黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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話し合い

阿笠邸襲撃から少し日数が経過した頃。

 

私は一度、断ってからエミリー=ヴィンヤードとして阿笠邸にやって来た。

 

邸宅内には勿論、組織に対する無謀な反逆者であるコナン君とその片棒を担ぐ阿笠さんそして、脱走者の哀ちゃんの三人がいる。

 

「さて……何処から話そうかな……」

 

暫くの沈黙の後、私は悩ましいとばかりに言ってみたら。

 

「エミリーさんとシンフォニー。どんな関係だ?」

 

コナンが先に質問してきた。

 

まぁ、最初の質問にしては全うだね。

 

「取り繕う事は言わない。彼女は私の親友の仇よ。それだけ」

 

「親友の仇?」

 

「……言うのもアレだけどね。私の親友はマフィアのボスの一人娘なの」

 

私がそう言ったらコナン君、滅茶苦茶驚いてるじゃん。

 

まぁ、探偵=正義の味方みたいな感じの価値観の計り方じゃそのくらいの考えしか出ないわよね。

 

「何でマフィアのボスの娘と親友になるんだよ!!」

 

「気が合ったから?別に大したもんじゃないよ。探偵と言うのは裏社会に片足を突っ込んだ様な職よ。相手の同意も得ずに調べ上げ、他人に情報を渡す。探偵を頼るのは困った善意のある人間だけじゃないの。……悪党だって探偵を利用するんだからね」

 

私はそう言うとコナン君は何か覚えがあるのか黙った。

 

これは前の事件か何かで利用されたんだな~て、悟れるね。

 

「話は戻すよ。私の親友、ソフィア=ゴッドスピード。ゴッドスピード・ファミリーの首領の一人娘で、幹部の地位に就いてると言っても過言じゃない立場だった。ゴッドスピード・ファミリーはニューヨークを統べてた……シンフォニーが手を出すまではね。シンフォニーは……ゴッドスピード・ファミリーを壊滅させた。たった一人でね」

 

「一人だと!?」

 

「そ、そんな馬鹿な!!相手はマフィアなんじゃろ!?」

 

「シンフォニーなら……あり得るわ……」

 

私の話が信じられないとばかりに二人が驚いていた所で、哀ちゃんが切り出した。

 

「シンフォニー……夜空ユメは組織随一の武闘派よ。正確には分からない……彼女は幼少の頃から組織に仕え、圧倒的な武力と残虐性を持って、幹部に君臨していた。そう……私が把握している最小の歳は6歳だって所」

 

「はぁッ!?」

 

コナンは信じられないとばかりに叫び、私は顔には出さないけど面白い反応をするな~て、笑ってた。

 

「犯罪組織の少年兵って所かしらね」

 

私が冗談混じりに言うと。

 

「その例えも合ってるわ。何しろ彼女……組織の任務で外国の紛争で少年兵に紛れて従軍経験を積んだって話してた」

 

私の過去の一部をカミングアウトしちゃった。

 

「嘘だろ……?」

 

「嘘みたいでしょ?でも、彼女の強さを知るなら納得出来るわよ。それに頭も切れるわ。今頃、私達を追い詰めて殺す算段を立ててもおかしくないわよ」

 

「それに関しては問題ないよ」

 

私がそう言うと三人は驚いた顔をした。

 

「私にはちょっとした伝手があってね……私が貴方達の元に駆け付けられる範囲なら彼女は迂闊に仕掛けられないよ」

 

「何でだよ?伝手って何だ?」

 

「これの伝手」

 

私はそう言ってワルサーP99を見せびらかすとコナン君の目付きが鋭くなった。

 

「裏社会には裏社会……強大な組織でも武力で真っ向から均衡を破りたいなんて考えてる訳じゃない。秘密主義の傾向なら尚更ね。それに知ってる?世界はね……おっかない人間で溢れ帰ってるんだよ。表も……裏もね」

