黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
~別視点side~
呑口重彦が組織によって消されてから数日後。
公安警察の極秘施設の一つである重要参考人が負傷したり、意識不明の状態時の際に収容する病棟に組織ではバーボンと呼ばれ、公安警察のNOCである男、降谷零が険しい顔で訪れていた。
「奴の容態はどうだ?」
「降谷さん。銃弾を何発も受け、重症でしたが一命は取り留めています……生きてるのが奇跡としか……一先ずは我々、公安が預かり、世間には死亡扱いと言う事にしています」
降谷は部下の風見からそれを聞き、集中治療室で意識を取り戻させるべく治療を受けている組織の幹部、ピスコを見る。
「襲撃された事には驚かされたが……これは組織の奥底の情報を握る絶好の機会だ。死なせるなよ風見?」
「分かっています。しかし……一体何者なのでしょうか?ピスコを……桝山憲三を狙うとは」
「いいや、狙われたのはシンフォニー……夜空ユメだった」
風見はそれを聞き、驚きはしなかった。
若くして幹部の地位に着き、暗殺、拷問を繰り返すジンに続く組織の極悪犯であるシンフォニーが何の恨みも買っていないとは思っていないからだ。
「彼女の……裏の顔を知り、復讐に出た可能性があると?」
「そうとしか考えられない……何しろ彼女は自分の抱える人間以外の命を軽視する傾向がある……何処かで彼女の……エミリーの正体に気付いて復讐に出たとなれば辻褄が合う。しかし、彼女だけが復讐の対象になるとも思えない」
「組織全体に恨みがある人物だと?」
「そう言う事になるな……風見。今回の件で捜査一課は手を引いたか?」
「はい。少し骨が折れましたが……」
風見はそう言って疲れた様子を見せつつ眼鏡を上げる。
「そうか……なら、シンフォニーの逆鱗に触れる事は無さそうだな……」
「は?」
「今、シンフォニーは荒れている……それこそ所構わずピスコの一件に関わった人間を殺して回りそうになる程にな……風見。捜査は慎重に行え。シンフォニーの逆鱗に触れれば命は無いからな」
降谷はそう言ってその場から去り、風見はまたとんでもない事になったと思いながらも自分の仕事へと戻った。
その頃、ピスコが任務終了時に襲撃された件で幹部達はピリピリしている中、キャラソーが寛いでいる所に同じ組織の幹部、アイリッシュがやって来た。
「シンフォニーは何処だ?」
「アイリッシュ……今の彼女には近付かない方が良いわよ」
「彼奴に話がある……」
「無駄よ。一度、悲しみと怒りに満ちきった彼女は誰であろうと収まらない。それが彼女が最も敬愛しているベルモットでも、ジンでもね。彼女が気が済むまで待つしかないわ」
キュラソーのその言葉にアイリッシュは何かを言おうとするも言いたい言葉を押し込み、近くの椅子に座り込むとキュラソーは続ける。
「彼女を恨むのは筋違いよ。あの子の事……分かってるでしょ?」
「別に恨み事を言ってやりたい訳じゃない……だが、彼奴は誰よりも仲間思いな分、責任感も強い……テキーラの件と重なってピスコの件でも自分のせいで失ったと考えていないかと思ってな……」
「あれは二人の自己責任。テキーラは任務での殉職。ピスコはシンフォニーを庇ってその後は死んだって聞いたけど事実上の生死不明の行方知れず。何も責任を負う事はないのは明白」
「それでも彼奴は責任を感じる。彼奴は……この組織には似つかわしくないくらいに優しいからな」
「あら?あの子は組織の中ではジンを凌ぐ冷酷さはあるのよ?」
「それはジン……いや、俺達が変えたからさ……彼女にそうなれってな……こんな所で黄昏ても仕方ない……また後で来る」
アイリッシュはそう言ってその場から去ろうとした所でキュラソーの携帯が鳴った。
「はい。ラム……どうしました?……え?シンフォニーがいなくなった?」
キュラソーのその言葉にアイリッシュは立ち去ろうとした足を止め、驚いた顔でキュラソーに振り向いたのだった。
~side終了~
テキーラ……ピスコ……私のせいで二人はいなくなった……何で私じゃなかったの……忘れたい……お酒を飲めば忘れられる筈……忘れないと……。
だから適当なバーに入ってお酒を煽ってるんだけど全然、酔った気がしない……こんな時に限って……。
『エミリー?』
聞き覚えのある英語での声に私は視線を向けるとそこには。
『ルーク……?また日本に遊びに来たの……?』
何でかルークがいた……まーた日本に来たんだ……学生って以外と暇なのかな?。
