黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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悪夢の銃弾

~別視点side~

 

 

マニサレラ・カルテル、タイ支部のボスであるアブレーゴは頭を抱えて震えていた。

 

「日本の馬鹿な奴等め!後のツケは俺が払うんだぞ!クソが!!」

 

アブレーゴが恐れているもの。

 

それは情報が全く入らず、分からず、名前すら分からない謎だらけの組織に属するシンフォニーの来訪だ。

 

アブレーゴはかつて、ロアナプラで大量の武器を仕入れる任務を受けたシンフォニーと荷物持ち役として連れていた手勢に散々に打ち負かされ、兵隊もシノギも大幅に減らされた。

 

そしてアブレーゴのいる事務所にシンフォニーがやって来て度重なる暴行の末にアブレーゴが泣いて土下座する羽目になった。

 

「ぼ、ボス!何もそこまで震えなくても相手は一人ですぜ!」

 

「うるせぇ!!そのたった一人に散々やられたんだ!!奴の事を知らねぇでゴタゴタ言うな!!」

 

アブレーゴは息を荒げながら怒鳴ると何時かは来るであろうシンフォニーをどうするか頭を悩ませる事となった。

 

その頃、マニサレラ・カルテルの経営するバー。

 

そこは高級志向とも言えないマフィアが運営する以外では普通のバーであるその扉が勢いよく開かれた。

 

バーテンダーや客、そしてバーに駐在するマニサレラ・カルテルの構成員が一斉に視線を向けるとそこには。

 

「失礼するよ。マニサレラ・カルテル……そしてさようなら」

 

ユメいや、アクムが獰猛な笑みを浮かべながらRPD軽機関銃を手にし、そして構えると……。

 

けたたましい発砲音と共に全てを巻き添えに凪払った。

 

 

~side終了~

 

 

私は心を奥底で静かに目の前の惨事を眺めていた。

 

「アッハハハ!!」

 

アクムがマニサレラ・カルテルと全く関係のない人間も巻き込んで発砲し、殺していく。

 

「(アクム……殺しは良いけどアクアとルビーは?)」

 

「(問題無いよ。今、現地の奴等を騒動員させて見つけたでしょ?)」

 

「(いや、見つけたのは良いけど騒動に巻き込まれてるよね?)」

 

アクムは私と無理矢理に入れ替わると先ず、現地の組織の人員を動かしてアクアとルビーを見つけ出した。

 

見つけたのは良かったけど……何でかラグーン商会の皆とあのメイドさんが追い駆けっこしてるらしい……。

 

私としてはすぐに迎えに行きたいけどアクムは部下に任せるつもりでいる。

 

「(私達は素顔のまんまなんだよ?今の私を見られる訳にはいかない……分かってるよね?)」

 

「(二人が死ぬかもしれない)」

 

「(私としてはラグーン商会の悪運を信じるね。バラライカの姐さんのお墨付きよ。彼奴らは死にやしない。それにメイドの方も何か用事があるからマニサレラ・カルテルじゃなくてラグーン商会を追っている。先ず、一気に人が死ぬような事はしないでしょ?)」

 

そうかもしれないけど……!。

 

あのメイドさんは只者じゃない……久しぶりに冷や汗を掻かされた。

 

雰囲気だけでもかなりの威圧感があった。

 

「(やっぱり追うべきよ。そうでしょ?)」

 

「(……ユメ。ちょっとくらい他人を信じてみたら?彼奴らは何やかんや言いながら守って見せるよ。自分達が死なない為にもね)」

 

アクムはそう言って私の言葉を無視して生き残りがいないか店内を見て回り始めた。

 

アクムが暫くウロウロしているとテーブルの下に下働きで働いていたのかまだ幼そうな給仕の少女が震えて隠れていた。

 

「みーつけた」

 

「ひッ!?いや!!痛い痛い痛い!!」

 

アクムは不敵な笑みを浮かべて給仕の少女の髪を引っ張ってテーブルの下から引き摺り出した。

 

「(殺すの?)」

 

「(マニサレラ・カルテルと関わったならカタギだろうと殺す。見せしめよ)」

 

「(……好きにしたら)」

 

私は別に少女に死んでほしくない訳じゃない……どうでも良いから生死の判断を聞いただけ。

 

まぁ……同情はするよ……でも、マニサレラ・カルテルの下で働いてたし無関係じゃないでしょ?。

 

「た、助けて……!」

 

「残念。泣いても許さない」

 

アクムはそう言ってRPD軽機関銃の銃口を少女に向けると発砲した。

 

弾は一発、二発では済まず、十発以上も撃ち込まれて終わった。

 

「はぁ……スッキリした~」

 

「(はいはい。もう好きにして)」

 

私は諦めて溜め息をつくとアクムは殺した少女等の死体を踏みつけながら奥の裏口から出る為に歩き出す。

 

私には無い残忍で冷酷な人格……これが私の素の性格だったのなら……アイ達は私を受け入れてくれるのかな?。

 

いや、無理か。

_______

_____

___

 

マニサレラ・カルテルに繋がる人、店、家、車……全てをアクムは破壊して回った。

 

アクムの放つ銃弾は殺戮を起こし続け、老若男女問わない死をもたらし、アクムは無慈悲に逃げようとする人、命乞いをする人も関係なくズタズタにした。

 

時には手榴弾を口に突っ込んで窓から落として爆殺したりもした。

 

「くそったれぇッ!!!」

 