 

「お前……探偵としての誇りはねぇのかよ」

 

「探偵は職だよ。見合った依頼料をくれたら仕事するし、事件も解決する。ドンパチだってする……コナン君。本の中と現実は違うんだよ。銃みたいな確実に身を守る術や組織に対抗できる後ろ楯すら無いのなら……離れなさい。今度は守って上げられるか分からない。シンフォニーは露骨な犬よ。また付け入る隙を与えたら……今度は死ぬわよ?」

 

私は空想と現実は違うと諭しながら警告する。

 

コナン君は阿笠邸の一件で流石に何れだけヤバいのか分かったのか黙り込んでいる。

 

「一つだけ聞きたい」

 

「なに?」

 

「シンフォニーの顔には見覚えがある……あれは女優のアイの顔だ。何で彼奴の顔はアイそのものだったんだ?」

 

「それは分からないね……。双子の姉妹とかじゃないの?……けれど、カミキヒカル事件の後から日本から姿を消してアメリカに来たのは知ってる」

 

「カミキヒカル事件?確かに5年前の惨殺事件だったな……彼奴が絡んでいたのか」

 

「シンフォニーはカミキヒカルを何かしらの理由で殺害。それを追及してきた刑事を自殺に見せかけて殺した後、自分も自殺した事にして消えた……私も此処まで調べるのは苦労したよ」

 

本当に苦労したよね……人一人を殺すだけだったのに刑事に追われて焼身自殺の真似事を興じないといけなかったんだからね。

 

「ハッキリ言っておくよ?シンフォニーの情報を掴めたのは奇跡。今度は掴ませてくれるのか分からない。無謀な挑戦は死になると思ってね……工藤君?」

 

「分かってるよ。流石に俺も浅はかだった……」

 

「分かればよろしい。さて……皆。住所はそのままでお願いね?私の伝手は本当に手の届く所じゃないと動けない。大丈夫。必ず私が守る。その為に違法行為だって分かっていても拳銃を持ってきたんだからね」

 

「殺すつもりか?」

 

「……さぁね」

 

私はわざと曖昧な返事をしてみたらコナン君は殺人は許さないって顔をしてる……そこは曲がらないんだね。

 

暫くお互いに睨み合いになったけど此処は私は折れるか。

 

「分かった……分かったよ!出来る限り殺害は避ける。でも、これだけは理解しなさい。……シンフォニーは生きたまま捕まえるのは神業としか言えない様な事よ?」

 

「それでもやるだけだ。彼奴は必ず捕まえてやるって決めてんだよ」

 

「そう……まぁ、検討を祈るよ。幸いにも此処はロアナプラみたいに好き勝手に暴れる様な奴はいないし、賄賂を取る警官もいないもんね」

 

「ロアナプラ?」

 

「タイの港町よ。治安は世界でも希に見ない程に最悪。タイ政府の手から離れた世界中の悪と言う悪が集う犯罪都市。そう聞いた事があるわ」

 

哀ちゃんの捕捉でコナンはそんな町があるのかと言う様な顔をしてるけどね……ロアナプラはコナン君が考えてる程に甘い所じゃない。

 

チンピラみたいな雑魚でも、フリーランスの裏家業屋でも、殺し屋でもロアナプラを根拠地にしてるなら必ずロアナプラに根を張るマフィアの下にいるって言うくらいに割りと都市の支配体制はしっかりしてるし、1回でもその何処かのマフィアを怒らせると無事に帰るのが大変なんだよ……。

 

特にロシアン・マフィアのホテル・モスクワ。

 

率いてるバラライカの姐さんは元軍人の指揮官だけあって追い詰め方も上手いしね。

 

絶対に会いたくない……まぁ、此処は日本だし、タイにいるバラライカの姐さんとは会わない筈だから大丈夫……の筈。

 

