黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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洋上のマスカレード

船は出港してから数時間……私は部屋を出ずに準備をしていた。

 

銃のチェック、ナイフの研ぎ具合、銃弾の良し悪し、そしてドレスコート。

 

体の傷を隠さないといけないから出来る限り露出の少ない物を選んだけど……スカートってやっぱりスカスカしてて嫌だな……。

 

後はマスカレードで使う仮面。

 

色々なタイプの仮面が選べて目元を隠すタイプや、片目だけのタイプ、顔全体を隠すタイプと三種類ある。

 

この三種類を好きに選べるから私は顔全体を隠すタイプにした。

 

まぁ、私の顔はある意味、仮面を被ってるけどね。

 

「(邪魔したら許さないからね……アクム?)」

 

「(えぇ……邪魔しない)」

 

何だか大人しいアクムに私は不安を覚えるけど気にしてられなかった。

 

任務を果たさなきゃアイが死ぬ……そんな事は絶対にさせないんだから。

 

私はそう強く誓ってワルサーP99にマガジンを込めた。

 

 

~別視点side~

 

 

マスカレードが行われる会場では多くの男性や女性達が仮面を着け、タキシードやドレスで着飾って集まっていた。

 

まるで昔の華やかなパーティーの様な光景に蘭とルビーは魅了された。

 

「すごーい!」

 

「綺麗!」

 

「そうでしょ!この豪華客船のテーマは古き良き華やかさだもの!こうでなくちゃ!」

 

園子はそう言って胸を張って視線を変えると。

 

「私と踊って頂けませんか?」

 

「いえ、私と!」

 

「え、えーと……」

 

アイが早速、男達にダンスを申し込まれまくっていた。

 

仮面越しからでも分かる美女オーラに誘われた男達にあれよあれよと御誘いが来るのだ。

 

「あ、あの……私は」

 

「退け」   

 

アイが戸惑っている中、アイを後ろからやって来た人物達がいた。

 

「此処は出入り口だろ?誘うならもっと奥でやれ」

 

それは威圧感ある黒髪を束ねた男と髭を生やしたがっちりとした体格の男の二人組みがいた。

 

「ほら!退け退け!邪魔だろうが!」

 

二人の関わったらヤバそうな男の登場にアイを誘っていた男達はそそくさと退散、黒髪を束ねた男は何事もなかったかの様に髭の男と共に会場に入り、紛れ込んで姿を消した。

 

「何よアレ?感じ悪いわね!」  

 

「まぁまぁ……あの人達が来なかったらアイさん困ってたよ」

 

感じが悪い男二人に園子は怒り、蘭は諌める中、コナンはその二人を見て固まっていた。

 

「(あの男達……容姿は違ったがあれはジンとウォッカ!?何でこんな所に!?)」

 

コナンは持ち前の観察眼で男達、ジンとウォッカの正体を見破って警戒を露にした。

 

「(まさかこの船で取引か何かあるのか?或いはまた口封じか?いずれにしても)」

 

「アクア?」

 

コナンはアイからのその声を聞いてアクアの方を見ると酷く震えていた。

 

「どうしたのアクア?大丈夫?」

 

「おい、坊主。具合でも悪いのか?」

 

「だったら大変!どうしたら……」

 

「だ、大丈夫だよ……でも……今日はゆっくり休んだ方が良いみたい……」  

 

アイ達が心配する中、アクアは一人、青ざめた顔つきで戻ろうとした所でコナンは行動に移した。

 

「僕、アクアを部屋まで送って来るよ!」

 

「え?大丈夫?私も行こうか?」  

 

コナンの提案に蘭が心配そうに言うとコナンは首を振った。

 

「大丈夫だよ!すぐに戻るから!」

 

「……ごめん。私も部屋に戻るね」

 

「アイさん……」 

 

「心配だから。マスカットに参加できないのは残念だけどきっと、また機会があるよ」

 

「アイさん……マスカレードだよ……」  

 

アイの言い間違いに蘭は訂正するとアイはコナンを見る。

 

「行こうかコナミ君」 

 

「僕はコナンだよ……アイさん……」

 

コナンは相変わらず人の名前が覚えられないアイに苦笑いでそう返した後、アクアを部屋まで送る為にその場を後にした。

 

 

一方、アクアは激しく動揺していた。

 

「(何で彼奴らが此処に……!?)」

 

