黒の組織の幹部だけど有名アイドルの双子の姉妹なんです   作:黒っぽいアイドル擬き

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暗黒街の夜

私は襲撃されて潰されたって言うカリビアン・バーまで来ると銃撃でボロボロになった店の前に集まるロアナプラの警官達とバラライカの姐さんがいた。

 

「バラライカの姐さん」

 

「……シンフォニー。どうしたの?此処に貴方が興味を引くような事は無さそうだけど」

 

うわ、スッゴく機嫌が悪い……あぁ、嫌だなぁ……機嫌の悪い姐さんを相手にするのは怖いからなぁ……。

 

「ちょっと私も仕事関係でね。それよりも例の噂だよね?姐さんの兵隊が攻撃されてるって話」

 

「私だけではないみたいだけどね……シンフォニー。貴方、何か掴んでるかしら?」

 

「犯人は二人組。名前……と言うか通り名かな?ヘンゼルとグレーテルって事は確か。一人は銃で、もう一人は大型の刃物を扱ってる……かな?」

 

「こいつは驚いた。俺達が聞き出した話に出た連中の得物と人数が合ってやがる」

 

ロアナプラの署長のワトソップ。

 

彼は警官だけど勿論、普通の警官じゃなくて賄賂を取る悪徳警官。

 

ワトソップだけじゃなくてその下も賄賂を取る警官だらけだから事実上、ロアナプラの治安維持の機関は無いに等しい。

 

そんなワトソップが自ら出てきてるって事は事態を重く見てるのか……人狩りの報酬か。

 

「容姿とか年齢、性別が分からなくて……私の持ってる物を教えたんだから二人も教えてよ。襲撃犯の二人の容姿とか、年齢とか」

 

情報をあげたんだから頂戴ね~なんて感じで言ってみたけど……バラライカの姐さんが怖くて涙出そう……。

 

暫く無言だったけど、バラライカの姐さんが切り出した。

 

「どうやら完全に無関係ってなさそうね……まぁ、良いわ。有力な情報をくれたのは事実。私も応えるしかないわね」

 

「ありがとう!姐さん!」

 

もはや奇跡!。

 

機嫌の悪い姐さんから情報を得れるなんて明日、血の雨でも降るのかな?。

 

いや、振るか……まぁ、それは置いといて……これでヴェロッキオの手駒の情報が手に入る。

 

敵の手札を知る事は敵の手の内を知ると同じ事。

 

相手の揃えている物を知る事で考えを読み、相手の行動を先読みする事が出来る……忌々しい父の残した言葉。

 

本当、無駄に役に立つんだよね……死んでくれて良かったよ。

 

「襲撃犯は貴方の知ってる通り二人。一人は銃で、もう一人は斧だったの」

 

「だが、驚いた事にその襲撃犯の正体は子供だ。しかも男女の双子ときた。ゴスロリって奴か?そんな服を着ていたらしい」

 

ワトソップのその言葉に私は驚いた。

 

男女の双子の子供……まるでアクアとルビーみたいじゃない。

 

いや、別人だって分かってるけどさ……。

 

「双子の兄妹か……」

 

私はどうしてもアクアとルビーを思い浮かべてしまう。

 

ヘンゼルとグレーテルがやらかした話を聞けば聞く程に二人なは救いが無さそうにも聞こえる。

 

ターゲット以外の人間を無駄に殺した結果、店が崩壊するなんて普通の殺し屋の思考じゃない。

 

「言っておくけど奴等は必ず殺す。生かそうだなんて……考えてないわよね?」

 

「……流石に今回はね。私の目的はヘンゼルとグレーテルじゃなしいしね」

 

私はそう言って笑って見せたらワトソップは思い出した様に言う。

 

「お前さんに言い忘れそうになったが白人だが英語圏の人間じゃねぇ。変わった言葉で挨拶したそうだ。ヴナ・セアーラと。そして互いに呼ぶ時にゃこう呼ぶらしい。フラッティ・マイ・ソウル、ソゥラ・マイ・マアレだとかな」

 

「割りと重要な事じゃん!忘れないでよ!」

 

「悪いなぁ。それと嬢ちゃん。これは貸しとしといてくれると助かるぜ」

 

「あぁ……はいはい。貸しにしとくよ」

 

上手い事、貸しにされた……流石はロアナプラの悪徳警官。

 

金の匂いには敏感だけど、組織の経済力や影響力の事を考えれば貸しにしたいのは分かるけど。

 

「シンフォニー」

 

「なに姐さん?」

 

「双子は生かしておけ……奴等に憎悪を込めて殺してやると決めているからな……」

 

私はその言葉にバラライカの姐さんの本気を見た。

 

軍人であり、マフィアの大幹部。

 

その貫禄が嫌でも感じれる

 

「了解。なら、私は私の獲物に集中するとするよ」

 

私はそれだけを言うとその場を後にした。

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____

 

私はロアナプラにある廃墟に身を寄せていた。

 

武器は実は無くしちゃったから適当な人からスッて手に入れたグロック17の調子を見ながら暗殺計画を練りつつ、ワトソップの言っていた変わった言語を思い返す。

 

「ルーマニア語か……確かに変わってる」

 

襲撃犯の双子はルーマニア人だと分かってもやる事は変わらない。

 

ヴェロッキオを始末する……双子が邪魔立てするならそいつらも殺す。

 

