黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです 作:黒っぽいアイドル擬き
私が先ず手を出し始めた所はヴェロッキオ率いるロアナプラ支部のコーサ・ノストラの最近の活動内容、コーサ・ノストラの武器の流れ、ヴェロッキオ自身が何をしていれのか、そして……誰かと接触しているのか。
活動内容や武器の流れを知るのもそうだけどヴェロッキオが内密に済ませる為に外部から自身と繋がりの薄い殺し屋や傭兵を雇う可能性が高い。
ロアナプラの均衡を崩す……そんな大それた事をする手っ取り早い方法はロアナプラを支配する残りの勢力の頭を消せば簡単で、足取りが掴めない様に自分の兵を出さずに済ませたいと思うなら余計にね。
私は一先ず、ロアナプラにいる組織の人間であるチャイの自宅へ来たら……。
「あらま……」
見事にチャイの自宅は荒らされ、チャイ本人と家族らしき女と子供が死んでた。
死んでから結構経ってる……恐らく、殺されて私に見つかるまで誰にも気付かれなかった……なんて事ね。
「運が無かったねチャイ……せめて安らかにね……」
私はそう言って取りあえず合掌してからチャイの家の中を調べた。
チャイは末端とは言え、ロアナプラの情報を探ったり、武器の調達先との交渉役と言った割りと重要な立ち位置にいた。
そんなチャイを殺した……誰が?。
チャイは組織の末端である以上はヴェロッキオとも当然、裏で深く繋がっている筈……まさか……。
「ヴェロッキオは独断を悟らせない為にチャイとその家族を口封じに皆殺しにした?」
最悪な事態だね……これはヴェロッキオが焦り過ぎて謀叛同然の行為もやむ無しなんて事をしていてもおかしくない。
成る程……ラムが消したがる訳だよ。
組織の幹部が叛乱なんて洒落にならない……下手したら恐怖で縛り上げた忠誠が崩されて不満を抱いた人間によって組織の中で大きな内紛なんて言う洒落にならない事になりかねない。
組織も一枚岩じゃない。
日本にいる幹部が全員じゃない事は何となく分かる……ごく最近になって古参の幹部と顔見知りになったなんて事は組織ではよくあるしね。
世界に根を張る組織が日本一国に幹部を全て集めてしまうなんて事は流石にない。
現に暗殺対象の組織の幹部ブランデーことヴェロッキオはロアナプラで仕事してたしね。
「それにしても悟らせない為とは言え、チャイ達を殺す必要があったのか……ん?」
私は何故、チャイ達が殺されなければならなかったのかと言う理由を考えていると腰辺りまでの大きさの戸棚が少し動かされた跡があった。
私はその戸棚に手を掛けて力一杯に引くと戸棚の後に空間があり、書類が出てきた。
私は書類を手にして目を通すと悪い意味で予感が当たった。
「ヴェロッキオ……殺し屋を使ってバラライカの姐さんをやるつもりなの?と言うか既に何人か殺してるか……」
書類に書かれていたのはヴェロッキオの動向に関するものでヴェロッキオは殺し屋のヘンゼルとグレーテルと言う二人組の殺し屋を雇い、バラライカの姐さんの命を狙う様に依頼し、バラライカの姐さんの配下の人間を何人か殺していると言う内容だった。
ヘンゼルとグレーテルの容姿と性別、年齢は分からなかったそうだけどこの結果をすぐに報告しようとしていたのか、慌てた様な執筆の跡が所々ある。
残念ながら間に合わなかった……まぁ、ラムはすぐに勘づいたみたいだからこの情報は無駄にならなかった以上、犬死じゃなかっただけでもマシね。
「ヘンゼルとグレーテルね……」
童話だとヘンゼルとグレーテルは男女の兄妹……もしかしたら男女で且つ、兄妹の殺し屋かもしれない。
だとすると候補は絞りやすい。
男女で常に行動し、尚且つ余所者。
ロアナプラだと余所者は目立つ……何しろこの街は良くも悪くもアウトロー達の巣窟。
古参の連中からしたら庭みたいな小さな街に見知らない顔の人間がいたらすぐに気付く。
……匿う奴がいたら話は別だけど。