アクアはジンとウォッカが現れた事で正常ではいられず、冷や汗をかき、恐怖に震えた。

 

コナンから聞いた話……コナンが小さくなった経緯とそれにユメも関わっていた事、ユメはシンフォニーと呼ばれるカクテルのコードネームを持つ幹部である事、アクアが思っている以上にユメの属する組織は強大である事、組織は存在を知ろうとする者や知った者、裏切り者には容赦は無い事。

 

その全てをコナンそして、灰原から聞いた。

 

現在、それを知っているのはコナンと灰原、阿笠、服部そしてコナンの両親である工藤夫妻と強大な組織を相手にしている割には民間人しかいない事にアクアは不安を覚えるもコナンは迂闊に相談できる様な相手じゃなく、警察内部にもいてもおかしくないかもしれないと言われ、アクアは正直、ヤクザやマフィアであって欲しかったと心底思った。

 

コナンと灰原が薬で幼児化したなんて聞いて元医者のアクアとしては全くもって信じがたい事だったが目の前にその被験者がいるんだから信じるしかなく、寧ろ転生の方が信じにくいなとも思った。

 

そんな組織の二人組……コナンの宿敵の様な男が今、此処に現れたと言う事はこれから何かしらの犯罪が起きると言う事だった。

 

アクアはどうすると考える前に震え、どうしようもなくなってしまった事で部屋に戻って何事もなかったと何も気付かないフリをする事に徹する事にしたのだ。

 

「おい、アクア!」

 

アクアは呼ばれて振り返るとそこにはコナンとアイがいた。

 

「コナン……アイ……」

 

「たく……先々行くなよ。部屋まで送るぜ?」

 

「私も行くよ。アクアに付いてないとね」

 

「え?でも……アイは楽しみにしてたんじゃ……?」

 

「母親が自分の楽しみより子供の心配をしない方がおかしいよね?私の事は良いから早く行って休もう」

 

アイはそう言ってアクアの手を握って客室へと歩いて行く。

 

コナンはその姿を見て安心し、ジンとウォッカの二人を見つけて何を企んでいるのかを探るべく会場へと戻った。

 

 

一方、豪華客船の一通りの無い広いスペースの部屋で武装した傭兵の男達が集まり、整列していた。

 

『全員、傾注!これよりブリーフィングを行う!姉御……司令の伝える作戦をよく聞く様に!』

 

白人の男は英語でそう言うと部下の傭兵が一台のパソコンを置いて点けると声が発せられた。

 

《ご苦労だ諸君。知っての通り、君達と僕の怨敵がこの豪華客船で依頼主の暗殺を目論んでいる。諸君には依頼主を死守し、尚且つ刺客達を無力化及び殺害する事だ。鈴木財閥の事は気にするな。……テロ事件に巻き込まれた事にするつもりだ。死んでも構わない。存分に暴れろ。また、君達に一つ、目標を与える》

 

パソコンの音声の主はそう言うと画面が切り替わった。

 

《諸君のもう一つの目標……それは星野アイの確保だ。生きて捕えろ……奴等の繋がりがある可能性は少なくてもあるなら聞き出すだけだ。それにアイに手を出したとなれば奴も黙らない。姿を隠してやり過ごそうとする気も失せるだろう。尚、任務に失敗した場合は無理は出来ない。速やかに撤収するんだ。出来ればアイを確保したいが……不可能なら致し方ない。……以上だ。何か質問は?》

 

『司令!』

 

《何だ?》

 

『他に不審な行動を取る者達がいると報告がありましたが?』

 

《撃ち殺せ。遠慮はいらない》

 

『敵の武装と規模は?』

 

《不明だ。しかし、持ち込んだのは恐らく拳銃とナイフくらいだ。だが、油断するな。相手は百戦錬磨の犯罪組織の一員だ。腕は確かだ。不審な行動を取る集団もまたしかりだ。他には?》

 

司令と呼ばれる音声の主はそう問うと他に質問は無いと言う様に沈黙を持って伝えられた。

 

《よろしい。では、諸君……状況を開始しよう。健闘を祈るよ》

 

声の主はそう言って音声は途切れると白人の男が指示を飛ばした。

 

『全員……行動開始!A班はブリッジを占拠!B、C班は船内の確保及び船員の拘束または排除!D班は俺に続いマスカレードの会場を抑える!仕事に掛かるぞ!!』

 