思い入れも何も無い双子が何だって言うの?。

 

アクアとルビーじゃないんだから。

 

「……今夜にでも乗り込んでケリを着けようかな」

 

私はそう呟きながらマガジンを込めてスライドを引いた。

 

 

~別視点side~

 

 

その頃、コーサ・ノストラ支部、ヴェロッキオ・ファミリーの事務所では支部のボスであるヴェロッキオは焦りと不安、恐怖を覚えていた。

 

「クソ!クソ!!何だってバレた!!それよりもよりによって何で彼奴なんだ!!あのクソ小娘!!死んだんじゃなかったのかよ!!!」

 

ヴェロッキオはコーサ・ノストラの幹部と言う顔と、組織の幹部、ブランデーと言う顔を持った男だった。

 

数年前に組織の命でコーサ・ノストラに入り込み、組織の力も借りて伸し上がり、コーサ・ノストラの幹部としてロアナプラを任せられるまでに至った。

 

コーサ・ノストラのロアナプラにおける影響力拡大と同時に組織に対してコーサ・ノストラを含めた裏社会情報を収集して渡し、間接的に組織の闇市場への参入を助ける役目を持っていた。

 

しかし、張やバラライカと言った強力な他勢力の幹部が立ちはだかり、ロアナプラの影響力と縄張り拡大に陰りを見せた事でコーサ・ノストラの本部から文字通り吊るされる可能性が出てきた。

 

なら、過剰に且つ、派手にやれば良い……と、言う事にはならず、組織の意向はあくまでも停滞。

 

ロアナプラの勢力均衡を保ち、市場の価値が大きく変わらない様にする事を強く命じられている。

 

どうしろって言うんだよ。

 

それがヴェロッキオの頭に過り、何日にも及ぶ葛藤の末に考え出した答えがヘンゼルとグレーテルを外部から招き入れ、バラライカを暗殺させる事だった。

 

バラライカをコーサ・ノストラの兵を使わずに始末すれば組織はヴェロッキオがやったのは思わないし、コーサ・ノストラの本部からの要求もやり易くなる。

 

ヴェロッキオは名案だったと思った……ヘンゼルとグレーテルのイカれた殺人衝動を知るまでは。

 

「余計な死人をこさえやがって……!チャイの事は良い……勘づかれたから俺が始末しろと言ったんだからな……だが、何時になったらあのクソアマをやるんだよ!!あのクソガキ共は!!おかげで厄介な奴が出てきちまったじゃねぇか!!」

 

ヴェロッキオがシンフォニーが事態解決の為に派遣されたのを知り、絶望した。

 

チャイを始末した事は必ずシンフォニーに知られる……シンフォニーはチャイに恩を感じていたと言う話を聞いた為、ロアナプラに立ち寄れば必ずチャイの元に顔を出す。

 

シンフォニーは組織に仇なす者や自身の抱え込む者に何かあれば死んだ方がマシだと思わせる様な所業をする。

 

シンフォニーが生きている以上、それをヴェロッキオが受ける事になるのだ。

 

「クソォ……こ、こうなったら……おい!誰かいるか!!」

 

「な、何ですかボス……?」

 

「あの双子を俺が言う奴の所に向かわせろ!!必ずだ!!」

 

ヴェロッキオにはもう、後が無い。

 

 

~side終了~

 

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私はロアナプラの暗闇に乗じてヴェロッキオの始末の為に路地裏を歩いていた。

 

「路地裏に人影無しか……何時もなら威勢の良い連中がゴロゴロいるんだけどなぁ……」

 

連続殺人やら襲撃やらで警戒して引っ込んでしまったのか路地裏にすら犯罪の臭いは消えていた。

 

だけど、これは好機。

 

目撃者も無く、ヴェロッキオに近付ける可能性はある。

 

私は足を早めようとした時。

 

「ねぇねぇ、お姉さん」

 

「ん?」

 

女の子の声が後ろから聞こえて振り替えると何とも可愛らしい銀髪の双子の兄妹がいた。

 

服装も同じ……そうか……私は運悪くバラライカの姐さんの獲物に当たったらしい。

 

「お姉さん。シンフォニーって人?」

 

「僕達ね、シンフォニーお姉さんに用事があるんだ」

 

「……私だけど何かな?その物騒な斧と銃で私を殺したいの?」

 

私は双子に微笑みながらそう言うと二人も先程の可愛らしさは何処にやったのか不気味な笑みを浮かべた。

 

差し詰め吸血鬼ね……夜の闇に乗じて人の生き血を吸う怪物……丁度、吸血鬼の本場のルーマニア出身らしいし、丁度良いね。

 

「悪いけどさぁ……他を当たってくれない?貴方達の保護者してるオジさんの所に行かないといけないんだよね。……邪魔するなら殺すよ?」  

 

「まぁ、怖い!でも……お姉さん一人だよね?」

 

「僕達、二人に勝てるの?」

 

「うん、勝てるね。だって……私の方が経験が上だから」  

 

この二人は世界の広さを知らないみたいだね……この二人が思っている以上に強い人間なんて幾らでもいる。

 

きっと、殺しにしか眼中に置かないで生きてきた弊害なんだろうね。

 

仕方ない……。

 

「仕方ないね……特別に相手してあげるから来なさい。相手の実力を見誤った事を後悔させてあげる」

 

私はそう言って借り物のグロック17を抜いた。

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