『ちょっとな……それより何してるんだよ?馬鹿みたいに酒を飲みやがって……お前らしくないぞ?』
『ほっといてよ……私は酔いたいの……』
私はそう言って気にせずウィスキーを飲もうとしたらルークに取り上げられた。
『明らかに飲み過ぎだ。たく……』
『返してよ!』
『返すか馬鹿!……お前がそんなになるくらいの事だ……何があった?』
『……言えないよ……言いたくてもね……』
私はそれだけを言ってルークの隙を突いてウィスキーの入ったグラスを取り戻して飲み干す。
『はぁ……ルーク……もしもさ……自分のせいで死なせた人がいたら……どうする……?』
『……さぁな。何となく理解した。お前は誰かを……いや、これ以上は無粋だ。出来る範囲で話してくれ。少しは肩の荷が降りるかもしれないぞ?』
『……ダーメ。些細な事でも話せないよ。ルークは賢い人だから……きっと、少しの情報でも分かっちゃう……ルーク……』
『何だ?』
『バーにいるんだから……ちょっとは付き合ってくれるよね……?』
私はそう言って何も入っていないグラスを見せるとルークは溜め息をついて笑った。
『少しだけだぞ?』
『わーい!マスター!取り敢えずビール!』
『おっさんかよ?てか、このバーは明らかにビールなんて扱ってねぇだろ?』
「ありますよ?」
『あるのかよ!?と言うかマスター、英語が出来るのか……』
『ふふ、だから私、選んじゃったんだよね~』
私はそう言って出されたビールを受け取る……ルーク……ありがとう……側にいてくれて……貴方といると……荒ぶった私は落ち着ける……立場のせいで自分の気持ちを圧し殺して貴方を友人としか見なかった……でも……今だけは……。
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私は気が付くといつの間にかベッドの中にいた……あれ?。
バーでルークと飲んで……沢山飲んで皆が心配するから帰ろうとしたけど……思い出せない……そこから先……。
「ん~……あれ?何で裸?」
自分で言うのもアレだけど立派な山が丸見えで、見慣れた消えない傷だらけの身体……明らかにすっぽんぽんの状態……しかも何気に……その……股の所が痛い……?。
私はこの状況を理解したような……したくないような……感じに隣を見たら……。
『よ、よう……』
ルークがいた……しかも鍛えぬいた身体だと分かる裸の姿……私達……下着すら履いてないって事は……。
『やっちゃった!!』
私は両手で顔を隠して全力でルークから視線を外した……外すしかなかった……。
何が悲しくて初めてが酔い過ぎで記憶を失った状態でしなきゃいけないのよ!!。
せめて……その……初めてくらいはキチンと……あれ?。
私……今の顔はどうなってる?。
私は慌てて近くの鏡に向かうとエミリーの顔じゃなくてユメとしての顔……え、ユメ?。
待って……男女の関係でもやらかしたのにもっとマズイ事をやらかした?。
『る、ルーク……?』
『……起きたら知らない女と寝てたと思っていた……だが、その……やっぱりお前だったのか……』
やっちゃった……嘘よね……。
『る、ルーク……』
『取り敢えず……ふ、服を着てくれ……俺も着るから……』
ベルモット……これ、私が悪いのかな……?。
私達は取り敢えず服を着てベッドに座って状況を整理する所から始めた。
何も分からないのに……すぐにはルークを殺せない……一先ず、話を聞いてから対応しないと……。
『ルーク!……その……私……日本人なんだよね……』
『見れば分かる……アレだ……女優のアイに似てるな?』
『うん……お願いルーク!私の事は誰にも言わないで!アメリアにも!』
『理由次第だ。……本当に何で人種や身分を偽って過ごしていたんだ?』
『……色々あってね……私が私を捨てなきゃいけなくなった時があったの……母さんと姉さん……シャロンさんとクリスさん達には感謝しかない……私を匿ってくれたんだ……深い理由は……話したくない……でも、お願い信じてルーク……私は疚しい事があって身分を偽ってた訳じゃないって事は!』
私は間違っても本当の理由を話せず、でっち上げた嘘の理由をルークに伝えるしかなかった。
胸が……苦しかった……。
嘘って……こんなに苦しいものだっけ……?。
『……分かった……信じる……俺もお前を信じたい……』
『ッ!?ありがとう……ルーク……』
私はそう言ってルークの胸元に飛び込む……ルークの胸元は落ち着く……でも、のんびりしてられない……朝まで帰らなかったからきっと皆はカンカンになってる筈だし……。