白人の男のその言葉に傭兵達は一斉に銃を掲げた。

 

 

~side終了~

 

 

私はマスカレードの会場に来ると既にマスカレードは始まっていた。

 

少し遅れてしちゃった……先ずはジン、ウォッカ、ベルモットを探した。

 

聞かされた容姿から判別するとしても人は多い……でも、早く仕事を済ませる為にも探さないと……。

 

「みーつけた」

 

「ッ!?」

 

私はいきなり両肩に手を置かれ、声を掛けられてビックリして振り替えったら聞かされた通りの変装をしたベルモットがクスクスと笑っていた。

 

そしてジンやウォッカもいて私が最後に来たみたいだった。

 

「遅かったわね?あまり緊張しちゃ駄目よ。いつも通り……貴方の壁を壊せば良いんだから」

 

「そうだね……」

 

「何だ?この気に及んでまさかバラしたくねぇてか?」

 

私の発言がまずかったのかジンに睨まれた……。

 

「そんな事ないよ。たださ……仮初めでも初めての友達だったからさ……残念だよ……」

 

「そんなもん忘れろ。俺達はな……光の元には生きられねぇんだ。それはお前もよく分かってんだろ?」

 

「うん……そうだよね……」

 

ウォッカの言う通りだよ……私は仮初めでも光の元には生きられない……この手が血で染め上がっている以上は……永遠に……。

 

私は視線を変えるとルークを見つけた。

 

髪色や髪型を変えたり、仮面を身に着けても私を誤魔化す事は出来ない。

 

「あら、来たわよ。貴方のボーイフレンドがね」

 

「ふん……必ず仕留めろよ?」

 

「此処でしくじったら終わりだ……頑張れよ?」

 

三人の言葉を受けながら私はルークの元に行く……鼓動が早くなる感じがする……。

 

「(ねぇ、ユメ……お願い……)」

 

「(仕事よアクム。彼は此処で死ぬの)」

 

「(違う!……せめて……最後くらい……彼と踊らせて……)」

 

私はアクムのその願いに疑いを持って考えるけど……まぁ、最後くらいルークと踊らせてあげるのも良いか。

 

「(何かしたらただじゃおかないよ?)」

 

「……ありがとう」

 

私は身体の主導権を譲るとアクムはルークの前に立った。

 

ルークは緊張した顔をしている……私が刺客だって気付いてるね……。

 

「ルーク……」

 

「……どっちだ?」

 

「(アクム……貴方、私達の事を漏らした?)」

 

信じられない……これは私達が組織にすら黙ってた秘密なのに……!。

 

話したって精神的な病気で片付けられるし、使い物にならないと思われるから黙ってた……その秘密をアクムと共有してちょっとは姉妹らしいかなって思ってたのに……!。

 

「(どっちにしても……最後だよ……)」

 

「(えぇ、最後ね!さっさと済ませて!私はFBIを探すのに集中するから!)」

 

私はアクムのやった事に呆れ、許せない思いで怒鳴った後、FBIを探す事に集中する。

 

「私はアクムの方だね……今、ユメに叱られたよ……」

 

「すまない……失言だった……」

 

「良いよ……ルーク……あと紳士なら……手を差し出してくれるよね?」

 

「……喜んで」

 

ルークはそう言って手を差し出してアクムはその手を取る。

 

そのまま二人は踊り始め、息の合ったダンスをする。

 

「(えーと……1人……2人……3人……)」

 

私達を見ていて尚且つ、外国人の人間……それを見つければ良い。

 

きっと、既にベルモットとジン、ウォッカも始めている……何人出てくるのか……。

 

「ルーク……私……」

 

「分かっている……お前の立場も……妹が危ないんだろ……?」

 

「あたし……妹と向き合えなくて……どうしても悪く思っちゃって……どうでも良いなんて思っちゃうの……お姉ちゃん失格だよね……」

 

「確かにな……だが、家族として愛してはいるんだろ……?」

 

ルークの言葉に私は驚いた。

 

アクムはあれだけ嫌いだって言った癖に愛してるなんて聞くなんて思わなかった。

 

「愛してなきゃそんな事は言わない……只、不器用なだけだ……嫉妬の無い人間なんてそうはいないしな……どうでも良いなんて思ってるならそもそも感心も無いだろ……?」

 