襲撃したマニサレラ・カルテルの支部の最後の構成員の反撃を物ともせず、アクムは殺し終えるとRPD軽機関銃を肩に担ぐと隅でガタガタ震えて失禁までしたアブレーゴの元にアクムは近付いた。

 

「さて……終わったね。アブレーゴ」

 

「た、助けてくれ……!わざとじゃなかったんだ!俺はお前に敵対する気も!お前の後ろにいる奴等に喧嘩を売る気もなかったんだ!!」

 

「それを何で信じないといけないの?あの子達は私の身内……そして、組織の管理下、謂わば所有物。あの子達と私の妹に手を出す行為は組織に仇なすと言う意味でもある……あんたの意思なんて関係なく、報復はするのよ」

 

アクムはそう言って煙草を口に咥えて火を点けると一服する。

 

「でも、アブレーゴ。あんたは運が良い。ロアナプラの縄張りは少し縮小するだけで済むわよ。勿論、あんたの命も助けてあげる」

 

「ほ、本当か!」

 

「その代わり……あんたの目玉を片方だけ貰うとするよ」

 

「……は?」

 

アクムはそう言ってアブレーゴの所に一気に近付くとアブレーゴの髪を強く掴んだ。

 

「な、何を!?」

 

「アブレーゴ……私としてはね……あんたには死んでほしい。アイを泣かせて、アクアとルビーを苦しめた手打ちを着けさせる為にもね……でも、ボスは報復は望んでも天秤が大きく傾くのは望まない。あんたが死んで、マニサレラ・カルテルが壊滅してしまえば残り三つの勢力は大きな抗争を起こす可能性がある。私達の物資の調達もままらなくなる。だからボスのお望みは適度に報復し、あんたには私達に逆らえばどうなるのか……思い出せる様に"印"を付けてあげるだけよ」

 

アクムは言い終わると悪魔の様な笑みを浮かべながら残った片手で煙草を取る。

 

「や、止めろ!!止めてくれ!!!」

 

アブレーゴはアクムに懇願するも聞き入れず、私も止めるつもりはない。

 

寧ろ、残ったもう片方の目は私がやろうかと思ってるくらいにマニサレラ・カルテルには腹が煮えくり返ってるんだから。

 

アクムはアブレーゴの悲鳴を楽しそうに聞きながら徐々に煙草を左目に近付けていき……。

 

アブレーゴの悲鳴が事務所全体に響く事になった。

 

 

~別視点side~

 

 

日が昇り、ラグーン商会の面々とメイドことロベルタの追い駆けっこは港まで続き、レビィとロベルタの激しい銃撃に勝負が変わったがその途中でバラライカが間に入った事でレビィとロベルタによるタイトルマッチ、つまりは殴り合いへと変貌した。

 

「入った入った!」

 

「若いって良いわねぇ」

 

初手はロベルタの不意打ちとも言えるアッパーから始まり、そこからレビィとロベルタの苛烈な殴り合いなった。

 

途中、ロックが止めようとしたが二人の圧に負けてあっさりと引き下がったのは言うまでもない。

 

レビィとロベルタの殴り合いにバラライカ達が笑い、ガルシアがロベルタに声援の声を挙げる中、アクアとルビーの二人は本格的な殴り合いに引いてしまっていた。

 

「お、お兄ちゃん!あれ、止めなくても良いの!?」

 

「無理だ……ルビーも見ただろ?止めようとしていたロックがあっさり、諦めたのを」

 

事件に巻き込まれ、死体を見た事があった二人でも此処までの喧嘩を見た事もなく、どうすれば良いのかと二人の殴り合いを見ていたら。

 

「おーい!アクア君とルビーちゃん!」

 

「「え?」」

 

喧嘩の会場に組織の末端のタイ人、チャイがやって来た。

 

「誰!?」

 

ルビーはガチで知らないタイ人に名前を呼ばれてツッコミを入れるとダッチが反応した。

 

「チャイじゃねぇか。どうした?」

 

「いやーダッチ……上からこの子達をすぐに日本に送れって言われてさ……迎えに来たんだよ……」

 

「日本に帰れるの!」

 

「本当なのか!」

 

チャイは息を切らしながらダッチに説明するとアクアとルビーが日本に帰れる事に驚き、ルビーは素直に喜んだ。

 

「良かったね二人共。それにしても上から?」

 

「ロック。知らない方が良いよ。僕がFBIとマフィアを怒らせちゃった事を言った事があるだろ?それの千倍ヤバイから」

 

「せ、千倍ヤバイの!?」

 

ロックはそれを聞いて青ざめるとバラライカは笑った。

 

「今頃、アブレーゴはカンカンになった彼女に酷い目にあってるわよ。大丈夫よロック。下手な詮索と邪魔をする。この二つを特にしなければ殺し屋を送られるなんて事はまずないわ」

 

バラライカのその言葉にロックは安心した時、レビィとロベルタの拳が同時に当たり、二人して倒れた。

 

「はい。ドロー」

 

バラライカのドロー判定でレビィ&ロベルタによるタイトルマッチは幕を下ろした。

 

その後、ガルシアとロベルタ、次いでにチャイとアクア、ルビーも空港まで送ってくれる事になり、ホテル・モスクワの車に乗せられた。

 

その様子を双眼鏡で見ていたアクムから身体の主導権を返還されたユメは見届けるとバラライカに向けてお礼を言うべく携帯を掛けながらその場を去った。

 

~side終了~

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