「コーサ・ノストラが匿ってるとなるとやっぱり、連中の縄張りの何処かかな?まぁ、私のターゲットはあくまでもヴェロッキオだけど……バラライカの姐さんがやられたらマズイなぁ……仕方ない。一様、情報提供の用意はしておこうかな」
一先ずの方針を決めた私はチャイの家を後にしようとした所でチャイ達の死体をもう一度見た。
「……斬殺ね」
死体の中には射殺死体があるけど奥さんらしき人は体を引き裂かれた様に死んでいた。
まるで大きな刃物で切り裂かれたみたいに。
「悪趣味な武器を使うみたいね……ヘンゼルとグレーテルって奴等は……」
私はそれだけを呟くと今度こそ、その場を後にした。
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私は取り敢えずイエロー・フラッグに来るとレヴィとロックがカウンターでお酒を飲んでた。
「さっきぶりだね二人とも」
「あ?てめぇ!」
「どうも」
レヴィは予想通り喧嘩腰で、ロックは日本人らしけ丁寧にお辞儀した。
私はロックを盾代わりにして右隣に座ると取り敢えずウィスキーをバオに頼むと他の客達に視線を向けた。
「それにしても今のロアナプラは物騒だね~。みーんな腰に銃を下げてるよ」
「たりめぇだ。お前ももう握ってんだろ?殺しが一ヶ月で六人だ。単なる殺しなら兎も角、ホテル・モスクワ絡みとなれば全員、警戒するだろ」
「そうだね……噂は聞かせて貰ってるよ」
私は濁す様にそう言って出されたウィスキーを飲んだ所で、ドカドカと歩いてくる派手な格好をした女がレヴィの隣に座った。
「よぉ!
「失敬ね。居ちゃ悪い?」
来たのはロアナプラの商品の武器を扱う暴力教会のシスターの一人、エダだ。
シスターとは思えない言動とか目立つけど腕があって、武器を購入しに来る厳つい連中に物怖じしない。
ただ……私、エダが好きになれないね。
なーんか胡散臭い所もある……確証は無いけど深く関わって来ないなら手を出す理由は無いし、エダも何を目的にしてるのか知らないけど私達に関わろうとする気配は無い。
つまり、お互い不干渉で行こうって言う言葉を交わさない不可侵条約みたいなのが出来てる関係。
そんなエダが此処に来たと言う事は今回の一件の事かな?。
「まぁ良いや。それよりもさぁ、二挺拳銃。良い話があんのよぉ、金になる話」
「人狩りの話だろ?」
「レヴィとその話をしてた所だ。この街で知らねぇ奴ぁいねぇだろ?」
「ありゃ、そうなの?なんだつまんねぇ」
人狩りねぇ……私、その辺を聞く前に来たから知らないけどエダが持ってきたなら額は相当そうだね。
私はウィスキーを飲みながら無関係だと装いつつ聞き耳を立てておく。
エダの話だと人狩りの懸賞金が出されてからマフィアもそうだけどその道の有名な殺し屋達も集まって来ているらしい。
何か知らないけどその内の一人は象撃ち用のライフルなんて馬鹿な物を頼んでるとか。
懸賞金は五万……恐らくドル。
人を動かすならバーツよりもドルの方が良いだろうから。
「で?あんたも参加するのかい?」
「ん?私?」
「他に誰がいるのさ。五万だぜ?しかもドル。惜しいとは思わないか?」
「そんなの私の貯金に比べたらちっぽけなもんよ」
「おいおい、五万ドルをちっぽけっになる程の貯金ってなんだよ……」
エダがそう言って呆れられ、レヴィとロックもマジかって顔をしてる。
まぁ……趣味に使う以外に出費させて無いからなぁ~。
「貯まっちゃうんだから仕方ないよ。それよりも他に何か無いか聞かせてよ」
「なんだ……聞いてるじゃねぇか。まぁ、良いさ。一つあるぜ。今朝の朝早く、ブラン・ストリートのカリビアン・バーが潰された。ホテル・モスクワは臨戦態勢に入ってる。
「へぇ……そうなんだ……」
有力な情報だ。
少なくともその襲撃にはヘンゼルとグレーテルが関わってる筈。
まだ捜査している段階なら詳しい話を聞ける機会だね。
「ありがとう、エダ。一杯だけ奢るよ。はい、バオ。お会計とエダの一杯分」
私はお金を出すとすぐにイエロー・フラッグを後にした。