『帰らないと……ルーク……ありがとう……それと……取り敢えず、昨晩の事は気にしない様にしよ?えーと……ほら!勢いでやっちゃった感あるしね!』
『あ、あぁ……気にしないか……』
『うん……流石にまだ学生のルークと関係を持った事実があるのは駄目だしね……私、先に出るからルークは後から出てね』
私はちゃんとエミリーの姿になっているのか念入りに確認してからホテルの部屋の外に出た。
鼓動が大きく響く……私……本当にルークと……せめて記憶がある時に……悲しい時じゃないタイミングにして欲しかった……。
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取り敢えず……帰ったのは良かったけど……ジンやベルモット、ウォッカ、キャンティ、コルン、キール、キスール、アイリッシュ、キュラソーそしてラムの全員からお叱りを受ける事になった。
《それで……朝まで飲んで帰って来たと?》
「えーと……そうですラム……」
「てめぇ……俺が徹夜で探したって言う時にのんびりホテルで寝て帰って来やがったと?」
「本当にごめん……ジン……」
「貴方に朝帰りなんて教えた覚えはないのだけどね……」
「ごめんなさいベルモット……」
「あたい達が何れだけ心配したんだと思ってんだい!!命狙われてたのを忘れたのかい!!」
「シンフォニー……黙って出ていくの……良くない……」
「うぅ……ごめんなさい……キャンティ、コルン……」
「悲しいのは分かるわ……でもね、昨晩の内に貴方に何かあれば皆が悲しむのよ?」
「はぁ……」
「キールごめんなさい……それとキスールは何か言ってよ……」
私は全員に怒られる中、私の天敵、キュラソーが私を見ている……と言うより、睨んでる……?。
「……酒の場なら何で誘ってくれなかったの?」
「今、それ所じゃないだろ!?」
キュラソー……それ、今は関係ないじゃん……ほら、ウォッカも思わずツッコミを入れちゃったじゃん……。
「別に心配してるつもりはなかったけど……愚痴くらい聞くわよ?」
「あ、そう言う事……」
何と言うか……分かりにくい……ま、まぁ……それがキュラソーだしね……。
えーと……アイリッシュ……。
「はぁ……あまり心配を掛けさせるな……今回は俺は勘弁してやるよ。俺ももう眠いしな……」
アイリッシュはそう言って欠伸をしながら離れていく……アイリッシュは私に何かを言いたかった……私には分かる……ピスコを失った事だ……アイリッシュにとってピスコは父親の様な人だった……だからきっと見捨てた私が許せないんだ……。
《さて、皆さん。シンフォニーが帰って来た事ですし解散して貰っても構いませんよ》
「ちッ……次、徹夜を決める事になったらバラすぞ?行くぞウォッカ」
「へい、兄貴!シンフォニーも頭を冷やすこったな」
ジンとウォッカは帰って良いと言われてすぐに帰ってしまった。
「あたい達も帰るよ。眠いったらありゃしない……」
「俺も……帰る……」
「私も帰ったらすぐに寝ないと……アナウンサーの仕事に差し支えるから」
キャンティとコルン、キールもそう言って帰ってしまい、ベルモットとキスール、キュラソーが残ったけど……。
「私も帰る。ラムに仕事が与えられてるから少しは休みたい」
まぁ、当然の様にキュラソーは帰った……残ったのはベルモットとキスール……。
「さて……私も帰るわ……とても眠いしね……」
「かなを預けて来たんです。私も帰らせて貰います。シンフォニー……反省を!……してくださいね?」
二人もそう言って帰っちゃった……あれ~私……一人?。
~別視点side~
シンフォニーを置いて帰宅する為に移動するベルモットとキスールは歩きながら話をしていた。
「キスール……あの子……女になっているわ……」
「女?どう言う意味ですか?」
「分からなかったかしら?あの子……私達の元に帰って来てから歩き方がぎこちなかった……あれは私にも経験があるのよ……初めて男に身を捧げた時の反動とも言えば良いのかしら?」
「……それって!?」
キスールはベルモットの言葉の意味を理解して信じられないとばかりに驚き、唖然とし、ベルモットは苦笑した。
「……一体……誰があの子に手を出したのかしらね?」
ベルモットは自身の愛娘を女にした男に対し不敵に笑い、冷たく言う姿にキスールは冷や汗をかくのだった。
一方、とある喫茶店の個室。
そこではヨレヨレのスーツを身に付け、中折れ帽を被る比村と杯戸高校の制服を着た安友子がいた。
