうするんですか」

 

反論の余地も無い正論だ……はぁ……仕方ないな……。

 

「分かった……分かったよ!守れば良いんでしょ!その代わりに条件があるよ」

 

「な、なによ?提示する報酬以上のお金は出さないわよ!」

 

かなちゃんのお母さんは私が報酬をふんだくると思ってると思うけど違うからね。

 

「……かなちゃんにもしも、危険が本当にあったら仕事は中止。警察に駆け込んで全ての事情を話して保護して貰う事。それが条件」

 

「な、何よ!探偵の癖に!」

 

「断るなら他を頼ってね。もし、万が一にでも本当に脅迫してきた奴が殺しに来たら……他に雇った人がちゃーんと守れるのか分からないけどね~」

 

私が悪戯ぽく言ったらかなちゃんのお母さんは顔を真っ赤にしながらプルプル震えてる。

 

まぁ、他に宛てが無いのは知ってるしね。

 

私は例え依頼主が安全そうでも入念に調べてから受ける事にしてる。

 

だって、依頼受けた結果、敵対している連中の罠でしたなんて笑えないもん。

 

「わ、分かったわ……その代わりにちゃんと仕事するのよ。良いわね?」

 

「分かってまーす!」

 

私がそう言ったらカンカンになってテレビ局の方へ行っちゃった……おい、子供置いてくな。

 

「はぁ……なんて母親なの……」

 

「エミリー……!子供の前で言わないでください……!」

 

あ、しまった……。

 

私は かなちゃんの前で失言してしまったのに気付いて視線を向けたら元気を無くしてうつ向いてる。

 

「(やっちゃったわね)」

 

「(煩いなぁ!まさか子供の危機なのにそのまま置いていくなんて思わないでしょ普通!)」

 

「(世界にはね。自分の栄華さえ守れれば子供の事なんてどうでも良かったり、道具にしたりする奴なんて沢山いるのよ。この子は運悪くそんな親に当たったのよ)」

 

アクムはそう言って冷たく言うけどさ……私にとって母親は……いや、知らないのに母親の事なんて語れない。

 

かなちゃんのお母さんを調べるにあたって到底、親とは思えない言動が目立った人物なのは分かっている。

 

かなちゃんが売れて人気になった所までは普通の母親みたいだったけど……人気無くなちゃった所から狂った。

 

形振り構わない営業、出代を増やせとか言って現場を困らせたりしたらしい。

 

かなちゃんはちょっと前までは傲慢だった……だけど、アクアとの共演してから嘘の様に変わったらしい。

 

「(つまりアレよね……あのクソババァがかなの仕事を奪ってるんじゃないの?)」

 

「(まぁね……私が家庭環境とか言える立場じゃないしね……現に私達の家庭も滅茶苦茶だったし)」

 

家庭環境と言えば……あの奥さん、旦那さんが浮気してるの知らないらしい。

 

うわぁ……仕事中にそれが露見して修羅場にならないと良いけど……。

 

「ちょっと!いつまで此処にいさせるつもりよ!」

 

私が思考を停止して現実に戻るとかなちゃんにどやされた。

 

「あ、ごめん!仕事遅れちゃうよね」

 

「しっかりしてくださいエミリー。警護は集中しないと出来ませんよ?」

 

「誰に物を言ってるのよスカーレット?」

 

たく……スカーレットも心配性ね。

 

まぁ、良いや。

 

取り敢えず かなちゃんを現場まで連れて行こう。

 

「じゃあ、かなちゃん。行こうか」

 

私は笑顔で手を差し出して手を繋ごうって促したけど、かなちゃんは不機嫌そうにしながら一人で歩いていっちゃった。

 

「……怒らせちゃったね」

 

「また怒らせましたね」

 

またって事は志保の事かな?。

 

スカーレットって本当に辛辣だね~……うん、本当に。

 

私は軽く溜め息をついてから急いで かなちゃんの後を追った。

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