「気を付けなよ。犯罪組織は何も組織だけじゃない。マフィアやヤクザ、殺し屋もいる。コナン君が相手にしてきた素人じゃない。本物の裏社会の人間。そんな奴等を敵に回したら本当にかなりしつこいからね」

 

「そんなもん。組織を追ってる此方の身としては慣れてるよ」

 

「馬鹿ね。組織は表だっては始末しに来ない。考えてみて。何処かのマフィアとかヤクザを敵にした翌日に貴方の周りをおっかないオッサンが銃を手に取り囲んで来たら……どう思う?」 

 

「確かに嫌な光景だな……」

 

「でしょ?」

 

まぁ、マフィアとかヤクザとか見たいな分かりやすい危険な組織よりもアメリカのCIAみたいな諜報部辺りが一枚噛んでる時もあるから組織も利益は大きくてもロアナプラに手を出したがらない。

 

それでも質の良い銃とか仕入れられたりしてるから贔屓もさせて貰っている。

 

「まぁ、簡単よ。ロアナプラなんて綺麗な人間が行く所じゃない……悪党。そう……悪党と呼べる人間だけがそこを楽園として暮らせるだけの場所。コナン君達には永遠に縁の無い場所だよ」

 

話がかなり脱線したな……仕切り直そう。

 

そう思った矢先に携帯がなった。 

 

携帯は……組織との連絡用ね。

 

「ちょっとごめん……はい、もしもし?」

 

《し、シンフォニー!その……》

 

「えーと……どちら様で?」

 

《す、すみません!お……わ、私はチャイと言います!組織の末端の席に置かせて貰っています!その今回は何と言えば……》

 

「悪戯電話?何か要件があるなら早く言って?」

 

《た、単刀直入に言います……その前に!ろ、ロアナプラは御存知で?》

 

「今、話してたけど?それがどうしたの?」

 

何なのこの末端のタイ人?の話し方。

 

話の意図が掴めない……こいつ、私の目の前に出てきたら殺っちゃおうかな?。

 

《そ、そうですか……内容を伝えます……ろ、ロアナプラにふ、双子が!》

 

「は?」

 

《貴方の甥がいるんです!双子の……男の子と女の子が!》

 

……は?。

 

《仕事でロアナプラにいた時に見つけて……そ、捜索したらホテル・モスクワのバラライカの所にいるとかで……と、とにかくどうすれば!?》

 

「……分かった。何でそこにいるのか分かる?」

 

《今、全力で調査をしています!!》

 

「そう……うん、分かった。迎えに行くよ。それじゃ……あ、言っておくけどその子達に何かあったら許さないからね?じゃあ、またね」

 

私はそう言って深い溜め息をつくと三人に笑顔を向けた。

 

「ごめんなさいね。私、ちょっとタイに行かないと行けないみたい」

 

「はぁッ!?何でそうなんだよ!?」

 

「本当にそうだよね……大丈夫だよ。私の伝手はね……強いからね」

 

私はそう言って話し合いの席から立ち上がると丁度、阿笠邸の電話が鳴った。

 

阿笠さんはすぐに電話の方へ言って受話器を取った。

 

「はい、阿笠じゃが?おぉ、アイさんか。昨晩は停電でな。どう……えぇ!?アクア君とルビー君がいなくなった!?」

 

「なに!?どう言う事だ博士!!」

 

「わ、分からん!」

 

二人が混乱している時に私はそのまま出て行こうとしたら。

 

「ねぇ、エミリーさん」

 

「ん?どうしたの哀ちゃん?」

 

哀ちゃんに呼び止められたよ。

 

何かを悟られたみたい。

 

「何か……知ってたりする?」

 

「……知らないわよ。本気でね」

 

私はそれだけを言うと阿笠邸から急いで出た。

 

……タイ行きのチケットを取ってロアナプラへ。

 

待ってなさいアクア、ルビー!。

 

それまでバラライカの姐さんに粗相とかは絶対にしないでね!!。

 

 

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