「結局、犯人は捕まらなかったんですか先生?」
「まぁ……証拠品が少ないし、決定打が無くてね……事故ではないと言うのが限界だったんだよ」
比村はそう言って笑い、安友子も仕方ないかと諦めの表情をする。
小説家、比村正一。
小説家ではあるが全く売れず、名も無名の人物。
一様、推理物を一作だけヒットさせ、酒巻監督によって映画化まで持ち込んだが……結局、映画の方が有名になり、小説は映画の知名度に埋もれしまい、今も売れない小説家を継続している。
その縁で偲ぶ会に参加したが組織の暗殺事件に巻き込まれ、事故ではなく、殺人だと言う立証まで漕ぎ着ける羽目になった。
現在は安友子の居候先で、保護者でもある。
そんな比村と安友子は杯戸シティホテルでの呑口議員の殺人事件、客室の惨殺事件、そして……桝山憲三襲撃事件と言う一ヶ所で三つの殺人事件が起きた状況について話し合っていた。
「うーん……おかしいです……何で同じ場所で時間の間隔的に短い期間に殺人事件が三つも起きるんでしょうか?驚きましたよ。同じホテルで同日、三つも殺人事件が発生したんですから」
「そうだね……僕も驚いたよ……特に客室の殺人はね。きっと、呑口議員の事で繋がってるんだろうね……最初は呑口議員、そして名もしれない誰か、最後に桝山さん……この順に殺害されたと考えれば」
「そうか!これは繋がってはいても全て予想外の出来事だったんですね!」
「恐らくは呑口議員が本命だった……しかし、この後の二つの殺人は何かしらのアクシデントが起きてしまったが故に起きた……そう考えれば何故、リスクを犯してまで三つの殺人が行われたのかと言う理由の一つが組上がるね」
比村はそう言って珈琲を一口飲むと安友子は難しい顔をしながら切り出した。
「夜空ユメ……彼女が関わっているのでは?」
「安友子ちゃん。例え関わっていても彼女が現場にいたとは限らないよ?それに実は全て偶然だったなんてオチもあり得るんだ。……焦るのは分かるが何でも夜空ユメと重ねてはいけない」
「うぅ……そうですね……すみません……ですが!あのホテルから走り出した車は黒のシェルビーGT500!彼女の車の可能性があるんです!あんなレトロ車を乗り回す人はそういません!」
安友子のその言葉に比村も確かにと頭をかく。
明らかにレトロとしか言えないシェルビーGT500を好き好んで乗り回すのは余程のマニアだけ。
そこら中を走り回る一般車とは比べられないくらい目立つのだ。
「一先ずは……事件を整理して考えてみようか?見落としがないか……何故、客室の人物は殺されたのか……桝山さんが襲撃されて殺されたのか……そう……きっと無駄じゃない。必ず三つの事件は一つの事件になる筈さ」
比村はそう言って推理の時間だとばかりに安友子との難解な事件の真相に挑んだ。
二人が推理に興じている頃、阿笠邸ではコナンと灰原、阿笠そして……アクアがいた。
「コナン……聞きたい事がある……お前は何者なんだ?」
「それは此方の台詞だ。てめぇこそ何者だ?」
「子供にしたら明らかに不相応な頭脳だ。まるで子供だが大人だ。コナン……俺達は互いに知る為に秘密を話すしかないみたいだな」
コナンとアクアが睨み合いながら言い合う姿に阿笠はオロオロとし、灰原はアクアも同じ存在なのかと冷や汗をかきつつ、状況を見守る。
「しゃーねぇーな!話すよ!……俺は江戸川コナンじゃねぇ……工藤新一。高校生探偵さ。今は小学生になっちまったけどな」
「なに!?馬鹿な……高校生が何で小学生なんかに!?」
「話せば長くなるよ。それと阿笠博士は俺の事情を知ってるし、そこにいる灰原も俺と同じ境遇だ。次はアクアだ。これ以上の情報が欲しかったら話すんだな……一体、おめぇが何者なのかな?」
コナンはそう言って不敵な笑みを浮かべ、アクアは深呼吸し、一息ついてからコナンに告げた。
「俺は星野アクア……そのままだ。だが、それは今の姿と名前だ。以前は違う」
「以前は違う?」
「そのままさ……俺は……雨宮五郎。産婦人科の医師でアイの出産に立ち会う筈だった医者だ。そして……今世の叔母に当たる夜空ユメに殺された身でもある……」
アクアのその言葉に三人は驚く。
予想外の所からとんでもない情報が出てきた事で、コナンは愕然としたのだった。
~side終了~
結局、ピスコは生きてます……意識不明の重体ですがね('~`;)
ユメちゃんが女の子から女になった瞬間……ちょっと、過激過ぎた気がする……。
一先ず回収すべき話は書けたと思います……多分f(^ー^;