「そうだけど……」

 

「アクム……無理に向き合うんじゃなく……その思いを守り続けるんだ……そうすればきっとその思いは本物になる……きっとな……」

 

ルーク……良い事を言っても殺すのには変わらないわよ?。

 

「(そろそろ良いよね?)」

 

「(ッ!?駄目!待って!)」

 

私は抵抗するアクムを押し退けて主導権を奪うとルークに不敵に笑って見せた。

 

「はーい……ルーク……?」

 

「ユメか……?」

 

「えぇ……随分と好き勝手にアクムを唆したね……?あの世に旅立つ用意は済ましてる……?」

 

私はそう言って装飾品として身に付けた指輪に仕込んだ毒針を刺す用意をするとルークは澄ました顔で私を見てくる。

 

「お前の事を信じたかったよ……」

 

「エミリーの私は偽物でしかない……ルーク……妹を守る為だよ……死んでくれる……?」

 

「本当に妹の為に殺しているのか……?」

 

「何でそんな事を聞くの……?」

 

ルーク……何をするつもり?。

 

彼の戯れ言を今更聞いて心が動く事は無い……無駄なのに……。

 

「お前は犯罪を楽しんでないか……?殺しも……裏工作も……」

 

「私はアイの為に此処まで手を血で染めてきた……!なのに何でそんな事を言うの……?」

 

「お前は冷酷な女だからだ……アクムの方がよっぽど優しい女だ……仮面しかしないお前は……本当に家族を愛してるのかすら見えなくなってやがるのさ……」

 

「ッ!?」

 

こいつ……!。

 

私がアイを愛してない……?。

 

そんな事は絶対にあり得ない……あり得ないんだから!。

 

「それなりに情報を集めたが……アイとの予想外の接触が多かったそうじゃないか……何でだ……?」

 

「……末端の馬鹿が報告しないから……」

 

「お前を恐れてるんだ……報告しない訳ないだろ……?」

 

「そんな事……!」

 

「恐らくお前は無自覚に報告を無視していたんだ……記憶に残らない程に……アイの事を無視していたんだ……」

 

「違う……!」

 

「違う……?だったら……どうして巻き込まれる可能性があるのにアイをみすみす会場に入れたんだ……?」

 

「え……?」

 

「見ろ……彼処にはアイの娘のルビーがいる……アイがいた証拠だ……アイはさっき、アクアの体調が悪くなって客室に戻ったそうだが……お前はアイがこの場に来るのを予想しなかったのか……?」

 

違う……違う!!。

 

「ユメ……お前がアイを愛してなかったんだ……!アイを本当の意味で愛しているのは……アクムだけだったんだ……!」

 

ルークの確信を突かれたかその言葉に私は頭に血が昇って隠し持っていたワルサーP99をルークに向けた。

 

「ルーク!!!」

 

もう我慢出来ない……こいつは絶対に殺してやる!!。

 

私が引き金を引こうと指に力を入れた瞬間、急に腕が上に向いてしまい、天井に発砲してしまった。

 

「アクム……!?」

 

「(逃げてルーク!!)」

 

アクム……私を……裏切ったわね!!。

 

周りで悲鳴が挙がる中、私はルークにもう一度銃口を向けようとすればアクムに逸らされた。

 

身体が言う事を効かないのがこんなに不便だなんて……アクムの願いを聞くんじゃなかった!!。

 

「すまないアクム……!」

 

ルークはそう言って逃げ出し、他の客に紛れてしまった……まずい!。

 

「(アクム、分かってるの!?ルークを逃がす事が何れだけの失態なのか!!)」

 

「(分かってるよユメ……)」

 

「(だったら!!)」

 

「(死のう)」

 

「(は……?)」

 

アクムの突然の死のうと言う言葉に私は反応した時には銃口が私の頭に付けられていた。

 

「ッ!?」

 

「(私達は……生きちゃいけなかった……任務の失敗でアイが死ぬ……でも、ユメ……あんたは……貴方は言った……死を持って償えばって……)」

 

「(アクム……!?)」

 

「(ルークを愛してる……アイとアクア、ルビーを愛してる……何れも譲れない……なら、死ぬしかない……ユメ……一緒に死のう……私は貴方を……一人にさせないから……)」

 

アクムのその言葉に私は……あたしは……!。

 

 

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